ぷよぷよテトリス2 ~ シュルッツの冒険者達 作:アヤ・ノア
7ではハーピーと一緒に出たのに、先にぷよぷよ!!に出たのは彼女なんですよね。
ま、相当な人気だからだと思いますが。
魔物キャンディと凶暴ケーキを倒し、商店街を後にしようとしたその時、
向こうから少女の声が聞こえてきた。
その声はアルル達には聞き覚えのあるものだった。
「おーっほほほ♪」
長い金髪に青い瞳、青いとんがり帽子に同色の服。
彼女は、魔女族の少女・ウィッチだった。
ちなみに、ウィッチという名は真名ではなく、これは彼女が半人前である事の証明だ。
「シェゾさん、こんなところにいたんですのねぇ」
「ウィッチ……」
「いかにも♪ 可愛くて強く、頭もいいウィッチさんですわぁ! おいっス!」
(こういう奴こそ、こういう事をよく言うんだな)
お馴染みの挨拶を言うウィッチに対し、ジルヴァは心の中で彼女をそう評価していた。
一方、アルルとラグナスは少し困惑していた。
「え? え? どうしたの?」
「こいつがどうしたんだ?」
「見ていろ、アルル、ラグナス。すぐに分かる」
「シェゾさん……貴方が欲しいっ♪ ……ですわ!」
ウィッチはシェゾの口真似をしていた。
これは、以前にサタンが起こした、太陽が巨大化する異変で行ったのだ。
「ひぇ」
「ぐー?」
「こ、こんな事を言うんですか?」
「あっ!?」
アルルの顔が青くなり、ラグナスは軽く頷き、カーバンクルは頭に?マークを浮かべる。
アリアとジルヴァは、ウィッチの様子をじっと見ていた。
彼女は、何故か不穏なオーラを纏っていた。
「おーほほほっ! 観念なさってくださいまし!」
「そうはいかない。ウィッチ、俺達に魔物をけしかけたのはお前か?」
「いかにもそうですけど?」
ジルヴァはそう言って、ウィッチの前に立つ。
ウィッチは、あっさりと悪事を彼に自白した。
「ああ、そうですわね……。自分でも、なんでこんなに焦っているのか分かりませんが……。
シェゾさん! 貴方との終わりなきぷよ勝負で……『楽しい』勝利が欲しいっ! ですわ!」
予想通り、ウィッチもマールの影響を受けていて、
お菓子の魔物を呼び出して混乱に陥れたようだ。
さらに、無限ぷよ勝負で楽しい勝利が欲しいと言っているようで、
最早彼女は言い逃れできなかった。
いや、言い逃れをするわけがなかった。
「……んん~? ウィッチって、そんな事を言う?」
「そこだ。先程から、ずっとウィッチに追いかけられている。魔物もけしかけられた。
何かしらの力に影響されているのだと予想しているが……」
「それはマールさんの事ですね。私達は彼女を追っています」
アリア達はシェゾに、マールを追っている事を打ち明けた。
まだ詳しい事は知っていないが、彼女を止める必要があると説いた。
「癪だが、俺もお前達と一緒にマールを追いたい。だが、まずはウィッチを止めなきゃならない」
「ああ……そのマールという子の影響を受けてる奴を元に戻して、マールを追いかけよう!」
シェゾとラグナスの二人が剣を構えた時、ウィッチが不満そうな顔をした。
「なぁにをのんびりお喋りしているんですの? 来てくれないなら、行きますわよ!
