ぷよぷよテトリス2 ~ シュルッツの冒険者達   作:アヤ・ノア

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ぷよテト組のターン。
彼らもしっかり戦う事ができる、という描写を目指しました。


31 ~ 水の迷宮

 スクエアスに挑むため、仲間達は彼が作った五つの迷宮に挑む。

 水の迷宮に挑戦するのは、ティ、オー、エス、ゼットだった。

 

「エス、紅一点かしら? もうちょっと華が欲しかったわ」

「そういう事になるな」

 テト号の女性クルーは、エスとジェイ&エルの片方しかいない。

 それは仕方のない事だが、エスは少し不満だった。

「オー、電気はあまり使うんじゃないぞ。こっちまで巻き込まれるからな」

「ピピー」

 水は電気を通す性質があり、しかも周りにはたくさんの水がある。

 ここでオーが電撃を放ったら大惨事になるだろう。

「何が起こるか分からない。油断大敵だ」

「ええ」

 二人、一匹、一体が身構えると同時に、あちこちから魚の魔物が現れる。

 ティ達はそれらを武器や魔法で撃退していった。

「エスも、艦長には負けないんだから!」

 負けじとエスは襲い掛かろうとした魔物を風の刃で切り刻んだ。

「やるじゃないか」

「ふっふ~ん、どんなものよ、っきゃあ!」

 エスはうっかり罠を踏んでしまい、身体がびしょ濡れになってしまった。

「ちょっと、エスに何するのよ!」

「ヨク周リヲ見ナイカラダ。油断大敵、油断大敵」

「パパ! ごめんなさい!」

 注意するゼットに、エスは素直に謝った。

 罠をよく確認しなかったのは自分だからだが、それ以上にパパと慕うゼットには甘いからだ。

「ティ! エスの身体をちゃんと拭きなさいよ!」

「はいはい」

 とりあえずティは布を取り出して濡れたエスの身体を拭いた後、再び先に進んだ。

 

「前ハ私ガ守ロウ」

「お願いね~、パパ」

 ゼットはエスの前に立ち、魔物の攻撃から彼女を守っていく。

「スピニング!」

「ピーピピー!」

 ティは円月輪を飛ばし、オーはティを応援する。

 エスもゼットから離れないように前に進んだ。

 魔物は増え、罠も多くなっていくが、四人とも気を引き締めて攻略する。

 

 しばらく四人が歩くと水が溜まった場所に着いた。

 歩いて進むのはほぼ不可能と言えるほど深かった。

「うわぁ、何よこれ! 先に進めないじゃない!」

「ピー! ピピー!」

 エスが文句を言っているとオーが何かを発見する。

「これは……ポケットボートか?」

 ティがポケットボートを水に浮かばせると、ポケットボートは見る見るうちに大きくなった。

「これで、先に進めるんだな?」

「残念ダガ、私ハ不可能ダ」

 ティの言葉にゼットは首を横に振った。

 ゼットはロボットなので、ボートに乗れず、また水に入ると錆びたり沈んだりする。

 そのため、ここから先に進む事はできなかった。

「パパ……」

 ゼットと離れ離れになる事で寂しげな顔になるエスだったが、ティが彼女の頭を撫でる。

「安心しろ、すぐに戻ってくる。ほら、エスもそろそろ行くぞ」

「そ、そうよね……じゃあ、パパ! 待っててね!」

「ピーピピーピー!」

 ティ、オー、エスはポケットボートに乗り、ダンジョンの奥へ進んでいった。

 

 道中に敵はいなかったため、ティ達は簡単に奥に進む事ができた。

 エスはゼットがいない寂しさから少々震えていたがティのおかげでそんなに怖がらなかった。

「はぁ……パパ、大丈夫かしら……」

「だから、大丈夫だって。必要以上に心配するな」

「そうよね! 絶対にやっつけるわよ!」

「ピ、ピピ、ピピ」

 やはり、エスはパパがいないと不安なようだ。

 そんな彼女をティは守りながら、ガーディアンがいる場所を目指す。

「きゃあぁぁっ! 来ないで!」

 エスは襲ってくる魔物に風の刃を飛ばし攻撃する。

 オーも、なるべく周りに被害が及ばないように最小限の電撃を放ち、魔物を倒す。

 ティは辺りを見渡しながら、危険がないかを探る。

「こっちだ」

 ティは魔物に遭遇しないように慎重にボートを漕いでいく。

 エスはティの横に立って、あちこちを見渡した。

 幼い子供ならティに抱きつくだろうが、生憎、エスはゼットにしか懐かないのだ。

 

