好き勝手にONE PIECEで過ごします。   作:ガイドライン

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狙撃の実力

「いいか…見てろよ……」

 

「…ゴクリ……」

 

「………はっ!!」

 

「す、すんげえええええぇ!!!」

 

 

 

シロップ村を出て、航海二日目。

のんびりと航海をしている中、ウソップは自慢のマジックをルフィに見せていた。

今回は冷蔵庫から持ってきたリンゴを肉に変えるマジック。リンゴに布を被せて瞬間に剥ぎ取るとそこには美味しそうな骨付き肉があった。

 

ビックリしたのと本能的に肉を手に取ったのはほとんど同じタイミング。そして一秒も経たずにその肉はルフィの口の中に入っていた。

 

 

「いや、早えよッ!!」

「ふぁにが?(何が?)」

 

 

なんかもうマジックがあったことさえ忘れているんじゃないかと思うぐらいムシャムシャと食べるルフィ。

そんな姿をみてクスクス笑いながらカヤはウソップに聞きたかったことを聞いてみることに。

 

 

「でもウソップさん。いつの間にマジックを??」

「ううーん……10年前ぐらいか……」

 

 

それは丁度ハジメが消えた時と同じ。

 

 

「突然手紙が届いてよ。

初めは手紙の内容はサッパリ分からなくてよ。それでもこの"マジック"だけは興味があってな。

それから独学で練習してたんだよ」

 

「でもそれならなんで…教えてくれなかったんですか?」

 

「いや…マジックの完成度……納得いかなくてな…

……それにこれが戦闘に使えるなんて考えたこともなかったし……あの時ハジメという名前がなかったら今も俺のマジックは趣味で終わってたかもな」

 

 

その言葉に嘘はない。

男の意地というのか、満足のいくマジックが出来るまでと考えていたウソップ。しかしそれはもう"マジック"の域を越えている。

 

 

「で、でも…()()()()()()()なんてマジック…もう趣味じゃないですよそれ……」

 

「そうか?宙に浮くマジックなんてあるから、それただ続けているだけなんだがな~」

 

 

そんな事を言っているがマジックでは説明がつかないのだ。昨日からずっとウソップの横を"鉛玉"が浮かんでいるのだから。

 

 

「それにこうして近くにあればすぐに対応出来るだろう。流石に"火薬星"は湿気ったらダメだからな~」

 

「他にも玉はあるのか?」

 

「あるぞ!煙星や卵星やタバスコ星や……」

 

「マトモなものがないわね」

 

 

グサリというロビンに凹むウソップ、すぐにカヤが慰めに向かった。「……う、うぉ……」と項垂れている所を見てもロビンは表情一つ変えない。

 

 

「戦力としてもう少し使えそうなものを作りなさい。

マジックは撹乱や使い方では戦力にも使えそうね」

 

「そ、そんなことぐらい…分かってるよ」

 

「そう。あとはその狙撃の腕を見てみたいわ」

 

 

そういってロビンは辺りを見渡すと海に漂う空き瓶を見つけた。

 

 

「あれを当ててみなさい」

 

「遠ーいなー」

 

「いいぜ。見てろよ」

 

 

バックからパチンコを取り出して、額から目元にゴーグルをつけて空中に漂う鉛玉を掴んでセットする。

ゴムを引っ張り海に漂う空き瓶を狙う。

 

船から空き瓶まで500m以上。

そして波によって浮き沈みする空き瓶を当てる。

それは普通なら当てることなど出来ない。

 

しかし

 

 

「っ!!!」

 

 

狙いが定まったウソップは伸びきったゴムを放すとセットされた鉛玉が空き瓶に向かって飛んでいく。

そして波の浮き沈みを読みきったウソップは見事にその空き瓶を撃ち抜いた。

 

 

「オラッ!!」

「すっげぇー!!!」

 

「スゴい…ウソップさん…」

「へぇ…ならこれならどうかしら?」

 

 

すると割れた空き瓶の破片の一つからロビンの手が生えて、飛び散った破片をその手から更に生えた手が全てつかみ取った。

 

そしてその破片を、こちらに向けて投げたのだ。

 

 

「これを撃ち落としなさい。

欠片一つでも落としてメリー号を傷つけたなら…その分自分の身に刻むから」

 

「こえぇよッ!!

