好き勝手にONE PIECEで過ごします。   作:ガイドライン

138 / 268
とある医者の偉業⑥

「で、なんでこんなことになってるんだ?」

 

どういうわけか今は城の外。

いや、"どういうわけか"というのはおかしいな。

これにはちゃんと明確な理由がある。

そしてウソップ達が見ているのはルフィに対峙しているチョッパーの姿。

 

「ナミが余計な事をいったからだろう」

「うっさいわね。女の子のわがまま一つぐらいいけないの」

「あれはわがままじゃなくて欲望だろうが」

「なんですって?」

「なんでもありませんッ!!」

「ウソップさん……」

「そんな我が儘なナミさんも素敵だああッ!!」

 

ガヤガヤと騒いでいる中でもルフィとチョッパーはまだ動かない。そしてそんな二人の間にはハジメが立っており

 

「一本勝負。

ルフィはギア2使用不可。勝利条件は5分間チョッパーの攻撃を避けること。攻撃はあり。

チョッパーは一撃でいいからルフィに当てること。ダメだった場合は船(・)に(・)は(・)乗(・)せ(・)ら(・)れ(・)な(・)い(・)。いいね?」

 

「おう!やってやるッ!!」

 

「ルフィ。手加減してもバレるからちゃんとするように」

「もちろんだッ!!!」

 

さて、どうしてこうなったのか?

話は30分前に戻ることになる。

 

…………………………

 

「ったく、何を言い出してるんだい小娘」

 

酒ビンを持った手で指差すDr.くれは。

 

「そいつはやれないよ。どこの海賊とも知れない奴らに渡すほど私(・)の(・)助(・)手(・)は(・)安(・)く(・)な(・)い(・)よ(・)」

 

「……………医者なのッ!!?」

「いままで何を見てきたんだよお前はッ!!?」

 

ナミの中では"カワイイ、シャベル、トナカイ"しか見えていなかった為に、目の前でやっていた医療行動さえもカ(・)ワ(・)イ(・)イ(・)動(・)き(・)としか見えていなかったのだ。

 

「医者が欲しいなら町(・)に(・)い(・)る(・)イ(・)ッ(・)シ(・)ー(・)2(・)0(・)か(・)ら(・)で(・)も(・)選(・)ぶ(・)ん(・)だ(・)ね(・)。

丁度今から会合でここに集まるからね、選び放題だよ」

 

「イヤッ!!このカワイイのがいいのッ!!?」

「子供かよッ!!?」

 

さっきから抵抗しながらツッコミを入れるチョッパー。

しかししっかりとホールドしているナミの腕の中から出ることは出来ずにいる。

 

「というか、ビビは何処にいるんだ?」

「ルフィ……今頃気づいたのかよ……」

 

「ビビちゃんはドルトンさんと話したいことあるって麓の町にいるのよ」

 

「……いや、いまこ(・)こ(・)に(・)来(・)て(・)い(・)る(・)み(・)た(・)い(・)だ(・)ぞ(・)」

 

するとチョッパーの鼻がヒクッと動くとそんなことを言い出した。チョッパーの鼻は遠くの匂いをかぎ分ける。

城にいるチョッパーの地点からドルトンがリフトから降りたところまで距離があるのにも関わらず。

 

「どうやら会合の時間みたいだね」

「ちょっ、ちょっとッ!!!」

 

「しつこいよ小娘。

第一、チョッパーはまだ行くとは言ってないんだ。勝手に連れていこうとするなら世(・)界(・)の(・)果(・)て(・)で(・)も(・)追(・)い(・)か(・)け(・)て(・)私(・)が(・)あ(・)ん(・)た(・)を(・)殺(・)す(・)よ(・)」

 

そういってドアを思いっきり閉めて出ていったDr.くれは。

すこし気まずい雰囲気の中、そのチョッパーから

 

「……うん?ドルトン以外に知らない匂いがあるな…

なんかお(・)前(・)ら(・)と(・)似(・)た(・)匂(・)い(・)が(・)す(・)る(・)ぞ(・)」

 

…………………………

 

「ノジコさん、ベルメールさんッ!!もう大丈夫なんですか!!?」

「もう大丈夫よ。ごめんなさいね。こんな時に…」

 

「いいえ。ここにきたお陰で詳(・)し(・)い(・)情(・)報(・)も(・)手(・)に(・)入(・)り(・)ま(・)し(・)た(・)の(・)で(・)」

「そうか。ドルトンさんは現王様だったわね」

 

チョッパーが言っていた匂いはビビのもの。

ずっと一緒にルフィ達いたために似た匂いがついたのだろう。

そしてそんなビビはドルトンに今のアラバスタの状況を聞いていたのだ。

 

現国王。ドルトンも初めは嫌がってはいたが適任者だとDr.くれはやDr.ヒルルクから推薦されて国王となった。

 

しかしそんな国王は常に町の人達と交流を深めて、家も山の麓の家であるために、"国王"という感じには見えなかった。

それでも国王であるドルトンはビビが欲しかった情報を持っていたのだった。

 

「「「「反乱軍と国王軍が今にも戦争を起こしそうッ!!!!??」」」」

 

「…まだ、猶予はあると思ってました……

……だけど、国王軍が……一般人に…手を……」

 

「おいおいッ!!待てよ!!!そんなことってッ!!!」

 

「私も信じたくありませんッ!!!

