好き勝手にONE PIECEで過ごします。 作:ガイドライン
「……はぁ~……」
あれから4日目。
ルフィ達は厳しい修行をやり徐々に強くなっていると聞いている。
夜になればベルメールさんやノジコが料理を持っていったりしている。
でも、ナミはどうしてもルフィ達に近づけない。
別に何かをしたわけではない。
ただいまあったら何が変わりそうで…その変化を恐れているのだ。
やっと手に入った平穏。
でもルフィ達との冒険は今までの中でも楽しかった。
そしてルフィが諦めずに"仲間"と言ってくれた。
あの時、つい「うん」と返事したけどいまはどう思っているのだろうか?
そんなことをずっと考えているけど答えがでない。
だからこうして自分の部屋で、深くため息を何度も繰り返している。
するとコンコンとノックの音が鳴り
「入るわよナミ」
返事する前にノジコが部屋に入ってきた。
それで怒ることはない。姉妹でそこまで線引きをしているわけもなく互いに部屋を自由に行き来している。
でもいまは少し遠慮してもらいたい。
こうしてノジコが現れたのはいま毎日のように行っているルフィ達との会話などを話してくるから。
「あの子達本当に何者かしら?
ロビンさんの凄さは知っていたけど、それに食らいつくあいつらも相当スゴいわ」
「……そう……」
「ハジメさんも相変わらずマイペースで引っ掻き回していたわ。今日なんかあの剣士の二人をからかって、流れで長鼻君達も巻き込んで、最終的にロビンさんが入ってきて自分達のことでオチたって感じで……」
「……そう……」
興味がない。というより興味をもたないようにしている。
それはもちろんノジコも分かっている。
それでもノジコは彼らの話を、ベルメールのことを話す。
「ベルメールさんもずいぶんと積極的になってるわよ」
「あっ、それは見たい!」
「本当に可愛いわよー」
「可愛いッ!!?行きましょう!」
そしてこの妹はずいぶんと扱いやすい。
…………………………
「ほらベルメールさんッ!!」
「いまやらないとッ!!」
「もう!横から言わないのッ!!」
勇気を出してハジメの隣に座ったまではいいが、その反対側からロビンがいつものように甘えてくるため、ベルメールがそれからなかなか攻められない。
と、どうしようかと悩んでいると長女が次女を連れて戻ってきて「ここはアーンをしましょうッ!!」と何処からか持った来た串に刺したお肉を持ってきた。
で、それから5分ずっとモジモジしながら行動出来ずにいる。というか隣のハジメもここまできたら待つしかないと待っているが……
「あ、あのーベルメールさん?」
「ひゃぁいッ!!」
「なに可愛い子ぶってるの?オバサン」
「ロビン、やめなさい」
こうしてハジメから手を差しのべるが緊張して体が更に固まり、隣のロビンがちょっかいを出すのでなかなか進展できない。
「無理しなくても、いいんですよ?」
「む、む、む、無理じゃ…にゃい……」
「きゃぁー!!可愛い!ベルメールさんッ!!!」
さっきまで悩んでいたナミは何処にいったのか……
本編ではこんな性格じゃなかったんだけどなー
いや、初めてあったあの時からこんな風になったんだろうけど……まぁ、可愛いものが好きなナミなら別に問題ないかー
「ベルメールさん!!衣装を変えましょう!!
