【ここは】クロスオーバー系転生掲示板【何の世界だ?】 作:ファルコン・Σ
オラトリアをキバ視点で描きます。
ダンまち視点は―――次回をお楽しみに。
―――ダンジョン、と聞いてどういったものを思い浮かぶだろうか?
古くは塔だったり、地下牢だったりを示す言葉であるが、現代に生きる我々の多くは剣と魔法で戦うRPGな世界に登場する迷宮を連想するだろう。
そして実際それは間違っていない。
レトロな時代、いや、有史以前の神話の時代から現代に至るまで、冒険譚というものには出会い、別れ、そして戦いがつきものだ。
そして、それらを彩る為に欠かせない
古くはクレタ島の地下迷宮クノッソスのように。
そんなダンジョンが実在する世界は必然、冒険と戦いに満ち溢れたドラマチックな物語を描いていくことに他ならない。
これは、そんな出会いに満ちたダンジョン世界に転生した、本来決して交わる事のないヒーロー達が織りなす、壮大な冒険譚である。
――――こんな感じでいいかな? ディケイドニキ
byジオウニキ
――――別にいいがこんな壮大にして大丈夫かよ? どうせそんな書かないだろこの作者
byディケイドニキ
――――メタい事を言うんじゃありませんっ!!
byクウガニキ
~ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているのだろうか?~
~キバってオラトリア~
「そこだー! いっけーワタルー!!!」
「ハァッ!!」
ここは地下迷宮49階層”大荒野”。
大量のミノタウロスと、一級冒険者ファミリアたる「ロキ・ファミリア」が戦っている。
その前線で一際異彩を放つ存在―――仮面ライダーキバこと「ワタル・フォルテ」。吸血種ファンガイアの母とヒューマンの父を持つ、極めて異例とされる「ハーフ」であった。
深紅の筋組織と白銀の鎧、黄金の複眼が印象的な「キバの鎧」を纏い、軽業師の如き身のこなしで放つ蹴りがミノタウロスの頸を次々と圧し折っていく。
―――例の転生者による介入から時がたち、新たな歴史が紡がれた後の世界で力強く生きている。
そして、
「兄さん!」
そんな彼の戦いをフォローするかのように赤い閃光が光の尾を引き、ミノタウロスの四肢を斬り裂く。
その光は蛇のようにしなり、うねりながらもう一人の鎧を纏う男の下に返る。
仮面ライダーサガ。変身者はタイガ・フォルテ。改変された歴史においてワタルが出会った、血の繋がった弟である。
「前出過ぎないでくれ。俺のフォロー追いつかないから」
「大丈夫だよ。それより、あっちの方が心配かなあ」
「え?」
ヒュオオオオ……と風が吹き、魔力が迸る。
それは螺旋を描き、大量のミノタウロスをミキサーのように搔き回して切り刻み、道を広げる。
その少女の名を《剣姫》アイズ・ヴァレンシュタイン。数少ない第一級冒険者の最強の一角と呼ばれる少女である。
とはいえ、
「前、行き過ぎかな……リヴェリアの詠唱ももうすぐ終わりそうだし……タイガ。お願い」
「うん」
自身の背後、副団長リヴェリア・リヨス・アールヴの詠唱が終章に差し掛かるのを聞いたワタルの指示を受けたタイガが鞭、ジャコーダーを伸ばしてアイズを補足。そのまま引き寄せて強制的に自陣へ後退させる。
「ッ!?」
直後、ミノタウロスの群れを爆撃のような魔力が飲み込み、その全てを跡形もなく消し飛ばす。
引き寄せられたアイズは空中で姿勢を制御するとタイガの隣に降り立つ。
「……吃驚した」
「だろうな。……それよりアイズ。後ろ」
「?」
「アイズ」
自分に不満を言ってる場合か? と後ろを指差すサガ。
そこに居たのは、笑顔でアイズの肩を叩くロキ・ファミリアの団長、フィン・ディムナ。
お話が始まる事を察して顔が固まるアイズに顔を見合わせて苦笑するワタルとタイガなのであった。
以前の時間軸で、ワタルは『ヘスティア・ファミリア』に加入していた。
その歴史が歪められたものである。というのは既に描かれた過去の物語。
『主人公の代理』という立場から解放されたワタルは自分の意思で改めてロキ・ファミリアへの加入を選んだ。