おいでなさい、アイスクリーム!」
ウィッチは呪文を唱えて、凶暴化したアイスクリームを召喚した。
マールの影響で魔力が高まっているウィッチは、召喚術も使えるようになったのだ。
「また性懲りもなく魔物を呼び出すとは……。
アルルさん、魔物を倒し、ウィッチさんを元に戻してから考えをまとめましょう!」
「うん、分かったよ!」
アルルはアリア達と共に身構える。
一方、ウィッチも殺る気満々の様子でこう言った。
「さあ♪ 楽しい楽しい……勝負!」
「フレイムストーム!」
「どんえ~ん」
ウィッチはシェゾが放った炎の竜巻をバリアを張る魔法で吸収する。
「スラッシュ!」
ラグナスはウィッチに斬りかかるが、アイスクリームがウィッチを庇う。
そしてウィッチはさらにアイスクリームを二体召喚する。
「グラン、行ってください!」
アリアは地の精霊グランを召喚し、
グランが岩を呼び出してアイスクリームに投げつけ、身体を潰す。
ジルヴァが光の矢を放ちアイスクリームを倒した。
「ファイヤー!」
「どんえ~ん」
アルルが放った炎を、ウィッチは魔法で吸収する。
その隙に、アイスクリームはジルヴァとシェゾに氷の塊を飛ばした。
「ぐっ」
「なんて力だ!」
「おほほほほ、そのまま倒れてくださいまし♪」
「そうはいかない! シェゾ、まずは傷を癒すぞ」
「ぐっ……」
ラグナスはシェゾにヒーリングを唱えるが、上手く傷は癒せなかったようだ。
「メテオ!」
「あつっ!」
ウィッチは箒を振って隕石をラグナスに落とす。
彼女の十八番と言える星魔法で、ラグナスはそこそこのダメージを受ける。
「エアシュート!」
「ホーリーアロー!」
アリアは風の精霊エアを召喚し、風の塊でアイスクリームを吹っ飛ばす。
続けてジルヴァが光の矢を放った。
「アイスクリームは炎が一番! ファイヤー!」
アルルが炎魔法でアイスクリームをドロドロに溶かした。
これで倒れた……と思いきや、アイスクリームは瀕死の状態で復活した。
「何っ!?」
「ぐぐっ!?」
「わたくしの魔法で作ったアイスクリームは、ちょっとやそっとでは倒れませんわよ。
さあ、お行きなさい!」
「小癪なっ! サンダーストーム!」
シェゾはアイスクリームに殴られ、傷を負う。
即座に雷を落として反撃し、アイスクリームはドロドロに溶けた。
「ヒーリング!」
ラグナスは傷を負ったシェゾに回復魔法を唱える。
アイスクリームはジルヴァに氷の玉を放ち、ウィッチはアイススリップで追撃する。
「ストーンブラスト!」
「ヒーリング!」
アリアは地の精霊グランを召喚して岩弾を撃ち、ジルヴァはシェゾに回復魔法を唱える。
アイスクリームがシェゾに攻撃を仕掛けるが、ラグナスが庇い、攻撃を受け流す。
「サンダーストーム!」
「ライトスラッシュ!」
「フェーゴボム!」
シェゾは雷の嵐を呼び寄せ、アイスクリームをまとめて攻撃する。
ラグナスがアイスクリームを真っ二つにして、アリアが炎で燃やして溶かした。
「シャープネス、ホ・ホーリーアロー!」
「ダイアキュート、ファ・ファイヤー!」
アルルとジルヴァが増幅した魔法をアイスクリームにぶつけ、
一方でアイスクリームもジルヴァとシェゾに冷気を放ち、体温を下げる。
「寒いから……これでどうだ! フレイム!」
シェゾが炎を放って自分の体温を上げつつアイスクリームを倒し、
ラグナスがアイスクリームに斬りかかり、ジルヴァとアルルがとどめを刺した。
全てのアイスクリームが倒されたウィッチは慌てて、その場から逃げ出そうとしていた。
「そんな! わたくしのアイスが破れるなんて……」
「そこまでですよ、ウィッチさん。さようなら、ロックブレイク!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
だが、アリアはそこを逃さない。
地の精霊グランを召喚し、巨大な岩を落としてウィッチを倒した。
「ヒーリング!」
「痛いっす……」
ばたんきゅ~したウィッチは、ラグナスの回復魔法で立ち上がった。
「ふぅ。落ち着いたか、ウィッチ」
「ウィッチ、大丈夫?」
「この様子だと、怪我はないようだな」
ジルヴァがウィッチの様子を確かめる。
ウィッチから不穏なオーラは消え去っていた。
「……あら? あらあらあら、何でしょう。不思議とモヤモヤが晴れたような……」
「フン……正気を取り戻したようだな」
「やっぱり、俺の予想通りだった」
「それで、ウィッチ、何があった?」
「えっと……とある女の子と会ってから、とにかく、ずっと勝負しなきゃ、勝負しなきゃって、
そればっかりが頭にあって……」
ウィッチは事情をジルヴァに話した。
どうやら、マールと出会ってから、勝負病にかかってしまったようだ。
当然、アルル達と戦っていた事は、覚えていない。
「ずっとずっと勝負しなきゃって……思った以上に危ないかも!」
「ぐーぐーぐぐ!? ぐぐぐぐぐぐ!」
想像以上に、勝負病は強烈なようだ。
放置しておけば、勝負病の影響で疲労困憊の者が多数出るかもしれない。
一刻も早く治さなければ……とアルルは思った。
「やっぱりお前達が関わっていたんだな」
シェゾはアルルとラグナスを睨む。
今回の異変を起こしたのが、まるで二人のせいだというかのように。
「関わるっていうか、今回も巻き込まれたっていうか……」
「説明しろ」
「アルルさん? ラグナスさん? 何かあったのですか? そんな時には!」
そう言うとウィッチはどこかから手帳を取り出す。
「ウィッチさん特製♪ 心が落ち着くお薬は……」
「それは、こうなる前に自分に使ってほしかったが」
「まあっ!? 何なんですの!?」
言い争いになるシェゾとウィッチに、ラグナスは鋭い声でこう言った。
「そうなる前にお前らが飲め」
ウィッチが真名ではないという設定をぷよぷよ!!で出したのはGoodでした。
次回は、あの格闘女王と戦います。