【ここは】クロスオーバー系転生掲示板【何の世界だ?】 作:ファルコン・Σ
『ギフトゲーム名“FAIRYTALE in PERSEUS”
プレイヤー
剣城カズハ
逆廻十六夜
久遠飛鳥
春日部耀
“ノーネーム”ゲームマスター
ジン・ラッセル
“ペルセウス”ゲームマスター
ルイオス・ペルセウス
クリア条件
ホスト側のゲームマスターを打倒
敗北条件
プレイヤー側ゲームマスターによる降伏
プレイヤー側のゲームマスターの失格
プレイヤー側が上記の勝利条件を満たせなくなった場合
舞台詳細・ルール
・ホスト側ゲームマスターは本拠・白亜の宮殿の最奥から出てはならない
・ホスト側の参加者は最奥に入ってはならない
・プレイヤー達はホスト側の(ゲームマスターを除く)人間に姿を見られてはいけない
・失格となったプレイヤーは挑戦資格を失うだけでゲームを続行できる
宣誓
上記を尊重し、誇りと御旗の下、“ノーネーム”はギフトゲームに参加します。
“ペルセウス”印』
どうにか挑戦権を獲得し、ルイオスにギフトゲームを挑む事が出来たノーネーム一同。
そのゲーム内容は一言で言えば「ペルセウスの暗殺」といった所だろう。
本来ならば飛鳥が囮となって雑兵を引きつけ、耀が不可視の敵から兜を強奪。ルイオスの打倒は十六夜が担当するという形でクリアしている。
だが一つ、無視できない懸念があった。
715:カブト@ユニオン指揮官
ブレイドニキ、あの時ルイオスが言っていた「前払いで貰ったギフト」っていうのは、原作にはないことだった
716:スペードの剣@ノーネーム復興中
つまり……ガルドの時と同じような?
717:カブト@ユニオン指揮官
ああ、元々なかった恩恵をルイオスが持っている可能性は高い。十分に警戒しろ。
718:スペードの剣@ノーネーム復興中
となると、十六夜だけで対応できない相手に備えて俺も最上階に行かないといけないわけか
実際十六夜もそれを懸念しており、負けるつもりはないが不確定要素を可能な限り潰す事を考え、カズハの同行を依頼している。
随分と信用が厚いようで、と飛鳥に皮肉を言われたが十六夜は何処吹く風であった。
そう言う訳で十六夜がドアを蹴り飛ばし開戦。
なおこの男、先日もグライアイの討伐印を持ち帰って来た際、ドアを蹴り飛ばしている。
ついでにカズハは窓から入って来た。促したのはクウガニキである。
そして今回もそれを適用することにした。
マッハやタイムを使うことも考えたが、残光を見られただけでも失格になるのか怪しかったし(流石にアクセルフォームやクロックアップ程の速度は出せない)、時間停止が切れた時に敵の目の前、なんて事故は避けたい。
尚且つ、ペルセウス側も相手の攻略の鍵となるハデスの兜をそう3個も4個も用意しないだろう。精々が2つだ。
リーダーであるジンが見られれば強制失格、十六夜の力はルイオス打倒の為に必須だ。
ということで、カズハはクウガニキ直伝の壁クライミングで宮殿の外から直接最上階を目指す。
流石にそんな力技で攻略する人間は今まで居なかったのか、外に見張りはいなかった為、比較的容易であった。
まあ、流石にざっと5、6階建て並みの高さがあるビルのクライミングはいくらカズハがアンデッドでも大変である。というかずっしり重いキングフォームではあまりにも無謀なので生身である。
ジャックフォーム使えよというツッコミも入りそうだが、流石にバトルフィールドとなる屋上以外で飛ぶ事には制約が掛かっていた。故のゴリ押しである。
「ふん、ぬおおお………! あと、少し……だぁあああ!!」
「ひゃ!?」
「おお、遅かったなカズハ」
そんなわけでようやく辿り着く。
当たり前だが普通に屋内を走って来た十六夜達の方が先に着いていた。