理由? 自分の憧れたベル・クラネルという存在と一緒に居ると多分精神が歓喜でおかしくなる気がするからである。思春期の女子かとスレ民達はツッコんだが郁子なるかな、変なところで臆病かつコミュ障なのは治っていないキバニキであった。
閑話休題
「主様ぁ~……///」
この通り蕩けきっているのはロキ・ファミリア―――というよりワタルの眷属である狼人族の少女、フェリ・ブルーノート。
アイズがフィン達にお説教されている間、手持ち無沙汰なワタルに尻尾の毛繕いをお願いし、それをワタルも快諾。結果今の状態になっている。
「ぁん…/// もっと、そこ、撫でて…///」
「……………」
なおワタルはひたすら無心である。
ナイスバディの美少女の尻尾をモフモフして尚且つこんな可愛い声で鳴かれると色々と理性がヤバいのをひたすら精神を無にすることで耐えている。
何故快諾したと思うなかれ、この狼っ子、断ると捨てられた子犬のようになるのである。そっちの方がダメージが大きかった。ワタル的には。
以前「ティオネ・ヒリュテと同類」などと誰かが噂していた気がするがあながち間違いではないかもしれない。というか確定である。
同族のベート・ローガがその光景をみてゾワゾワしていたのも無理はない。戦場での勇ましさというか勇猛さというか、狼人族の誇りと言うかそういうのが今のこの雌狼には欠片も無いわけで。
「はぁン……主様ぁ……///」
「何時までくそ情けねえ声出してんだテメェ!」
流石にベートもブチ切れた。内心「よくやった」とは思っても言わないワタルである。
とはいえフィン程は苦労してないワタルとしては甘えてくるフェリも役得だったりするのだけど。
「邪魔しないでよアホ狼!」
「テメェが何時までもンな腑抜けた声だしてっからだろうが! ワタルも何時までも構ってんじゃねぇ!」
「いや、それは無理かなあ……泣かれると罪悪感が」
「ンなもん、好きに泣かせときゃいいだろが!」
「まーたそういう! このデリカシー無し男!」
ギャーギャーと吠える狼人二人に苦笑しつつ、巻き込まれる前にその場から離れたワタル。
こういった雰囲気も居心地がよくて楽しいが、ふと思うのは、以前の時系列の事。
もはや覚えていないだろうが、結果的に置いていくことになってしまった以前の自分の主神、竈門の女神ヘスティア。
今も寂しい想いをしていないだろうかという一抹の不安が過る。この歴史において結果的には自分の我儘を通してしまったワタルにとって、彼女の隣を本来の主人公、ベル・クラネルに託したのは完全な自己満足。
他者の代わりなど、誰にもできることではない。本来居るべき人が還って来たのならば、自分が何時までもその椅子に居るのは許されない。
とはいえ、それでヘスティアが孤独から救われていたのも間違いなかった。勝手に諦めて勝手に見捨てた事。全ては身勝手な考えだが、故にこそその自問自答は重く深く突き刺さっている。
「…………はあ」
「考え事ですの?」
「っと……シーラ」
そんなため息ばかり付いている姿を見られたのだろうか。眷属のシーラ・アルペジオが不安そうに顔を覗き込んでいた。
彼女を不安にさせていた事に気付いたワタルは頭を振って鬱屈した考えを振り払い、いつもの調子で尋ねる。
「なんでもないよ。団長は?」
「アイズさんのお話が終わった所ですわ。今なら本陣も空いているかと」
「そっか。じゃあちょっと話してくるね」
「行ってらっしゃいませ。それと……私達はお傍に居ります故、忘れないでくださいまし」
「……うん、そうだね。ありがとうシーラ」
今更、過去を振り返ってももう再稼働した物語が戻ることはない。
それにワタルにはやるべきことがあるのだから。
そう言う意味では前だけをひたむきに向き続けているアイズの方がよっぽど前向きだ。
「うん、気にしてても仕方ないよね。それより……」
「兄さん、遅いぞ」
「ごめんお待たせ、シーラと話してて」
「いや、大丈夫だよ。こっちもアイズとの話が少しばかり長引いてしまったからね」
本営に居たのはフィン、リヴェリア、彼らと同じくファミリア中核メンバーであるガレス・ランドロックに加えて実弟のタイガ。
