【ここは】クロスオーバー系転生掲示板【何の世界だ?】   作:ファルコン・Σ

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旅行&オーズ映画から帰ってきました。
今回はベル君との邂逅です。……アレ? 蜘蛛?


第二幕・蝙蝠と兎と蜘蛛と

「動ける者は鍋でもまな板でも構わん。盾になりそうな物を持って来い! もうすぐフィン達が冒険者依頼から戻って来る! それまでは何としても持ち堪えるぞ!」

 

50階層、ロキ・ファミリアキャンプ地。

蠢く大量の芋虫型モンスターによる進軍をファミリア副団長のリヴェリアが良く通る声で指揮を飛ばし、喰いとめていた。

だがあらゆる武装を溶解する消化液をたっぷり蓄えた新種、それが大量に押し寄せる状況では防衛の為の盾も、牽制の為の矢も全く頼りにならない。唯一有効打となる魔法でも詠唱の時間は得られない。

 

「ど、りゃああああ」

 

キバの眷属が一人、ランシエはその辺にあった大岩を掴み、群れに向かってぶん投げる事で応戦しているが、その投石ですら勢いは止まらない。徐々に彼女にも疲弊が見え始めている。

 

「くそ、盾はもうないのかよ!」

「足が、俺の足がぁ……!」

「血が止まらない。早くポーションを!」

 

「くっ……」

 

―――もはやこれまでなのか?

そう諦めかけたその時、翡翠色の水飛沫が舞う。

 

「バッシャーマグナム!」

 

「! う、ワタル!」

「間に合ってくれたか……!」

 

緑色の複眼と、魚人の鱗を思わせる装甲、右手に構えるはシーラ/バッシャーが変化した小型銃、バッシャーマグナム。

キバ・バッシャーフォームは進軍する芋虫型モンスターを追い、なんとかギリギリのところで辿り付いたのだ。

 

「ッ、キャンプ地が……!」

「フェリ、ランシエと合流! 皆を守って!」

「分かったわ! 主様も気を付けて!」

 

即座に空中を駆けるように飛び出したフェリをカバーするかのようにバッシャーマグナムを連射。

芋虫が蓄えるのは矢であろうが鉛玉であろうが溶かしてしまう溶解液。

だが案ずることなかれ、この世界ではまだ存在しないこの銃が撃ちだすのはシーラの固有魔法を更に圧縮した「水」。

溶けるような固体を持たず、しかして威力は鉄筋コンクリートに風穴を空けるような高圧水の弾丸は次々とでっぷり肥えたモンスターの身体を貫通し、一発で息の根を止める。しかも弾切れの心配もない。

 

「纏めて、駆逐するッ!」

 

放射状に放たれた水弾がモンスターを貫通。

水飛沫が飛び交う戦場、そこに新たに舞い降りるは「風」。

 

「ワタル、平気?」

「! アイズ! そっちにも居たの?」

「うん、………!」

『あ、ちょっとアイズ様!?』

 

会話もそこそこに、風を纏って群れに突撃するアイズ。置いていかれたシーラの声も聞こえたか怪しいものである。

 

―――そんな彼女の纏う風はアイズ・ヴァレンシュタインが唯一扱える魔法、【エアリアル】。

その吹き荒れる風はあらゆるものを吹き飛ばす。血飛沫一つ着かないアイズの戦いにおいて、このモンスター達は圧倒的に有利だった。

 

「一人で楽しんでんじゃねーぞ!」

「おっと、ベート!」

「ワタル! お前の水寄こせ!」

 

戦況に乱入してきたベート・ローガの要求に即座に反応し、バッシャーマグナムを撃つ。

専用装備フロスヴィルトがシーラの水を吸収した直後、ベートが駆け出し脚を振るえば、高圧の水が蹴りの軌跡に伴って斬撃を生み出し、発射。

 

「ハッハァ! どうだァ!」

『……ご主人、私の魔法を如何様に使おうとも貴方様のご自由ですが、あの品の無い狼に使わせるのは、どうにも……』

「いやいや、アイツの方がお前より使いこなしてねえかあ?」

『なっ、何を仰るのですかキバット様!』

「はいはい喧嘩しないの。そろそろ決めるよ……!」

「バッシャー・バイト!」

 