着るものが変わればきっと勇気も変わるわ!!!」
「………えっ?あ、あ、あれに……」
「うん!!いまのベルメールさんならきっと後押ししてくれるわッ!!!」
「ま、待ってナミ…あれはちょっと……」
「さぁ行きましょうベルメールさん!!!」
話も聞かずにナミはベルメールを引っ張っていった。
何が始まるんだと疑問を持つハジメに残されたノジコが
「あの子ね、可愛い洋服やぬいぐるみや小物があると収集するクセがあってね」
「えっ。前あったときはなかったですよね?」
「あのベルメールさんの照れてる所を見て"可愛い"が好きになったみたいだよ。それからずっと集めて酷いときは着せ替え人形のようにベルメールさんを……」
「うわぁ……」
そんな風に変わったんだ……
まだロビンほど壊れた人はいないだけマシかぁ…
と、しばらく待っていると全身を覆い隠す布で衣装を隠して顔を赤くするベルメールとニコニコのナミが戻ってきた。
「さぁ!ベルメールさん!!皆にその可愛いを見せてッ!!」
「や、やめないナミ…これはちょっと……」
「いいから見せるッ!!!」
強引である。
無理矢理布を奪い取り取ったナミ。
そしてベルメールが着替えさせられた衣装とは
「……メ、メイド…だと……」
まさかのメイド服。それもスカートがミニ。
スラッとした体つきのベルメールさんだからこそ、グッとくる何がハジメに襲いかかってきた。
「もうー!!!可愛い~!ベルメールさん!!!!」
「……や、やめて…見ないで……////」
両手で顔を覆い隠し恥じらうベルメール。
ハジメはその姿に不覚にもドキッとしてしまう。
そしてそれを見ていたロビンは
「気持ち悪いわ」
「う、五月蝿いわよ!!///」
無表情で感想を、心の底からから言ったようだ。
「さぁ、これで「ご主人様、アーン」ってすればお兄さんもイチコロよベルメールさん!!!!」
「む、無理ッ!!出来るわけないッ!!!!」
「ベルメールさん!!!!」
「ご、ごめんなさいーッ!!!!」
「逃げたッ!!!待てぇッ!!!!」
逃げ出したベルメールを追いかけるナミ。
あんなにも行動力があったなんてなー
隣にいるノジコははぁーとため息をつきながら二人を追いかけていった。
「な、なんだったんだ……」
「さぁ。所でお兄ちゃん。さっきトキメいた?」
「なんのこと?」
「そう。ならいいわ」
感情。もっと抑えれるようにならないとな。
「私も、借りて着てみようかしら?」
「だとしても、今はやめて」
「分かったわ。
「…もう、好きにして……」
そしてロビンがこう言うことに関して上手だからもっと切り返しとか上手くならないとな。
…………………………
「もう、ベルメールさんったら……」
結局逃げられてメイド服を脱がれてしまい部屋に閉じ籠ったベルメール。何度も出てくるようにと言い続けたが出てこずノジコが「あとは私に任せて」と言ってくれたのでナミはそんな二人のために宴をしている会場から料理を持ってこようとまた外へ出ていた。
「可愛いで攻めたら絶対にお姉さんにも負けないのに……」
今度は何を着させようとブツブツ言いながら悩んでいると、宴の会場から少し離れた所から何か音が聞こえてきた。
何かと気になり音のする方へ向かってみると
「うおおおおぉぉぉぉ!!」
(な、なに……??)