「じゃあ、改めて迷宮潜伏ファンガイアの対策を考えようか」
―――遥か昔、お伽話のような時代、一つの種族が全ての大地を、種族を、名誉を、この世を手中に収めようと動き始めた。
その名を吸血種ファンガイア。
圧倒的な身体能力、魔術を始めとする特殊能力、様々な武器を製錬する技術を持つファンガイアの軍勢の勢いは留まる事を知らず、次々と支配領域を広げていき、誰もが止められない、このまま世界はファンガイアに支配されてしまうのではないかとさえ思い始めていた。
だが、その進軍は突如として止まる。そのきっかけは他でもない、ファンガイア自身であった。
己の意志こそが種族全ての総意と信じて疑わなかった皇による管理体制はまさに圧政であり、反抗するファンガイアは次々と粛清されていったのである。その為に使われていたのが「キバの鎧」、その初代たる「混沌のキバ」である。
そんな皇への不満や怨恨は支配された他種族のみならず、同族たるファンガイアにも募っていき、ついにその怒りは爆発。
その指揮を取ったのが初代皇の実の娘にして、ワタルやタイガの実母。「マヤ・フォルテ」であった。
キバットバット二世と共に二代目のキバ、「闇のキバ」となったマヤは皇に反発するファンガイアや多くの種族を束ねて反乱軍を結成。
その破竹の勢いは止まらず、ついに皇はマヤの手によって討たれることとなった―――。
それから長い年月、彼女は先代の暴挙の後始末の為に皇の座に就き、侵略した領土や法の返還、和平交渉を積極的に行った。
当初は信頼していなかった者達も長くに渡るマヤの真摯な対応や身を粉にする行動や、後に穏健派と呼ばれるファンガイア達の贖罪に徐々に考えを改めていた。
そんな中での数十年前、初代皇の死を好機と見たのか、ファンガイア族以上の力を持ち、また彼ら以上に凶暴なレジェンドルガ族が侵略戦争を始めたのである。
この第二次侵略戦争に真っ先に立ち上がったのが二代目皇と良識派のファンガイア達。
彼らは自ら矢面に立ち、身を以て強大なレジェンドルガ族と戦い、多くの犠牲を払いながらも多くのレジェンドルガを滅ぼす事に成功した。
その戦いを経て、ファンガイア達はオラリオなどの都市で存在が受け入れられ、良識派のファンガイア達は他種族との共生を許されたのである。
しかし、そのレジェンドルガとの戦いの際、敵を一掃する為にマヤは「闇のキバの奥義」である大魔法、キングスワールドエンドを発動し、二度と変身できなくなる程の大ダメージを負い、同時に消息を絶った。
彼女は流れ着いた先で救われたヒューマンの青年、「オトヤ・フォルテ」と恋に落ち、間に四人の子を授かった。
同時に空席となった皇の座を狙い(仮にミヤが生きていたとしても二度の変身は出来ないだろうと踏んでいた)過激派のファンガイア達が活動を始める。
その争いにキバットバット二世と共に介入したオトヤがその命と引き換えに過激派をオラリオのダンジョン奥へ追放することに成功したものの、彼らは今も虎視眈々と皇の座を狙っている。
また、今も人の世に忍び、機会を伺う過激派も居り、マヤは彼らの命を守る為にも子供達を見つからないように隠したのであった―――。
今も人々を脅かす過激派のファンガイア。
平和に生きたい同族の為、そして人々の為にワタルは父と母の遺志を継ぎ、三代目―――仮面ライダーキバとして戦っているのである。
―――さて、此処までの事実を知っているファミリアのメンバーだが、そもそもキバという存在自体、初代、二代目の影響もあり、かなり認知が浸透している。
故にほとんどのメンバーにはキバの存在について知れ渡っているわけだが、現在の過激派の動きやワタルの実母、マヤとの血縁は基本的に秘匿されている。
「キバット、この付近でファンガイアの気配は?」
「51階層に3体だな」
ワタルの相棒、キバットバット三世が探知したファンガイアの気配。
たかが三体と侮るなかれ、常に弱肉強食のダンジョンに住まう過激派のファンガイアは毎日レベルで実力が上がり続けている。その力は当然、地上のファンガイアとは比較にならない。
