この前、学生時代の友達から遊びに誘われたことがあったんやけど、断った。理由は単純で、その日が店の営業日だったからである。これがなかなか難しいところというか、お盆や年末年始以外は、基本的に定休日の水曜しか丸一日予定は空いていない。友達が遊びに行こうなんて言う日は基本的に土日の休みなわけで。こっちとしては、むしろその日が一番忙しいのだ。こっちに合わせてもらうのも悪いんで、そういう誘いはだいたい断っている。アホは暇な時期は徹底的に暇なんでその日の朝にでも連絡してやれば来てくれるんだから便利である。
そんな感じで誘いを断ったときに、葵から「私がいるんだから行っておいでよ」なんて言ってくれたことがあった。いや、平日ならまだしも休日を葵一人に任せるなんて、お姉ちゃん心配でしゃーないけど。ほかに安心してお店を任せられる人も心当たりないし、いつかに書いたみたいに、バイトを雇うことをまあまあちゃんと考え始めた方がいいのかもしれない。いや、休日突然シフトが入るだけの前代未聞のバイトになっちゃうけど。もしかしたら、そういうのを専門に引き受けてくれるようなところもあるのかもしれないけど、こちらは高々個人経営の喫茶店である。適当な知り合い、おらんかなあ。アホは心配の種が増えるだけなので論外である。また葵の方にも聞いてみようかな。
お店を始める前、休日はいつがいいかという話になってときに、ウチは「休みたいときに休む」を提案した。理由は単純、かっこいいからである。いや、良くないですか？そんときそんときで休んでたり営業してたりする喫茶店。当然葵に即却下されてしまったわけなんやけど。まあ実際にあの案が通っていようもんならお店としてでかい欠陥が残ってたわけやから、今となっては普通でよかったと思っている。遠くの方からわざわざ来てくれてるお客さんもおるのに、そういう人がいざお店に寄ってみたら休みでした、とかしゃれにならない。
何かそういう、「休みの日ランダム」とか「一見さんお断り」みたいなおしゃれな感じの営業方針って、実際にやっていけるもんなんやろうか。真面目に考えてみれば、ただ売り上げが落ちるだけな気はする。いや、一見さんお断りの方は通いたくなってしまうなあ。お店の一つのウリにできるのかもしれない。逆に休みランダムは嫌やな、厄介すぎるわそんな店。行ってみたら無駄足でしたってことが一回でもあったら、それから二度と行きたくなくなりそうである。こっちは完全にお店側の自己満足に終わりそう。つまり一見さんお断りなら問題なかったということだろうか。聞いたことないな、一見さんお断りの喫茶店。過去に戻れるんなら代わりにそれを提案してみよう。それでお客さんのペースが落ちればウチも安心して葵にお店を任せられるようになるのかもしれない。と思ったけど、もうそれウチお店にいらんくなるやん。ただの自爆やわ絶対やらん。真面目に営業していきましょう。