ぷよぷよテトリス2 ~ シュルッツの冒険者達 作:アヤ・ノア
いい加減に公式は彼の伏線回収してください。
というか全部の伏線を回収してください。
アミティ、ラフィーナ、アリア、レイリー、ジルヴァ、ラグナスは、
プリンプ魔導学校の中に入った。
「シグ……クルーク……無事だといいんだけど……」
アミティはシグとクルークを心配していて、特にシグを気にかけていた。
クルークはアリア達が助けたばかりで、もう不穏なオーラは纏っていないはずだ。
「アミティ、そのシグという子とクルークという子が心配なのか?」
「うん、あたしと同じクラスなの。
シグはぼーっとした虫が好きな男の子で、クルークはちょっと嫌味だけど頭が良い男の子だよ」
「なるほど、分かった」
アミティはラグナスにシグとクルークについて簡単に紹介する。
「それで、その二人はどこにいるんだ?」
「確か、2年1組の教室はこっちだったはずだよ」
アミティの案内で、五人は2年1組の教室に向かった。
その頃、教室では……。
「……? うーん……」
水色の髪に青と赤のオッドアイの少年、シグがぼんやりしていた。
その姿を見たアミティは、大声でこう言った。
「あっ! あそこにいるのはシグ!」
「本当ですか! よかった……」
シグからは不穏なオーラが出ていなかった。
アリアは安心して、胸に手を当てている。
「不思議に赤い左手を眺めて首を傾げてますわね」
「ああ、先祖返りが進んでいるからな」
シグはアルカ文明時代の紅い魔モノの子孫である。
左半分から先祖返りが進んでいるため、異形の手と赤い目を持っているのだ。
「シグーーー!!」
「もう、アミティさんったら……」
嬉しくなったアミティは、ぱたぱた走ってシグに近付いた。
アリア達も、少々呆れながら彼女の後ろについた。
「あ、アミティ、と、冒険者、と、茶髪、と、らへーな」
「……いつになったら私の名前をちゃんと呼ぶのかしら」
「私にはアリアという名前があるんですよ」
「レイリーなのだ、いい加減に覚えるのだ」
「ジルヴァだと言ってるだろ」
「俺はラグナス・ビシャシだ」
シグはアミティ以外の名前をよく覚えておらず、ラフィーナの名前を間違え、
アリア、レイリー、ジルヴァ、ラグナスも名前で呼ばなかった。
ラフィーナ達はシグに突っ込みを入れ、ジルヴァは苛々した様子だ。
「ラ、ラフィーナ、今はそれより……」
「分かってますわよ。いちいち突っ込んでられねえ、ですわ」
ラフィーナは愚痴を吐きながら、後ろに下がった。
代わりに、アリアがシグの前に立つ。
ラフィーナは機嫌が悪いとこのように暴言を吐くのだ。
「シグさん、気分はどうですか?」
「え」
「例えば、不穏なオーラを纏っているとか……」
「うーん」
シグの返答は単調だった。
魂が半分欠けているため、常にぼーっとしており、まともに受け答えができないのだ。
「ミスティ、彼の様子を探りなさい」
アリアは水の精霊ミスティを召喚し、シグの様子を調べてもらった。
すると、シグは勝負病にかかっていない事が判明。
彼とぷよ勝負をする必要はなくなった。
「大丈夫ですよ、アミティさん。シグさんは勝負病にかかっていません」
「じゃあ、大丈夫だね! ありがとう、シグ!」
「……左手」
アミティはシグに別れを告げようとしたが、突然、シグに呼び止められた。
「シグさん、どうしましたか?」
「さっき通りかかった知らない子にぷよ勝負誘われて、終わって……それから、左手がなんか変」
彼の左手は、不穏なオーラを纏っていた。
アリアは少しだけ油断していた。
あの力はシグ本人に影響はなかったが、彼の部位に影響を及ぼしたのだ。
「えっ!?」
「その人の特徴は分かりますか?」
アミティは驚くが、アリアは落ち着いてシグに情報を聞き出す。
「ざわざわ……? ぞわぞわ……」
「ど、どうしよう、ラフィーナ!」
慌てるアミティと、落ち着いたアリア、レイリー、ジルヴァ、ラグナス。
ラフィーナは苛々した様子で、拳を握っていた。
「ええい、間怠っこしい!
