【ここは】クロスオーバー系転生掲示板【何の世界だ?】 作:ファルコン・Σ
その甲斐もあってようやく本領発揮でございます!!
111:スペードの剣@こんにちは箱庭
『な、なんであの短時間で”フォレス・ガロ”のリーダーと接触して喧嘩を売る状況になったのですか!?』
『しかもゲームの日取りは明日!?』
『それも敵のテリトリーで戦うなんて!』
『準備の時間もお金もありません!』
『聞いてるのですか三人とも!』
『『『ムシャクシャしてやった。今は反省している』』』
『だまらっしゃい!』
112:執務官受験生555
やっぱノリよすぎんだろこのブレイド
113:鎧武が斬る!零
まあ俺があの場に居たら俺でもそうする。誰だってそうする
114:執行官ナンバー15ウィザード
まあこの掲示板の住人だったら誰でもやるだろうねえ
115:ビルド@おのれエボルトォ!
ああ、話聞いてても虫唾が走ったな
116:装者全員と友達になる男
流石に響でもこいつは許せねえだろうなあ
117:スペードの剣@こんにちは箱庭
まあ、懸念というか問題はゲームのルールを向こうが決められるっていうのがな……こういう向こうに有利な条件を譲歩しないと奴はさっさと尻尾を巻いて逃げ出してしまうから止むを得ないわけだが
118:五代さんみたいになりたいクウガ
あ、そうか。強制権を持ってるのはあくまで魔王だからね。
119:ビルド@おのれエボルトォ!
自分が負けると分かっている勝負に挑むほど相手も馬鹿じゃないだろうしなあ
120:カブト@ユニオン指揮官
まあ、此処はそこまで気負う必要はないだろう。チュートリアルのような闘いだ。それにブレイドニキの実力でならば問題無い
121:スペードの剣@こんにちは箱庭
高く買ってもらって嬉しいが、流石にお前ほどじゃないよカブトニキ
122:カブト@ユニオン指揮官
いや、どの口が言う
123:五代さんみたいになりたいクウガ
両方大概じゃない?
124:鎧武が斬る!零
いやアンタもその一員だぞクウガニキ
125:執行官ナンバー15ウィザード
そういう鎧武ニキもいずれそうなるよね
♠♠♠
黒ウサギのお説教後、カズハ達はとある店、つまりコミュニティを目指していた。
目的地は"サウザンドアイズ"なるコミュニティ。
ギフトの鑑定も行っている大型組織であり、翌日がガルドとのギフトゲームでもある為、前準備として急遽其方へ赴くことになった。
無論、カズハ自身は自分の能力は分かっているし、何なら自分の正体バレすることに抵抗があるので渋ったのだが流石にこの時点で散々迷惑を掛けられた黒ウサギがそんな単独行動を許すわけがなかった。
ついでにガルドに喧嘩を売った張本人ということで目を光らされているのである。
「……監視されると結構困るんだが」
「いいえ! 見張ってないと貴方は何処へ行くか分かりませんから!」
「それは十六夜もだろ……俺が何をしたというんだ。ただ喧嘩を吹っ掛けただけなのに」
「それが大問題なのデスヨ!」
「どうでもいいけどアレ目的の店じゃないか? 閉まりかけてるが」
「! ちょ、待っ「待ったは無しですお客様。当店は時間外営業をしておりません」」
黒ウサギ、門前払いされる。
なお自由になったカズハだが今度は先程からやたら見てくる耀の目線が気になって動けなかったりする。
「なんて商売っ気のない店なのかしら」
「全くです! 閉店時間の五分前に締め出すなんて!」
「文句があるなら余所へどうぞ。これ以上騒ぐなら出禁にしますのでご自由に」