ですが現に激突する寸前なんです……ちょっとした"キッカケ"が生まれれば…もう、止められない………ッ!!!」

 

ドルトンから聞いた話はビビにとって最悪だった。

この情報はドルトンの個人的な情報源、それは昔海(・)軍(・)に(・)所(・)属(・)し(・)て(・)い(・)た(・)者(・)か(・)ら(・)繋(・)い(・)で(・)も(・)ら(・)っ(・)た(・)情(・)報(・)屋(・)。

 

情報は武器。

その伝がなかったドルトンにとってはありがたい申し出。

そして今回その情報はビビにとっても助けとなった。

最悪。でもまだ終わりではない。

 

いますぐにでもアラバスタに向かわないといけない。

誰もがそう考えていると

 

「言っておくけどそこの小娘二人はまだここにいてもらうよ」

「ど、どうしてッ!!?」

 

「あんな病気を持っておいてもう完治したと思っているのかい?あと一週間はここにいてもらうよ」

 

「そんな悠長なことはッ!!?」

 

ブスッ!!

ノジコの足元に"メス"が刺さった。

それはDr.くれはが投げたメスであり、そしてその手にはまだ他のメスが握られている。

 

「いいかい。ここを出ていくときは完治するか死(・)ん(・)だ(・)と(・)き(・)だ(・)け(・)だ(・)よ(・)」

 

「そ、そんなッ!!?」

 

それでは間に合わないッ!!!

しかしDr.くれははそれを許してはくれない。

どうすればいいのか…と、その時、ノジコとベルメールの前に立ったのは

 

「……どういうつもりだいチ(・)ョ(・)ッ(・)パ(・)ー(・)??」

 

仲間にいれるか、いれないのか。

そんなことを言われてもハッキリと口出ししなかったチョッパーがDr.くれはの前に立った。

 

「……なら、俺がいけば問題ないはずだ」

「そいつらに情でも移ったのかい?やめな。身を滅ぼすだけだよ」

 

「ハジメはッ!!!俺(・)の(・)兄(・)弟(・)み(・)た(・)い(・)な(・)も(・)ん(・)な(・)ん(・)だ(・)ッ(・)!!!!!」

 

突然の大声に誰もが、いや、大声ではなくその言葉に驚く。

 

「そんなハジメが…ずっと前から言っていた海賊なんだ……

……ドクターが、最後に言っていたの覚えてるドクトリーヌ……『お前がやりたいことをやれ』って……きっとこの事なんだと思うんだ……だからッ!!!!!」

 

「ふざけんじゃないよッ!!!!!」

 

感情が爆発したように大声を上げたDr.くれはにビクッと震えるチョッパー。

 

「いまのいままでお世話してやったのは誰だい?

あのジジィを長生きしてやったのは誰だい?

お前は、そんな恩人に逆らってのかいッ!!?」

 

「か、感謝してるッ!!!こんな俺を"医者"にしてくれたんだッ!!

でも俺は…今度はハジメの夢を、一緒に追いかけてみたいんだッ!!!!!」

 

「バカなことを言ってるんじゃないよッ!!!!!

海賊?あんたがあんな荒くれ共と渡り合うってのかいッ!!?

笑わせるんじゃないよッ!!!医者は何処までいっても医者なのさッ!!!!!」

 

「でも俺は"男"だッ!!!!!」

 

ハッキリと、Dr.くれはの目を見ながら続けて

 

「"男"なんだよドクトリーヌッ!!!

俺はこうして医者になったんだッ!!!それは俺を"医者"に"男"にしてくれたドクターやドクトリーヌのお陰なんだッ!!!だから俺はそれを貫くために、ハジメの夢を、兄弟の夢を叶えたいんだッ!!!!!」

 

ハジメの夢。

それはルフィを"海賊王"にすること。

それをチョッパーが支えると言ってきた。

でもそれは医者だけではなく戦闘ということにもなる。

 

「……言ったねチョッパー……

そこまで言いきったんだ。生半可な覚悟なら今すぐ捨てな!」

 

「俺はやるんだッ!!!」

 

「いいだろう。でも条件ある!!」

 

するとDr.くれははルフィの方を指差して

 

「その海賊の船長に勝ってみせな。

それだけの実力がないと分かったらあんたは一生ここにいるんだよッ!!!」

 

………………………

 

ということがあり、全快ではないルフィのことを考えギア2使用禁止。チョッパーへの攻撃はいいがあくまでも避けることに専念。そしてチョッパーも一撃を五分以内に決めるという条件となったのだ。

 

うまくいけばルフィに一撃を入れれるかもしれない。

しかし本編と違いすでにルフィの実力は上をいっている。

つまりはハジメと分かれた後、チョッパーがハジメと再開するまでにどれだけ実力を身につけたかが勝負を分ける。

 

ハジメもいまのチョッパーの実力を知らない。

本編ではここでワポルと対決するがすでにその元凶はいないのだ。

ここで初めてチョッパーの実力が見られる。

そしてチョッパーが仲間になるかの運命もここで決まる。

 

たったの五分。たったの一撃。

しかしそれはこの先のストーリーを大きく変えかねない重大な出来事となる。

 

「それでは…いいね?」

 

それでも公平にしないといけない。

チョッパーが見せた覚悟を、見届けないといけない。

 

「……はじめッ!!!!!」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。