ぷよぷよテトリス2 ~ シュルッツの冒険者達   作:アヤ・ノア

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物語の黒幕が登場します。
やっぱり、こういうのには「大人」が必要だと分かってますかSさん?


26 ~ スクエアス

「マールさんを操り、世界を混乱に陥れた、『正しさ』を象徴する、あなたは……!」

 アリアが声の主に向けて杖を構えた時。

 

「「ス、スクエアス……!」」

 マールの背後から、藍色の髪の青年が姿を現した。

 そう、彼こそが、マールを操って人々を勝負病にかからせた、真の黒幕――スクエアスだ。

「『楽しい』勝負を続けるのだろう? 『楽しい』は、お前という存在が司るもの。

 それなのに、何をしている?」

「スクエアス! もう、やめましょうよぉ!

 あなたのしている事には『楽しい』も『正しい』も見えません……。

 いくら私の心を奪って操ったって、この人達は思い通りになんかいきませんよぉ!」

「フン、お前もそこまでか。まあいい、少しは力を溜める役に立った。さらばだ、マール」

 そう言うと、スクエアスはどこかにワープした。

 

 マールとスクエアスのやり取りを聞いたアリアは、静かに杖を(おろ)した。

「な、何があったの?」

「マールさんの正体は、『楽しさ』を司る存在。つまり、精霊のような存在だったのです」

 アリアはマールの正体を皆に話す。

 今まで世界を混乱させていたマールは時空のバグではなく、

 むしろその逆で、神聖な存在だったのだ。

「そして、スクエアスという人物こそが、この異変の本当の黒幕だったんです」

「く、詳しいですねぇ……」

「まぁ、あなた達のやり取りを聞いただけですが」

「でも、あの、スクエアスは元々悪人というわけではないんです」

 マールが慌ててスクエアスの事をアリアに伝える。

 どうやら、彼は完全な悪ではないようで、

 マールを利用したのも何かしらの理由があっての事らしい。

「これは、もう少し落ち着いた方がいいですね……」

「ふふ、そうですね」

「「「「あっ!?」」」」

 ひとまず落ち着こうと思ったその時、アリア達の背後から男性と女性が現れる。

 プリンプの賢者、ローザッテとアコール先生だ。

「アコール先生!」

「それに……えっと……ローザッテさん!」

「私の事を、覚えてくれたんですね」

 ローザッテはアリア達が名前を憶えてくれた事が嬉しくて笑顔になる。

「やはり、私達の予想通りでしたね」

「予想通り……って?」

「マールさんの背後に正しさを司る者がいる、という事です」

「はうぅ……二人とも、頭良すぎです……」

 スクエアスがマールを利用していたというのは、この二人の賢者にはお見通しのようだ。

 マールは二人の頭の良さに脱帽していたが、それにより、逆に調子を取り戻した。

「ええと……私達は時空の遥か上から静かに、ずっとずっと皆さんの勝負を見守っていました。

 本来、こうして姿を現したり皆さんと喋ったりするはずのない存在だと思います。

 でも……ある時から異変が起こり始めました。

 それは、交わる事が決してないはずの二つの世界……アルカディアと箱の世界から、

 お互いに声が聞こえたんです」

 アルル達はマールの話を真剣に聞いていた。

 普段は難しい話を聞くと寝てしまうアミティも、アコール先生がいる前では寝なかった。

「それは、どんな声ですか?」

「『また会いたい』って……。出会った事なんて、なかったはずなのに……」

「……そんな事はないと思います。多分、皆さんは忘れてしまっているだけだと思います」

 以前、アルカディアと箱の世界が混ざってしまい、エックスを説得した事で異変は解決し、

 皆の記憶から異変に関する記憶は消えた。

 しかし、アリアのように、僅かながら記憶が残っている人もいた。

 彼らの思いが偶然、アルカディアと箱の世界に届いてしまったのだろう。

「そうです。この事について覚えている人のせいで、私達は混乱してしまったんです。

 特にスクエアス。彼は時空の『正しさ』を司る存在」

「マールが『楽しい』、スクエアスが『正しい』なんだね」

「その通りですぅ……」

 スクエアスもマールと同じく、何かを司る精霊のような存在なのだ。

 その話が終わると、マールは真剣な表情になる。

「スクエアスは恐らく……この矛盾を乱暴な方法で解決しようと考え、

 私を一方的に操って味方につけました。

 そして、皆さんのおかげで私を操っていた影が消えた今、一人で実行しようとしています」

 似た存在同士とはいえ、マールを操る事ができたスクエアス。

 そんな彼は、単独でも強力な魔力を持っているから世界をどうこうする事ぐらい簡単だろう。

「乱暴な方法?」

「はい……。交わる事のない二つの世界を強引に混ぜる事で、

 『また会いたい』という矛盾した存在を見つけ出して消し去り、

 その後、世界を分けて『正しい』形に戻す事です」

「矛盾した存在って……何の事?」

「言いにくいのですが、ここにいらっしゃる皆さん……あなた達の事なんです……」

ひゃっ!?

はっ!?

ビッ!?

「えっ」

なんて?

ぐぐっ!?

 この異変の間接的な原因は、アルル達だとマールは明かす。

 衝撃的な事実に、アリア、アコール先生、ローザッテ以外は驚きを隠せなかった。

「以前に起きた異変の記憶がほんの僅かに残っていたからでしょうか?」

「はい、そこにいる眼鏡の女性……ええと、アコール先生の言う通りです。

 異変が解決したら記憶が消えるはずですが、あなた達は強い思いで忘れないでいられました。

 だから、『また会いたい』と思ったのでしょう」

「スクエアスはその人達ごと、矛盾を全て消し去ろうと思っています」

「でも、本当に悪い人はもう分かってますから、皆さんは責任を取らなくても大丈夫ですよ」

「ホント!? ありがとう、アコール先生!」

 記憶に残っているだけでは、罪を問われない。

 アコール先生とローザッテは、落ち込もうとしているアミティを励ますのだった。

 

「なーるほどー、そういう事ね~!」

「なんて事だ……」

「まあ、知ってはいたが改めて聞くと許されん話だ」

 その時、エコロ、レムレス、サタンがアルル達に合流する。

 サタンはスクエアスに対し怒りを露わにしていた。

 流石のサタンも、世界を滅茶苦茶にしようとする外の存在は決して許さないのだ。

「それで、本当の時空のバグとは、お前ではなくあのスクエアスという奴だな?」

「はい」

 本当の時空のバグは、スクエアスだった。

 彼を倒せば、この世界の異変は解決するのだ。

「だが問題はない。このサタン様がアルルとカーバンクルちゃんだけは何があっても守……」

「ボクとカーくんだけじゃ意味ないのっ!!」

ぐぐーーーっ!!

「ム……」

 サタンの言葉を真顔で拒否するアルルとカーバンクル。

「みんな、甘~いスイーツでも食べて落ち着こう。何をするべきか考えようね」

 レムレスはそう言ってキャンディーを取り出した。

 普段は軽い言動が目立つレムレスだが、きちんと考えるところは考えるのである。




次回はスクエアスの処遇をみんなで考えます。
アコール先生とローザッテはあまり出しゃばらせない方向でいかせていきます。
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