「出禁!? これだけで出禁とか御客様を舐め過ぎでございますよ!?」
「あ、じゃあまた後日ということで帰「らせませんからねカズハさん」……チッ」
帰ろうとしたら黒ウサギに腕が掴まれた。普通なら胸キュン展開だがカズハの胸中は憂鬱である。
アンデッドバレはもう避けられないようだ。
「ふむ。確かに"箱庭の貴族"であるお客様を無碍にはできませんね。宜しければ、コミュニティの名を伺いたいのですか?」
「俺達は"ノーネーム"ってコミュニティなんだが」
「ほほう? ではどこの"ノーネーム"様でしょうか? よろしければ旗印をご確認させて下さい」
「……なるほどねえ」
お手上げとばかりに両手をあげる十六夜。『名無し』が抱える交渉上のリスクを目の当たりにすることになった。
匿名で交渉など信頼に欠けるのだ。それは道理が通っている。店員の意地悪にフシャーっとなる黒ウサギの気持ちは分かれど今回は全面的に彼方が正しい。
なのだが、
「いぃぃぃやほぉぉぉぉぉぉ! 久しぶりだ黒ウサギィィィィィ!」
店の中から白い人影が猛ダッシュで飛び込んできた。
本来であればその襲撃者は黒ウサギに飛び込んで諸共に道脇の水道にボチャンする運命だったのだが、たまたま近くに居たカズハが反射的に黒ウサギを抱きかかえて退避。一人で勝手に水に飛び込むことになった。
「おい店員。この店にはドッキリサービスがあるのか? なら俺も別バージョンで是非」
「ありません」
「なんなら有料でも」
「やりません」
「何コントしてるんだそこ二人」
「そういうお前は何時まで黒ウサギをお姫様抱っこしてるんだ役得野郎」
「あっ」
完全に無意識であった。我に返ったカズハは(囃し立てる十六夜&掲示板の連中を黙殺した上で)黒ウサギに声を掛ける。
「悪い黒ウサギ、大丈夫か?」
「…………」
「……おーい黒ウサギさーん?」
「……ハッ!? すすすすみませんカズハさんいやこんなつもりで貴方の手を引いていたわけではなくてデスネ!!?」
「いや、その、とりあえず降ろそうか?」
「ほぁ!?」
お姫様抱っこにテンパる黒ウサギ、それに釣られて慌てるカズハ、ケタケタ笑って揶揄う十六夜。他所でやってくれとばかりの女性店員、水路に犬神家状態の和装ロリ。何故かカズハをジーッと見ている耀。ついでに更に囃すスレ民達(カズハの脳内のみ)。
カオスな環境に放置されてしまった久遠飛鳥(15)であった。
♠♠♠
「あらためて自己紹介をしようかの。私は四桁の門、三三四五外門に本拠を構えておる"サウザンドアイズ"幹部の白夜叉だ。以後見知りおいてくれ」
そういうわけで、この和装ロリ――白夜叉の計らいで彼女の自室へ通された一行。
なお黒ウサギは気まずさからか先程からカズハの顔を見れていない。そしてそれを見てニヤニヤしている十六夜は後で殴ろうと決めたカズハであった。
「外門って、何?」
「箱庭の階層を示す外壁にある門ですよ。数字が若いほど都市の中心部に近く、同時に強力な力を持つ者達が住んでいるのです。因みに私達のコミュニティは一番外側の七桁の外門ですね」
黒ウサギが書いた図を見て口々に玉ねぎ(耀)だのバームクーヘン(飛鳥・十六夜)だのアーチェリーの的(カズハ)だの好き勝手言う一行。
ちなみに
151:五代さんみたいになりたいクウガ
バームクーヘンに一票
152:鎧武が斬る!零
玉ねぎでもあってるだろ?
153:装者全員と友達になる男
バームクーヘンが食いてえ!
154:執務官受験生555
お前は黙ってろフォーゼニキ
アクセルフォームの中心部
155:ビルド@おのれエボルトォ!
