ぷよぷよテトリス2 ~ シュルッツの冒険者達 作:アヤ・ノア
アミティの考えって、ありていに言うと「甘い」です。
「次に何をするか……。スクエアスを説得する!」
アミティは世界を滅ぼそうとするスクエアスを止める、と決意した。
「きっと、できるはずだよね。マールとだって仲良くなれたんだもん」
「いや、あれはマールを操っていた影を、きみ達が払っただけだ」
仲良くなれた、と思っているアミティに、ティが真顔で突っ込んだ。
「マ、マール、あたし達と友達になるの、嫌だった!?」
「そんな事! あ、ああありませんっ!
ただ、私、知らず知らずのうちに、皆さんにたくさんの迷惑をかけてしまいました。
私なんかが仲良くなっていいのでしょうかぁ……」
操られていたとはいえ、プリンプタウンに異変をもたらしたのはマールだ。
その事実を、マールはアミティ達に謝罪した。
嫌われるのではないかとマールは思っていたが、アルル達の態度は違っていた。
「安心して、マール。アミティはね、友達作りの天才なんだ。
……ちょっと、言うのは恥ずかしいけどね」
「ぐっぐ、ぐっぐ♪」
「本当に悪いのはスクエアスさんですからね」
「アミティが信じるっていうなら、私達に異存はありません!」
「ね? だから、友達だよ、マール!」
そう言って、アミティはマールに手を伸ばした。
精霊のような存在である彼女に対しても、アミティは物怖じせずに話す事ができる。
それは、アミティに裏表がない証であった。
「み、皆さん……」
そして、マールもアミティの手を取った。
二人は今、「友達」として歩み出そうとしていた。
「それじゃ、早速! スクエアスのところへ行こう! ゴーゴー!」
「……」
スクエアスを追いかけようとしたアミティだったがアコール先生は顔に人差し指を当てていた。
「どうしたの、アコール先生?」
「そもそも、スクエアスさんは、どこにいらっしゃるのかしら?」
「ほぇ?」
「スクエアスが今、どこにいるのか、残念ながら、私にも分かりません……」
肝心のスクエアスの居場所が分からなければ、彼を追いかけて止める事はできない。
マールとアコール先生は、う~んと唸っていた。
「ええっ!」
「ええ、まずはスクエアスさんの居場所を探す、そこからみたいですね」
『ルゥも頑張って調べてるみたいだからニャ』
「えっ、ルゥ先生はどうやって知ったの?」
「私がテレパシーで教えたんですよ」
どうやらルゥ先生は、アコール先生からテレパシーで今までの異変を教わったらしい。
そこから、自分でも何かできる事はないかと、スクエアスの居場所を調べていたのだ。
「えっと、情報はいつ着くの?」
「そうですね……」
その頃、ルゥ先生は……。
「あ~、あのスクエアスって人は、マールが集めた力を奪っていたのか~」
マールとスクエアスの関係について、調べていた。
彼はお世辞にもアコール先生より戦闘能力は低いが情報を調べるのはルゥ先生にもできた。
「マールとスクエアスは、多分、表裏一体だね~。
スクエアスが消えれば、どこの世界もどうなるか分からないね~。
だから、迂闊に消す事はできないな~」
スクエアスを迂闊に消せば、世界に悪影響を及ぼす可能性がある。
だから、ルゥ先生は手出しができなかった。
「ぼくが集めた情報はここまでだから、届けるね~」
そして、職員室を出たルゥ先生は、アコール先生の後を追っていった。
「はぁ、はぁ……」
「ルゥ先生!」
そして、ルゥ先生は紙を持って、アミティ達のところにやってきた。
「こ……これが~、ぼくの集めた、マールとスクエアスの情報だよ~」
ルゥ先生が突き付けた紙には、彼の柔らかい字で情報が書かれていた。
アミティ達は、ルゥ先生の情報を読む。
スクエアスは、マールの力の一部から生まれた。
故に、マールとスクエアスは表裏一体である。
スクエアスが消えた時、マールもまた消える。
「そ、そうだったの!?」
「流石ルゥ先生ですわね」
「ふふ……よく頑張りましたね、ルゥ」
これだけの情報量を簡潔かつ具体的に記した事に、アコール先生は喜ぶ。
伊達に彼も教師ではないという事を知った。
「それで、スクエアスの居場所は分かった?」
「う~ん、ごめんね~。分からなかった~」
「そんな……」
ルゥ先生にも、
スクエアスの居場所は分からなかったようだ。
このままでは、二つの世界がスクエアスの思いのままになってしまう。
アミティ達が途方に暮れた、その時だった。
「……いや、心当たりがある」
「ピー! ピー!」
なんと、ティはスクエアスの居場所を知っているというのだ。
オーも嬉しそうにティの周りを回る。
「みんな、テト号に乗ってくれ。
この事件について知っていたもう一人のあの人、彼ならきっと力になってくれる。
時空の番人、エックスのもとへ向かうぞ!」
テト号の賢者、エックスならば、スクエアスが起こした異変の詳細が分かるはずだ。
「……テト号に乗るのですね?」
「みんな、十分に準備してから行ってね~」
アコール先生とルゥ先生が、この場にいる全員に号令をかける。
テト号に乗り込めば、ここから先、しばらくプリンプタウンに戻れなくなる。
やり残した事はないかを、皆に聞いていた。
すると、アルルが頭をポリポリと掻いて言った。
「あ……実は、やり残した事、あるんだよね~」
「む? 何をだ?」
「……ボク、お腹空いちゃったんだ。だから、カレー、食べてくるね」
「ぐぐー」
ずこーっ、と皆がずっこけた瞬間であった。
次回は一行がテト号に乗ります。
楽しみに待っていてください。