ぷよぷよテトリス2 ~ シュルッツの冒険者達   作:アヤ・ノア

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アリア達がレムレスと合流します。
プリンプも、もっと掘り下げてほしいなぁ。


11 ~ ナーエの森、再び

 アミティ達と別れたアリア、レイリー、ジルヴァ、ラグナスは、

 これからどこに行くかを考えていた。

「プリンプ魔導学校はアミティさんに任せるとして、私達はどうしましょうか」

「あの女の子に繋がる情報を探すのだ」

 リデルやラフィーナをおかしくさせたのは、あの『不気味な女の子』だ。

 彼女を捕まえて話を聞けば、プリンプタウンは元通りになる。

 レイリーはそう信じていた。

「分かりました、レイリー。彼女を探しましょう。それで、どこに行くんですか?」

「ここらで一番近い場所といえば、ナーエの森だ。

 でも、俺には別の用事があるんだ。一旦、ここで別れよう」

「そうですね」

 どうやらラグナスには別の用事があるらしい。

「だから、アリアとジルヴァは俺と一緒に来てくれ」

「え? どうしてですか?」

「あいつが……ここに来てるかもしれないから。

 悪いけど、レイリー一人でナーエの森に行ってくれ」

「わ、分かったのだ。一人はちょっと怖いけど、頑張るのだ」

 

 レイリーは再び、ナーエの森に入った。

 すると、考え事をしている三人の男女を発見した。

 男は灰色の髪で右目が前髪で隠れている。

 もう一人の男は銀髪に先が分かれた前髪と紫の瞳。

 女は赤い巻き毛に緑ぷよのヘアピンを付けている。

 レムレス、ティ、そしてあんどうりんごだ。

「どうしたのだ?」

「実は、少し前からずっと怪しい視線を感じるようになったんだ」

「怪しい視線?」

 レイリーはその視線の主を推理しつつ、レムレスの話を聞く。

「それを調べていくうちに、どうやら、

 世界に混乱をもたらそうとしている人物がいるって事が分かってきてね」

「もしかして、わたし達が探してる人なのだ!?」

 生徒を暴走させた張本人、世界に混乱をもたらそうとしている人物。

 それが同一人物であるかもしれないと、レイリーはいきなりレムレスに叫んだ。

「わ、わ、わ、ちょっと待って! 怒鳴らないで! そもそも『奴』って誰なんだい?」

「『奴』……マールの事か。あの子は何なんだ?」

 ティはレイリーが探していた人物の名を言う。

 レイリーは頷きながら、メモを取っていた。

「あれ? きみもマールって子を知らないのだ?」

「ああ……ん、きみは見た事がない顔だな」

「わたしはレイリーっていうのだ。きみは?」

「おれはティ、こっちはオーだ」

「ピピーピー♪」

 ティとオーはレイリーに自己紹介した。

 レイリーも笑顔でティとオーに名前を名乗った。

「ところで、マールは一体何者なのだ?」

「ある人は彼女の事を『時空のバグ』って呼んでた」

「時空のバグ……」

「ピピッピ……」

 バグというのは、所謂不具合の事だ。

 マールは、時空の歪みが原因で、こんなおかしな事をしたのだという。

「ある人が誰なのかは分からないけど、マールが悪い奴なのは確かなのだ」

「で、ぷよぷよの世界とテトリスの世界を混ぜて、みんなを勝負させて力を蓄えて、

 やがて、もっと大きな混乱をもたらそうとしている」

 レムレスはマールの目的をレイリー達に話した。

 レイリーは皆に知らせるためにメモをしている。

「それを一人で調べたのか? 凄いな」

「あはは……流石に一人じゃないよ。学校の先生も手伝ってくれたんだ。

 それに、今言った事の一部は、僕の予想だよ。外れてるかもしれない。

 それに、僕が調べている事もバレてるみたいで、その女の子は僕の前に現れてくれないんだよ」

「そうなのか」

 アコール先生の推測は、当たっていた。

 レムレスの調査は、黒幕にバレていたようだ。

 だがその事は、周りは誰も知らない。

「でも、りんご、ティ、レイリー。彼女は何故か君達に、特に執着しているみたいだ」

「ふぇっ?」

「そ、そうなのか」

「どういう事なのだ?」

 レイリーが首を傾げると、レムレスは首を横に振った。

「手遅れだけど、それを話すわけにはいかないよ。

 でも、君達の傍にいれば、そのマールって子に会えるかなと思って……」

「なるほどなるほど」

 りんごとティは、理解したような、理解していないような顔をした。

 レイリーも、う~んと頭を捻っている。

 その時、レムレスが一瞬表情を変え、杖を構える。

「ど、どうしたのだ、レムレス?」

「誰か……来る……!」

 レムレスはこちらに誰かが来る事を予測した。

 何が起こったのか、りんご達は困惑している。

 すると……。

 

「ヘイヘイヘーイ! そこのユー達! 暗い顔してどうしたんでぃ?」

「おわっ! いきなり生足魚マン出たーーー!

「しかもちょっぴり魚臭いのだ……」

 手足が生えた、真っ赤な巨大な魚が姿を現した。

 ダンスが大好きな魚、すけとうだらだ。

 いきなり姿を現したため、りんごは驚き、レイリーは嫌そうな顔をした。

「詳しい事は置いといて、レッツダンシーン!」

 このすけとうだら、手当たり次第にダンスをしようとする迷惑な魚である。

 だが、今回のすけとうだらは、いつもと様子が違っていた。

「勝負! 勝負! 勝負なんだゼ!!

 なんだかよく分からねえが、とにかく、た・の・し・く勝負するんだゼーーー!

お注射でござるーーー!

