ぷよぷよテトリス2 ~ シュルッツの冒険者達 作:アヤ・ノア
この迷宮には、フィーバー組が挑みます。
「うぅ~、暑いよぉ~……」
「あぁ、そうだね……空気の熱が強いな……」
アミティ、ラフィーナ、シグ、クルークの四人は、スクエアスが作った炎の迷宮に入った。
予想通り迷宮の中は暑く、アミティとクルークはへばっていた。
「まったく、二人ともだらしないですわね。私とシグを見習ったらどうですの?」
「んー」
アミティは、ラフィーナはそもそも体力があるし、シグは気にしてないだけだし、
と言おうとしたが、他人を傷つけたくないため言わなかった。
「あつっ!」
アミティが先に進もうとすると、うっかり炎の壁に触れてしまった。
炎の迷宮というだけあって熱かった。
「これでは先に進めませんわね……」
「ん……?」
ラフィーナが困っていると、クルークがレバーを発見した。
「これを動かせば、炎の壁が消えるのでは?」
「そうか!」
クルークがレバーに近付いて倒すと、空気が涼しくなったような気がした。
よく見ると、炎の壁が消えている。
「これを倒したら壁が消えるんだよ。さぁ、先に進もう」
「うん」
「ええ、もうこんな暑い場所は嫌ですわ」
アミティ達が先に進もうとした時、シグが突然足を止めた。
同時に、アミティとクルークも足を止める。
「ど、どうしましたの、シグ?」
「あっちにだれかいる」
シグが指差した先には、三羽の火喰鳥がいた。
今にもアミティ達に飛び掛かろうとしており、
シグが気付いていなければ襲われるところだっただろう。
「これは……火喰鳥じゃないか!」
「とにかく、やっつけて先に進むよ!」
「火喰鳥の弱点は水属性か氷属性だからね」
「癪ですけど、助かりますわ……! ネージュ!」
クルークから弱点を教わったラフィーナは、氷を纏った拳を火喰鳥にぶつける。
火喰鳥は高く飛び上がって攻撃をかわすが、冷気が火喰鳥の身体を凍らせた。
「高いところにいると、攻撃が届きませんわね」
フラームならば高い場所の魔物に攻撃が届くが、炎属性なので火喰鳥には効果がない。
ラフィーナは悔しそうに歯を食いしばっていた。
「フォッサ!」
クルークは手から闇の塊を放ち、火喰鳥を闇に飲み込んだ。
アミティは火喰鳥の攻撃をかわしつつ、弱点属性のブリザードで攻撃する。
「ネージュ!」
「セルリアン」
「ブリザード!」
「テクトニック!」
ラフィーナとシグが前線に出て、アミティとクルークが後方から攻撃する。
「うわぁ!」
「ゼニス」
火喰鳥はいきなり飛び掛かってアミティを蹴った。
この魔物は炎に耐性を持っているだけでなく、飛び蹴りの力も強烈なのだ。
シグが守ってくれたおかげでダメージは小さかったが、腹を蹴られたため少し痛かった。
「いたた……か弱い女の子になんて事をするの!」
「もう、アミティさんったら、怒る暇があったら先に進んではどうですの」
「そうだぞー、ラピスラズリ」
シグが放った瑠璃色の光が火喰鳥に命中し、火喰鳥はそのまま墜落してばたんきゅ~した。
残った火喰鳥はアミティのブリザードとクルークのステラ・イネランスで倒れた。
「はぁ、はぁ……火喰鳥、意外と強かったね」
「……スクエアス……本当に、この世界を滅ぼしたいのかな?」
「わかんないー」
「でも、あたし達の目的はただ一つ、スクエアスを止める事だけだよ!」
こんなに強い魔物を作れるスクエアスは、どれほどの力を持っているのだろう。
アミティ、ラフィーナ、シグ、クルークは気を引き締めて、炎の迷宮を探索した。
「あっ、見て! あそこに誰かいるよ!」
アミティが指差した先には、全身が炎で包まれた角の生えた頭がいた。
これこそ、炎の迷宮を守っているボスなのだろう。
「よし、やっつけよう!」
「ちょっと待っ……!」
クルークがアミティを止めようとしたが遅く、アミティは冷たい壁にぶつかってしまった。
「冷たっ! 今度は何なの?」
「熱さも冷たさも元は同じらしいからね、空気を涼しくしたらこっちの壁が出るんだよ」
「えぇ~……」
また、空気を暑くしなければ、ボスには辿り着けないらしい。
ただでさえ暑さで参っているというのに、暑くするなんてアミティにはできなかった。
「でも、あいつ、倒さなきゃ、スクエアスのところに、いけない」
「……シグ……」
ボスを倒すまでは、元の場所には戻れない。
シグに言われたアミティは踏ん切りをつけ、レバーを倒し、空気を暑くした。