上から見たパンドラタワー
156:執行官ナンバー15ウィザード
作画崩壊キャベツ
157:カブト@ユニオン指揮官
おいやめろウィザード
スレ民達も自由であった。呑気である。
「今いる七桁の外門はアーチェリーの一番外側部分にあたるな。更に説明するなら、東西南北の四つの区切りの東側にあたり、外門のすぐ外は“世界の果て”と向かい合う場所になる。あそこはコミュニティに属してはいないものの、強力なギフトを持ったもの達が住んでおるぞ―――その水樹の持ち主などな。しかし、一体誰が、どのようなゲームで勝ったのだ?知恵か? 勇気か?」
「いえいえ、此方の十六夜さんが蛇神様を素手で叩きのめしてきたのですよ」
その黒ウサギの言葉にカズハは内心で驚き、即座にカブトニキに確認。返答は「マジだぞ」であった。
まあ、生身でアクセルフォームに匹敵する速度で動けるほどの男ならば相応の実力者であるのは間違いないだろうが……。
なおカブトニキ曰く、「ライダーとしてはアギトくらいの力はあるのではないか?」との考察。化物かよと内心で毒づいた。
そしてお前が言うなとスレ民達に突っ込まれた。解せる。実際自分は化物だ。
「白夜叉様はあの蛇神様とお知り合いなのでございますか?」
「知り合いも何も、アレに神格を与えたのはこの私だぞ。もう何百年も前の話だがの」
「へぇ、じゃぁお前はあの蛇より強いってことだな?」
「当然。私は東側の“階層支配者”だぞ。この東側にある四桁以下のコミュニティでは並ぶ者がいない、最強の“主催者”なのだから」
ふむ、と一つ頷いて白夜叉を改めて見る。
今のところ彼女の雰囲気は年相応の少女と何ら変わらない。故にそれが逆に恐ろしい。
ジョーカーであるカリスも人として暮らしている時はアンデッドの雰囲気は殆ど……それこそ同族となってようやくうっすら分かる程度に抑え込んでいたからだ。
能ある鷹は爪を隠すとは言うが、完璧に隠された爪がどれほどの大きさなのか分からないのが恐ろしかった。
不死者は生存する事には敏感なのである。
無論、それが分かるのはカズハが歴戦の戦士故であって、
「そう……ふふ。ではつまり、貴女のゲームをクリア出来れば、私達のコミュニティは東側で最強のコミュニティということになるのかしら?」
「無論、そうなるの」
「そりゃ、景気のいい話だ。探す手間が省けた」
こういうわけだ。ライダーになったばかりの自分やレンゲルを思い出す。
あの時は調子に乗ってリザードアンデッド相手に意気揚々と挑んでいってあっさり返り討ちに……思い出したくない黒歴史である。
「抜け目無い童達だ。依頼しておきながら、私にギフトゲームを挑むとは」
「え、ちょ!?ちょっと御三人様!?」
「よいよ黒ウサギ。私も遊び相手には常に飢えている」
「ノリがいいわね。好きよ、そういうの」
「ふふ、そうかそうか。しかし、ゲームの前に一つ確認しておく事がある」
「何だ?」
「おんしらが望むのは“挑戦”かーーーーもしくは、“決闘”か?」
173:五代さんみたいになりたいクウガ
水平に廻る太陽と白い地平線の世界……世界展開かあ、エグゼイドみたいな感じかな
174:カブト@ユニオン指揮官
アレはあくまでVRに近い仮想空間。彼女の広げる世界は文字通りそのまま、世界そのものだ。
175;鎧武が斬る!零
要は固有結界みたいなもんか
176:執務官受験生555
実際どっちが凄いのかは分からんが……
177:執行官ナンバー15ウィザード
固有結界は魔術師の奥義。それをただのゲーム盤として召喚できる時点でヤバさ分かるよね?
178:装者全員と友達になる男
お、流石に降参したみたいだなー。序盤にいきなり超新星発動ホロスコープス相手にするようなもんだしなー
179:スペードの剣@こんにちは箱庭
『して、おんしはどうする?」
『いや、だとしても皆黒歴史はある筈だ……だってサクマさんだってギャレンらしくネタの宝庫だし……』
『……小僧?』
『うん、そうだよブレイドっていう作品自体がネタの宝庫だから黒歴史なんか沢山あるってうん』
180:執務官受験生555
おいブレイド
181:スペードの剣@こんにちは箱庭
うぉ!? あ、なんです? ここ何処だ!?
182:鎧武が斬る!零
黒歴史開いて蹲ってる間にその白夜叉がステージセレクトした
183:スペードの剣@こんにちは箱庭
あ、やっぱりこれ白夜叉の能力か。……で、どうするか、だっけか。あー……そうだな。
『流石に試練でいい。流石に太陽を斬るようなことはできないからな』
『……ほう? おんし面白い事を言うの?』
184:装者全員と友達になる男
なんか目を着けられてね?
185:ビルド@おのれエボルトォ!
今の発言は結構挑発だぞー?
186:スペードの剣@こんにちは箱庭
いや、流石にそんなこと……ありそう。めっちゃニヤってした
187:五代さんみたいになりたいクウガ
アンデッド隠す気ある?
