ふりむいてくれアムロ 作:初心者にはマシンガンがおすすめだよ!
それなりにキャラ崩壊する予定ですが、例えば原作で硬派なイケメンがオカマになるとか、そういう致命的な崩壊はないように続けます。続くならだけど。
誤字脱字間違いなくあると思います。
ガンダムの世界でもないし、メインはEDFの世界ですが、どの原作EDFシリーズの世界でもないです。
書かなかったり、曖昧に誤魔化してる部分の設定はご都合主義的に、良い感じになってる世界だという事でお願いします。ルールオブゴッド。
「シャア、僕がガンダムで先行する!」
「ん?待てアムロ、歩兵部隊の到着を……アムロ?アムロォ!!?」
白をベースに赤青黄のトリコロールカラーの塗装がされた、巨大な人型兵器……モビルスーツが、背部のスラスターを吹かして突撃する。
巨大な金属の塊が生み出した音は、確実に敵に私たちの存在を知らせ、遠くで戦闘態勢を取り始めたのが見える。
武器を構えて突撃するモビルスーツのスピードは量産機の比ではなく、私の乗っている量産型のモビルスーツでは、追いつくことは困難だろう。
こんなことであれば、もっと真面目にモビルスーツ開発を行っておくべきだった。
いや、そもそも戦争の気配もないのに、危険なものは作れるわけが無いか。
今乗っているモビルスーツも、最初の名目上は作業用だった。
などと考えている間に、突っこんでいったモビルスーツの斜め後ろのビルの影から、巨大な蟻が飛び出してきて、尻から蟻酸を吐き出そうとする。
「チィッ!?アムロ!」
あの蟻酸はモビルスーツの装甲にダメージを与えられることが分かっている。
実際、関節部に蟻酸を掛けられたモビルスーツが姿勢を崩し、成すすべもなく追撃を受けて溶かされてしまった瞬間は、忘れることは出来ないだろう。
ただでさえ扱いが難しいモビルスーツは、その光景が、空撮していたヘリによる生放送で知れ渡る事で、パイロットが減ってしまったと聞いている。
だからこそ、まだ子供といって差し支えない私たちにお鉢が回ってきたという訳でもあるが。
私は、溶断作業用の、モビルスーツ基準で言えば手斧サイズの大きな斧、ヒートホークを投げつける。
「 ギィィ!? 」
間一髪、蟻を高熱で溶かし裂いて、アスファルトの地面に刺さったヒートホークを走りながら回収して、バカを追いかける。
身体は熱く、だが冷えていく頭に、これまでの経緯が浮かんでは消える。
内気だった機械いじりが好きな少年はもう居ない。
争いの無い平和な時代ももうない。
どうしてこうなってしまったのか。
私の脳は、走馬灯のように流れる記憶を、何かが変わったと確信した、あの頃へと遡らせた。
私は、キャスバル・ダイクンという。
どこぞの赤い彗星とよく似た名前だろう。
妹にアルテイシア・ダイクンという妹も居る。
溌剌として可愛い、自慢の妹だ。
この世界は妙だ。
何故なら、人類は宇宙に進出などしていない。
宇宙に住む人スペースノイドと、地球に住む人アースノイドの凄惨な戦いなど無い。
私が知っているキャスバルが居る世界では無い。
だが、私が知っているキャスバルに関わる人が居る。
そんな語り口の私は、もちろん転生者、もしくは憑依者とでも言おうか。
とにかく、そういう訳だ。
「どうしたシャア、昼休みだというのに食事もとらずに黄昏て。」
窓際でぼーっと外を見つめていた私に、話しかけてくる者が居た。
そいつは、柔らかそうな前髪を指先で弄りながら、これまた柔らかい笑みを浮かべている。
顔を上げると、やや女顔だが、整った顔の美少年が居た。
「ガルマ?今日は食堂へ行かなくていいのか?」
「よせよ、あそこは気疲れする。たまには気の置けない友人と昼食というのもいいだろう。」
「また君の姉上に何か言われるぞ。」
「フッ、その姉上が今日は生徒会の方に行っていて居ないから、こっちに来れたのさ。」
近くの空いている椅子を借りて、私の机の傍に腰掛けたガルマが、購買で買ってきたのか、サンドイッチの封を開けながら言う。
大抵こういう時は、彼の姉上にはバレている。
恐らくガルマの余暇は、意図して作られた余暇であり、賢い過保護な姉の掌の上で転がされている事を、彼は恐らく知らないだろう。
「ガルマ、マヨネーズが付いてるぞ。」
「ん?すまないありがとう。」
「逆だ、逆。」
「おっと、すまないな。」
鏡合わせのように右の口の端に対して、左の口の端を指さしたが、ガルマは何もない逆の口を拭ってから、間違えたことに照れたように、正しい位置のマヨネーズを拭う。
それと同時に、内容は分からないが、クラスの女子から黄色い声が上がるのが聴こえる。
流石の美少年ぶり、ガルマはモテるのだ。
なに?私か?
