ぷよぷよテトリス2 ~ シュルッツの冒険者達 作:アヤ・ノア
こういうのもあっていいかな、と思って書きました。
アミティ、アルル、アリアの三人は、
これまでの情報をまとめるため、ふれあい広場にやってきた。
「りんご~~~! ティ~~~!」
「あっ、みんないる!」
ふれあい広場には彼女達だけでなく、りんご、アコール先生、ローザッテ、ティ、オーもいる。
「アミティ! アルル! アリア!」
「あのねっ、あのねっ、大変だったんだよー! みんなが無理矢理ぷよ勝負をさせられて……」
「ボクのところも、多分、同じ事が起こっていたよ。気合で跳ね除けた人が多かったけどね」
「それ以外にも、魔物が暴れ回っていましたね」
アミティ達はりんごに事情を説明する。
マールの力によって無理矢理勝負をしていて、しきりに「楽しい」を連呼していた事。
大人しいはずの魔物が凶暴になっていた事。
これらを正確に、りんごに伝えた。
「りんごさん、そっちは何か分かりましたか?」
「その前に、みんなの情報を整理する必要があるな」
「そうでしたね……」
「コホン、それでは……報告する!」
ティによれば、以下の事が分かったらしい。
・マールの力は、他人の闘争本能を刺激する
・これにより、大人しい者も凶暴になる
・今のマールは何者かによって利用されている
「……なるほど、そういう事だったんだね」
「そんなぁ……」
「私達を騙して、皆に無理矢理勝負させて、マールさんは一体何が目的でしょうか」
彼女の目的は、まだはっきりと分かっていない。
だが、放っておけば、世界がもっと混乱してしまう事は明らかだ。
「ところで、ボク達はサタンを探してここに来たんだけど……」
アルルがそう呟くと、彼女の目の前に突然、男がテレポートで姿を現した。
「はーっはっはっはっは!」
「あ、いた」
「ぐ、ぐぐ」
長い角に、尖った耳、緑の長髪に赤いマントと服。
間違いなく、傍迷惑魔王・サタンだ。
「ア~ルル~、カーバンクルちゃ~ん♪ 困った時に颯爽と現れる闇の貴公子、満を持して!
サタン様が登場だ~♪ カーバンクルちゃ~ん♪」
「ファイヤー」
サタンはカーバンクルに抱き着こうとするが、アルルがファイヤーで跳ね飛ばした。
「悪いけど、そういうのはいいから。
サタン、その時空のバグ……マールって子について知ってるんでしょ?」
「ああ」
「教えて?」
アルルはサタンに、マールの詳細を聞こうとした。
だが、サタンは首を横に振った。
「ふ……。時空のバグは何も知らない」
「え?」
アルルは状況が理解できず、?マークを浮かべる。
「この世界のルール、『楽しい』『正しい』を忠実に守ろうとしているだけだ」
「な、何の話……」
「サタン様の言う通りですよ、アルルさん」
そう言って姿を現したのは、アコール先生とローザッテ。
二人はプリンプとプワープの賢者であり、マールの正体を正しく把握していた。
「マールさんは確かに世界を混乱させた加害者ですが、被害者でもあるのです」
「楽しさを象徴するマールさんの後ろには、正しさを象徴する何者かがいます」
「どういう……事?」
「先を急がないでください。やがて出会います」
「だから、皆さんで焦らず行きましょう」
アコール先生とローザッテはニコニコと微笑む。
だが、この微笑みが、ただものではない事をティとアリアは理解していた。
「アルル、今のままでは最悪の結末を迎えるだろう」
「ええっ!?」
「このサタン様が味方をすれば話は違うが! さあ、アルル! このサタン様の協力を仰げ!
もっと、もっと、私を熱く欲しがるのだ! はーっはっはっはっは!」
「……頭痛が……」
「ぐぐぐぐ……」
サタンは最悪の結末を予測していた。
だが、アルルは正直、サタンを信用できなかった。
まぁ、これがいつもの彼なのかもしれないが、
やはり長年の付き合いからか、どうしても距離を取ってしまう。
「もうっ、こんな時なのにふざけちゃって」
「こんな時だからこそ、サタン様はふざけていると思うんですよ。
悲しい態度だと、心まで沈んでしまいますからね。サタン様はそれを分かってるんですよね?」
「あ、ああ……」
アコール先生は微笑みながらサタンにそう言った。
10万年以上生きていて魔力も凄まじいサタンも、この時ばかりは逆らってはいけないと感じた。
『(アコールに逆らうと後が怖いニャリ)』
「うふふ……」
(これがアコール先生の性格なのか……)
(ピピピ……)
常に微笑みを浮かべるアコール先生は、それ故に何を考えているか分からない。
ティとオーも、アコール先生にたじろいでいた。
「あのあのっ、そ、そろそろ、その子の居場所を教えてほしいな~って……」
アミティはマールの居場所を聞き出そうとした。
「ふむ、いいだろう。時空の旅人、準備はいいか?」
「ばっちりだよ、おじさま、先生、魔法使い!」
そう言って姿を現したのは、エコロだった。
どうやら、マールをおびき寄せるための罠を、あらかじめエコロが仕掛けておいたようだ。
そして、見事に罠にかかったマールを、エコロが連れてきたというわけだ。
「というわけで、捕まえてきたよ~」
「「「「「あーーーー!!!」」」」」
エコロが連れてきたマールは、アルル達の前に姿を現した。
マールは不穏なオーラを纏っていて、目が虚ろだ。
「酷いですよぉ……。私をみんなでいじめるんですかぁ?」
「えっ、そっ、そう言われると……」
「あなたを放っておくわけにはいきませんからね」
「今すぐキミがこんな事をやめてくれれば、そうはならないよ!」
たじろぐアミティに対し、アルルとアリアは毅然とした態度だった。
だが、マールは首を横に振っている。
「それはできない相談です……ねぇ♪」
「なら、力ずくでもお前を捕まえる!」
そう言ってティはマールに飛びかかり、彼女に組み付こうとしたが、
時既に遅く、マールはテレポートで姿を消した。
「くそっ……逃げられたか」
「追うのだ、アルル」
「頑張って、りんごちゃん!」
「アミティさん、必ず彼女を捕まえてくださいね」
「これ以上の混乱は、阻止したいですからね」
アルル達は急いでマールを追いかけていき、ラフィーナ達も後を追っていった。
「ここを逃したら、多少厄介な事になるだろう……」
「絶対に、マールさんを救ってくださいね」
アコール先生とローザッテは、あまりアミティ達に干渉しません。
あくまでこの二人は賢者、助言役ですからね。
次回はみんなでマールを追いかけます。