「ちょっと、暑い、けど……頑張る、から、ね!」
「あ、つ、い、あ、つ、い」
汗をかき、体力が減っているアミティとクルーク。
ラフィーナとシグはそんな二人を引っ張りながら、ボスがいる場所に向かった。
「まったく、クルークの手を引くなんて、私らしくないですわね……」
「アミティー、だいじょうぶだからなー」
「グオォォォォォォ……」
炎の迷宮の守護者、ザン・ビエはアミティ達を見て大きく唸っている。
スクエアスのところに行こうとしている四人に強い敵意を抱いている事は明らかだった。
「勝てるかどうか……いえ、絶対に勝ちますわ!」
「アミティー、まもる、だから、まけない」
「はぁ、はぁ、はぁ……暑いけど、ま、負けないぞ」
「あたし達は、スクエアスを止めるために、キミをやっつける!!」
アミティ、ラフィーナ、シグ、クルークは身構え、ザン・ビエを迎え撃った。
「ネージュ!」
ラフィーナは拳に氷を纏わせてザン・ビエに突っ込むが、かわされる。
「くっ、高いところは不利ですわね!」
「こういう時こそ魔法の出番さ、ステラ・イネランス!」
クルークの手から星型弾を放って空中にいるザン・ビエを撃ち抜く。
「うぅ……悔しいけど、魔法ならあなたの方が上ですわ」
ラフィーナが悔しがっていると、いきなりザン・ビエはアミティとクルークに炎を放った。
「うっ」
「きゃぁぁっ!」
アミティは炎に包まれて焼かれてしまう。
しかも、周りが暑いため、動けなくなってしまう。
「あつい、あつい、あつい!」
「こまった~、水はつかえない~」
アミティ達の中に水魔法を使える者はいない。
何とかラフィーナ、シグ、クルークは技や魔法で攻撃したが、アミティを包む炎は大きくなる。
「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
熱さのあまりアミティはのたうちまわっていた。
ラフィーナはネージュでアミティの炎を消そうとするが、焼け石に水だ。
「も、もうダメ、我慢できない!」
火だるまのアミティはそのままザン・ビエに突っ込んでいく。
そして、ザン・ビエを掴むと、そのまま自爆していった。
「「「アミティ(さーん)ーーーーーーー!!」」」
大爆発がアミティとザン・ビエを飲み込む。
ただでさえ強い炎を、ザン・ビエに諸にぶつける。
待っているのは、最低一人のばたんきゅ~だ。
「「アミティ……」」
「アミティさん……」
ラフィーナ、シグ、クルークは、自爆したアミティの生存を願った。
ザン・ビエが生存すれば、アミティの自己犠牲が無駄になってしまうからだ。
数分後、爆発が治まると、ボロボロになったアミティが、赤い欠片を握り締めていた。
彼女の身体から、炎はすっかり消えていた。
「や、やった、よ……あたし、勝った、よ……」
この欠片は、ザン・ビエが変化した証だろう。
それをアミティが持っているという事は、アミティ達はガーディアンに勝利したのだ。
「そっか……ぼくたち……かったんだー」
「やった……!」
「私にたてつくからですわ! おーっほっほっほ!」
ガーディアンに勝利し、喜びを表すラフィーナ、シグ、クルーク。
特にラフィーナは腰に手を当てて高笑いしていた。
すると、アミティ達のバッジが光り出し、次の瞬間、アミティ達の姿は消えた。
「お疲れ様」
エックスは戻って来たアミティ達に労いの言葉をかける。
そして、アミティが持っている赤い欠片を取る。
「どうするの?」
「これ、スクエアスがいる場所の扉を開く鍵だよ。何かとくっつくような形になってる。
だから、僕が預かっておくね。大丈夫、絶対に盗まれないからね」
そう言って、エックスはポケットに欠片を入れた。
ラフィーナはなおも倒れているアミティを見て、ふむ、と顎に手を当てる。
「アミティさんがこうなるって事は……スクエアスは……」
「うん、相当強いよ。十分注意しないと、返り討ちに遭うだろうね」
スクエアスが攻撃してこなかったのが幸いだったが今のまま彼に挑んでは殺されるのがオチだ。
だから、十分に準備しよう、とラフィーナ達は思った。
「後は、茶髪と、赤毛と、青い髪と、銀髪だけー」
「……シグ、髪の色で覚えているのかい?」
「うん」
残る迷宮は、水、風、地、闇。
アミティ達は仲間を信じて、迷宮を攻略するのを見守るのだった。
迷宮のボスは某聖剣を参考にしました。
次回は水の迷宮を攻略します。