好き勝手にONE PIECEで過ごします。 作:ガイドライン
「いやーハジメ君が来てくれてから本当に助かるよー」
「だな。それにこの子も凄く優秀だし」
「……なんで、あんた医者やってるんだ?」
半年経ったぐらいだろう。
Dr.ヒルルクの元でお世話になるので少しでもお役にと思いお手伝いに付いていったのだが……この男、本編で知っている以上に酷い。
ただの腹痛なのに薬を飲ませて何故か呼吸困難になり、捻挫だけなのに骨折させるし、死にかけの患者の心臓を止めるなんてこともしやがった。まぁ、なんとか助けましたけど。
と、なんの研究のためにこうして治療しているのか?ということは知っているけど、その為に
「こちらこそこれまで本当にすみません」
「ほ、褒めたって嬉しくねぇーぞコノヤローッ!!!」
ハジメは丁寧にお辞儀をして、チョッパーは言葉としてはキツいが身体や顔はもう嬉しさを表現していた。
こうして町で楽しく交流していたのだが、その隣で凹んでいるのが
「……お前ら……医者かぁッ!!!??」
「医者である貴方がなに言ってるの?」
驚愕した表情でこちらに対して怒っているDr.ヒルルク。
そりゃこの半年間、Dr.ヒルルクの暴走を僕が止めて、その間にDr.くれはにチョッパーの医者としての最低限の医療技術を教えてもらっていた。
もちろんDr.くれはは拒否をした。メスも投げてきた。
でもそんなもの僕には効かないし、これまで貯めていた貯金
口約束だからなー。
これ、すぐに反故にされるかと思ったら今のところまだ続いている。もちろん僕やチョッパーが無理な患者はDr.くれはに回す。そして高額な治療代の大半を僕が支払う。
それだから、なのか?昔に比べてDr.くれはの僕やチョッパーに対しての風当たりが柔らかくなった気がする。
たまにDr.くれはからの指導を受けているチョッパーの所に見に行ったりすると、
お金の切れ目が縁の切れ目。
そういう言葉があるけどこうしてお金で縁が深まることもあるんだなーと思った。
「あのババァめ…余計なことしやがって……」
「チョッパーのお陰で日用品とか研究資金とか稼いでいる件については?」
「チョッパーサマサマダナァァァァッ!!!!!」
「目がイッたままコッチ見るなッッッ!!!!!」
目から血が吹き出るんじゃないかと思うぐらい目を見開いて嫉妬を我慢、我慢しながらお礼をいうDr.ヒルルクはもう怖すぎる。チョッパーも驚いてすぐに僕の後ろに隠れた。
「そう思うなら一緒に学んだらどうですか?」
「誰があんなババァに教わるかッ!!!」
「どうしてそう毛嫌いしますかね…まぁ、向こうもですけど…」
「ウマが合わないんだよ。昔からな。
だからハジメもいちいち引き合わせようとしなくても……」
「なら、今日ご飯にお呼ばれしましたけどいかないんですね」
「行くに決まってるだろう!」
……………………………
「プライドってもんがないのかアンタは……」
「それで腹が一杯になるならなッ!!」
これもいつもの光景。
Dr.くれはから夕飯のお呼ばれして三回ぐらいしてからDr.ヒルルクが「家主の俺も食わせろッ!!」とよく分からないことを言ってDr.くれはの家に襲撃をかましてきたことがあった。もちろんDr.くれはは撃退するけどこれこそゴキブリ並みの生命力というのか、何度もやられても夕飯を食べようとするDr.ヒルルクに根負けして"ネコまんま"を外に放り投げたのが始まりだった。
それから徐々に料理がマトモになり今では家で食べるようになった。それでもまだ同じテーブルではなく簡易テーブルで食べている。
ちなみに今日はクリームシチューと柔らかいパンである。
これをDr.くれはが作っているんだからなーなんか感動するよなー
「チョッパーが多少なりとも
「毎回毎回うるせぇな。こっちはやることがあるんだよ」
「あんな訳の分からない研究にこの子らを巻き込むんじゃないよッ!!!!!」
「だったらてめえが引き取れッ!!!!!」
そしてこれもお決まり。
毎回毎回、こうしてDr.ヒルルクの更正と僕とチョッパーの世話の押し付け合いをしているのだ。