「はっ、まさかそんなダサい方法で這い上がってくるとは思わなかったな」
「そうダサいって決めつけていたから、外に見張りを置いたり、ルールで制約付けなかったんだろ? そっちの落ち度だ」
念の為、事前に黒ウサギにも確認したが「壁を登ってはならない」というルールは実際無かった。
「ホントに使えない奴ら。今回の一件でまとめて粛清しないと。何はともあれ、ようこそ白亜の宮殿・最上階へ。この僕、ルイオス・ペルセウスがゲームマスターとして相手しましょう。……あれ、この台詞を言うのって初めてかな?」
実際、ペルセウスはこのゲームで今までに負けたことは無い。
それはルイオスが強いというより、騎士達が優秀で最上階まで上がる事が出来なかった為である。
今回は急にゲームを挑まれて準備をする時間も余裕もなかった為、万全な状態だったらどうなっていたか分からない。
だがそれに気付くようなルイオスではなかった。
「突然の決闘だからな、勘弁してやれよ」
「ふん、名無し風情を僕の前に来させた時点で重罪さ」
十六夜のフォローを鼻で笑い飛ばしたルイオスがギフトカードから武具を取り出す。
「……炎の弓? ペルセウスの武器で戦うつもりはない、という事でしょうか?」
「馬鹿だね。こっちは空が飛べるのになんで同じ土俵で戦わなきゃいけないのさ。それにメインで相手をするのは僕じゃない。コイツだ」
ルイオスは首飾りを引きちぎり、それを舞台に落とす。
破裂すると同時に褐色に光が溢れ、膨れ上がり、炸裂する。
「目覚めろ──“アルゴールの魔王”!!」
「ra……Ra、GEEEEEYAAAAAaaaaa!!」
光の中から拘束具に身を包み、現れた女が不協和音が如き絶叫を挙げ、周囲に褐色の光を撒き散らす。
思わず耳を塞いだジンを十六夜が抱えてその場から移動すると、頭上から降って来た岩が先程までジンが居た場所に撃墜する。
「いやあ、飛べない人間って不便だよねえ。落下してくる雲も避けられないんだから」
「く、雲ですって……!?」
降って来た岩の正体はアルゴールの魔王によって石化させられた雲だったのだ。
次々と降ってくる大岩に混じって一際巨大な岩山が舞台に降ってくる。
「! 危ない黒ウサギ! 変身!」
『TURN UP』
『EVOLUTION KING』
黒ウサギを守るように前に立ったカズハは黄金のオリハルコンエレメントを上方向に発生させて巨岩を弾くと、跳躍して潜り抜けキングフォームへ変身。そしてキングラウザーで巨岩を一刀両断。
「ふう……。大丈夫か?」
「ありがとうございます! ですが、この規模となると……」
「ああ、今頃は君らのお仲間も、部下も全員石になってるだろうさ。ま、無能にはいい罰じゃないかな」
黒ウサギが屋上から下を見下ろすと、彼が言う通りこの最上階にいる者以外は全て物言わぬ石像と化してしまっていた。
「十六夜、一旦降りるぞ」
「ん?」
「石化しているとはいえ、砕けたら大問題だ。安全な場所に飛鳥と耀を避難させてくる」
「OK、それまでこっちは任せな」
こくり、と頷いたカズハはそのまま屋上から飛び降りていく。
騎士も全員石化しているならばもう見られる心配は無いだろう。
「御チビも下がってな。さーて……準備はいいかよゲームマスター! この程度うちのリーダーが相手するまでもねえ。二度と逆らう態度が出来ねえ程に
「ほざいてろ名無し風情がッ!!!」
♠♠♠
屋上での激突音を聞きつつ、降下していくブレイドはやがて地面に着地。
その際キングフォームの重量で地面にクレーターが出来たが些細な事と割り切り、すぐにマッハジャガーを使って走る。
まずは一階で囮役を引き受けてくれた飛鳥。