……あぁーもうー!!やってやるッ!!!!」

 

 

バックをあさり、大きな黒い玉を手に取りパチンコにセットしたウソップは空から落ちてくる空き瓶の破片に目掛けて

 

 

「必殺!"散弾鉛星"!!!」

 

 

飛び出した黒い玉は空き瓶の欠片に当たる前に破裂。

そのあと飛び出した複数の鉛玉が欠片を撃ち抜く。

しかし、撃ち抜いただけで破片は細かくなっただけ。

このままだとメリー号が傷つき、ウソップの身も傷つく。

 

しかしウソップに焦りはない。

すでにパチンコにセットした物を打ち出した。

 

 

「必殺!"トリアミモチ星"!!!」

 

 

打ち出した白い玉は途中で破裂。

すると網目のような白いモチが飛び出して散った空き瓶の破片を全て取った。

そしてそのモチはグルッと丸まり海に落ちた。

 

 

「どうよッ!!」

「狙撃手兼マジシャン。面白い人材ね」

 

 

納得したのかそれ以上追及しなかった。

ルフィは興奮してウソップに抱きつき、カヤは隣で一緒に喜んでいる。

 

 

「すっげぇーな!!!」

「本当にスゴいですよウソップさん!!」

 

「そ、そうか~」

 

 

褒め慣れてないウソップ。

そこで調子に乗ったウソップは

 

 

「おーし!!!次はこの大砲であの岩を撃ち抜いてやるぜッ!!!!」

 

 

すぐさま大砲の口を離れた岩に、海のど真ん中にある小島とは言えないただの岩に向けた。

導火線に火をつけて発射する。

飛び出した砲弾は見事に岩を撃ち抜く。

 

 

「おおおおッ!!!」

「へへへ。狙撃は俺に…任せとけッ!!!!」

 

「カッケェェェェ!!!!!」

「アハハハハ……」

 

 

ちょっとはしゃぎ過ぎているウソップに苦笑いするカヤ。

ルフィはもうおおはしゃぎしてしまい止められない。

そんなことを船の舵を取りながら見ていたノジコ。

 

 

「………面白い…奴等ね……」

 

 

どこか、一線引いているノジコとナミ。

何かを隠している、それは誰もが気づいていた。

ルフィは分からないが明らかな態度で分かっている。

それでもここに居続けるということに対して誰も何も言わなかった。

 

あの時言った親であるベルメールさんの結婚資金の調達の話。あれに嘘はなかった。あんないい笑顔が演技なんて思えなかった。

でも、それでも、その関係で何があった。

それも確かだと思っているためロビンが動いた。

そのロビンも何も動かない。

 

そこまでのことを気づいているのはヘルメッポとくいなだけだった。

 

 

「ふざけやがってクソ海賊があッ!!」

 

 

突然の叫び声にノジコはハッとその声の方向へ視線を向ける。

すると水浸しの男が船に乗り込んできて刀を手に取り襲いかかろうとしている。

 

 

「ちょっ、ちょっと待ってよ!!!俺達が何したんだよッ!!」

 

「砲撃を喰らわせておいてなに言ってやがるッ!!」

 

「砲撃??…………あっ」

 

「テメエらのせいで……ヨサクがあああぁぁぁッ!!!」

 

 

そんなことを言いながらまずウソップに斬りかかろうとする男。「ちょっ、ちょっと待てッ!!!」慌てるウソップに逃げる術がない。そんな姿にカヤがウソップの名を叫ぶ。

 

斬られると思ったがその瞬間

 

 

「…な~んてな!!」

 

 

すると突然ウソップの体が浮き上がり、バックから「5t」と刻まれたハンマーが飛び出してウソップはそのハンマーの柄に腰かけた。

 

 

「う、浮いたあああぁぁぁッ!!!??」

 

「す、すんげえええええぇ~~ッッ!!」

 

 

男が驚き、ルフィは目を輝かせる。

カヤもその姿に驚いているが斬られずにすんでホッともしている。

 

そしてウソップはそのままカヤの前まで来て

 

 

「ほら、カヤも乗れ」

 

「い、いいの?」

 

「こういうのは船長の仕事だろう?