188:スペードの剣@こんにちは箱庭
もう無理だろ(諦め)
189:執務官受験生555
ちょっと待て、なんか聞こえねえか?
190:五代さんみたいになりたいクウガ
向こうの山脈から何か飛んできて……っておおー! これグリフォンじゃない!?
191:装者全員と友達になる男
かっけー!! いいなー! 俺も生で見てえ!
192:鎧武が斬る!零
盛り上がってんな熱血組(←危険種で散々見た)
193:スペードの剣@こんにちは箱庭
『へえ、アンタもサウザンドアイズの一員なのか?』
『グルウ……! グウウ……』
194:執行官ナンバー15ウィザード
いやシレッと当たり前のように会話しないで
195:スペードの剣@こんにちは箱庭
いや、グリフォンって獅子(♠3)と鷲(♠J)の合体だろ? 会話対象だぞ
196:執務官受験生555
それはそうだが……白夜叉に目着けられてること忘れていないか?
197:五代さんみたいになりたいクウガ
あれ、白夜叉さんがなんかゲームのルールみたいなの書いてる紙を出してるよ?
198:スペードの剣@こんにちは箱庭
……あれー? プレイヤーに俺の名前書いてないんだけどカブトニキこれってどういうことー?
199:カブト@ユニオン指揮官
知らんな。つまりオリジナル展開だ
200:スペードの剣@こんにちは箱庭
ウソダドンドコドー
結果として、グリフォンとのギフトゲームは耀が単身挑み、無事に攻略した。
彼女の恩恵は動物と会話するのみならず、友となった生物の能力を己の力として発現する能力であり、それを以てグリフォンの空を駆ける能力を使い、見事に降り立った。
その核となるアクセサリーを彼女の父親が作ったという話や、白夜叉が買い取りたいと強請って即却下されたりといった事があったがカズハにとっての本題は此処からだ。
「では、次いで其方の小僧の試練としようかの」
「あの、なんで俺だけ別なんですかねホント」
「決まっておる。おんしは他の童と違うのがよく分かるからの」
「オウ……魔王に目を着けられるなんてついてないな……」
「うん、カズハの力は私も気になる」
「耀さんはなんでそこまで俺に拘るんです?」
実際ずーっと見ている耀である。理由もそろそろ気になるところだ。
そんな一同のやり取りを一歩引いた場所から見ていた十六夜は隣にいる飛鳥に話しかける。
「なあお嬢様。アイツの能力はそんなに変わってるのか?」
「いえ、そうでもないと思うのだけど……特定の種族の動物と会話が出来るのと、黄金の大きな剣を召喚するくらいしか見てないわ」
「うむむ、そのくらいの恩恵は箱庭でも珍しくはありませんね。何故耀さんはそこまで興味津々なのでしょうか……」
「なんだ黒ウサギ、お姫様抱っこしてくれた男に他の女が夢中で嫉妬か?」
「い、いやいやそんなことは!? 黒ウサギは200年貞操を守ってきたウサギでございますからそんな軽い女ではないのですよぉ!!?」
「「チョロそう」」
「だまらっしゃい!!」
後ろのコントはさておき、白夜叉が軽く手をあげる。
「では、おんしにはこやつの相手をしてもらおうかの。来い」
その発言から間を置かず、白い太陽から一直線に放たれた閃光が稲穂の大地に突き刺さり、激しく炎上させる。
やがてその炎は頭、腕を象っていき、焔の巨人へとなった。
『ギフトゲーム名 “火災を鎮める者”
・プレイヤー一覧
剣城カズハ
・クリア条件:イフリートとの一対一の交戦
・クリア方法:火災を制し、イフリートを打ち消す
・敗北条件:降参か、プレイヤーが上記の勝利を満たせなくなった場合。
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。
“サウザンドアイズ”印』
『オオオオオオオオオオオ……!!』
「こやつは炎の精霊イフリート。コミュニティが隷属させたものの、乱暴狼藉が酷く、私が預かっている。こやつがおんしの相手よ」
「いや白夜叉様!? 先程のグリフォンさんとは危険度が比較にならないのですが!?」
「呵々、何を言うか黒ウサギ。のう小僧。この程度
実際黒ウサギの抗議も正しい。火の精霊イフリートは時に大火災の象徴ともなる程の悪魔である。