雲を石化する程のアルゴールの恩恵は彼女が使っていた水樹から溢れ出す大量の流水をも石に変えてしまっていた。
「よっと……」
そんな芸術作品のような岩を潜り抜けて飛鳥の像まで辿り着いたブレイドは慎重にゆっくりと持ち上げるとそのまま抱えて宮殿外まで運びだす。
急ぐ気持ちはあるが、それで万が一にでも落としてしまったら元も子も無い。
「此処なら安全か……よし、次は耀だな」
耀は兜入手時の戦闘でダメージを負い、宮殿内部で休んでいたとジンから聞いている。
再びマッハを使い、耀の居場所まで向かうが、天井が揺れ、一部が崩れそうになっている。
「うおっと……十六夜の奴、暴れすぎだろ……っと、見つけた!」
4階層で無事に耀の石像を発見。
後は彼女を抱えて戻るだけ……と思った矢先、地面や壁が突然変質、変形をし始めた。
「ッ、なんだ!?」
みるみるうちに宮殿の至る場所―――壁も地面も天井も柱もが、恐ろしい蛇へと姿を変えた。
そして蛇を見てトラウマスイッチオンしていたのがファイズニキとかビルドニキだったりする。
―――もう生きて帰さないッ! 貴様らの相手は悪魔と宮殿の怪物そのもの! このギフトゲームの舞台に逃げ場は無いものと知れッ!
上の階層からルイオスの咆哮が聞こえる。
どうやら十六夜は相当追い詰めていたようだが、その影響が此処まで来るとは思わなんだ。
「チッ! 抱えながらはキツイぞ!」
耀を抱えている都合、キングラウザーは片手では振りづらい為ブレイラウザー(ディアマンテエッジ版)に換装。
次々と蛇を斬り、強引に外を目指す。
―――そうかい。つまり、
え” と上から聞こえた十六夜の言葉にぎょっとなるカズハ。
だが十六夜ならやりかねない。即座に壁にキングライオンビートをぶちかまして穴を空け、そこから外へ。
――直後、白亜の荘厳な宮殿は屋上を中心に凄まじい衝撃を持って粉砕された。
「あああんの、馬鹿野郎ーーーーー!!!!」
耀の石像を壊さないようにしっかり抱え、背面の重力制動装置でゆっくりと降下。
撒き散らされる瓦礫をブレイラウザーで斬り、なんとか耀と、端に避難させていた飛鳥を抱えて崩落する宮殿から脱した。
♠♠♠
十六夜が降り上げた脚を地面に振り下ろし、千の魔物を宮殿ごと木っ端微塵に粉砕。
瓦礫の山となったステージを上空から見下ろしたルイオスは呆然と呟く。
「……馬鹿な。どういうことなんだ!? 奴の拳は、山河を打ち砕く程の力があるのか!?」
「おい、ゲームマスター。これでネタ切れってわけじゃないよな?」
余裕そうに笑う十六夜を化物のように見るルイオスも無理は無いだろう。
幾ら完全な力を引き出せていないとはいえ、最強種たる星霊を相手に真正面から殴り合うどころか投げ飛ばし、翼が無いにも関わらず容易く空を飛ぶ自分に追従する機動性。
加えて山河を砕くほどのこの力。明らかにただの人間ではない。
そんな奴と真っ向から戦おうなどという気にはもうなれない。
―――――――これがなければ。
「散々コケにしやがって……出来れば、コイツは使いたくなかったが……」
そういってルイオスはカードを取り出す。
ギフトカードではない。寧ろトランプのような―――それを見た十六夜の顔色が変わる。
「ラウズカード!!? お前、どうしてそれを!!」
「取引先のコミュニティから貰ったんだよ! これでお前らを、根絶やしにしてやる!!!」
ルイオスの身体がレザーのような装甲に包まれていく。
そしてその上から金や錆色の甲殻を思わせる鎧が纏われていき、頭部や肩部、胸部を固めていく。
「チッ、コイツは……」
仮面ライダー剣という作品を履修している十六夜には見覚えがあった。
アンデッドは合計で54体+α。目の前の存在はいずれとも当て余らない異端。
そんな存在を、十六夜は知っている。