バッシャーマグナムのコッキングレバーに該当するヒレをキバットに噛ませると、銃全体に魔皇力が充填、それに合わせてキバの足元を中心に幻影の泉が沸き上がる―――。

 

周囲は闇に包まれ、上空に浮かぶは美しく輝く半月。

掲げたバッシャーマグナムのフィンが高速で回転を始め、足元の泉の水を巻き込み、蓄える。

 

「!」

「……」

 

その意図に気付いたベートと一瞬の視線の交差。

バッシャーマグナムを正面に構え、左手を添え、充填された水弾を解き放つ―――バッシャー・アクアトルネード

 

一発。その勢いを殺すことなく大量のモンスターを蹴散らし、溶解液ごと消し飛ばしながら突き進む水弾。

その先に待ち構えていたベートが跳躍し―――、

 

「っしゃオラァ!!!」

 

水弾を強靭な脚で蹴り飛ばす。

軌道変更した弾丸はそのまま地面に叩きつけられ、大爆発を引き起こし、周囲の芋虫を根こそぎ消し飛ばした。

 

「ふう……流石の判断力」

「フン……」

 

と、彼らの活躍で本陣も体勢を整えたのか、二人の連携に続いて本陣から魔法攻撃の一斉砲撃が群れに降り注ぐ。

後に残ったのは草木一つ残さない更地となった。

 

「終わった、か」

「兄さん!」

「先輩!」

「あ、そっちも終わったみたいだね」

 

フィンの部隊と合流していたタイガとメグミが駆け寄ってくる。サガの鎧は基本的に損傷は見られないものの、イクサの方は幾つか溶解しかけた箇所があり、修繕が必要な程度の損傷があった。

 

「怪我は?」

「ありませんよ。ただ……ティオネさんがモロにぶっ被りましたけど」

「ぶっ……」

「素手でモンスターの身体を貫いてたぞ……」

 

その張本人は万能薬で回復し、彼女が想いを寄せる団長、フィンの説教をデレデレした顔で聞いている辺り、全く問題無さそうだが……回りの身にもなってほしいものである。

 

「さて、キバット、そろそろ変身を……キバット?」

「まだ変身解かない方がいいぜ、ワタル。……来る!」

 

―――――――地震にも引けを取らない凄まじい地鳴り。

大地を突き破って、その巨体が姿を現す―――。

 

……新たな新種。

体表の模様は芋虫型と酷似しているが、第二節からは二対四枚の羽根のようなヒレと、女体のような形状。何より大きさは紛れもなく、怪獣クラスである。

そして、それが()()

 

「……あいつらも下の階層から来たっていうの?」

「迷路を壊しながら進めば……なんとか?」

「馬鹿言わないでよ……」

 

それもそれで驚異的だが、なにより恐ろしいのはその巨体、そして芋虫型と同じ模様を持っていること、つまり……。

 

「あのモンスターも倒したら腐食液をぶち撒くんっすよね? ……あの大きさでそんな事になったら……」

 

……最悪の光景が過る。そうなれば自分達は勿論、さほど離れていないキャンプ地も被害を被ることは間違いない。

更に、

 

「!」

 

タイガが素早く動き、ジャコーダービュートを振り回す。

直後に周囲を漂っていた光る粉―――鱗粉が起爆、ジャコーダービュートによる防御が辛うじて不意打ちを防いだ。

 

「……っ。あの光る粉粒、爆発しよったぞ!」

「総員、撤退だ」

「!? 団長!?」

「あのモンスターを放っておくの!?」

「僕も大いに不本意だ。でも、あのモンスターを始末して、かつ被害を最小限に抑えるにはこれしかない」

 

そう決断したフィンは、ワタルとアイズの方を向き、告げた。

 

「アイズ、ワタル、あのモンスターを討て。一人一体をだ」

「了解、団長」

 

即答。迷うことなくワタルは返答し、アイズも続けて頷く。

 

「待ってください団長!?」

「先輩達を残していけません!」

「レフィーヤ、メグミ」

 

フィンに詰め寄るレフィーヤとメグミ、だがそこに割り込んでタイガが2人を止める。

彼は真っ先にフィンの意図を把握していた。そして、

 

