ぷよぷよテトリス2 ~ シュルッツの冒険者達 作:アヤ・ノア
というわけでマールを追いかけていきます。
アルル、アミティ、りんご、アリア、ティの五人は世界を混乱させたマールを追いかけていた。
特に、アリアは自分達を騙したマールに対する怒りが一層強かった。
そして、ついに五人はマールを追い詰めた。
「これ以上の悪事は、許しませんよ。私達を騙した事も、魔物を凶暴にした事も」
「困りましたぁ……。私はまだまだ『楽しく』なってほしいだけなのにぃ♪」
アリアの鋭い声にも関わらず、マールはへらへらとしている。
「意地悪されて邪魔されてますぅ……♪」
「いいい、意地悪してるわけじゃ!」
「アミティさん、騙されてはいけません! いい加減に反省すればいいのに……」
アリアはアミティと違い、敵に対しては容赦ない。
たとえ利用されているとしても、まずは反省させるのが彼女のやり方だからだ。
その証拠にアリアはまだ杖をマールに向けている。
「でも~、あの~、やっぱり~……」
「キミがどんっなに悪気がなかろうとも、ボク達はキミを倒す! 仲直りならその後だ!」
「恐らく、正義は我にあり! 遠慮はなしでいかせていただきます!」
アルルとりんごも、マールに強い敵意を向ける。
以前に誰かが裏切った際も、先に問い詰めたのはアルルとりんごなのだ。
「怖いですねぇ……。逃ーげちゃおっと♪」
「逃がしません、ミスティバインド!」
アリアは水の精霊ミスティを召喚し、逃げようとしたマールを水の縄で拘束する。
「きゃっ! 何するんですか!」
「逃げるつもりのようですが、そうはいきませんよ。マールさん、覚悟してください!」
アリアが精霊を召喚しようとすると、マールの両手が眩く光り出した。
「あなたって結構乱暴なんですねぇ……。それじゃあ、私も乱暴にいきますよぉ!」
「きゃっ!」
そして、周囲が眩く光ると、風景が一変した。
「っ、ここは……」
気が付くと、アリアは奇妙な森の中にいた。
周りには、アルルも、アミティも、りんごも、ティも、そしてマールもいない。
木々はちかちかと光っており、暗さは全くと言っていいほど感じられない。
「確か、私がマールさんを捕まえようとして、マールさんが光って……」
いきなり風景が変わったため、アリアの周りにいた精霊が狼狽えている。
「グラン、ミスティ、フェーゴ、エア、ルフィーネ、大丈夫ですか? あの、あの、その……」
アリアは言葉や態度により、何とか精霊を落ち着かせた。
「困りましたね……私と精霊以外に、誰もいないなんて……」
「そんな事はないのだ」
「!」
アリアが辺りを見渡していると、後ろから声が聞こえてきた。
聞き覚えのある声だったが、アリアは念のため身構えた。
「誰で……って、レイリーにジルヴァ!?」
そこにいたのは、同じ冒険者のレイリーとジルヴァだった。
「二人とも、どうしたんですか」
「いきなり光ったと思ったら、こんな場所に飛ばされてしまったのだ」
「同じく」
どうやら、レイリーとジルヴァもアリアと同じように巻き込まれてしまったらしい。
「そんな……捕まりたくないからといって、こんな事をするなんて……」
困惑するアリア、レイリー、ジルヴァ。
しかし同時に、三人の中に怒りの感情も湧き出る。
「……早く、ここを脱出しましょう」
「そうだな」
アリア、レイリー、ジルヴァは、光の森の中を歩いていった。
周りに魔物はおらず、ただ森の中を歩く。
しばらく歩くと、目の前にマールが現れた。
だが、その存在はどこか不確かであり、まるで幻影のようだった。
しかも、何故か恐ろしい雰囲気ではなかった。
「あなたは、楽しいという気持ちが分かりますか?」
「分かりますよ……でも、こんな事をして、本当に楽しいと思うんですか?」
アリアは優しくマールに話しかける。
「楽しいです、楽しいです。楽しいですが……」
マールは混乱しながら頭を抱える。
彼女はしきりに「楽しい」を連呼していて、レイリーとジルヴァは頭を捻る。
「楽しいって何ですか? 勝負を強行する事が、本当に楽しいんですか?」
「魔物をけしかけるなんて……本当に、きみは楽しいのだ?」
「楽しいは人それぞれだ。他人にそれを押し付けるなど、決して楽しくない行動だ!」
アリア、レイリー、ジルヴァは、必死にマールを追い詰めていく。
五体の精霊も、三人の周りを回って応援していた。
「それが正し……あっ!!」
マールはうっかり「楽しい」以外の言葉を言った。
とうとう彼女の本性が出てきた。
「正しい……それがあなたの考えですね。あなたは今のあなたではない……。
大人しく、去りなさい!!」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
アリアが杖を向けると、虹色の光が放たれる。
光がマールに命中すると、マールはそれに包まれ、跡形もなく消え去った。
マールが消えると同時に、辺りの風景が元に戻る。
気が付くと、アリア、レイリー、ジルヴァは元の公園に戻っていた。
「私達……戻ってこれたんですか……?」
「ああ、そうみたいだな……」
三人はもう一度、辺りを見渡す。
あの森は、マールが作り出した幻影の世界だったのだろう。
そこから脱出したため、もうマールはいるはずなのだが、
何故か、この公園にはアリア達を除いて誰もいなかった。
「そ、そんな……みんながマールさんの作った世界に閉じ込められちゃうなんて……」
アリアの目から、涙がこぼれた。
自分が良かれと思ってした行動で、皆を危機に陥れてしまった。
あの時に魔法を使っていなければ、マールはただ逃げるだけで済んだというのに。
「私はマールさんを逃がしたくなかった。どうしても捕まえたかった。
なのに、こんな事になるなんて……!」
「……確かにアレはアリアのせいだったのだ。
でも、アリアがやろうとしてた事は間違いではなかったのだ」
「人間は何度も間違えるけど、そのたびに成長していくのも人間だ。
しかも、お前はまだ14歳だし、俺達仲間がいる。だから、泣くんじゃない」
レイリーとジルヴァは、アリアを慰めた。
もし誰かが失敗しても、フォローしてくれる。
いざという時は、一丸となって脅威と戦う。
仲間とは、そんな大切な存在なのだ。
「ぐすっ……そうでしたね、レイリー、ジルヴァ。
……よし! 皆さんを信じて、私達はここで待ちましょう!」
「おうっ!」
「なのだ!」
パソコンの画面がちらつきすぎてイライラしています。
次回はりんごのターンです。