「改造実験体トライアルシリーズ……か」
「ハハハッ!! 凄い力だ! これなら……」
十六夜の表情が変わり、一足でルイオス―――トライアルPとの距離を詰めてぶん殴る。
その威力はトライアルPの身体を吹っ飛ばし、瓦礫に叩きつけた。
が、十六夜の表情は芳しくない。
「……手ごたえが浅い」
「はは、はははは!!! おい、どうした名無し! こんなものかあ!?」
ダメージは一切なし。トライアルPは何事も無かったかのように立ち上がり、十六夜を嘲笑う。
「今度は、こっちから行くぞお!」
「!」
装備された鎌が振るわれ、斬撃が飛ぶ。
瞬時に片腕で弾く十六夜だが、そこに先程のお返しとばかりに連続斬りで迫られる。
「チッ……面白くなってきたじゃねえか!!!」
口とは裏腹に十六夜の内心は芳しくない。
トライアルシリーズ、及びアンデッドは普通の攻撃では殆ど通じない。
ルイオスが多少強くなった程度で十六夜が押し負けるわけではないのだが、向こうは全然ダメージを受けないのに対して此方ばかり疲労が蓄積していくことになる。
第一、倒れない奴を相手に「ゲームマスターの打倒」というクリア条件をどう満たせというのか。
「アハハハハ!!! 僕に逆らうからこうなるんだ!!! もうアルゴールなんか目じゃない! もう誰にも親父となんか比較させないぞお!!」
「ごたごたうるせえんだよ!!」
十六夜の蹴りがトライアルPを吹っ飛ばす。
だがその顔がニヤリと一瞬笑ったように見えた次の瞬間、トライアルPは鎌を無茶苦茶に振るい、周囲に無数の斬撃を飛ばした。
十六夜はすぐにそれを弾くが、余った斬撃は真っ直ぐにジンを狙って飛んでいる!
「ッ!(御チビがやられたらその時点で俺達の敗北だ!) 逃げろ!」
「う、わ」
だが、戦士でもない齢11歳の少年が高速で迫る斬撃を避けるなど不可能。
その斬撃はそのままジンの身体を――――――
ザクッ!!!
斬り裂くことはなかった。
黄金の騎士がその前に立っていたからだ。
「! カズハさ――」
ポタっ……ポタっ……
ジンを庇い、斬撃を手で受け止めていたブレイド。
比較的装甲が薄いその部分はパックリと裂けており、血が滴り落ちていた。
―――
「か、カズハ、さん……!?」
「血が、緑……!」
「…………」
十六夜の痛烈な舌打ち。
仮面で隠れた表情は見えない。
カズハは黒ウサギ達には目を向けず、ただ一点――トライアルPを見る。
「……ルイオス、一つ聞くぞ。その力、誰から貰った」
「うーん? そんなこと聞いてどうしようってのかなあ? まあいいだろう。冥途の土産に教えてあげるよ。連中はこの箱庭でも中々見られないような珍しい技術や兵器を沢山取り扱っていてね。これもその一端だっていうんだよね。確か―――『財団X』とか言ったかな?」
「「!!!?」」
その言葉にカズハ、そして十六夜が目を見開く。
財団X――秘密結社ショッカーが昭和ライダー因縁の敵とするならば、彼らは平成ライダー最大の敵。
ガイアメモリ、コアメダル、アストロスイッチ、ライダーガシャット、ネビュラガス……様々な技術に目を着け、自分達でも製造し、それを世界各地にばら撒いて反乱や混沌を巻き起こす死の商人。
そんな存在が箱庭にも手を伸ばしていた事は相当な脅威となる。
「で、このカードはその連中の一人がくれたんだよね」
「ソイツの、名は」
「えーと……うん、お前達みたいな和名だったから覚えているよ」
――――テンノウジ、ヒロシ、とか名乗っていた。
「―――――………そうか、ありがとうなルイオス……そうか、奴がいるのか……!!!!」
831:装者全員と友達になる男
どういうことだよ!? 財団Xはまだ分かるとして、なんで天王路が生きてんだ!?