 よく見ると、すけとうだらも不穏なオーラを纏っていた。

 さらに、すけとうだらの声に誘われて、ハニービーや首狩り兎など、魔物もわんさかと現れる。

「こいつや魔物も彼女の影響を受けてるのだ。

 盲目的に勝負を仕掛けてくるし、普段は大人しい魔物も凶暴になるのだ」

「ふおおぉ、分かりやすい」

 レイリーはりんご達に状況を説明した。

「治す方法は!?」

「……戦って、正気に戻すしかないのだ」

 レイリーはごくりと唾を飲み、小剣を構える。

「やるしかないのですか?」

「ああ、彼女は本気だ」

「おれ達も、やるしかない!」

 彼女の表情を見たりんごとティも、武器を構える。

 レムレスも、杖をすけとうだらに向けていた。

「ノリノリダンシーン! 俺様と踊ろうじゃねえか!

 レッツ! ホップステップダンシング勝負だゼ!」

 すけとうだらと彼を取り巻く魔物が、レイリー達に襲い掛かってきた。

 

「アイソレーション!」

「ピピーッ!」

 レイリーは素早くハニービーに斬りかかるが、ハニービーにかわされる。

 そこにオーが電撃を放ってハニービーを倒した。

 首狩り兎はレイリー達に気づかれないように、素早い動きでどこかに身を隠す。

「コサイン!」

「キャラメリゼ!」

 そうとも知らずりんごはハニービーを魔法で退け、

 レムレスは炎の魔法で魔物をまとめて攻撃する。

「ヘイヘイヘーイ! 俺様と踊ろうゼ!」

「イッツ・ダンシングなのだ!」

「と見せかけて、サーフビート!」

「何するのだ!」

 すけとうだらはレイリーと一緒に踊ろうとして不意打ちでレイリーを蹴り上げる。

「ホールド!」

 ティは光を放ってすけとうだらの動きを一時的に止めた後、円月輪を投げて攻撃する。

「せやっ!」

「ピピッ!」

「おっと、当たらないゼィ」

 すけとうだらはレイリーとオーの攻撃をひらりとかわす。

「ぬあっ!」

 二体の首狩り兎がティの首目掛けて襲ってくる。

 ティは急所を貫かれるのを避けたが、牙による一撃で大ダメージを受けた。

「よくもティを! サイン!」

「リソレ!」

 りんごが指先から電撃を放って首狩り兎を撃つが、

 首狩り兎は上手く彼女の攻撃をかわし、りんごの首を狩ろうとする。

 だが、レムレスが杖から炎を放って首狩り兎を焼き尽くした。

「くっ……」

 傷ついたティは、何とか回復魔法で傷を癒す。

「わたしの踊りに惚れるんじゃないのだ」

 レイリーは身体をくねらせてすけとうだらと首狩り兎に踊りを見せる。

 小柄ながらその動きはとても妙で、すけとうだらと首狩り兎は見とれてぼーっとした。

「今です、タンジェント!」

「メランジェ、リ・リソレ!」

 強力な首狩り兎が見とれたため、今がチャンスだ。

 りんごが雷の玉を放って首狩り兎を痺れさせ、

 とどめにレムレスが炎の玉を飛ばして首狩り兎を焼き尽くした。

「スピニング!」

「うおっ!」

 ティの指から無数の光が現れ、すけとうだらを取り巻くと爆発する。

 その攻撃によりすけとうだらは正気に戻ったが、隙だらけの彼に猛烈な攻撃が当たる。

「クリケット!」

「ピピピピーピ!」

「タンジェント!」

「コンフィチュール!」

ギョギョーーーーーーーーーーッ!!

 なすすべもなく連続攻撃を食らったすけとうだらはそのままばたんきゅ~するのだった。

 

「ピピピッ! ピピピッ!」

「……おや? 俺様は今まで何を……」

 レイリー達に敗れたすけとうだらは、不穏なオーラが消え、正気に戻った。

 襲ってきた魔物も、皆、ばたんきゅ~している。

「きみも正気に戻ったみたいなのだ」

「とにかく、勝負を只管繰り返さなきゃならねぇ、そんなモヤモヤがスッキリしたゼィ……?」

「よかった! レイリー、君の言う通りだったね」

 レムレスはレイリーの方を見てそう言い、レイリーはぺこりとお辞儀した。

「影響されたって事は、時空のバグ子さんにも会ってるって事かな」

「いや、マールって名前がちゃんとあるのだ」

 名前を憶えてくれないりんごに突っ込むレイリー。

 りんごはそれを聞き流しつつ、すけとうだらに話を聞こうとする。

「ねえ、踊る魚の人」

「このすけとうだら様の事かい?」

「怪しげに笑う知らない女子と会ったりしませんでした?」

「おう! 何故それを!」

「レイリーから、犯人はその子だと聞いたんですよ」

「どっちに行ったんだ、教えてくれ」

「んん~、森の奥の方に歩いてった気がするゼィ!」

 どうやら、マールはナーエの森の奥にいるようだ。

 そこで彼女はまた、何か企んでいるかもしれない。

 それを阻止しなければ、とレイリー達は決意した。

「ありがとう!」

「ありがとうなのだ!」

「よっしゃ、とりあえず追いかけてみましょう!」

「そうだね」

「ピッピピーーー!」

「事情は知らねえが、頑張れよ! なんかあったら俺様が力になってやるからな~!」

 レイリー、ティ、りんご、レムレスは、

 マールを追いかけるため、ナーエの森の奥に向かうのだった。

 すけとうだらはそんな彼らに手を振って見送るのだった。




次回は半人半竜と、あのキャラが登場します。
ヒント:ほほうどりよりも影が薄いです。
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