好き勝手にONE PIECEで過ごします。   作:ガイドライン

80 / 268
二人の過去②

「ちょっと何するのよッ!!!」

「ナミを離しなさいッ!!!」

 

 

抵抗する二人。しかし子供が大人に力で勝てるわけがなくあっさりと捕まってしまった。

それは海賊ではなく、「正義」をかかげる海軍に。

ナミ達は強制的に軍艦に乗せられ甲板に叩きつけられた。

 

 

「あんたら…それが海軍のやり方なのッ!!!」

「こんなの許されるわけがないッ!!!」

 

 

そう、海軍が民間人を理由も捕まえるなんてあり得ない。そんなことをしたらその海兵が捕まるだろう。

しかしその海軍、第16支部の指揮官である"ネズミ大佐"は違っていた。

 

 

「許されない??チィチチチッ。何故許されない?」

 

「私はこの東の海の"総指揮官"」

 

「そんな指揮官に対して何が許されないと?」

 

 

そういいながらナミの腹部を蹴りあげるネズミ。

カハッ!!と口から空気がなくなり過呼吸のようになるナミにノジコは駆け寄ろうとするが

 

 

「勝手な行動を、するなッ!!!」

 

 

と、今度はノジコの腹部を蹴りあげる。

二人とも苦しくもがくその姿にニヤリとするネズミ。

 

 

「私はただ反抗期な民間人に教育しているだけ」

 

「それだけで捕まるわけがない」

 

「そしてお前らは教育の一環として」

 

「この私の元で働いてもらう」

 

 

その言葉に耳を疑う二人。

そんな強制的にするなんてあり得ないと。

 

 

「そ、そんなの…そんなの!ハジメお兄さんが許さないッ!!!!」

 

「ハジメ?…あぁ、あの大将ハジメか?

確かにこの近くの村ではハジメを待ちあげていたなー」

 

 

そうハジメがいる。こんなことして許されるわけが

 

 

「でもいいのか?そんなことしたらコ(・)コ(・)ヤ(・)シ(・)村(・)が(・)滅(・)び(・)る(・)ぞ(・)」

 

「「なっ!!?」」

 

 

まさかの脅迫に言葉が出ない二人。

その表情を見てニヤニヤするネズミはさらに言葉を続ける。

 

 

「確かに大将ハジメに告げ口されたら終わりだろう。

あの男は、一度決めたら徹底的にするやつだからな。

しかしそれでも大将ハジメがこちらにつく間にあの村ぐらい簡単に消せる」

 

「…な、何を…いって……」

 

「信じられないか?

いくら海軍でも村を消すなんて?

確かにやってしまったらもう俺様は終わるな。

だが、俺(・)様(・)じ(・)ゃ(・)な(・)か(・)っ(・)た(・)ら(・)ど(・)う(・)す(・)る(・)?(・)?(・)」

 

 

そういうとタイミングよく扉が開き船内から誰かが出てこようとしていた。

 

 

「シャーハハハハ!!!

本当によくそんなことが思い付く。やはり人(・)間(・)としては勿体ないな」

 

 

その言葉の意味が分からなかった。

分からなかったがその姿を見たときに理解した。

聞いたことがある。この世の中には人(・)間(・)以外の言葉を話せるものがいると。

 

そしてそれは人間よりも優れていると。

 

 

「き、魚人ッ!!?」

「な、なんで海軍とッ!!?」

 

「珍しいか俺が。てめぇらのような下(・)等(・)生(・)物(・)と一緒にいるのが」

 

 

明らかに人ではない。

手にはエラがあり皮膚も違う。一番の特徴は顔でありノコギリのような鼻をしている魚人。

 

 

「彼はアーロン君といってね。ノコギリザメの魚人だそうだ」

 

 

そしてアーロンの後ろからも続々と魚人が現れ、その多さにナミもノジコも顔が青ざめていく。

そこにアーロンがナミの目の前にたち

 

 

「さて取引だ。俺達の手足となれ」

「な、なんであんた達にッ!!!!」

 

「ならなきゃあの村は消えるぜ。

こっちはそれでも構わねえ。久(・)々(・)に(・)大(・)暴(・)れ(・)し(・)た(・)い(・)か(・)ら(・)な(・)!(・)」

 

 

その言葉に魚人達がが「うおおおおおっ!!」と叫びだした。それを聞いたナミは本気だと悟った。そしてこのままだと本当にココヤシ村が滅びると……

 

 

「……なれば、助けてくれるの?」

「ナミッッ!!!!」

「あぁ。大人しくいうことを聞くならな」

 

 

