昨日、商社さんから豆のサンプルが届いた。めちゃめちゃ高い豆で(普段のざっと5倍の値段)私も少し飲ませてもらった、今回はブラックだ。一応こういうときは私も飲んで、妹と意見を交わすことにしている。一口目の印象は「お湯」である。いやまじで、ホントにお湯なのだ。でもめっちゃ美味くて、透明感とか言った方が良いのかもしれないけど、とにかくお湯だ。コーヒーだとわかるし苦味も酸味もコクもあるし美味しいのに、お湯。これには葵も同意してくれた。
多分2週間後くらいにはお店にあると思う、今回は値段が値段やから50gからの販売も予定してるんで、よかったらどうぞ。通販はなしで店頭販売のみの予定です。そういえば、最近は遠方から来られる方も少し増えたので、ご不便をおかけするかもしれない。変わった豆をしょっちゅう仕入れてる店としてたまに話題に上がることがあるそうで、嬉しいかぎりです。
遠方といえばこの前、着物を着た女性のお客さんがいらっしゃった。近所の着付け教室の帰りに着物で来る人はちょいちょいいるので(コーヒーこぼしたらえらいことやのによういらっしゃるなぁと毎回思っている)今更違和感は感じなかった。見ない顔だったので「(教室の)帰りですか?」と聞くと「はい、ひと仕事終えてきまして」と返された。どうも着付け教室の生徒さんではないらしい、その上着物を着てする仕事とは。気になったので即尋ねた。ウチはこの辺のプライバシーとかは気にしないので、踏み込まれたくなかったらウチが興味をもたないような格好で来てください。
すると、仕事といっていいのか分からないけど、このお客さんはイタコをしているとのことだった。イタコ、あの恐山のイタコである。ちなみに私はそれを聞いたとき、恐山はおろかイタコすら知らなかったので、黙って振り返って妹の方を見ると、察してどんなものか教えてくれた。こういうとき無言で顔を向けてきたら助けを求めていることを、葵はよくわかっている。
しかしなるほどというか、着ているものも含めて何となく非日常感のある人だ。それにイタコというのは東北の方のものであるらしいから、わざわざこっちまで仕事で来ていたということだろうか。大変やなぁと思いながら、いつものように着物を汚さないよう注意しながらコーヒーを持っていく。
霊といえばそういや、最近じいちゃんのお墓参りに行ってなかったな、と思い出した。イタコさんの手前なんか妙に後ろめたくなって「ついお墓参りとか忘れちゃうんですよね〜」と声に出す。言ってから、やばいこと口走ったかも、怒られるかもと思ったけど、そのイタコさんは「でも、行かなきゃなとは思ってるんでしょう?」と聞いてきた。それに頷けば「ならいいんですよ、その気持ちさえ忘れなければ。月に1回通っても3年ぶりに行ったとしても、それを失わなければ良いんです」と言われた。
なんだか、よくわからないが救われた気分になった。不思議で、すごい人やなぁと思って目を向けると、コーヒーの熱さに驚いてカップから口を離す姿が映った。猫舌のようだ。コーヒーを飲み終えたあと、イタコさんは豆の銘柄としばらくにらめっこしていたので、持って帰るのがあれでしたら通販もありますよ、と言うと、もうちょっと延長戦をしたのち、2袋買って行った。
また来ると言っていたので、それまでにお墓参りは済ませておこうと思う。