顔は間違いなく良いのだが、この身体になってから、どう頑張っても表情が暗いというか、なんというか。
目つきが悪く見えるし、ガルマ曰く、笑うと悪だくみをしているように見えるらしい。
元々、ザ・悪役みたいな男がモチーフなのだ、そこは気にしていない。
むしろ、好きなキャラで顔が良いしカッコいいし、ちょっと気に入っていたりする。
美形だから、遠巻きには好意的に思われているようだが、私も生き方が変わって、評価ががらりと変わると、どうすればいいか分からないし、別に困るものでも無いから、そのままだ。
ガルマも居る事だしな。
「どうしたシャア、今日は弁当は忘れて来たのか?僕のハムレタスサンドでよければ食べるか?」
「いや、忘れた訳じゃないさ。それは君が食べると良い。」
昼の休憩時間も10分経過してしまった。
別に急ぐような時間ではないが、ガルマ一人だけが食事をしていて、私がしていないのでは、ガルマも居心地も悪かろう。
机の横に掛けられた鞄から、弁当箱を取り出す。
開けると、ミニハンバーグ、唐揚げ、ウズラの卵、ニンジンやらなんやらの温野菜が入っている。
ニンジンは要る。赤いし。
別の容器には白米が入っている。
一応全て自分の手作りで、唐揚げだけは昨日の余りものだ。
妹の分も作っていて、向こうは唐揚げではなくて小さな饅頭を詰めておいた。
容姿に似合わない日本くさい弁当だが、そこは私の趣味だ。
ここは、何故か文化圏がおかしなことになっているが、前世の地図で言えば日本に当たる部分で、北海道だった場所辺りでは日本食があり、和食材は普通に手に入るし、すっかり妹も和食にハマってしまっている。
ここは前世で言う中部地方辺りだが、位置が近いのだから、ナイフやフォークを使う事が多いこの辺りで、箸をメインで使う者も居ない訳では無いから、そこまで目立つものでもない。
箸をケースから取り出して、食べようとすると、ガルマから視線を感じる。
ごくり、と唾をのみ込んだガルマは、期待のまなざしでハムレタスサンドを差し出す。
「シャア、その2つあるハンバーグの一つ、このハムレタスサンド一口と交換しないか。」
普段から仲良くしてくれる、精神年齢的にも私が孫か息子のように思っている彼の頼みは、彼と食事を取る時は毎回の事だ。
私は、何とか悪い笑みにならない程度に口元に笑みを浮かべると、ガルマの口元にハンバーグを運んでやる。
ガルマも、私の私に悪意が無い事は重々承知している訳だし、目の前に差し出されたハンバーグに目を輝かせた。
私が手ずから運んでやるのは、ガルマは箸は上手く使えないので、しかたなくそうしているのだが、まぁ、こういう事をすれば喜ぶ輩は居るもので、遠くから見ていた女子グループが賑わうのが見えた。
ちなみに私は前世は男で、今の恋愛対象も女だ。
同年代に懸想するのは、流石に精神年齢的にマズいかと、思考にはストップがかかっているが、若々しい思春期に入った身体は、たまに反応してしまう事はある。
別に今の年齢ならロリコン呼ばわりされる謂れも無いが、躊躇するのは確かだった。
ガルマは周りの声や私の葛藤には欠片も気づかず、口に入ったミニハンバーグを満遍なく味わうように咀嚼すると、徐々に華やかで眩しい笑顔を浮かべていく。
「んぐ、あぁ……。流石だ、美味い!うちの料理人にも負けていないし、なにより味付けが好みだ。本当だぞシャア、これが毎日食べられる妹さんが羨ましいよ。」