832:スペードの剣@ノーネーム復興中
俺の世界では奴は海に落下したんだ。可能性は低いが生きていた可能性がある……!
833:鎧武が斬る!零
というか水落ちは生存フラグだろうが! ダディがそうだったろ!
834:カブト@ユニオン指揮官
それは置いておくとして、生きていた天王路が財団Xと合流したということか
835:執務官受験生555
そしてこの箱庭の世界で何かまた企んでいる、ってか
「貴様がいるのか、天王路……!!!!」
「なんだよ? もしかして知り合い? ま、そんなの関係無いね。どうせお前達は此処で死ぬんだからさあ!」
ルイオスーートライアルPが鎌を持ち、高速でブレイドに接近、そのまま鎌を振るう―――。
が、その斬撃をブレイドは片手で掴んで受け止めた。
「は、はっ?」
「悪いが、これ以上その力を使わせるわけにはいかない……!」
「ごへえ!?」
キングライオンビートを腹部に叩きつけて殴り飛ばす、更に続けてマグネットでトライアルPの身体を再び引き寄せ、今度はミドルキックを食らわせる。
「がっ!? 嘗めるなァ!」
脚―――元と同じく翼の生えたブーツを用いて空中で態勢を整えたトライアルPは鎌を振るって無数の斬撃を飛ばす。
それを見たブレイドの両肩のクレストが光ると―――背中から3枚6対の翼が出現。
「! ジャックフォームの翼か!? キングフォームで出したのか!?」
十六夜の驚愕。そのまま「オリハルコンウィング」で飛翔し、キングラウザーでトライアルPに斬りつける。
「さっき、飛べない人間は不便と言っていたよな? 生憎、俺は人間じゃないんでな!」
「ぐっ!?」
「はあっ!!」
更にもう一発キングライオンビートを叩き込んで地面に叩き落とす。
その攻撃は確実にトライアルPにダメージを与えている。
「がっ、はあ……!! ば、かな……!? 化物、め!?」
「言ったろ。人間じゃないってな」
ディアーサンダーを起動し、正面に向けたキングラウザーから雷撃のビームをトライアルPに放つ。
それを対して動きで躱したトライアルPはニヤリと笑う。
「だったら、アルゴール! コイツを終わらせてしまえ!」
傍らに倒れていたアルゴールが起き上がり、その瞳から褐色の光が、一直線にブレイドに迫る―――!
「カッ、ゲームマスターが今更狡い手使ってんじゃねえ!!」
だが、それをも十六夜が一撃の下、踏み潰して粉砕してしまう。
そのままアルゴールに音速で接近した十六夜は回し蹴りをその顔面に叩き込んで完全に撃沈させた。
「なっ……!!? そ、そんなバカな!!?」
ルイオスの絶叫と黒ウサギ、ジンの内心がシンクロする。
ファイズ・アクセルフォームに匹敵する速度、アギト・グランドフォームを越えるパワーを持ちながらも恩恵を砕く。
恩恵を宿しながら恩恵の影響を受けない。矛盾した魂、故の
上条当麻の
「もうアルゴールなんか目じゃない、とか言っておいて危なくなったらすぐにそれに頼るなんてな、何処までいっても三下だな、オマエ」
「あ、な、な……」
「お前の相手はこっちだろ!」
マッハ×タックル。
翼を広げ、キングフォームの重量そのままに空中から弾丸のように突っ込んできたブレイドがトライアルPの懐に潜り込み、大元たるカブトムシが如きカチ上げで上空へ放り投げる。
そして上空に飛ばされたトライアルPを逃がさず、五枚のカードを出現させる。
ブレイドとトライアルPの間にギルドラウズカードの10・J・Q・K・Aの幻影が並び、オリハルコンウィングとキングラウザーが黄金に輝く。
「く、来るなアァァァ!!!」
半狂乱になって斬撃を振り回すルイオスだが、その全てがカードの幻影によって弾かれ、それを翼を大きく広げ、飛翔したブレイドが貫通。
キングラウザーは幻影を通過するごとに輝きを増すオーラエネルギーに包まれ、その威力を限界まで引き上げる必殺の一閃―――『ロイヤルストレートフラッシュ』!