「兄さんとアイズなら大丈夫だ。信じていい」

「ッ、ですけど……!」

「私達も、何か……」

「レフィーヤ、メグミ」

 

未だ言い募る二人の肩をポン、とアイズが叩く。

その真っ直ぐな瞳は嘘偽りなく、一言を告げる。

 

「大丈夫、だよ」

「ッ―――」

「二人共、皆を頼んだよ」

「先輩……分かりましたっ!! 無事に帰ってきてくださいね!」

「うん。勿論。シーラ。君も行くんだ」

「……畏まりましたわ。ご武運を」

「十分に離れたら信号を出す。それまでは持ちこたえてくれ。……すまない、二人共」

 

最後にフィンが離れ、残されたのは二人。

 

「……アイズ、左を僕がやる」

「うん。私は右、だね?」

「そういうこと。……行くよ。キバット」

「おう! キバって、行こうぜ!!」

 

 

―――血の掟、赤き音色、響く旋律、その鮮血を以て、裁を布け。

 

―――【(カテナ)

 

 

キバの魔力が螺旋を描き、身体の周囲に絡みつき、浮かび上がる。

やがて、その形のない奔流は金属が擦れる音を鳴らし、響き、その音がリアルな存在を浮かび上がらせる―――。

 

キバの持つ魔法、【(カテナ)】。

魔力を練り上げ、赤い魔力を具現化、質量を持たせ、無数の鎖として操る固有魔法。

打ってよし、縛ってよし、守りによし。質量をもったその鎖の応用性は単一魔法としては群を抜いている。

 

張り巡らされた鎖はキバの足場となり、空中を立体的に動き回る。

女体型モンスターが吐いた溶解液を浴びた鎖は、しかし溶けることなくその場に残る。

具現化された鎖は質量を持つが「実体」ではない、あくまで魔力が重みを持っただけのもの。故に溶けるような固体を持たない。

 

アイズと同じく、この未知なるモンスターに対する天敵であった。

 

「まずは、進行を止める―――!」

 

無数の鎖がキバの意思に応じて射出され、その巨体を縛り上げる。

魔力と侮るなかれ、キバの鎧を含む数多の存在を封じる際にも用いられるこの鎖は魔狼フェンリルを戒めるグレイプニルにも並ぶ。

 

「!」

 

気付けば周囲に爆ぜる鱗粉が包んでいる。

爆発まで3秒。その僅かな時間に、

 

―――証明せよ、定礎せよ、宣告せよ、我此処に存在を刻む

 

―――【(パニッシュ)

 

爆発、その煙が晴れた中央、無傷のキバが立っている。

 

キバの第二魔法、【(パニッシュ)】もまた、非常に使い勝手が良い魔法。

蝙蝠と三日月を象ったキバの紋章(ライダーズクレスト)を生み出す。周囲に結界を形成させればこのように防御に使え、また……

 

「行けっ!」

 

拳を振るえば、放たれた紋章がモンスターを縛りつけ、指を鳴らすと同時に起爆。

本来ダークキバが用いる技だが、このようにキバにも継承されているのである。

吐き出される溶解液を、鎖と同じく実体を持たない紋は鉄壁となって溶けることなく防ぎきり、尚且つ投じられた紋は爆発し、大きなダメージを与えていく。

鱗粉の爆発も、堅牢なキバの鎧には傷一つ付かない。

 

「ワタル!」

「!」

 

アイズの声に反応し、上空を見れば打ち上がる信号弾。フィンが告げていた、撤退が完了した合図。

ならば、今こそ決める時。

 

「【(カテナ)】ッ! その存在を戒めろ!!」

 

キバの勅命に応じるが如く、鎖は無数に張り巡らされたフィールドから更に迸り、女体型の身体を縛り上げる。

雁字搦めに封じられた巨体は多少の身じろぎはできても、それは何の意味も成さない行動。

ベルトのホルダーから抜き取られた一つの笛をキバットに噛ませ、吹き鳴らす。

 

「ウェイク・アップ!」

 

陽が消え、夜が満ち、月が欠ける。

空―――決してモンスターが見る事のない夜空に浮かぶは三日月。

 

―――かつて、問われた。

どうしてそこまで強くなれるのかと。

 