「三体か。しかも51階層となると……
「勿論、まあ対話でどうにかできれば越したことは無いけど」
「兄さんはいつもそういうけどな、今までダンジョンで会ったファンガイアの中にそんなことに応じてくれた相手一体でもいた?」
「居なかったね。分かってるよ。一縷の望みを口にしてるだけ。で、団長」
「分かってる。君の眷属は連れて行っていいよ」
「助かるよ。じゃあ無事に再会することを祈る」
そして翌日、ワタルはフェリとシーラ、タイガともう一人、メグミ・レジェロを連れて51階層を歩いていた。
もう一人の眷属であるランシエは拠点防衛の為に残している。
このメグミという少女はオトヤの親友の娘であり、オトヤが使っていた対ファンガイア用強化鎧「イクサ」を譲り受けた者である。
「キバット、例の三体は」
「おう、こっちだこっち!」
そう陽気に答えるキバットが先導する先、開けた空間。
そこに目当てとなる三人が居た。
ベースキャンプのような基地の周囲には何処からか攫ってきたであろう冒険者達の遺品が転がっている。恐らく皆ファンガイア達の餌食となったのだろう。
「んん? 此処まで来た連中は初めてだな」
「何時も上層で狩っていたからなあ、たまには骨のあるやつがいいんだが……ん?」
「おい待て、アイツキバットじゃねえか? ってことは……」
「三代目継承権を持つワタル・フォルテが汝らに問う。その悪逆を認め、心を改めるのであれば陽と月光の下に生きる事を赦そう」
「チッ! 生意気な混ざりモンが吠えやがって!」
「お前如きが皇の継承なんざできるわけがねえんだよ!!」
ワタルを三代目キバと認識するや否や、即座に三人の男は姿を変え、ステンドグラスのようなファンガイア本来の姿に変わる。
体組織から剣を生成した三体を見て苦笑したようにタイガがワタルの隣へ移る。
「また駄目だったよ」
「その口上止めたら? 挑発してるようにしか聞こえないよ?」
「けど厳格にしないと嘗められるし……」
「素の先輩の方が親しみやすいですよ。まあ、どっちにしろ聞かなかったと思いますけどね彼らは」
「だね……残念だけど、キバット!」
「サガーク!」
「おっしゃ! キバって行くぜ! ガブッ!」
『READY』
ワタルが差し出した手にキバットが噛みついて特殊な魔力、魔皇力を流し込むとワタルの腰に鎖が幾重にも巻かれ、キバットの止まり木「キバットベルト」を生成。
合わせて飛来した蛇型モンスター、サガークがタイガの腰に巻き付く形で「サガークベルト」となり、メグミは手で回し巻くように「イクサベルト」を装着し、イクサナックルを構える。
「「「変身!」」」
『FIST ON』
ワタルとタイガは顔にファンガイア特有の文様が浮かび上がると全身を銀色の素体が包み、弾ける形で鎧を装着。
メグミはベルトに装着されたイクサナックルが生成したホログラムに重なるようにして装着。
キバ、イクサ、サガの三大ライダーが揃い踏みとなった。
「ガルル・セイバー!」
「アオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!』
「シーラは状況に合わせて援護射撃を」
「お任せくださいませ」
更にキバットがフエッスルを読み込むことで追従していたフェリが変化、融合するようにガルルフォームへと姿を変えるキバ。
シーラに指示した後、改めて三体のファンガイアへ向き直る。
「……さ、行こうか!」
「ああ!」
「はいッ!」
「「「ウォオオオオオオオオオオアアアアアアアア!!!!」」」
怒号を上げて襲い掛かる三体のファンガイア。
その中の一体、ホースファンガイアの剣をガルルセイバーで受け止めたキバが弾き、返す刃で一閃。
更に身を低くした姿勢から駆け抜けるような切り裂き、狼の爪で引き裂くようにして身体を引きずると地面に叩きつける。
「グルウウウァァ!!」
狼人たるフェリと同調したことで野生を解放したキバは基本形態と比べてもかなり荒々しく猛々しい戦い方でファンガイアを翻弄し、蹂躙していく。
「ガッ、ぐう!? てめ……!」
「遅い!!」
「兄さん後ろだ!」
「ガッ!?」