「こいつが、水のガーディアンか……」

 ティはガーディアンの姿を見て絶句する。

 水かきがついた四肢と棘のある尻尾、鋭い牙を生やした半魚人のような魔物がいた。

 この魔物が水のガーディアン、フィーグムンドだ。

 水の迷宮を守護する、最も力ある魔物である。

「何あれ……気持ち悪い、トカゲ?」

「違う、この迷宮を守っているガーディアンだ」

「ピピー」

 エスにトカゲと言われたフィーグムンドは、彼女に冷たく鋭い視線を向ける。

 トカゲと言われる事は好んでいないらしい。

「げっ、禁句だった?」

「……そうみたいだな」

 後ずさるティとエスだが、フィーグムンドは彼らを逃がさなかった。

 フィーグムンドとの戦闘が、始まった。

 

ガアアアアアアアアアアアア!!

 フィーグムンドは氷を発生させ、ティとエスの体温を奪う。

「うぅ、寒い……!」

「これが水のガーディアンの力か、侮れないな」

「ピピー!」

「リップクリーム!」

 ティは円月輪、オーは電撃を飛ばし、それをエスが風に乗せて勢いを強める。

 弱点の雷属性の攻撃を受けたフィーグムンドに大ダメージを与えた。

「ウオオオオオッ!」

「ぐああぁぁっっ!」

 フィーグムンドは勢いよくティに体当たりして、ティを壁に突き飛ばした。

「よ、よくも艦長を! リップクリーム!」

 エスは風を勢いよくフィーグムンドに叩きつける。

 フィーグムンドの身体は大きく、吹き飛ばされなかったが、

 周りのものを巻き込みダメージを与えた。

ガアアアアアアアアアアアア!!

「ピー!」

 フィーグムンドの冷気がティとエスに襲い掛かる。

 オーがティとエスの間に入り、代わりに凍り付く。

「大丈夫か、オー!」

「ピピー!」

「今、回復してやる! ヒーリングオール!」

 オーの氷が砕け散ると、オーの身体にたくさんの傷がついている。

 ティは回復魔法を唱え、ティとオーの傷を癒す。

 フィーグムンドは再びティに体当たりしてティを壁に突き飛ばす。

「こいつ……相当攻撃力が高いな。早めに仕留めなければ!」

「ええ! アイラッシュ!」

 エスは風の刃を飛ばしフィーグムンドを切り刻む。

 フィーグムンドは吹雪を起こした後、自身の周囲に氷の壁を張った。

「ロックダウン!」

「ピピピッピ!」

「リップクリーム!」

 ティ、オー、エスは一斉に攻撃するが、氷の壁に阻まれて攻撃が届かない。

 さらにフィーグムンドはそれをいい事に、上から水を落としてティ達をずぶ濡れにする。

「く……何とかできないのか?」

 氷の壁のせいでフィーグムンドに攻撃が届かない。

 壁側にいるフィーグムンドに、どうやって攻撃を当てるのか、考えていた時。

 

ピーーーーーッ!!

グギャアアアアアアアアアアア!!

 怒ったオーがフィーグムンドの頭上に黒雲を発生させた。

 そして、黒雲が揺れると、巨大な雷がフィーグムンドに落ちてきた。

 その一撃は凄まじく、弱点を突いたのもあるが、威力はエスの攻撃魔法を上回っていた。

「そっか! 壁に攻撃が届かなくても、頭上から攻撃すればいいのか!」

 そう、あの氷の壁は、横への攻撃は強いが上への攻撃は弱いという欠点がある。

 オーはその弱点を突いて、フィーグムンドを倒したのだ。

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアア……」

 雷に飲み込まれたフィーグムンドは、消滅した。

 この戦闘は、ティ達の勝利に終わった。

 

「おれ達の……勝ちだ……」

「やったわ! エス、勝ったのね!」

「ピーピピピーピー!」

 ガーディアンを倒したため喜ぶティ、オー、エス。

 スクエアスの脅威は、少しずつ減りつつあった。

 まだ油断はできないが、三人はひとまず、勝利を喜んだ。

 

「さ、パパのところに戻りましょ!」

「そういえば、そうだったな」

 フィーグムンドのところに行く時、「パパ」ことゼットを置き去りにしていた。

 そのため、三人はポケットボートに乗って、ゼットのところに戻るのだった。

 

「パパ~! 勝ったわよ~!」

「勝利、オメデトウ」

 エスがゼットに抱きつきゼットがエスを撫でた時、ティ、オー、エス、ゼットの姿は消えた。




戦闘シーンは私なりに工夫して書きました。
次回は風の迷宮です。
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