―――託された想いがある。

―――見届けたい景色がある。

―――守りたい願いがある。

 

―――その望みを叶える為に、皇になる。

それを果たすまでは、さぞ険しい道だろう。

 

だからこそ、倒れることは出来ない。

そう、自分に誓ったから。

 

定めの鎖を解き放ち(ヘルズゲート・オープン)、闇夜の皇が目覚める。

 

 

「月夜に眠れ―――月夜ノ終劇《ダークネス・ムーン・ブレイク》」

 

 

一瞬、赤き閃光が瞬いたと思えば全身全霊を込めたキバの必殺の蹴り(ライダーキック)が叩き込まれる。

貫通はしないものの、その強烈な一撃をモロに叩き込まれた女体型モンスターはそのまま勢いよく吹き飛ばされ、壁に激突。

その腹に刻まれたキバの紋章が赤く輝いたかと思えば、直後、―――爆散。

 

 

―――地下50階層にてロキ・ファミリアは遠征を終了、この時点より帰還行動へ移る。

 

 


 

 

その帰りの道中である。

17階層、彼らはミノタウロスの群れに遭遇。

一級冒険者たるロキ・ファミリア実力者たちには大した脅威でもない、というか寧ろ謎の新種で溜まったフラストレーション解消の為のサンドバックになるのが関の山―――。

 

だったのだが、あまりにも遠慮がなかったのか、相当手荒かったのか、恐怖心を抱いたミノタウロス共は錯乱し大暴走。

あくまでロキ・ファミリアにとっては大した脅威でないだけで、上層の新米冒険者にとってはまだ逆立ちしても敵わない脅威となり得る。

騒動を鎮圧する為、一斉に対処へ赴く。

そんな中で、5階層。

 

「最後の一体、何処に……」

「こっちだワタル!」

 

ミノタウロスを駆逐しながら5階層まで駆け上がってきたワタルとベート。

その先から少年の悲鳴が聞こえてくる。

 

「う、うわあああああああ!!!?」

「チッ! あのガキ素人か!?」

「フェリ! 加速するよ!」

『分かったわ主様!!』

「ガルル・バイト!」

 

その剛腕が少年を潰そうとした瞬間、駆け付けた青眼のキバがミノタウロスを斬り刻む。

その際盛大に飛び散った血飛沫が少年にぶっかかり、顔をトマトのように真っ赤に染めた。

 

「………」

「ふう、危なかった……大丈夫かい?」

「………う」

「………う?」

「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!?」

 

直後、少年、脱兎が如き勢いで逃げ出した。

 

「………ええー」

「は、はは、ハハハッ!! おいおい! お前助けたガキに逃げられてんじゃねえか!! まあそのおっかねえ面じゃ無理ねえよなあ!!」

「む……ねえキバット、フェリ、そんなに怖い?」

『目つきは悪いと思うわ』

「その良さが分からねえ奴はほっときゃいいんだよ~」

 

ええ~……と切なそうにため息を吐くキバであった。

 

 

と、その一つ下の6階層にて。

 

「アイズ! こっちは終わった!」

「うん……!(あと、一体は何処に……)」

 

『ブモォオオオオオオオオオオオオ!!!!?』

 

「! こっち……!」

 

ミノタウロスの雄叫びを聞いたアイズは素早くその声の方へ走り出す。

襲われているであろう冒険者を救う為――だが、彼女の見た景色は全く異なるものであった。

 

『ブム、モゴォ!!?』

「あのさ、僕は別に闘牛士とか目指してるわけじゃないんだけどさ、こういう真っ赤なイカしたコスチュームを着てる方が悪いって言いたいわけ? ていうかアレ? 君達って別に赤いものに反応してるってわけじゃないんだっけ?」

 

「……?」

 

ミノタウロスが翻弄されていた。

相手は冒険者―――にしては奇抜過ぎる格好をしている。

真っ赤な、蜘蛛の巣を張り巡らしたような全身にフィットするようなスーツで一切の露出を隠し、ミノタウロスの周囲、壁や天井を思うがまま軽々と跳び回って翻弄。

極めつけに手首からどういった原理かは不明だが白い糸を放ち、ミノタウロスの目を潰し、口をふさぎ、腕や脚を縛り付けている。

一見細そうなその糸はしかし、強力で知られるミノタウロスがいくら暴れても千切れることはない。

そんな謎の人物―――人なのかも怪しい存在は軽口を叩きながらもミノタウロスを翻弄していた。

 