普通の人間にとってはまさしく「厄災」。
……そう、普通の人間にとっては。
「……十六夜、見ていた方がいいよ」
「へえ? 春日部がそう言うって事は期待していいんだな?」
「うん、裏切らないと思う。多分」
「……はあ、仕方ない……」
『ABSORB QUEEN』
カズハの腰と左腕に出現したのは『ブレイバックル』と『ラウズアブソーバー』。
そして彼の胸から三枚のカードが飛び出し、♠A/チェンジビートルはブレイバックルに、♠Q/アブソーブカプリコーンはラウズアブソーバーに自動的に装填。そして最後の♠K/エボリューションコーカサスはラウズアブソーバーのスリットを自動的に走る。
「アレは……トランプ?」
「おいおい、まさか……ハハッ、マジかよ!」
「やっぱり、あの剣間違いなかった……!」
「ひけらかす為の力じゃないんだが………変身!」
黄金のオリハルコンエレメントがカズハの身体を通り抜ける。
そしてその身は重厚かつ、豪華絢爛な王の鎧を纏い、その圧倒的な存在感は周囲の空気を震わせる。
これが剣城カズハのもう一つの姿。
そして、原典たる剣崎一真もまた同じく辿り着いた最強の姿。
『仮面ライダーブレイド・キングフォーム』である。
「……来い」
右手に現れる王の剣・重醒剣キングラウザーを携え、悠々と歩みを進めるブレイド。
その余裕の歩みが癪に触れたのか、その、巨大邪神14に匹敵する太さの腕が、地獄の炎の本流がブレイドの身体をいとも容易く飲み込んだ。
「か、カズハさん!」
「落ち着くがよい黒ウサギ」
「し、白夜叉様今回ばかりはダメです! イフリートの炎は人間など容易く焼き尽くして……」
「よーく見るがよい。あやつは
白夜叉が扇子で指差す先。
炎に包まれているにも関わらず、王はその歩みを一切止めない。
そして、左上腕・スラッシュリザードの文様が光り輝き、その光が左手に持ち替えたキングラウザーに伝わり、刀身を更に眩く輝かせる。
そして一閃。
炎の腕が上下に真っ二つに裂かれた。
『ッッッ!!!』
それに動揺したようなイフリートが、今度は左腕を伸ばす。
対するブレイド、今度は右の前腕に宿るライオンビートのクレストを輝かせ、拳で炎の巨腕と激突。
打ち勝ったのはブレイド、放たれた拳、キングライオンビートが放つ強烈な衝撃にイフリートの腕は届く事すら叶わず、爆散。
「オイオイオイマジかよこんなん生で見れるなんて最ッ高じゃねェか!」
「うん、うん…! 本物の、仮面ライダー…!」
「凄い………」
「カズハさん……!」
観戦している十六夜と耀は大興奮。
少年のようにはしゃぐ十六夜に対し、耀は目の前の光景を噛み締めるかのように見入っている。
飛鳥は言葉を失ったようにその戦いに魅せられ、黒ウサギは想定以上の実力に衝撃を受けながらも無事を祈る。
「……!」
イフリートが突如口を開く。直感的に嫌な予感がしたブレイドはその場から横に跳び、その地面に口から放たれた熱線が着弾。
熱を限界まで圧縮されたそのビームは地面を遥か深くまで焼き抉っている。
「流石に、これは受けたくないな………」
左下腿脛部のクレストが輝く。
そのブレイドが何か行動を起こす前にイフリートは更に太い熱線を口から放ち、その光線はブレイドが居た場所を丸ごと焼き尽くす。
「カズハ君ッ!?」
「そんな!?」
『グフフ……ハッハッハッハッハッハッハァ!!!!!』
黒ウサギと飛鳥の悲鳴。イフリートの嘲笑。
だが十六夜と耀はその光景を信じていない。彼がどういう存在かを知っているから。
「何を勝ち誇っているんだ?」
『ハッ?』
イフリートの背後。マッハジャガーの能力、即ち高速移動によって熱線をかわし背後に回っていたブレイド。
その身体から五枚の黄金のカードが飛び出し、自動的にキングラウザーへ吸い込まれていく。
「お前の運命は、俺の刃が断ち斬る!!」
ブレイドの左手に片刃の醒剣・ブレイラウザーが出現。
雷、鋼、磁力、高速、時間の五つの力を束ねた青い稲妻を纏い、長大なエナジーソードが形成。周囲の大気を揺るがし、雷鳴が轟く。
それを左手一本で横薙ぎに振るい、イフリートの巨躯を上下に断つ!