そこで見たのは"麦わら海賊団"船長"麦わらのルフィ"だった。そしてそのルフィは"自身を中間地点として周りに手が生えたモノと戦っていた"。
それもただ生えるだけではなく手と手が繋がって伸びたり、手と手が重なり防御したりなど様々な行動をしており、
そう、この手はロビンの能力。
だけど見渡したかぎりロビンの姿はないので遠隔でオート操作みたいなことをしているのだろう。
ルフィの先を読んでいるかのように攻撃したりかわしたり、でもルフィも負けじと食い下がり一本づつ確実に倒している。
するとルフィがナミに気づいたようで
「おお!ナミ!!」
「…こんな時間まで修行してるの?」
「船長だからな。誰より強くねぇと!」
ルフィの言い分は分かる。
それでも何か言いたくなったナミは近くの岩に腰かけてルフィの修行を見ながら話しかけた。
「でも、お兄さんやお姉さんがいるから別にすぐに強くなる必要あるの?」
「すぐには強くなれねぇけどやってればいつか勝つッ!!」
「それいつの話よ」
「いつかは、いつかだッ!!」
妙な自信にはぁーとため息をつく涙。
でも意地悪なことをいったのにそれでもハッキリと答えた。いつになるかも分からないことに、本当に叶うか分からないことに、自信満々に答えた。
「でもあんたが強くなっても周りはどうなの?」
こんな事言うつもりはなかった。
でもあまりにも自信満々に答えたルフィに思わず言葉が出てしまった。
「あの中ではカヤが弱いわ。いまはウソップが傍で守っているけどいつか一人で戦う時がくるわ。それが海賊。弱くてもその船に乗ったら戦わないといけない」
「そうだな」
自分が受けたツラさが頭を巡る。
近くにノジコがいても、それでも孤独を感じ、どうしようもない時でも自分でどうにかしないといけない恐怖感や孤独感。
「でもルフィが言ったようにすぐには強くなれないの。そんなのどうしようというのよ!戦うすべがない奴はどうしたらいいのよ!!」
思わず八つ当たりをしてしまった。
でももう止めれそうにもない。ドンドン溢れてくるのだ。
いまナミが抱えているものが湧水みたいにドンドン出てくるのだ。
「人を殺したと長年思ってトラウマになったやつはどうするのよッ!!いざとなったとき身動きが取れなくなったらどうするのよ!!」
「なにも出来ない。なにもやれない。意味をもたない」
「そんな私はどうすればいいというのよッ!!!!!」
気がついたら肩で息を切らしていた。
優しくしてくれたやつに、仲間だといってくれたやつに、否定してもそれでも傍にいていいといってくれたやつに………
ナミの視線は下を向き涙が溢れ膝を濡らしていた。
こんなつもりはなかったのにと後悔して遅い。
もうどうすればいいのかと頭の中がぐちゃぐちゃになっていると
ポフッ
何が頭に乗せられた。いや、
思わず視線をあげるとそこにはいまだに修行をしているルフィがいた。
でもそのルフィはさっきと様子が違う。
頭にあった麦わら帽子がないのだ。
そしてフッと頭を触るとその麦わら帽子が
「わかんねぇ」
「えっ?」
修行をしながらルフィがそんな事を言ってきた。
どういうことなのか理解出来ないままルフィが
「俺はバカだから。難しいことはよく分からねぇ。
でもナミが悩んでいることだけは分かるッ!」
「俺は、ナミについてきてほしい!
別にナミが強くなくても俺が守ってやる!
それでも不安ならハジメや師匠に聞けばいい!
そしたら絶対に大丈夫だぁ!!!」
「それでも無理矢理はしねぇ。
師匠が言っていた。「自由に生きることが海賊なら縛るな」って。勧誘しても無理矢理だったら縛ることになるからな」
そんな言葉にいつの間にか聞き入っていたナミ。
そしていつの間か沢山あった手は全部倒していたルフィ。
息を切らすルフィはナミの前に立ち、一呼吸おいて
「だからそれを預ける!」
ルフィが指差したのはいまナミが被っている麦わら帽子。
「……えっ??で、でも、これ…ルフィの大切な…」
「おう!でもナミに預ける!
いつか俺達の仲間になるときに返してくれ!!
それならきっとシャンクスも許してくれる!!!」
「ッ!!?」
断ち切れないものを。"仲間"というものを。
ルフィは自分が大切にしているものを渡すことでどれだけナミを必要としているのか示した。
それはナミの心にも届いた。
麦わら帽子をギュッと抱きしめた。
「いいかナミ。
今度会った時はお前は俺の"仲間"だからなッ!!!!」
「………バ…バカぁ………
……結局、縛るんじゃ…ない……」
ニッシシシシと笑うルフィに、麦わら帽子を深く被り顔を見せないようにしているナミ。
それでもその見えない瞳からは雫が溢れだしていた。