「ほらほら、牛さんこちら、手のなる方へ、お鼻にたかる蜘蛛さん払えー、おっと、それは蠅だっけ? けど僕は蠅男は勘弁ってね!」

 

完全に四肢を封じた謎の男、そのまま頭上から蜘蛛糸をパチンコのように用いて射出されたドロップキックがミノタウロスの頭部に炸裂、そのまま首を圧し折った。

 

「よっと、いっちょ上がり! ん……? おわぁ!?」

「……貴方、誰? モンスター?」

「ちょちょ、待った待った!! こーんな二足歩行でホールドアップして流暢にジョークを喋るモンスターなんていると思う?」

「………確かに」

 

突きつけていたデスペラードを収めるアイズ。

というかこんなダンジョンでこんな格好をしている蜘蛛男の方が明らかに怪しいのは間違いない。

 

「アーイズー! また一人で……ってあー!!!? スパイダーマンッ!?」

 

そこに追いついたティオナ、アイズの目の前に居た変質者を見るや否やビシッと指差し、勢いよく接近。その目はキラキラと輝いている。

なお世間に疎いアイズはキョトンとしている。

 

「おっと、お嬢さん僕のファン? サインは転売禁止も兼ねて予約制だからごめんね?」

「……スパイダーマン?」

「え、アイズ知らないの!? 最近オラリオに現れた「親愛なる隣人」!」

 

いわく、路地裏でカツアゲしてきた連中を追い払ってもらった人がいた。

いわく、行方不明になった猫を探し出してくれた人がいた。

いわく、ダンジョンで危ない所を助けてくれた人がいた。

 

しかし顔は見せず、正体は愚か、所属ファミリアも不明。

そんな彼に「二つ名」とは別に人々から与えられた名が「親愛なる隣人」。

 

それが彼、スパイダーマンである。

 

「ねえ、空から降って来たって本当!?」

「あはは~? 誰かなそんな暇潰しにしかならないデマを流したのは?」

「……人間、なの?」

「勿論? 覆面の下を見せる事は肖像権の都合できないけどね? それに君達の所にいるキバだって人間だろ?」

「それは、そう」

「んじゃ、僕はそろそろ行かなきゃ。ごめんね!」

 

そう言ったスパイダーマンは蜘蛛糸を飛ばし、ターザンするかのようにダンジョンの彼方へ飛び去っていってしまった。

 

「いやー、珍しいもの見れたね! じゃ、帰ろうかアイズ!」

「あ、うん」

 

 


 

301:キバってオラトリア

ジオウニキ? どうしてスパイダーマンが居るのか説明してくださるかしら?

 

302:スペードの剣@ノーネーム所属

落ち着け口調がおかしいぞキバニキ

 

303:IS学園潜入刑事D

確かに、一周目のキバニキの世界には居なかったな

 

304:魔王オーマジオウ・トリニティ

いや、あのね? 俺はあくまでライダーの力は分かるけど、流石にマーベルヒーローまでは分からないからね?

 

305:ΑGITΩ@現在65階層

魔王の責任じゃないってなると誰?

 

306:幻想郷が俺の世界DCD

俺だ

 

307:オカ研所属龍騎

お前だったのか

 

308:幻想郷が俺の世界DCD

暇を持て余した

 

309:魔王オーマジオウ・トリニティ

ライダーの

 

310:幻想郷が俺の世界DCD

遊び

 

311:スペードの剣@ノーネーム所属

ここまでテンプレ

 

312:ゲイムギョウカイのマゼンタマイティ

ここまで天ぷら

 

313:カレイドゴースト@プリヤ時空

(ファミチキ食べたい)

 

314:オカ研所属龍騎

(コイツ直接脳内に!?)

 

315:キバってオラトリア

い い か げ ん に し ろ

 

316:IS学園潜入刑事D

ヤバいキバニキがキレた

 

317:幻想郷が俺の世界DCD

落ち着け、ちゃんと説明する。そもそも世界をつなぎ合わせて今のダンまち世界にしたってのは分かるだろ?

