ぷよぷよテトリス2 ~ シュルッツの冒険者達 作:アヤ・ノア
本編で出てこないキャラにも出番を、というのが私のモットーです。
勝負病にかかったラフィーナとタルタルとの戦いが始まった。
「バンギング!」
「おっと、危ないのだ」
タルタルは思いっきり腕を振り下ろすが、
レイリーは身体をくねらせてギリギリで攻撃をかわす。
「タートル!」
「ふごぉ~」
直後にレイリーはタルタルに小剣で反撃する。
たくさんの風の刃が飛んだ事で、タルタルは大ダメージを受ける。
「ライトニグ!」
「あら、呪文間違ってますわよ」
「しまった!」
ラグナスはラフィーナに雷を落とそうとするが、呪文を言い間違えてしまい発動しなかった。
「光の精霊よ……ブライトボム!」
「いやーっ!」
アリアは精神を集中し、光の精霊ルフィーネを呼び出す。
ルフィーネは光の弾となってラフィーナに突進していく。
そのスピードはかなりのもので、ラフィーナは反応しきれずダメージを受けた。
「ラフィーナ、元に戻ってよ! フレイム!」
「楽しい勝負に付き合ってからですわ」
アミティはラフィーナに火炎弾を放つが、ラフィーナは魔法に抵抗して打ち消す。
「オイと勝負するんだなぁ~」
「食らえっ!」
「ふごぉ~!」
タルタルがジルヴァに向かって襲ってきた。
ジルヴァは鈍重なタルタルの攻撃を見切り、矢を放って反撃する。
「ネージュ!」
「ひゃぁっ!」
ラフィーナの氷を纏った掌底をかわすレイリー。
「勝負しないなら、力ずくで勝負するんだなぁ!」
「わっと……」
ラグナスはタルタルの攻撃をかわすが、タルタルはそれだけでは諦めない。
「逃がさないんだなぁ!」
「うわぁっ!」
いきなり襲い掛かって来たタルタルに、ラグナスは反応しきれずに転倒。
そのままボディプレスで押し潰された。
「隙ありなのだ!」
「シールド!」
レイリーはその隙を突いてタルタルを小剣で突く。
タルタルは初級防御魔法で彼女の攻撃を防いだ。
「連続攻撃!」
「エアカッター!」
そんなレイリーをカバーするように、
ラグナスは連続でタルタルを斬りつけ、アリアはエアを召喚して風の刃で切り刻む。
ジルヴァはタルタルに狙いを定め、矢を放った。
「アミティ、楽しい勝負をするんだなぁ!」
「二人とも、そんな事を言う人じゃない!
だから、あたしは今のキミ達と戦いたくない! ブラストビート!」
アミティは手から風を放ちタルタルを吹き飛ばす。
彼女は暴走している二人を、正気に戻したいのだ。
「楽しい勝負というのは、こんなはずじゃないのだ」
「レイリーさん、そんなに私と楽しい勝負がしたくないんですのね?
フォルト、ディ・ディシャージ!」
「うわぁぁぁぁぁ!」
ラフィーナの雷を纏った掌底がレイリーに直撃。
大ダメージを受けたレイリーは身体が痺れる。
「レイリー、しっかりしろ!
ド・オヴァ・デ・シー!」
「う……ジルヴァ……」
ジルヴァは傷ついているレイリーに回復魔法を唱える。
「なんだか身体が痛いのだ……」
「レイリー、痛いのか……」
回復魔法で傷は癒せても、痛みまでは癒せない。
レイリーは痛みによっていずればたんきゅ~する。
そうなる前に、ラフィーナとタルタルをばたんきゅ~させなければ、と四人は決意した。
「痛がる事は楽しくないけれど、痛みを乗り越えれば楽しいんだなぁ」
「そんな自分勝手な理屈で、俺達を巻き込むな! 究極の一撃!!」
痛みを楽しむのは、常人の発想とは言えない。
ラグナスは渾身の力を込めた剣を、叩き込む。
「ふごぉ~!」
その一撃を食らったタルタルは、地に伏した。
気を失っていて、動けない……ばたんきゅ~だ。
「後はラフィーナ、きみだけなのだ!」
「きゃぁぁっ!」
レイリーの必殺攻撃が、ラフィーナに炸裂。
衝撃波で彼女の内部にもダメージを与え、ラフィーナの体力を大きく減らした。
「ラフィーナ、あたしの声が聞こえる!? 聞こえるなら、ちゃんと返事して! フレイム!」
アミティはラフィーナを見ながら炎を放つ。
すると、ラフィーナの目が一瞬だけ元に戻った。
「……?」
「ラフィーナ、元に戻ったんだね!」
「と、見せかけて……フー・ダルティ!」
ラフィーナは一瞬戻った素振りを見せたが、やはり暴走は治まっていなかった。
濃密な気弾が、アミティに襲い掛かる。
「ラフィーナ!!」
「アミティ、危ない!」
その時、ラグナスがアミティとラフィーナの間に割って入り、ラフィーナの攻撃を受けた。
「助かった……ありがとう、ラグナス」
「油断するなよ」
「クリケット!」
「お返しですわ」
