ぷよぷよテトリス2 ~ シュルッツの冒険者達 作:アヤ・ノア
例によって原作で出てこないキャラも出しますのでご了承ください。
「うふふふふ……」
「ここは、どこだろう……」
アミティが飛ばされた幻影世界は、雪原だった。
しかも、遠くにはマールの姿がある。
「うぅ、寒いよぉ……。ウォーム!」
薄着であるため、寒さが容赦なくアミティの身体に襲い掛かる。
生活魔法で一時的に温まるものの、ずっと使い続けているわけにはいかない。
何より、魔法を使えば魔力が目立つため、マールに狙われてしまうのだ。
「みんな、どこにいるの? 寂しいよ……」
周りに誰もいないため、アミティは思わず寂しくなってしまう。
その時、向こうから足音が聞こえてきた。
「だ、誰!?」
アミティは慌てて身構える。
足音の正体はすぐに判明し、ラフィーナ、シグ、クルーク、リデル、タルタル、
フェーリ、レムレスであるという事が分かった。
「アミティ、だいじょうぶ?」
「おーっほっほっほ!」
「みんな……あたしについてくるんだね?」
「当然! 私を操ったんですから、覚悟はできておりますわよね?」
「はーっはっはっは! ボクが仕留めてみせよう!」
「クルークさん、調子に乗ってはいけませんよ」
「ぐっ」
リデルは素直なので、時々鋭い一言を言う。
いつも調子に乗りがちなクルークに対し、リデルはしっかりと注意したのだ。
「あ、あはは……; リデルって辛口だねぇ;」
「その、わたしは本当の事を言っただけです」
「リデルは素直なだけだから許してほしいんだなぁ」
「みんな……」
タルタルがリデルの毒舌について弁解する。
他愛ない漫才だったが、それだけで、アミティの暗い気持ちが一気に吹き飛んだ。
「僕達も手伝うからね」
「ト・ウ・ゼ・ン……アナタ、許せない、ワ……。アタシをおかしくした事、後悔しなさい……。
キエエェェェーーー!!」
「フェ、フェーリ、冷静にね」
フェーリはレムレスの注意を受けたにも関わらず勝負病にかかってしまったため、
元凶であるマールに怒りを隠せなかった。
すると、今までいなかった彼女の召喚獣、バルトアンデルスが姿を現した。
「アオーーーーン!!」
「バル! どこに行ってたの!? もう……心配したわよ!」
「ハフハフ! ハフハフハフ!」
フェーリはバルトアンデルスを撫でようとしたが体格に差があるため上手く撫でられなかった。
バルトアンデルスはフェーリにかなり懐いている。
「あんまり……楽しく……ないですねぇ……」
突然の援軍に、マールはさらに困惑していた。
このままでは自分の目的が果たされないらしい。
「おっしゃー、頑張るんだなぁ」
タルタルが両腕を上げて、皆の前に立つ。
いつも留守番していたり、休んでいたりするタルタルにとって、これはチャンスなのだ。
「おや、タルタル、キミにしてはやる気満々だね」
「オイは、みんなの役に立ちたいだけなんだなぁ」
「いいかい、みんな? マールを必ず倒して、この世界から出るんだよ」
「いーくぞー」
「うん! マール、ちょっと大人しくしてね!」
何としてでも、マールを倒さなければ、この世界を元に戻す事はできない。
マールとの戦いが始まった。
「パルフェ!」
「私に光の攻撃が通じるとでも思いましたか?」
「くっ……」
マールはレムレスの光魔法をバリアで跳ね返す。
「ガーウーッ!」
「ラウンドダンス!」
「リフリネイション!」
「プルアヴェント!」
バルトアンデルスはマールに飛び掛かり噛みつく。
マールは顔を歪ませて広範囲に光を放つが、フェーリとリデルは防御魔法で攻撃を防ぐ。
「ストリーム~!」
「グラッサージュ!」
「コンジャンクション!」
タルタルが勢いよくマールに体当たりして上空に吹っ飛ばした後、
レムレスが上から氷の塊を落とす。
地面に叩きつけられたマールは、フェーリの光魔法で打ち上げられた。
「後は私にお任せあれ! ネージュ!」
ラフィーナが氷を纏った掌底をマールにぶつけ、マールを凍らせて動きを止める。
「ブリザード!」
「ネブラ!」
「オラージュ!」
アミティとクルークはマールの氷を解かさないよう炎属性ではない魔法で追撃する。
ラフィーナは電撃を纏った蹴りでマールを攻撃。
「とどめだー、シレスティアル!」
そして、シグが光と闇を混ぜた力を放ち、大爆発を起こした。
それが治まると、ばたんきゅ~したマールがいた。
「勝った! みんな、ありがとー!」
「どういたしましてー」
マールを撃破して喜ぶアミティ達。
一方、ボロボロになっているマールは、アミティ達を睨みつけている。
「……なんでですかぁ。どうしてですかぁ」
「えっ……」
「オイの口真似はやめるんだなぁ。おまえこそ、何を言いたいんだなぁ?」
「私は楽しくしたいだけなのに、どうして、どうして……」
マールはしきりに「楽しい」を連呼している。
しかも、目は虚ろで、表情に生気は見られない。
この幻影世界にいるマールは、まるで、本物のマールのようだった。
「あのね、あのね、ちゃんと話し合おうよ。そうじゃないと何も分からないよ」
「どうして……こんなに……」
「マール?」
「頭が痛いんですかぁ!!」
「ええっ!?」
なんと、マールは何者かの干渉を受けていた。
アコール先生とローザッテの言う通りだった。
「う、うう……。最後には必ず私が勝つはず。だって、私は『楽しい』んだもの。
そうでしょ……ス……」
マールがそう言いかけた瞬間、彼女の姿は煙のように消えた。
そして、アミティも元の場所に戻った。
「ここは……」
「どうやら、元の場所に戻って来たみたいだね」
「よかった……」
幻影から解放されてほっとするアミティ。
周りにはりんご、まぐろ、りすくませんぱいや、アリア、レイリー、ジルヴァがいる。
「みんな、大丈夫? 怪我はない?」
「ええ、マールさんに攻撃されましたが何とか脱出できましたよ」
「ふむふむ」
「他の皆さんも、マールさんの世界に閉じ込められてると思いますが、信じる事はできます」
今、この場にいる人達は、幻影世界に干渉する事は出来ない。
しかし、彼らはマールにそう易々と勝ちを譲るような人ではない事を知っている。
強い気持ちがあれば必ずマールに勝つ事ができる。
りんご達は仲間を信じるという気持ちでも、マールと戦っているのだ。
「皆さんは絶対にマールさんに勝てます!」
「だから、自分を信じてくださいね!」
アミティは、未熟ながら成長していると私は思います。
でもどうして、公式では頭が弱くなってるんでしょうかね?
次回はアルルパートです。