その際、繋ぐ先の世界が「ダンまちとスパイダーマンの世界」だったってだけだ。

 

318:学園都市のビルド

つまるところディケイドニキの確認不足だろ?

 

319:幻想郷が俺の世界DCD

大体そういうことだ

 

320:キバってオラトリア

OK、分かった、とりあえずハメ技&エンペラームーンブレイクで許す

 

321:幻想郷が俺の世界DCD

待ったそれ死ぬやつ

 

322:スペードの剣@ノーネーム所属

加勢するか?

 

323:カレイドゴースト@プリヤ時空

夏未完始まっちゃうw

 

324:ΑGITΩ@現在62階層

おのれディケイド

 

325:オカ研所属龍騎

大丈夫だ。皆の記憶で蘇る。

 

 


 

 

その日の夜、ギルドから帰路についていた新米冒険者、ベル・クラネルは自分のファミリアである廃教会へ帰って来た。

 

「只今帰りました」

「や、お帰りベル」

「あっ、ピーターさん!」

 

出迎えたのは茶髪の好青年『ピーター・パーカー』。

現状二人だけのファミリアの団員であり、冒険者ではなく各地でバイトをしてファミリアの経営を賄っている青年だ。

 

「……ってあれ? そのお茶どうしたんですか?」

「ああ、お客さんが二人ほど来ていてね」

「ベルくーーーん!!!」

「わわ、神様!?」

 

と、奥から飛びついてきた黒髪ツインテール童顔巨乳の少女。この属性盛りな少女が彼らの主神たるヘスティアである。

そんな彼女は非常に上機嫌でベルに抱き着いている。

 

「ど、どうしたんですか?」

「聞いておくれよ! このファミリアに入団希望者が来たんだ! それも二人も!」

「えっ!?」

 

ご機嫌なヘスティアに引かれる形で奥の応接間(便宜上そう呼ぶ)に連れていかれたベルを待っていたのは、二人の女性。

一人は深紅の長髪に碧眼、もう一人は白髪に紫眼、顔つきはそっくりで姉妹かな、とベルは感想した。すると姉と思わしき女性が徐に立ち上がり、

 

「団長のベル・クラネルさんね? 私は「ミオ・フォルテ」という者、此方は妹の…」

「「ナツミ・フォルテ」です。以後よろしくお願いします」

「あ、ど、どうも、ベル・クラネルです……だ、団長なんて、うちには僕とピーターさんしかいませんから……」

 

 

―――運命の夜は、明け始める。




・Reダンまち世界
ディケイドニキが繋いだ世界はまた別のクロスオーバー世界だったというオチ。
最近試験が終わってようやくPS4のスパイダーマンを遊び始めたら予想以上に嵌ってしまったので……

(カテナ)(パニッシュ)
イクサ以外のキバ系列ライダーの固有魔法として採用。
キバに限らずサガやダークキバ、キバーラも扱えるがそれぞれで個性は異なる。
キバの扱うものは特に固有で特殊な性能を持たないオーソドックスなもの。
元ネタは平ジェネForeverのキバの技やダークキバの使う紋章。

・スパイダーマン/ピーター・パーカー
もうこの名前の時点で恐らくモロバレだと思うので明かしてしまいます。
彼もまた転生者ですが、前世の記憶を一切持っていません。なのでダンまちという物語は知らずに生きてきました。
原型となり、尚且つ転生特典は「PS4版スパイダーマン、及びピーター・パーカーの頭脳とスーツ・ガシャットを始めとする発明」。
ベルやヘスティアにもスパイダーマンとしての活動を隠し、純粋な「親愛なる隣人」として活動中。
今回ダンジョンに居たのはベルを密かにサポートする為。一つ先の階層で突然現れたミノタウロスを対処していたら別のミノタウロスにベルが襲われていたと聞いて一人頭を壁に打ちつけた。
なお、その際救ってくれたキバには必ずお礼をするつもりでいる。

・ミオ、ナツミ
苗字から察せられるであろう存在。
何故ヘスティア・ファミリアに来たのかは現状不明。続きを書くなら語るかも
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