「うわぁっ!」
ラフィーナはレイリーの攻撃をかわし、反撃。
アリアは光の精霊ルフィーネを召喚してレイリーの体力を大幅に回復した。
「食らえ、メガレイブ!」
ラグナスはラフィーナに雷の弾を放ち、ラフィーナを痺れさせて動きを止める。
「ラフィーナさん……正気に戻って! エア・エンブレイス!!」
アリアが召喚した風の精霊エアが、痺れているラフィーナを抱擁する。
優しい抱擁はラフィーナの不穏なオーラを少しずつ取り除いた。
そして、彼女から不穏なオーラは完全に消えた。
「おかしいですわね? なんだか、気分がさっぱりしてますの」
「オイも、すっきりしたんだなぁ」
「えっ!」
ラフィーナは戦意を喪失し、ばたんきゅ~したタルタルが起き上がる。
二人は不穏なオーラを纏っていなかった。
「いつものラフィーナとタルタルに戻った! 二人とも、どうしたの?」
「さっきまで、何か勝負しなくちゃならなくなって、それで勝負をしたくなっちゃって……」
「オイ、ラフィーナを追いかけたかったけど、それを忘れちゃったんだなぁ~」
先程まで暴走していたラフィーナとタルタルがアミティ達に事情を話す。
ラフィーナは白い目でタルタルを見ていた。
「ラフィーナさん、タルタルさん、元に戻ったんですね!」
「よかった……」
正気に戻ったラフィーナとタルタルに、リデルとライラックが駆け寄る。
「ごめんなさい、二人とも大変でしたわよね」
ラフィーナがリデルとライラックに謝罪する。
普段は負けず嫌いなラフィーナだが、素直に謝る潔さも持っているのだ。
「すまなかったんだなぁ。自分でもなんであんな事になったのか、分からないんだなぁ」
「いいんです……! 皆さんが無事なら、それで最高です……エヘヘ……」
「いつものみんなが……僕は好き……」
タルタルも暴走していた事を謝る。
プリンプ魔導学校の外で起きた異変は、ひとまず解決された。
「皆はこの事について、何か知っているようだね~」
「詳しくは分からないんだけどね」
アミティはルゥ先生に事情を話す。
何らかの影響を受けた結果、ラフィーナとタルタルが暴走した事。
それを引き起こしているのは、ジルヴァが言った『不気味な女の子』である事。
そして、アミティはりんごやアルルと共に彼女を追いかけている事。
それらを全て話すとルゥ先生は頷き、ラフィーナはやる気満々そうにこう言った。
「まぁ! それじゃ、私も行きますわ!」
「えっ? 手伝ってくれるの?」
ラフィーナがアミティ達に同行しようとした時、タルタルがゆっくりと前に出る。
「ちょっと待つんだなぁ」
「何? タルタル」
「ラフィーナが行くならオイも行くんだなぁ」
「あなたはプリンプ魔導学校で留守番してなさい」
「ぐすっ……またお留守番だなんて……」
タルタルは留守番を食らい、悲しむ。
「やられっぱなしなんて私のプライドが許さないわ。
絶対捕まえて、ボッコボコにして差し上げましょう!」
「あ、あはは……; ほどほどにね」
ラフィーナはぐっと拳を握り締めていて、アミティは苦笑いした。
「あの……わ、わたしは……」
「僕はどうするの……?」
しばらくすると、リデルとライラックが呟く。
「リデルさんとライラックさんはここで待っているのがいいわ」
ラフィーナは二人に留守番を命じた。
タルタルは本気で嫌っているため態度がきついがこの二人は嫌いではないため態度が柔らかい。
「でも……わたしもお役に立てれば……」
「リデル、ラフィーナは君の事を心配しているんだ。
ずっとラフィーナに付き合って……もうフラフラだろ? 僕も同じだよ……」
先程まで、リデルはラフィーナと無理矢理ぷよ勝負をしていた。
ライラックは消耗しているリデルを気遣ったのだ。
「わぁい! オイと一緒にお留守番なんだなぁ!」
「タルタル君……」
たった一人で留守番をせずに済み、しかも友達と一緒なので、タルタルは喜んだ。
「それじゃあ、アミさん、ラフィーナさん、アリアさん、レイリーさん、ジルヴァさん、
ラグナスさん、気を付けてくださいね……!」
「留守番は……ちゃんとする……」
「オイがしっかりプリンプ魔導学校を守ってやるんだなぁ」
「必ず異変を解決するんだぞ」
「ありがとう! ばっちグーで頑張るよ!」
アミティ達はリデル、タルタル、ライラック、ルゥ先生と別れプリンプ魔導学校の中に入った。
その道中で、アリアは何か考え事をしていた。
(……私達はあの女の子に騙されていたという事ですか……)
次回はあのキャラを助けに行きます。
アミティ、ラフィーナと来たら……やっぱり「彼」ですよ。