コトノコーヒー 姉の呟き   作:みえふぁ

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オススメできない儀式です

この前塩味だけのシンプルなあられがコーヒーに合ったんやから、塩味のポップコーンでもいけるんやないかと思って試してみた。結果はまあ、うん。味こそコーヒーの邪魔はしないものの、コーン本体が口の中に残るから食感はあんまりよくないって感じ。ほかになんもないようなら砂糖舐めるよりはマシかってぐらいだった。あとせっかく良いコーヒーを炒って淹れてもらって飲んでるのに、そこに安物のポップコーンなんか放り込まれたら雰囲気ぶち壊しである。たとえコーヒーにめっちゃ合うものだったとしても、喫茶店で出されることはないだろう。いやどうやろ、葵なら「コーヒーに合うならいいじゃん」とか言って出しかねないかな。まあもしポップコーンがコーヒーに合う世界なら、ポップコーン側ももうちょっとおしゃれな見た目に加工されるのかもしれない。現実にはあるんやろうか、高級ポップコーン。

 

そうそう、最近気づいたんですけど、前はようやってたけど今はあんまりやらなくなった儀式的なものがありまして。学生の頃バイトに行く前とかに、テンションを無理やり上げるために、友達から借りてた大して興味もないアイドルだかバンドだかのライブの映像とか見ながら一人で騒ぐっていうのがあった。一人でとは書いたけど、それじゃ寂しいんで、その場にいた家族にもウザ絡みを仕掛けるのだ。こういうとき両親はただただ鬱陶しがるだけなんやけど、葵はこっちのテンションに合わせるでもないけど受け入れてくれた。ハイタッチを求めたら真顔で対応してくれる感じ。あの頃はウチが家で変なテンションだと「バイトなの?」と聞かれたりもした。就職して一人暮らしになってからはさすがに虚無感を感じてやめたんですけど。

 

お店始めた頃はもうちょっとやってたと思うんやけど、ここ最近は全然やらんくなった。これから面倒なことがあるってときのためのものなんで、それがなくなったっていうのはまあ、良いことなのだろう。忙しい時期とかにあると、今でもこの儀式やるときはやるんですけどね。また入荷ラッシュがあったらそのときは、「ああ、この人は今朝バカみたいに一人で騒いでたんだなあ」と思っていただいて結構です。ウチも自分でやりながら頭のねじ飛んでんなーっていう実感はあるんで、あんまり他人にはオススメできない。やるなら自己責任でどうぞ。自分のプライドが傷ついたりとか、一緒に住んでる人らから鬱陶しがられても、当店は責任を負いかねます。

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