「でぇりゃあああああああああああああああああああ!!!!!」
「ぎゃあああああああああああああああああああああ!!!??」
飛翔したブレイドによる一撃がトライアルPに直撃。
そのまま墜落し、カードが砕けると同時に元の姿に戻ったルイオスは気を失っていた。
―――これで、ノーネームの勝利が確定したのであった。
♠♠♠
「「「じゃあこれからよろしく、メイドさん」」」
ノーネームに戻って来たレティシアを開口一番に出迎えたのは問題児三名の見事にシンクロしたこの発言であった。
「「「え?」」」
「え?じゃないわよ。だって今回のゲームで活躍したの私達だけじゃない? 貴方達はくっ付いてただけだったもの」
「うん。私なんて殴られたり、石になったし」
「つーか挑戦権持ってきたのは俺と剣城だろ。というか剣城はレティシアを石化から守ったり、ルイオスを倒した張本人だから所有権は4:3:1.5:1.5で話はついた!」
「何を仰ってらっしゃるのですかこの問題児様方はッ!!!」
吠える黒ウサギだが三人揃って何処吹く風である。
なお張本人のカズハは本当に話に参加せず、窓から虚空を見つめていた。
「ふむ。そうだな。今回の件で、私は皆に恩義を感じている。正式にコミュニティを帰れた事に、この上なく感動している。だが親しき中にも礼儀あり、受けた恩は返さなければならぬもの。君達が家政婦をしろというのなら、喜んでやろうじゃないか」
「れ、レティシア様ァ!?」
というか張本人がノリノリだった。
話が分かると喜ぶ飛鳥と耀に対し、十六夜はカズハに近づき、
「おら、何時まで黄昏てんだ剣城。財団Xだとか天王路だとかで気掛かりなのは分かるがな」
「ん、ああ……そう、だな……うん……」
だがカズハの表情は晴れず、ずっと掌を見つめている。
それを見たジンが勇気を出して問いかける。
「……カズハさん、貴方は
「えっ!?」
「やっぱりな」
「うん、そうだよね……」
「……やっぱ、十六夜と耀は気付いていたか」
「そりゃあな。俺が知ってる「仮面ライダーブレイド」は「剣崎一真」っていう奴だ。お前とは違う男だったが……お前がなんの問題も無くキングフォームを、それもあの「十三体のアンデッド全てとの融合」を使っていた時点で察したさ」
耀も十六夜の発言に頷いて返す。
「ど、どういうことなの?」
「飛鳥、前言った仮面ライダーブレイドっていうのは、私や十六夜にとっては特撮ドラマのヒーローなんだ。その物語で主人公は最後、変身のし過ぎで怪人になっちゃうんだ」
「そ、そうなの?」
「ああ、その特徴ってのが、緑の血………」
その十六夜の発言に、黒ウサギとジンはペルセウスでのギフトゲームを思い出す。
「剣崎一真と同じ運命を辿った、リ・イマジネーションの仮面ライダーブレイド………それがお前だな?」
「ご明察、と言っておこうか………そうだよ。十六夜や耀が知る通り、親友の為に不死身の存在になる運命を選んだ男の末路………それが俺だ」
自嘲するように笑うカズハ。
その表情は滅多に見せない陰りを見せていた。
「………不死身……」
「ああ、言っとくけど俺の実年齢は70は優に越えてるだろうさ。もしかしたら80オーバーかも」
「嘘……じゃないでしょうね。黒ウサギもこの外見で200歳を越えてると言ってたし……」
「……あの、カズハ、あのね」
「おっと二人とも、ちょっとだけこっちに来い」
と、何か口を開きかけた耀と飛鳥の背中を強引に押して十六夜が退室していく。
「ちょ、ちょっと何よ?」
「おそらく、アイツは自分の居場所に迷っているんだろうよ。それを告げられるのは同じ他所からやってきた俺達じゃない。あいつらの役目だ」
十六夜は分かっていた。
己以外の超常存在を知らずに生きていた自分達の言葉は慰めにしかならないだろうと。