まぁ、僕としてはチョッパーだけでもDr.ヒルルクにお願いしたいのだけど……
このままいくとそのうちDr.ヒルルクは死ぬ。
"奇跡の桜"を見て延命したとはいえ、もうすでにその時間もなくなっているのだ。
だからDr.ヒルルクは焦っていた。
この研究を早く完成させることを。そしてチョッパーや僕にこれ以上感情移入しないようにと。
残されたものの悲しみを知っているから、残された時間が短いから、こうして少しでも嫌われようとしているのだろう。……まぁ、素で怒っていることもあるんだろうけど。
ここで問題なのが、Dr.ヒルルクの死を速めたのがこの国の王であること。
そしてその王がそろそろ何かをやらかそうとしていること。
本編で違うのはすでにイッシー20が町の人達の治療をしていないこと。イッシー20が全員病気でどうにもならないと。これを知ったDr.ヒルルクがお城に向かうとそこには元気な姿を見せるイッシー20。これはDr.ヒルルクをおびき寄せるための策。目障りというだけでDr.ヒルルクを消そうとしていたのだ。しかしそれをすでに悟っていたDr.ヒルルクはそこで……
(…だけど、すでにDr.くれはとDr.ヒルルクがこの国の治療を一手に引き受けていた。今じゃチョッパーも戦略となっているし……さて、どう出るか……)
美味しいシチューを楽しみながら考えているとフッと全員がこちらを見ているのことに気づいた。
「えーと…なに?」
「なんかとんでもないことを考えてるね小僧」
「うん。悪い顔してた」
「こっち飛び火するなよなー」
まだ半年なのに、なにこの僕に対しての一体感は?
…………………………
「どうなってるんだッ!!あのカバはッ!!!??」
「どうやら最近新しく弟子を取ったようで…」
「それも"喋るトナカイ"だそうです」
「喋るトナカイだぁッ!!!??」
ドラム王国、山頂にある城の奥の王室。
そこには深々と王座に座るワポル。そして側近のチェスとクロマリーモが立っていた。
そしてその更に後ろには自分の感情を押さえているドルトルがいた。
「さらに優男のような者を見た情報も……」
「これではイッシー20を取り上げた意味がないだろうがッ!!」
「それも少しずつ対応しているとか…」
ハジメが考えていた通り思いどおりにいかない二人をどうにかするために嫌がらせでイッシー20を一切医療させないようにした。これでこの城に来るだろうと思ったのだが…Dr.くれはは元々この作戦に気づいているようで、Dr.ヒルルクは止まった医療に自分が対応しようと奮闘していた。悉く失敗しているが……
そしてここにきて弟子や客人が現れて完全に計画が失敗した。
しかし、それで終わるワポルではない。
「なら、簡単だな。
「なるほどですね」
「流石ワポル様!」
その言葉に後ろにいたドルトンは信じられないと驚きの表情をしていた。ただ従わないだけで、気にくわないだけでここまでするかと……
(これが…一国の王が…やることか……ッ!!)
(って、ほとんどやること変わらんのかい)
というのを
一時停止を使い自身の存在を消して観察していたのだ。
そしてハジメが考えていた通りに目標を変えた。
それがチョッパーになるのも想像していた。
でもこのままだとDr.ヒルルクのような遠回りなことはせずに直接的にくる可能性がある。
ということは、
(あれ?もしかしてここでワポル、吹き飛ばしても良くねぇ?)
そう、よく考えたらルフィと会うまで待つ必要がない。
だってすでにチョッパーはDr.くれはの弟子。
Dr.ヒルルクもチョッパーのお陰で研究が進んでいる傾向にある。本人は否定しているようだけど。
つまり、チョッパーに必要な"医者"というカテゴリーは出来始めている。あとはルフィ達の船に乗せる、仲間になってもらうようにするのはこれからの時間でも十分ある。
なら、ここにいるワポル、要らなくない?
(……………よし、ぶっ飛ばそう!)
ワポルをルフィが吹き飛ばすところ。かなり見たかったけど。
自分で吹き飛ばすってのもオツかな。