ぷよぷよテトリス2 ~ シュルッツの冒険者達   作:アヤ・ノア

11 / 43
シグが登場します。
いい加減に公式は彼の伏線回収してください。
というか全部の伏線を回収してください。


10 ~ 青き少年

 アミティ、ラフィーナ、アリア、レイリー、ジルヴァ、ラグナスは、

 プリンプ魔導学校の中に入った。

「シグ……クルーク……無事だといいんだけど……」

 アミティはシグとクルークを心配していて、特にシグを気にかけていた。

 クルークはアリア達が助けたばかりで、もう不穏なオーラは纏っていないはずだ。

「アミティ、そのシグという子とクルークという子が心配なのか?」

「うん、あたしと同じクラスなの。

 シグはぼーっとした虫が好きな男の子で、クルークはちょっと嫌味だけど頭が良い男の子だよ」

「なるほど、分かった」

 アミティはラグナスにシグとクルークについて簡単に紹介する。

「それで、その二人はどこにいるんだ?」

「確か、2年1組の教室はこっちだったはずだよ」

 アミティの案内で、五人は2年1組の教室に向かった。

 

 その頃、教室では……。

「……? うーん……」

 水色の髪に青と赤のオッドアイの少年、シグがぼんやりしていた。

 その姿を見たアミティは、大声でこう言った。

「あっ! あそこにいるのはシグ!」

「本当ですか! よかった……」

 シグからは不穏なオーラが出ていなかった。

 アリアは安心して、胸に手を当てている。

「不思議に赤い左手を眺めて首を傾げてますわね」

「ああ、先祖返りが進んでいるからな」

 シグはアルカ文明時代の紅い魔モノの子孫である。

 左半分から先祖返りが進んでいるため、異形の手と赤い目を持っているのだ。

シグーーー!!

「もう、アミティさんったら……」

 嬉しくなったアミティは、ぱたぱた走ってシグに近付いた。

 アリア達も、少々呆れながら彼女の後ろについた。

「あ、アミティ、と、冒険者、と、茶髪、と、らへーな」

「……いつになったら私の名前をちゃんと呼ぶのかしら」

「私にはアリアという名前があるんですよ」

「レイリーなのだ、いい加減に覚えるのだ」

「ジルヴァだと言ってるだろ」

「俺はラグナス・ビシャシだ」

 シグはアミティ以外の名前をよく覚えておらず、ラフィーナの名前を間違え、

 アリア、レイリー、ジルヴァ、ラグナスも名前で呼ばなかった。

 ラフィーナ達はシグに突っ込みを入れ、ジルヴァは苛々した様子だ。

「ラ、ラフィーナ、今はそれより……」

「分かってますわよ。いちいち突っ込んでられねえ、ですわ」

 ラフィーナは愚痴を吐きながら、後ろに下がった。

 代わりに、アリアがシグの前に立つ。

 ラフィーナは機嫌が悪いとこのように暴言を吐くのだ。

「シグさん、気分はどうですか?」

「え」

「例えば、不穏なオーラを纏っているとか……」

「うーん」

 シグの返答は単調だった。

 魂が半分欠けているため、常にぼーっとしており、まともに受け答えができないのだ。

「ミスティ、彼の様子を探りなさい」

 アリアは水の精霊ミスティを召喚し、シグの様子を調べてもらった。

 すると、シグは勝負病にかかっていない事が判明。

 彼とぷよ勝負をする必要はなくなった。

「大丈夫ですよ、アミティさん。シグさんは勝負病にかかっていません」

「じゃあ、大丈夫だね! ありがとう、シグ!」

「……左手」

 アミティはシグに別れを告げようとしたが、突然、シグに呼び止められた。

「シグさん、どうしましたか?」

「さっき通りかかった知らない子にぷよ勝負誘われて、終わって……それから、左手がなんか変」

 彼の左手は、不穏なオーラを纏っていた。

 アリアは少しだけ油断していた。

 あの力はシグ本人に影響はなかったが、彼の部位に影響を及ぼしたのだ。

「えっ!?」

「その人の特徴は分かりますか?」

 アミティは驚くが、アリアは落ち着いてシグに情報を聞き出す。

「ざわざわ……? ぞわぞわ……」

「ど、どうしよう、ラフィーナ!」

 慌てるアミティと、落ち着いたアリア、レイリー、ジルヴァ、ラグナス。

 ラフィーナは苛々した様子で、拳を握っていた。

「ええい、間怠っこしい!