本心から彼の居場所として受け入れられるのは誰なのかと。
そして、その思いは彼女に伝わった。
「……………ペルセウス戦の時に言った通りだ。俺は……死ぬことも出来ない化物だよ」
「……………カズハさん、貴方が人間でない事は分かりました」
だろうな、と目を閉じ、次の言葉を待つカズハ。
やはり化物などが居るコミュニティは今後の運営を考えても不味いだろう。追放か、それとも白夜叉に報告か……。
だが、そんな言葉を投げ掛けられると覚悟していたカズハに訪れたのは、黒ウサギからの優しい抱擁だった。
「ッ!?」
「ですが、貴方には人の心があることも分かっています。理不尽に怒り、誰かが傷つくことを哀しみ、人の過ちを止める事が出来る優しい人です。決して心は化物などではありませんよ」
「ッ、そういう問題じゃないんだ、俺にはもう、人と生き続けることなんて……」
「それを言うなら私だって吸血鬼、それも元魔王だぞ?」
ついでカズハの手をレティシアの白い両手が包みこむように握る。
顔を上げたカズハに優しい微笑みを向け、
「君には三度も助けられてしまった。だからこそ、今度は私が君を助ける番だ。ーーー君の生きる道が永遠の孤独になるというのなら、私の永い命をもって君の孤独を埋めよう」
「………レティシア」
「カズハさん」
ジンもまた、このコミュニティのリーダーとして彼と真っ直ぐに目を合わせる。
そして、告げる。
「僕達には貴方が必要なんです。剣城カズハさん。十六夜さんや飛鳥さん、耀さんもそうです。恩恵ではなく、貴方達という存在そのものが、もはやノーネームには必要不可欠な存在になっているんですよ」
「…………」
「カズハさん。貴方がこれまでどのように生きてきたかは黒ウサギ達には分かりません。ですが、此処は人外魔境が跋扈する箱庭。我々は皆、人ならざる者を、人として受け入れることができます。だから………」
ーーーーーーーーー
「…………!!!」
ーーー何十年も一人だった。
行く宛もなく、帰る家もなく、ただ終わらない命のまま、戦争や陰謀を潰し続けていた。
人でない自分は何処にも受け入れられないと思って。
だからーーーその言葉は強く響いた。
「……ッ、うっ、ぐっ……う、あ………ッ!!!」
「……カズハさん?」
「う、うっ、ぐ、うぁ、あぁ……ああああっ、あああああ…………!!!!」
気付けば、嗚咽が止まらなかった。
涙が止めどなく零れた。アンデッドになって一度も流れることなく、渇れ果てたと思っていた筈の涙だった。
「……ふふ、血は緑色だとしても、涙は人と同じ色なのですね」
ーーー剣城カズハが、何者にもなれない道を選んだ
♠️♠️♠️
981:半蔵学園教師ヒビキさん
いやはや、まさか星座までもが旗印を印すためにあるとはねえ
982:鎧武が斬る!零
スケールがでけぇなホント
983:装者全員と友達になる男
星が、星座が消える………?
984:ビルド@おのれエボルトォ!
一人ショックを受けてるんだが
985:執行官ナンバー15ウィザード
まあ、何はともあれブレイドニキが救われてよかったよ
986:執務官受験生555
本当にな。やっぱなんだかんだいっても寂しかったんだろ
987:スペードの剣@ノーネーム復興中
本当に皆にも心配かけたな。すまない
988:五代さんみたいになりたいクウガ
気にしないでいいって。俺達の仲だしね
989:カブト@ユニオン指揮官
俺達から言えることは1つだ。その居場所を二度と手放すな
990:スペードの剣@ノーネーム復興中
ああ、勿論だ。
俺を俺のまま受け入れてくれた人達だ。絶対に守ってみせる。そして皆の夢を、願いを叶えてみせる。
991:装者全員と友達になる男
おう、その意気だぜブレイドニキ!