悔しくて悔しくて、唇から血が出るほど我慢して出した答え。でもいま立ち向かってもダメだ。きっとハジメが来てくれると、そうハジメが来てくれたら……

 

 

「さててめえには…」

「やめてッ!!!ノジコは関係ないでしょう!!!」

 

「ダメだ。こいつはお前より盗みの才能がある。金はいくらあっても困らねぇからな。片一方が裏切れば片一方を殺す。いいな?」

 

 

最悪だ。ナミは航海士として、ノジコは泥棒としてアーロンに使われることになってしまった。

 

 

「きゃああああああああッッ!!!」

「ナミッ!!!!やめてッ!!!!」

 

「次はお前だ」

 

 

そしてその日。ナミの左肩に、ノジコは右肩にアーロンの海賊旗を焼き付けられた。それはアーロン海賊団の一味になったという証拠。そして

 

 

「言っておくがてめえらは"仲間"じゃねえ。

それは魚人がつければ仲間だが、人間がつければ"奴隷"だ」

 

 

…………………………………

 

 

「奴隷だとッ!!!ふざけんなッッ!!!!!」

 

 

ロビンの読み聞かせの途中でハジメがキレて小舟の縁に自分の手を叩きつけた。もちろん一時停止で痛くないがその心は大きな切り傷が刻まれた気分だった。

 

 

「あの野郎…人間が嫌いでもやってはいけないことをしやがって……タイガーさんがどんな目にあったか忘れたのかッ!!!??」

 

 

アーロンが人間嫌いだってことは知っていた。

それでもタイガーが入れば変わってくれると思いなにもしなかったのだ。

 

それがまさか人間に自分の海賊旗を焼き付け奴隷にするなんて、そんなことをするということは

 

 

「世(・)界(・)貴(・)族(・)の(・)真(・)似(・)事(・)か(・)あ(・)ッ(・)!(・)!(・)!(・)ふ(・)ざ(・)け(・)ん(・)な(・)ッ(・)!(・)!(・)!(・)!(・)」

 

 

初めてみるハジメの激怒に誰もが驚いていた。

どんなことをしても、何をしていても、ここまでの怒りを見たことがない。

 

しかしそこは妹というところ。

そっとハジメに寄り添い叩きつけたその手を握る。

 

 

「落ち着いてお兄ちゃん。いまは二人の状況を知らないといけないわ」

 

「………悪かった。続きを頼むよ」

 

 

ロビンの言葉に多少なりとも落ち着きをみせたハジメ。

そして続きを始めるロビン。しかしそれは更なる地獄を知ることになる。

 

 

…………………………

 

 

「あの船に潜入して沈めてこい」

「そ、そんな!!出来るわけない!!!」

 

 

口答えしたナミをアーロンが頬を撫(・)で(・)る(・)。

しかしナミとってはそれだけで激痛が走る。アーロンの鮫肌がナミの皮膚を削っていくのだ。

 

とっさに離れたが頬からは血が流れていて激痛。

さらにアーロンは近くにあった紅茶を掌にこぼし、それをナミに目掛けて投げた。

 

するとそれはまるで弾丸のようなスピードで飛び

 

 

「きゃああああッ!!!」

 

 

ナミの横を通りすぎ壁に穴を開けた。

ただ紅茶を投げただけ。これが人間と魚人との差。

 

 

「次は当てる。沈めてこい」

「…出来ない……」

 

「出来ないじゃない。やらないだけだ

分かっているはずだ。てめえの航海術で船を難破させて沈めることが出来るってな」

 

「ッ!!!!」

 

 

そう、確かに航海士は船を目的地まで誘うのが仕事。

しかしそれは逆を取れば船を危険な目に合わせることも出来る。

それも上級な航海士になれば同じ乗組員にバレることもなく、難波させて船を沈めることも簡単である。

 

それをあの時のサイクロンで分かったのだ。

ナミはそこら辺の航海士とは違い間違いなく狙った船を沈めることが出来ると。

 

 

「……沈めて、どうする気なの?」

「簡単だ。沈んだお宝を奪う」

 

「たったそれだけで沈める気なのッ!!!??」

「人間も船も沈めば終わりだ。その点魚人は違う。それがお前らと俺達の徹底的な差だあッ!!!」

 

 

人の命を簡単に見ている。その目は虫けらのように見ている。しかし逆らって勝てる相手でもなく、ノジコや村の皆が危険な目にあうことだって……

 

 

「……分かったわ。やるわ」

「……やる……だと?」

 

 

するとナミの首を掴み持ち上げるアーロン。

苦しくて抵抗するがまるで意味がない。

 

 

「分かってないようだな。お前は奴隷だ。

奴隷は奴隷なりにご主人様に対して言い方があるはずだが?」

 