『ゴアアアアアアアアアアアアア!!?』
「まだだッ!!!!」
更に手を緩めず、キングラウザーにチャージされていた黄金の光刃が続けざまに振るう。
天空から降り注ぐ裁きの落雷が如く、その厄災をぶった斬る!
「だりゃああああああああああああああああああああ!!!!!」
上下左右に見事に四等分されたイフリートは崩れ落ちるように燃え尽きる。
それを見届けた白夜叉が柏手を打ち、宣言。
「そこまで! 勝負あり!」
「………ふうぅ……」
ブレイバックルのレバーを引き、黄金のオリハルコンエレメントが透過し、元のカズハの姿に戻る。
少し息を吐く彼に白夜叉は両手で拍手しながら歩み寄った。
「見事じゃ。やはりおんしは只者ではないのう」
「あー……あの精霊、思いっきり斬ったんだけど大丈夫か……?」
「何、心配は要らぬよ。あやつは精霊故に元素……つまり炎があれば何度でも顕現できる」
「そうか。ならいいけど」
やるからには全力。そうして戦ってきた彼は手加減が出来ない。
やるならば通常のブレイドを使うべきなのだが、それでは余裕がなかったのもまた事実であった。
「ヤハハハハッ。いやいや、めっちゃ良いもん見させてもらったぜ。まさかお前の恩恵が『仮面ライダーブレイド』だったとはな」
「なんだ十六夜、それに耀も知ってたのか?」
「当たり前だ。剣や響鬼は俺にとっちゃ黄金世代だぜ?」
「私も……よく昔の映像を見てたから」
こっそりカブトニキに確認するカズハだが、耀はともかく十六夜は現代日本と遜色ない時代から来た人間とのこと。仮面ライダーを知っていても不思議ではないだろうとの見解であった。
「ね、ねえ。その仮面ライダーってなんなの?」
「飛鳥は知らない? 仮面ライダーは人類の愛と平和を守る、仮面と鎧を纏ってバイクを駆る正義のヒーロー、だよ」
「へえ、中々格好いいじゃない。カズハ君はその、仮面ライダーだったということね?」
「面と向かって言われると流石に恥ずかしいな………」
少し照れたように頬をかく姿は先程の冷静かつ豪快な戦士の印象を抱かせない。
まさしく「変身」だったのだろう。
「か、カズハさん、お身体は大丈夫ですか? 火傷とかあれば……」
「問題ない黒ウサギ。あの程度の熱ならば「効かない」からな」
証明とばかりに腕を捲り地肌を見せる。
火傷は愚か、水脹れすらも見当たらない綺麗な肌にようやく黒ウサギはほっと安堵した。
「ふむふむ、何はともあれおんしは己の恩恵を理解しておるようだの」
「あ、そ、そうでした白夜叉様! 今日は恩恵の鑑定をして頂こうと思ったのですが」
「ゲッ!? よ、よりにもよってギフト鑑定か。専門外どころか無関係もいいところなのだがの」
とはいえ、専門外であっても依頼は依頼として引き受ける辺り彼女の懐の広さが伺える。
「ふむふむ………うむ、小僧は勿論、他の三人とも素養が高いのは分かる。しかし現状ではなんとも言えんな。おんしらは自分のギフトの力をどの程度把握している?」
「企業秘密」
「右に同じ」
「以下同文」
「黙秘権を行使する」
息ピッタリな問題児プラス序でに乗っかったカズハに白夜叉は盛大にずっこけた。ド○フも納得のずっこけである。
「うおおおおい!? いやまあ、仮にも対戦相手だったものにギフトを教えるのが怖いのは分かるが、それじゃ話が前に進まんだろうに」
「別に鑑定なんていらねえよ。人に値段貼られるのは趣味じゃない」
「というか俺は自分の事は自分で分かっているんだが……」
「ふむ、何にせよ"主催者"として、星霊として、試練をクリアしたおんしらには"恩恵"を与えねばならん。ちょいと贅沢な代物だが、コミュニティ復興の前祝としては丁度良かろう」
そう言った白夜叉が柏手を打つと四人それぞれの目の前にカードが現れる。
カズハは通常のブレイドを示すネイビーとキングフォームを表すゴールドのツートンカラー。四人の中では唯一紋章があり、ブレイドのライダーズクレストであるスペードのマークが入っている。