992:鎧武が斬る!零
お前の姿を見て俺らも勇気もらえたからな!
993五代さんみたいになりたいクウガ
うん、俺にも覚悟が決まったよ。
994:スペードの剣@ノーネーム復興中
じゃあスレももういっぱいだし、また何か面白そうな事とかあったら立てるか
995:カブト@ユニオン指揮官
ああ、その時はまた任せろ
996:執務官受験生555
楽しみにしてるぜ
997:ビルド@おのれエボルトォ!
1000ならブレイドニキがまた抱っこフラグ立てる
998:半蔵学園教師ヒビキさん
1000ならブレイドニキは黒ウサギちゃんとデートする
999:執行官ナンバー15ウィザード
1000ならブレイドニキが十六夜と決闘する
1000:カブト@ユニオン指揮官
1000ならブレイドニキは幸福な運命を手にする
1001:最優最幸の魔王管理AI
このスレッドは1000を越えました。
これ以上は書き込めません。次のスレッドを立ててください
剣城カズハ
今回のチート能力はキングフォームでのジャックフォームの翼を顕現。空中ですら自分の支配域。もはや何が弱点なんだろうか?
そして満を持してのロイヤルストレートフラッシュ。やはり此処で出すべきだと思いました。
今回のラストでようやく自分の「帰る家」を得られた事が何よりも救いになりました
この先の運命が過酷でも、今だけは救われてほしいのです
トライアルP
ペルセウスのP。元々はアンデッドに人間の細胞を混ぜて生まれたが、この財団X製の新型トライアルシリーズは変身者の細胞=データを取り入れて完成する為、今回はルイオスの恩恵を持った形で完成した。
とはいえルイオスは所詮傲慢で調子に乗りやすいボンボンだったので本気のキングフォームには敵うわけもなく。
そして取引した財団Xもそれは読んでいて……?
財団X
箱庭を経由した事でほぼ全ての外界にアクセス出来るようになった超危険組織。
この問題児世界史のみならず、今後スレ民達のいるあらゆる世界に悉く、節操なく手を出してくるようになる。
スレ民全員の共通の敵。
天王路 博史
BOARD理事長にして剣本編の全ての元凶にして黒幕。
カズハの世界では生存フラグである水落ちによって生存していたことが判明。
カズハやノーネームの行く手行き先でトライアルシリーズを送り込んで更なる進化・ケルベロスⅢを完成させ、自分の野望を潰したカズハへの復讐や、自分が魔王になることを目論んでいる。
改めて、今回でブレイド編を完結とさせていただきます!!!
次回からまた愉快なスレ民達のやり取りをお頼みください!
箱庭、とある外門。
赤い壁に囲まれた炎と硝子の街にて、黒いバイクを傍らに佇む人物が一人いた。
「…………あの世界の破壊者という男によれば、この世界にアイツが居るんだったな」
腰に赤いハートのベルトを身につけた人物は近くの出店で買ったクレープを一気に食べ進め、余った包み紙を律儀にゴミ箱に投げ捨てると、ヘルメットを被り直した。
「統制者が居なくなって、ようやく会えると思って捜していたら、まさか世界を越えていたなんてな………通りでアンデッドの反応が何処に行っても感じないわけだ」
苦笑しつつ、バイクのエンジンを吹かす。
青年が元居た世界と比べてもこの世界は遥かに広く、途方もなく広大ではあるが、その表情や胸中に不安はない。
必ずまた会えるという確信だけが胸にあった。
「この世界で、新しい仲間には会えたかな? こっちはお前に言いたい事が山のようにあるんだよ。だから覚悟しておけよ? ーーーーーカズハ」