ぷよぷよテトリス2 ~ シュルッツの冒険者達   作:アヤ・ノア

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この小説で初めて、エックスと出会います。
二次創作の都合上、1章から2章までを丸々カットしましたからね。


29 ~ 時空の果てで

 ワイバーンの群れから逃げた後、テト号は無事に時空の果てに到着した。

 そこで皆を待っていたのは、時空の番人・エックスだった。

「……待っていたよ」

「エックス!」

「ピッピピ♪」

「謎衣装のお兄さん!」

「……というには少し年を取っていますが」

 時空の番人と再会できたティとオーは笑顔になる。

「やあ、ティ、オー、りんご。それに、冒険者達。そして、仲間がこんなにも。

 嬉しいよ、君達は本当によくやっている。

 僕はここからなかなか動けないけれど、ずっと見ていたよ」

 エックスはティ、オー、りんご、アリア、レイリー、ジルヴァに挨拶する。

 りんご達の活躍は、時空の果てにいるエックスにも届いていたようだ。

 マールとスクエアスの情報も知っている事だろう。

「さて、知りたいのは、あの子達の事、だったかな」

「ああ」

 スクエアスが混乱した原因、ティ達に以前の異変の記憶が残った原因。

 責任感が強い彼は、それを一人で抱え込んでいた。

「りんごやアミティ、アルルやカーバンクル、アリアやレイリーやジルヴァ、他にも……。

 おれは、知るはずのないみんなに会った時、しっくり来た。

 何となくだが、『また会えた』って嬉しくなったんだ。

 でも、この気持ちが許されないものならば、どうすればいいんだ……」

 また会いたいという気持ちが、スクエアスにとって邪魔だったかもしれない。

 彼を止める方法を、エックスに聞きたいのだ。

 しかし、エックスはティの言葉に対し、首を横に振っていた。

「ティ、落ち着いて。それはね、悪くないよ」

「……そう、言えるのか」

「世界っていうのは、変わり続けるものさ。どう変わっていくのか、誰にも分からない。

 僕はね、ティ。

 君達の思いを否定せずにスクエアスを救う、そんな事を君達に期待しているんだよ」

「……エックス、ありがとう」

 エックスは時空の番人として、この時空の果てから動く事ができない。

 スクエアスを止める事を託している彼に、ティは悲しみながらも感謝した。

「あはは、お礼を言う必要はないよ。

 こんな事、君達から受けた恩からしたら、とっても些細な事なんだ」

 アリア達はエックスと出会うのは初めてだがエックスはまるで自分の子供のように接していた。

 行方不明になっている、本当の娘のように。

「まだ、分からなくてい……うぐっ!?」

 エックスが話そうとすると、突然、エックスが胸を抑えて苦しんだ。

「どうしたの、エックス!?」

「だ、駄目だ……スクエアスが送り込んだ力が、僕の中で暴走している……!」

「そんな、スクエアスはエックスまで操ったの!?」

「違うよ、彼は僕の事が邪魔になるだろうと思って、僕の中に邪悪な種を仕込んだんだ。

 そして、話をしようとすると開花して、僕の身体を食い潰す……!」

 つまり、放っておけば、エックスは魔物によって食い殺されてしまう。

 そんな事は絶対にさせてはいけない、と身構える。

「アリア、エックスから種を抜き取って!」

「はい!」

 アリアは精神を集中し、エックスに杖を向けるとエックスの身体を光線が貫く。

 すると、彼の身体から黒い影が現れ、薔薇を纏った巨大な竜の姿を取った。

「これが……僕を食おうとした魔物……」

 エックスが薔薇竜を見て呆然とする中、アルルとアリアは既に身構えている。

 アミティとりんごも、遅れて身構えた。

 

「お疲れ様」

「後は、私達に任せてください」

「頼むよ」

 アルル、アミティ、りんご、アリアは、薔薇竜になった黒い影を迎え撃った。

 エックスは四人に戦いを任せて、見守った。

 