キバの背後から姿を消して近づいていたカメレオンファンガイアにジャコーダービュートが唸りを上げて叩きつけられる。
その衝撃に透明化が解けたカメレオンファンガイアに怒涛の連続斬撃が叩き込まれていき、追加で縛られて壁に叩きつけられた。
「ぐ、はぁ……!!」
「残念だったな」
蛇というのはビット器官によって嗅覚が非常に優れている。サガが透明化していたカメレオンファンガイアを視認できたのもそれが由来だ。
そして一方のイクサはイクサカリバーを振るい、シケーダファンガイアの両手の刃と切り結ぶ。
「ッ、馬鹿な、人間相手に、この俺が……!」
「人間を甘く見るなってことですよ! そこです!」
「ぐう!! 貴様……ぬあ!?」
距離を取られればすぐにイクサカリバーをガンモードに変形させ、銃撃することで暇を与えない猛攻。
怯んだシケーダファンガイアにキバが投げ飛ばしたホースオルフェノクが激突。生じた大きな隙を逃さず、キバとイクサはアイコンタクトを取り、決めにかかる。
「キバット! フェリ!」
「おっしゃ、決めるぜ! ガルル・バイト!」
『IXACALIBER RIZE UP』
キバットがガルルセイバーの刀身に噛みつき、魔皇力を送り込む。
刀身には青い魔力が充填され、その刃の切れ味は極限まで研ぎ澄まされる。
イクサは胸部のコアから限界値を越えた放熱を始め、イクサカリバーの刀身の振動も相まって凄まじい高熱を放つ。
「―――ハウリング・スラッシュ」
「―――イクサ・ジャッジメント!!」
青き剣閃と赤い一刀、それぞれが振るった刃が煌き、ファンガイアを両断する。
その一閃を受けた二体の身体が煌き、ステンドグラスのような光沢が浮かび上がったかと思えば続けざまに破裂。
ファンガイアの最期だ。
ちなみにわざわざ必殺技名を言うのはどこぞの主神様の吹聴が原因だったりする。
「あとは、お前一人だ」
「く、くそが……」
カメレオンファンガイアにジャコーダーを向けるサガ。
宣告するかのようにウェイクアップフエッスルを取り出した……のもつかの間、地面が激しく揺れ始める。
「なんだ……!?」
「な、な……ん、ぐあああああああ!!!?」
カメレオンファンガイアの足元の地面を突き破って現れたのは、芋虫のようなモンスター。
唐突に現れたそれはカメレオンファンガイアを足元から捕食するとその身体を溶かしながら飲み込んでいく―――。
「ッ…!?」
「タイガ様!」
それに怯んだタイガをフォローするかのようにシーラが指から水弾丸を発射。
軽く怯んだ隙に後退したタイガにメグミが駆け寄る。
「大丈夫!?」
「ああ、平気だが……アレ、直接戦いたくはないな。見ろ」
「え、あ……」
芋虫の傷口から溢れた体液は地面を腐らせ、溶かし、穴を空けている。
その腐臭に顔をしかめながらも特性を把握したワタルがキバットに問いかけた。
「キバット、あれは……」
「知らねえ。未知の新種だ」
「だよね……皆、フェリが怯ませたら退くよ!」
「え、あ、はい先輩!」
「アオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!」
ガルルセイバーを正面に構えたキバに合わせてその鍔となっていた狼の口が開口。
そこから放たれる狼の遠吠えに似た衝撃波が芋虫を一斉に押し返す。
それを見たワタルの合図で五名はその場から撤退―――しようとした矢先、その空間を突き破って上方へ這い上がる大量の新種―――。
「この上は……不味いぞ兄さん! このままだとキャンプの皆が……」
「ッ、合流は後回しか、行こう!」
―――to be continuity
・補足、ライフエナジーについて
ファンガイアのエネルギーの糧たるライフエナジーの問題ですが、これは世界の違いとして重要度が下がりました。
吸血衝動などもなく、普通の食事で生活する上では十分代用可能です。ただし勿論、人の生命エネルギーたるライフエナジーを食えばファンガイアの力はより一層高まります。
過激派は率先してライフエナジーを食らい、より強くなろうとします。
追記
シリーズごとに章分けと並び替えを行いました。