援護はするが前線は戦闘員に任せねぇとな」

 

 

するとハンマーの柄が伸びてカヤが乗れるスペースが出来た。恐る恐る柄に乗るとフワッと浮き上がり男の届かない高さまで上がった。

 

 

「ルフィ!そいつは任せたッ!!

俺達はヘルメッポの所に連絡してくる!」

 

「おうッ!!任せろ!」

 

 

そういって飛んでいくが、向こうにはロビン(分身)がいるのだ。すでにこの情報は知れ渡っている。しかしルフィがそこまで考えているわけでもなく満々とウソップとカヤの逃げに手を貸したのだった。

 

それでロビンはウソップ達にどうこうしないが

 

 

(………信じすぎるのも、困り者ね……)

 

 

と、密かにルフィの再教育をし直そうかと頬に手をあてて真剣に考えているロビンであった。

 

で、ルフィと乗り込んできた男の勝負だが

 

 

「……が、がみびどえ……」

「よぇーなー」

 

 

パンチ一つでノックアウト。試合終了となった。

 

 

 

…………………………

 

 

「……何やってるんだお前ら…」

 

「「ゾロのアニキッ!!!」」

 

 

その後ウソップが撃ち抜いた岩にこの二人、ヨサクとジョニーがいて、ヨサクが謎の病気にかかり休ませていたところを砲弾が飛んできたという。

 

で、怒り心頭のジョニーが単身乗り込んできたのだが見事に返り討ち。

 

事情を聞いたロビンがヨサクを船まで連れてくるとジョニーの病気は壊血病(かいけつびょう)とカヤが診断してライムなどの絞り汁を飲ませたところ……回復した!!と叫んだ。

 

もちろんそんな訳がなくカヤは休むようにいったが全然いうことを聞かないと悩んでいたところ、軍艦のほうにも二人の情報が伝わりゾロが知り合いかもということで合流したのだが

 

 

「どうしてアニキが海軍に!!?

というかこの状況はなんなんですか!!?」

 

「海軍と海賊が同じ所にいて何もないなんておかしすぎますよッ!!」

 

「っせえなー。こっちにも事情があるんだよ」

 

 

海軍が近づいたのに戦闘も何もなく、むしろ軍艦のトップと思われる人物とこの船の船長が言い合いをしているが兄弟喧嘩しかみえないため戸惑っているというところだ。

 

 

「ほん、とーうに!厄介事を増やすなッ!!」

「んなこといってもよ。海賊だから無理じゃねえかよ」

 

『間違いない』

 

「うるせぇッ!!!こっちはゆっくりしたかったんだよッ!!!」

 

 

ゆっくりしたかった。というか何もかも忘れてのんびりしたかったの間違いである。色んなことが立て続けで起きてもうやってられないと匙を投げようと部屋に閉じ籠っていたのだが、まぁ結局、ロビンの前ではそんなもの無意味だと改めて知らされた。

 

 

「しかし、そんな病気があったんだなー」

 

「普通はキチンとした食事をとればかかることのない病気なんですが、船の上ではその食事さえもマトモに取れないことがあります。しっかりとした栄養バランスの取れた食事を取ることは必要なんです」

 

「カヤってすげぇーな!!!そんなことも知ってるのか?」

 

「医者を目指すなら、といいますか…船に乗るなら知っておく必要のある知識なのですが……」

 

 

そんなことを言いながら周りを見渡すが、海賊の方はノジコとナミだけが知っており、海軍はゾロ以外知っているようだった。

 

つまりルフィ海賊団に必要なのは

 

 

「ルフィさん。コックさんを探した方がいいですよ」

 

「うまい飯食い放題になるのか?」

「食事代が(かさ)みますので、ダメです」

 

 

しっかりとしたツッコミだ。それに最高の笑顔で。

あまりにも的確というか、しっかりとハッキリと言われた為かルフィは「う、うぉ…」としか、いや、返す言葉をなくしてしまった。

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