「…や、やらせ…て……ください……」

 

「いいだろう。やれ」

 

 

満足がいったのか手を離すアーロン。

苦しく咳き込むナミに、更なる追い討ちが

 

 

「目的地まで奴隷としての躾をしておけ」

「OK。任せとけ」

 

「い、いや……」

「ギャァハハハ!たっぷり叩き込んでやるぜ」

 

 

それからは酷かった。

普通一般人の扱いはなく"奴隷"としての扱い。

それはナミだけではなくノジコも同じだった。

違いがあるとすればナミが逆らえばノジコがその罰を受ける。ノジコの泥棒としての腕よりもナミの航海士のほうが貴重であり、その身を傷つけすぎて航海術が疎かになっては元も子もない。ならやるなら精神的に追い詰めるためにノジコにナミの分の罰を与える。

 

こうしてノジコや村の為にと魚人達の言うことを聞くナミは、ある日は間違った航路を教えて岩礁に当てて沈めたり、ある日は大渦に巻きこんだり、ある日は予想が難しいサイクロンに向かわせたり……

 

もちろんその船に乗っているナミも巻き込まれるが海の中では魚人が待機しており、沈む前に船から飛び降りて船と共に沈没から逃れていた。

 

海賊船、民間船、運搬船、ネズミ大佐と相容れない海軍の船など、ありとあらゆる船を三年の間にその手で沈めてきたナミ。

 

その罪悪感は凄まじく、一緒に奴隷としての扱いや人質のプレッシャーなどでもうナミの精神は崩壊寸前だった。

 

 

そんなナミを見たノジコが提案してきたのだ。

 

 

「一億、一億ベリー集めるから!!

だから私とナミをここから解放してッ!!!!」

 

 

一億ベリー。途方もない大金にネズミ大佐やアーロンは笑った。子供にそんなこと出来るはずがないと。

しかしノジコはそれをやり遂げるだけの力を見せるために小舟一杯に大金を乗せて持ってきたのだった。

 

 

「ここに5000万ベリーある。

とりあえずこれで私達を解放して。そしたら残りを払うわ」

 

 

僅か三年。

ナミが船を沈めている間にノジコは独自にお金を貯めたのだ。もちろんノジコ一人で集めたわけではない。同(・)じ(・)同(・)業(・)者(・)を(・)見(・)つ(・)け(・)て(・)交(・)渉(・)し(・)ここまで集められたのだ。

 

 

「たった三年で…これだけを……」

「キチンと払うわ。だから私達を…」

 

 

案の定ネズミ大佐は5000万ベリーに目が眩んでいる。これならいけると思った矢先

 

 

「2億5000万ベリー」

「えっ」

 

「人質は"村"もあるだろう。それも解放してやる。

だから2億5000万ベリー集めろ」

 

 

とんでもない額を言ってきた。

5000万集めるのにどれだけの苦労と時間がかかったと……

しかし…その金額を払えば……すべて解放される。

 

 

「……契約書を書いてもらうわよ」

「当然だな」

 

 

こうしてアーロン達と契約を結び、ひとまずナミとノジコはアーロン達から解放された。

しかしまだココヤシ村が人質となっている。

その為にもお金を集めないといけない。

 

 

…………………………

 

 

「それで今年2億まで集まったみたい」

「ちょっと、ちょっと待てよ!

つまり五年で2億も集めたというのかよッ!!!??」

 

「ええ。そのカ(・)リ(・)ー(・)ナ(・)と(・)い(・)う(・)同(・)業(・)者(・)のお陰で随分速く集められたようね。そして今回の航海で5000万ベリーを集められる算段になっていたそうよ」

 

 

ウソップがいいリアクションをするなかハジメだけは深刻そうな表情をしていた。

 

 

(カリーナって…確か映画版でテゾーロと手を組んでいた……確か昔はナミとも手を組んでいたけど……)

 

 

それでもあのカリーナが二人のために手伝いをした??

きっとノジコとカリーナとの間に交わされた交渉が鍵となるのだろう。

 

そして最も気になることが

 

 

(第一どうしてアーロンとネズミ大佐が手を組んだ?

アーロンは人間嫌い。いくらネズミ大佐がアーロンに融通を聞かせてもここまで友好的にしていない。

………誰(・)か(・)い(・)る(・)の(・)か(・)?(・)俺(・)の(・)知(・)ら(・)な(・)い(・)第(・)三(・)者(・)が(・)……)

 

 

ハジメの読みは確かだった。

その元凶は、以前ハジメと出会っていたなんてことは……その時はまだ知るよしもなかった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。