「この竜は、炎に弱いようですね。行きなさい、フェーゴ!」

 アリアは炎の精霊フェーゴを召喚し、炎を発生させて攻撃する。

「サイン!」

「ファイヤー!」

 りんごは手から電撃を放って痺れさせ、アルルが炎を放って薔薇竜を燃やす。

 薔薇竜の身体に炎が燃え移り、広がっていく。

「よーし、このチャンスを逃さないために……サイクロワール!」

 アミティは薔薇竜についた炎を消さないように上手く魔力をコントロールして風の刃を飛ばす。

 風の刃は薔薇竜の翼を切り裂き炎もさらに広げた。

「わっ、危ない!」

 薔薇竜は口を大きく開けると暗黒のブレスを吐く。

 アルルはかわそうとするが、掠ってしまい、服が闇に飲まれてしまう。

「強烈だね。回復しておかないと。ヒーリング!」

 アルルは回復魔法を唱えた後、体勢を整える。

「ファイヤー!」

「フレイム!」

「フェーゴボム!」

 アルルの手から火炎弾が飛び、薔薇竜を燃やす。

 アミティとアリアも、炎属性の魔法でさらに薔薇竜の身体に炎をつける。

「いきますよ、マグマチュード!」

 りんごは呪文を唱え、マグマを発生させて薔薇竜を攻撃した。

ガアアアアアアアア!

「シールド!」

「リフレクション!」

 薔薇竜は口から暗黒の吐息を吐くが、アルルとアミティが防御魔法で跳ね返した。

 暗黒の吐息は逆に薔薇竜の身体を焼く。

「よし、このまま一気に行くよ!」

「了解! ネオスペル、マ・マグマチュード!」

「アクセル、フ・フレイム!」

「ダイアキュート、ファ・ファイヤー!」

「フェーゴボム!」

「ギャアアアアアアアアアアア!!」

 そして、薔薇竜はアルル達の炎魔法の前になすすべなく焼き尽くされ、消滅した。

 

「はぁ、はぁ……」

 薔薇竜から解放されたエックスは、胸を抑え、息を切らしている。

 魔物に取りつかれていて相当負担がかかっており、しかも年だから今にも死にそうだった。

 だが時空の番人は、簡単に死ぬ事はできず、エックスは苦しみ続けていた。

「大丈夫ですか、エックスさん! 光の精霊ルフィーネよ、彼の者の心身を癒せ!」

「う……ふぅっ……」

 アリアは光の精霊ルフィーネを召喚し、何とかエックスの苦しみを治した。

「ありがとう、冒険者さん」

「私にはアリアという名前があるのですよ」

「それで……エックス、スクエアスを止めるにはどうすればいいの?」

 アミティがスクエアスを止める方法をエックスに聞くと、彼はふぅと一息ついて言った。

「スクエアスは時空のバグと言われている。恐らく……なりふり構わず、攻撃してくるだろう」

 時空のバグ・スクエアスは誰の話も聞かず、邪魔する者を攻撃するという。

 これではスクエアスを説得するどころか、逆に倒されてしまうのがオチだろう。

「じゃあ、どうやってスクエアスを止めるの!?」

「アミティ……?」

「だってだってだって、今のあたし達じゃ、話さえ聞いてもらえない。そういう事でしょ!」

「アミティ……」

「……あなたの考えは、甘いですね……」

 何があってもスクエアスを止めたいアミティを、

 アルルとりんごは心配し、アリアは少し冷たい表情になる。

 エックスは一瞬だけ笑顔になるが、すぐに真剣な表情になる。

「うん、アミティ。君は素敵だ。でも、少し焦りすぎているかもしれない。

 今、みんな不安だろうけど、落ち着いて僕の話を聞いてほしい」

「ピッピピ……」

「こほん……」

 エックスは咳払いすると、アルル達にこれまでの事情を話した。

 