その謎の悪者の影響を受けていようがいまいが、一発勝負でボコってみれば同じ事ですわ!」
「ええ~~~っ!」
「な、なんと単純な……」
殴れば解決する、それがラフィーナの結論だった。
アミティは驚き、ラグナスは呆れていた。
「まぁいい、その左手を元に戻せばいいんだな? みんな、シグの左手だけを元に戻すぞ」
「はい!」
アリア、レイリー、ジルヴァ、ラグナスは武器を構えて左手が暴走しているシグを迎え撃つ。
「行きますわよ、シグ!」
「もう、ラフィーナったら~~~~!!」
アミティもラフィーナに巻き込まれながら、シグを元に戻すために戦った。
「こっちにくるなー」
シグの左手から、たくさんの魔物が現れる。
濃密な闇を纏ったクロヒョウに似た魔獣、シャドウビーストだ。
「炎の精霊フェーゴよ、矢となり敵を貫け! ファイアーシュート!」
アリアは炎の精霊フェーゴを召喚し、無数の炎の矢を放って魔物達を攻撃する。
炎の矢はかわそうとする魔物を正確に撃ち抜いた。
「バタフライ!」
「食らえ!」
レイリーは小剣を持ち、舞うようにシャドウビーストを切り刻む。
弱ったシャドウビーストにジルヴァがとどめの矢を放って倒した。
「くたばりなさい! フラーム!」
闇を纏っているため、物理攻撃は効果がない。
そこで、ラフィーナは拳に炎を纏わせ、明かり代わりにする。
ラフィーナの炎を纏った拳がシャドウビーストに命中すると一瞬で灰になった。
「す、凄いね、ラフィーナ。あたしだって! アクセル、ブ・ブリザード!」
「メガレイブ!」
アミティは増幅呪文を詠唱し、広範囲に吹雪を放って凍り付かせる。
とどめにラグナスが雷を放った事で、シャドウビーストは一体ばたんきゅ~した。
「危ないですわきゃぁぁっ!」
「くそっ、当たらない!」
シャドウビーストは次々と襲い掛かってくる。
闇に覆われているため、ラフィーナは攻撃が当たってしまう。
さらに、ラグナスの攻撃もかわされる。
「ええい、くたばりやがれですわ! オラージュ!」
ラフィーナの雷を纏った回し蹴りがシャドウビーストに命中し、一撃でばたんきゅ~。
「ド・オヴァ・デ・シー! ラ・ナチュ・マ・ギ・ド・スカト!」
ジルヴァは回復魔法で味方を癒しつつ、防御魔法でシャドウビーストの攻撃を防ぐ。
「アリア、いくよ!」
「ええ!」
「「ダブルフレイム!」」
アミティが放った炎と、アリアが放った火炎弾が混ざり合い、
巨大な炎となってシャドウビーストを包む。
シャドウビーストは激しい勢いで燃え、炎が消えた時はばたんきゅ~していた。
「やったね、アリア!」
「あなたの炎も素敵でしたよ、アミティさん」
連携が決まり、ハイタッチするアリアとアミティ。
残っているシャドウビーストは一体、それも五人の猛攻で瀕死になっていた。
「これでとどめなのだ! バタフライ!!」
そして、レイリーがフェイントをかけた後、二回目の斬撃でシャドウビーストを切り伏せ、
ここにいた全ての魔物は倒れた。
「うーん……」
「おーっほっほっほ! 一件落着! ですわ!」
「勇者に敗北はない」
魔物を全て撃退して、シグの左手は元に戻った。
ラフィーナは腰に手を当てて高笑いし、ラグナスは鞘に剣を入れた。
「左手、おさまった」
「よかった、元に戻ったみたいだね」
シグと直接戦わずに彼を元に戻せて、アミティは一安心した。
アリアは彼女の様子を見て、余程彼が大事なんだな、と思った。
「あのね、シグ! 改めて……。あたし達、ある女の子を探してて……。
アリア達も彼女を追いかけてるみたいだよ」
アミティがシグに事情を説明すると、シグは頷く。
「そうか」
「協力してほしいの!」
「分かった」
「ありがとう!」
シグが同行してくれると知って、アミティは喜ぶ。
すると、アリア達はアミティにこう言った。
「これだけ人数が多いと、少し窮屈ですね」
「確かにそうだね」
「そうだ! 私達は他の人のところに行きますから、あなた達は引き続き学校をお願いします」
「うん! じゃあよろしくね、アリア、レイリー、ジルヴァ、ラグナス!」
アリア、レイリー、ジルヴァ、ラグナスとはここで一時的に別れる事になる。
アミティ、ラフィーナ、シグの三人は、別行動をする四人を見送っていった。
「じゃあ、行こう!」
「いってらっしゃい」
「シ~グ~~~!!」
「面倒なボケはいいから、つべこべ言わずついてきやがれ! ですわ!」
「うーへー……」
ラフィーナの暴言に対し、流石のシグも従わざるを得なかった。
戦闘はできるだけ激しくしました。
次回はいなかったあの二人と出会います。