 その謎の悪者の影響を受けていようがいまいが、一発勝負でボコってみれば同じ事ですわ!」

「ええ~~~っ!」

「な、なんと単純な……」

 殴れば解決する、それがラフィーナの結論だった。

 アミティは驚き、ラグナスは呆れていた。

「まぁいい、その左手を元に戻せばいいんだな? みんな、シグの左手だけを元に戻すぞ」

「はい!」

 アリア、レイリー、ジルヴァ、ラグナスは武器を構えて左手が暴走しているシグを迎え撃つ。

「行きますわよ、シグ!」

「もう、ラフィーナったら~~~~!!」

 アミティもラフィーナに巻き込まれながら、シグを元に戻すために戦った。

 

「こっちにくるなー」

 シグの左手から、たくさんの魔物が現れる。

 濃密な闇を纏ったクロヒョウに似た魔獣、シャドウビーストだ。

「炎の精霊フェーゴよ、矢となり敵を貫け! ファイアーシュート!」

 アリアは炎の精霊フェーゴを召喚し、無数の炎の矢を放って魔物達を攻撃する。

 炎の矢はかわそうとする魔物を正確に撃ち抜いた。

「バタフライ!」

「食らえ!」

 レイリーは小剣を持ち、舞うようにシャドウビーストを切り刻む。

 弱ったシャドウビーストにジルヴァがとどめの矢を放って倒した。

「くたばりなさい! フラーム!」

 闇を纏っているため、物理攻撃は効果がない。

 そこで、ラフィーナは拳に炎を纏わせ、明かり代わりにする。

 ラフィーナの炎を纏った拳がシャドウビーストに命中すると一瞬で灰になった。

「す、凄いね、ラフィーナ。あたしだって! アクセル、ブ・ブリザード!」

「メガレイブ!」

 アミティは増幅呪文を詠唱し、広範囲に吹雪を放って凍り付かせる。

 とどめにラグナスが雷を放った事で、シャドウビーストは一体ばたんきゅ~した。

「危ないですわきゃぁぁっ!」

「くそっ、当たらない!」

 シャドウビーストは次々と襲い掛かってくる。

 闇に覆われているため、ラフィーナは攻撃が当たってしまう。

 さらに、ラグナスの攻撃もかわされる。

「ええい、くたばりやがれですわ! オラージュ!」

 ラフィーナの雷を纏った回し蹴りがシャドウビーストに命中し、一撃でばたんきゅ~。

「ド・オヴァ・デ・シー! ラ・ナチュ・マ・ギ・ド・スカト!」

 ジルヴァは回復魔法で味方を癒しつつ、防御魔法でシャドウビーストの攻撃を防ぐ。

「アリア、いくよ!」

「ええ!」

「「ダブルフレイム!」」

 アミティが放った炎と、アリアが放った火炎弾が混ざり合い、

 巨大な炎となってシャドウビーストを包む。

 シャドウビーストは激しい勢いで燃え、炎が消えた時はばたんきゅ~していた。

 

「やったね、アリア!」

「あなたの炎も素敵でしたよ、アミティさん」

 連携が決まり、ハイタッチするアリアとアミティ。

 残っているシャドウビーストは一体、それも五人の猛攻で瀕死になっていた。

「これでとどめなのだ! バタフライ!!」

 そして、レイリーがフェイントをかけた後、二回目の斬撃でシャドウビーストを切り伏せ、

 ここにいた全ての魔物は倒れた。

 

「うーん……」

「おーっほっほっほ! 一件落着! ですわ!」

「勇者に敗北はない」

 魔物を全て撃退して、シグの左手は元に戻った。

 ラフィーナは腰に手を当てて高笑いし、ラグナスは鞘に剣を入れた。

「左手、おさまった」

「よかった、元に戻ったみたいだね」

 シグと直接戦わずに彼を元に戻せて、アミティは一安心した。

 アリアは彼女の様子を見て、余程彼が大事なんだな、と思った。

「あのね、シグ! 改めて……。あたし達、ある女の子を探してて……。

 アリア達も彼女を追いかけてるみたいだよ」

 アミティがシグに事情を説明すると、シグは頷く。

「そうか」

「協力してほしいの!」

「分かった」

「ありがとう!」

 シグが同行してくれると知って、アミティは喜ぶ。

 すると、アリア達はアミティにこう言った。

「これだけ人数が多いと、少し窮屈ですね」

「確かにそうだね」

「そうだ! 私達は他の人のところに行きますから、あなた達は引き続き学校をお願いします」

「うん! じゃあよろしくね、アリア、レイリー、ジルヴァ、ラグナス!」

 アリア、レイリー、ジルヴァ、ラグナスとはここで一時的に別れる事になる。

 アミティ、ラフィーナ、シグの三人は、別行動をする四人を見送っていった。

 

「じゃあ、行こう!」

「いってらっしゃい」

「シ~グ~~~!!」

「面倒なボケはいいから、つべこべ言わずついてきやがれ! ですわ!」

「うーへー……」

 ラフィーナの暴言に対し、流石のシグも従わざるを得なかった。




戦闘はできるだけ激しくしました。
次回はいなかったあの二人と出会います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。