「毎度のことながら、よく褒めてくれる。悪い気分はしないが。」
姉以外の家族と、なかなか食事の時間が合わないガルマは、たまに食事についての愚痴をこぼす事がある。
ガルマも思春期だし、姉との付き合い方も、嫌っている訳では無いが、難しいように思っているようだから、前世の趣味が高じた私の料理程度でも喜べるのだろう。
私も趣味が高じたとはいえ、好きなもの以外は作れないが。
1分前後、しばらく噛みしめるようにしていたガルマだったが、ハッと気付いたようにしてから、少し申し訳なさそうな顔をして、サンドイッチをちぎろうとしたが、レタスが悪さをして思うように切れない。
早い段階でぐちゃぐちゃになることが予想できた私は、その手を止める。
「待てガルマ、それ以上無理にちぎろうとしたら手も汚れるし、サンドイッチも台無しだぞ。私はいいから、全て食べてしまえ。」
「む、貰ったままというのはザビ家の男として許せない。……そうだ。シャア、このままかじりついてくれ。」
このおぼっちゃま、難しいことを言う。
無造作にかじれば、レタスだけぬるりと抜け出して、私の顎をマヨネーズで汚した挙句、貧相な片割れハムサンドを生成してしまうのは明白だ。
私はモで始まり、ス終わるハンバーガーショップで、レタスの悲しみを繰り返している。まったく。
だが、ガルマは覚悟を決めたら引かないのも確かであるし、再び向けられる期待のまなざしを裏切ることは出来ない。
私は、歯並びの美しい自分の歯を信じて、ガルマのハムレタスサンドにかじりついて、何とかハムレタスの体裁を保ったサンドイッチを残すことに成功する。
ガルマの満足気な表情を見ても、私は正しい選択がとれたことだろう。
うむ、美味い。
自炊が多い私は、サンドイッチを滅多に食べないが、別に嫌いな訳では無い。
少しピリ辛なマヨネーズがアクセントになった、コンビニで食べなれたのよりはちょっと新鮮味の増したサンドイッチを味わっていると、ガルマが何かに気付いたようにポケットをまさぐると、スマホを取り出して、内容を見て急いで残りのサンドイッチを口に詰め込む。
「どうした?姉上から呼び出しでもあったか?」
「………んぐ、正解だよ。仕方がないが、姉上はどうしても僕を生徒会に引き込みたいらしい。」
やれやれ、といった風にゴミを纏めているガルマではあるが、私はガルマが大層上の兄弟たちを尊敬していて、彼らの役に立てることを内心嬉しく思っている事を知っている。
今も、口の端で喜びを隠しきれていないガルマを察して、口を開く。
「良いじゃないか、期待をかけられるのは嫌ではないのだろう?それに、ザビ家の兄上たちに負けない男になりたいとも。」
「………そうだな。だがシャア、君もダイクン家の御曹司サマじゃないか、君も僕と共に……」
「私はやめておくよ、他にやりたいこともあるしな。」
「そうか、気が変わったらいつでも言ってくれ、僕が全力で掛け合うぞ。」
そういって立ち去るガルマを見送って、残りの弁当をつつく。
今、中学2年生の夏。
前世とは異なる地球で、私は暮らしている。
願わくば、この世界がスパロボ時空だったり、何かしらヤバい世界ではありませんように、と私は強く祈った。
たぶん次の次くらいから人類を追い込みます。
小説タイトル、シャアとアムロのBLモノにありそう。
ここのシャアとアムロはノンケです。仕方ないね。