「結論から言うと、君達がスクエアスを圧倒する、そんな方法を僕は知らない」

「ええっ! そんなぁ……」

「……」

 スクエアスを力ずくで叩き潰す方法は、エックスすらも分からなかった。

 アミティは落胆し、アリアは強く杖を握りしめる。

「でも、この問題を解決する、鍵を握る存在なら知っているよ。マール、君の事だ」

「わ、私ですかぁ?」

 エックスに名指しされたマールは驚いた。

「マールは自覚していないかもしれないけれど、

 スクエアスと一緒にずっとこの世界を見守ってきた。

 君の力はそんなものじゃないし、忘れている事も、多分、まだあると思う。

 あの、ぼんやりした男の先生と……本の中の『あの子』に貰った力もあるね?」

「え、え、えぇ……」

 前者はルゥ先生、後者は本の魔モノだ。

 彼らのおかげで、マールは少しずつ力を取り戻しているらしい。

「マールが全てを思い出す事ができれば、スクエアスに対抗できると思うよ」

「エックス、それは予想なのか確定事項なのか」

「ビビビ……」

「さあね?」

「はあ……エックスはいつも、割と面倒くさいな」

「ちょっと分かります」

「同じく」

 話をはぐらかすエックスに、ティは真顔で突っ込みを入れた。

 りんごとアリアも、ティの言葉に頷いている。

「でも、やるしかないんでしょ?」

「ぐぐーぐぐ?」

「そうだね。……話は変わるけど、スクエアスはマールから奪った力を使って、

 炎・水・風・地・闇の五つの迷宮を作っている。

 迷宮を守っているガーディアンを倒せば、スクエアスへの道は開かれる」

 エックスはアルル達に情報を話す。

 つまり、五つのダンジョンを全て攻略すれば、スクエアスの野望を阻止する事ができるという。

「光の迷宮がないのはどうして?」

「流石のスクエアスでも、マールの力を完全に奪う事はできなかったようだ。

 だからマールの『光』だけがないんだ」

「なるほど……」

「じゃあ、誰がどこの迷宮を攻略する?」

「う~ん……」

 

 相談の結果、迷宮と攻略するチームが決まった。

 炎:アミティチーム

 水:ティチーム

 風:りんごチーム

 地:アリアチーム

 闇:アルルチーム

 

「闇属性って難しそうだから、アルル達に任せようかなって思って」

「分かってるんだね」

「あたしだって、そこまでバカじゃないんだよ!」

 アルルは五人の代表者中で、最もダンジョンの探索に秀でている。

 アミティが最も難しいと思った闇の迷宮を、アルルチームが担当するのは当然だ。

「異議は?」

「なしです!」

「他のチームも?」

「もちろん!」

 全員一致で、ダンジョン攻略が決まったようだ。

 

「決まったようだね。じゃあ、君達にこれを渡すよ」

 そう言ってエックスは、アルル、アミティ、りんご、アリア、ティにバッジを渡した。

「これは?」

「迷宮の邪悪な気配が消えた時、自動的にチームをここに送るバッジだよ。

 魔物が追撃してきたら困るからね」

「ありがとう、エックス」

「僕はここから動けないけれど、みんなを待つのも立派な戦いなんだ。

 アルル、アミティ、りんご、ティ、そしてアリア。

 君達なら必ず、スクエアスを倒してくれる……」

 エックスは迷宮に向かうアルル達を応援する。

 時空の番人であるエックスは、時空の果てから動く事ができない。

 しかし、強い心によって、アルル達を信じる事はできるのだ。

 これもまた、エックスの戦いと言えるだろう。

 

「じゃあ、行ってきます!」

「朗報を楽しみに待ってるんだ、エックス!」

「ピーピピーピピー!!」

 りんごとティはエックスに手を振って、時空の果てから迷宮に向かうのであった。

 

 スクエアスを止めるために、五人は彼と戦う決意を固めた。

 この戦いの勝者は、アルル達か、スクエアスか。

 それは、神のみぞ知る……。




次回はどんどん原作からかけ離れていきます。
ですが、最後まで見守ってください。
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