なお、十六夜はコバルトブルー、飛鳥はワインレッド、耀はエメラルドグリーンのカードでいずれも無地である。
「ギフトカード!」
「お中元?」
「お歳暮?」
「お年玉?」
「ラウズカード?」
「ち、違います! というかなんで皆さんそんなに息が合ってるのです!? このギフトカードは顕現しているギフトを収納できる超高価なカードなんですよ! 耀さんの"生命の目録"だって収納可能で、それも好きな時に顕現できるのですよ!」
「つまり素敵アイテムってことでオッケーか?」
「あーもうそうです、超素敵アイテムです!」
「超高価ってことは売れば……」
「なんてことを言うのですかこのお馬鹿様!!」
スパーン! と黒ウサギのライトニングハリセンスラッシュが炸裂した。
無論、カズハはノーダメージだが。
「我らの双女神の紋のように、本来はコミュニティの名と旗印も記されるのだがの。文句は黒ウサギに言ってくれ……と言いたいが、おんしは何故かあるの」
「あー、これはコミュニティじゃなくてブレイドの証みたいなもんだから……ふーむ」
改めて見るがカズハのギフトカードは記載が多い。
内容は
ギフトネーム
「………ははっ、成る程な」
思わず自嘲してしまった。改めてこうして形になると自分が如何なる存在になってしまったのかが分かってしまう。
「そのギフトカードは、正式名称を"ラプラスの紙片"、即ち全知の一端だ。そこに刻まれるギフトネームとはおんしらの魂と繋がった"恩恵"の名称。鑑定は出来ずともそれを見れば大体のギフトの正体が分かるというもの」
「へえ? 俺のはレアケースなわけだ?」
横で十六夜のカードに表示された「
それを心配したのか黒ウサギが近づき、声をかける。
「カズハさん? どうなさいましたか?」
「ん、ああ、いや何でもない。気にするな」
作り笑いのような笑い声を出すカズハにより一層不安そうになる黒ウサギ。
そして此方をいたたまれない顔で見ている耀、白夜叉からカードを取り返しながらも此方を真面目に見つめる十六夜に、カズハはため息を着く。
「(恐らく、二人はもう察してるんだろうな……はあ、まあ、一先ずは恩返しの為に残るとは言ったが……何時まで居るつもりだろうな、俺は)」
先の戦いでの見事な完勝とは裏腹に、剣の戦士の表情は憂いを帯びていた。
スペードの剣
ライダー屈指の実力者。死なない+耐久もとんでもない+馬鹿げた火力。けど痛いのは痛いし、腹が減ると美味いものを食べたくなる。
キングフォームが基本形態という全力仕様。
戦うとなれば一切手加減をしない、というより出来ない質なので、そういう場合はノーマルのブレイドで制限を掛ける。
キングフォームならば無制限にアンデッドの力を使える。今回のストレートフラッシュは斬擊一点集中ver。
原典SFはビートとかタックルとかキックとか混じってて二刀流はおかしくないか?と思ったので。
黒ウサギ
要注意人物として監視してたらさりげなくお姫様抱っこで護られるという危うく絆されかけたメインヒロイン。
チョロそうと言われてましたがまだ落ちません。
カズハにとっても恩人であるため、無意識ながらも割と気にかけている節はある様子
逆廻十六夜
仮面ライダーシリーズが普通にテレビで放映されていた世界からやって来ている。ブレイドは当然履修済み。知識は恐らく鎧武とかその辺りまでだと思われる。
架空のロマンが現実になったことがとにかく心を踊らせた。ただ『仮面ライダー剣』を結末をしっかり知ってるのでカズハのことも大体察している。
春日部耀
恐らく仮面ライダーセンチュリーどころかキカイが放映されていたりするくらいの時系列から。何しろジ○リが古典になっているらしいので……
意外とこういうヒーローものは好みそうな印象がある。キングラウザーだけ一瞬見ただけでは確証が持てなかった様子。
やはりカズハについては察しているかもしれない。
次回はいよいよガルド戦です。