ぷよぷよテトリス2 ~ シュルッツの冒険者達 作:アヤ・ノア
留守番していても、彼らには出番があるのです。
その頃、プリンプタウンでは……。
「空が揺れた……!?」
アコール先生がこの世界に起きた異変を察知する。
「どうしましたか、アコール先生?」
「アミティさん達が危機に陥っているそうです。
私も動かなければ……しかし、それでは、プリンプタウンを守る人がいなくなる……」
生徒が危険な状況にありながら、珍しくアコール先生は迷っていた。
自分が現場に赴けば、プリンプタウンの守りが薄くなる。
だが、生徒を放っておくわけにもいかなかった。
どうすればいいかと迷った時、ローザッテがアコール先生に激励した。
「だから生徒を行かせるんですよ!」
「でも……あそこは、生徒だけでは危険だと……」
「プリンプタウンを守るのは、私達の方ですよ。生徒を信じないとは、それでも教師ですか!」
「はっ……すみません、私とした事が……申し訳ありませんでした」
『迷う事は恥じゃニャいニャ、それが人間ニャから』
ポポイはアコール先生をフォローしてあげた。
アコール先生は「ありがとう」と言って頷いた。
「……では、いきますよ」
ローザッテとポポイの激励によって迷いを取り払ったアコール先生は、
早速、テレパシーの魔法を時空の果てにいる「ある人物」に使った。
その様子を見たルゥ先生は、何かを感じ取って呟いた。
「じゃあ、ぼくも協力するね~!」
その頃、4Aとティ側は……。
「……うぅ……」
「こ、ここ、どこ~!?」
気が付くと、一行は真っ白な空間にいた。
空間には青い四角や丸が浮かんでおり、まるで、以前に行った事がある白の空間のようだ。
「ここは……私とスクエアスしか来られない場所。時空を遥か彼方から見下ろす場所」
「えっ、えっ、えーっと、お空の上?」
「そうとも言えますがぁ、正確には、もっともっと上の……」
「異空間、というわけですね?」
アリアの言葉にマールは頷いた。
すると、スクエアスが一行の前に現れる。
「そんな事はどうでもいい。お前達にはここで消えてもらう。
そして、全てを『なかった事』にする」
「そのために私達をここに飛ばしたのですね?」
アリアは真剣な表情で杖をスクエアスに向ける。
スクエアスはアリアを睨みながら、話を続ける。
「その通り。お前達はバグに等しい存在だ」
「え? 時空のバグってスクエアスの事じゃ……」
「しっ! アミティさん、今のスクエアスさんは暴走していますよ」
小声でアミティの一言に注意するアリア。
幸い、スクエアスにはまだ聞こえていなかった。
「お前達は『会いたい』と思ったのだろう」
「「……」」
「会えて楽しかった。会えて嬉しかった。そう思ったのだろう。
本来なら『正しくない』時空の交わりで……」
相変わらず高圧的な態度のスクエアスだが、アリアはただ杖を彼に向けるのみ。
スクエアスは生まれたばかりの赤子なので、どうこう言っても仕方ないからだ。
「そっ、それのどこが悪いの!? 会えて嬉しかったなら、また会いたいって願っちゃうよ。
そんな事もダメなの? スクエアス!」
「だから、スクエアスさんは暴走してるんです。
自分が正しいと思った事を、押し付けているだけなんです」
再びアリアはアミティに小声で注意する。
「何をこそこそ話している」
「な、何でもないってば! ね、アリア?」
「え、ええ……」
アリアとアミティは引きつった顔で否定した。
「……で」
スクエアスはこほんと一息つくと、話を続ける。
「お前の問いの答えだが、ダメに決まっている。
そのせいで、マールは混乱したのだし、それは『正しく』ない」
「……正しくなきゃいけないの?」
「先程から話が堂々巡りだ。こいつと話しても意味はない」
スクエアスは能天気すぎるアミティについていけないようだ。
アリアは「はぁ」と溜息をつき、杖を下ろす。
「スクエアスの言う『正しい』とかってそんなに大事?」
「もちろんだ。『楽しさ』『正しさ』とは、つまり世界の秩序の事。
それが失われたら、世界はどうなるか分からない」
スクエアスが司る「正しさ」とは、やはり、秩序を指しているようだ。
秩序が失われれば、待っているのは混沌のみ。
「どうなるか分からないって事は、悪くなるとも限らないでしょ?」
「悪くなるに決まっている」
「難しい事は分かんないけど、
あたしは、みんなと会いたいって思う事の方がぜーーーんぜん大事!」
アミティはAのイニシャルを持つ者の中では、何よりも友達を大事にしている。
そのため、様々な人と出会い、交流する事の方が、アミティにとっては正しい事なのだ。
だが、それを良しとしないスクエアスは首を横に振る。
「……そんな事は聞いていない」
「スクエアスだってきっと分かるよ~。みんなと仲良くなれば……」
「あり得ない。時間の無駄だ、こいつを相手にしろ」
そう言って、スクエアスは魔物を召喚する。
それは、禍々しい色合いの、巨大な蜘蛛だった。
タルタルが直視したら、恐怖で卒倒するだろう。
「うわぁっ、蜘蛛!?」
「こいつの名は次元蜘蛛だ。時空のバグよ、こいつらの餌になるがいい!」
そう言ってスクエアスはテレポートで姿を消した。
「おっきいねぇ……」
「こいつは糸を吐きませんが、牙には麻痺毒があります。噛まれないように気を付けて!」
「うんっ!」
アミティとアリアは身構えて、次元蜘蛛と戦った。
「グランストーン!」
アリアは地の精霊グランを召喚し、岩を落として次元蜘蛛を攻撃する。
次元蜘蛛の姿が揺らぐと、姿を消した。
「いたっ!」
次元蜘蛛はアミティに噛みつく。
何とか麻痺しなかったものの、かなりのダメージを受ける。
「痛いじゃない、フレイム!」
アミティは次元蜘蛛に炎を放つが、次元蜘蛛はけろっとしている。
「魔法が効いてない!?」
「どうやら魔法を弾くようですね。確実に私達を倒そうとするそうです!」
アリアは風の刃を次元蜘蛛に放った。
精霊の力により、風の刃は次元蜘蛛を切り裂く。
いくら魔法を弾く次元蜘蛛でも、隙を突けば効果的なダメージを与えられるようだ。
「あ、危ない、アリア!」
「ふっ」
次元蜘蛛がアリアの背後から襲い掛かろうとするがアリアは瞬時に水の壁を作り、攻撃を防ぐ。
「きゃぁぁっ!」
だが次の次元蜘蛛の攻撃は防げず、噛まれて麻痺してしまう。
「うぅ……身体が動かない……。私とした事が……」
「アリア、今、治すよ! コンディア!」
アミティはアリアに治療魔法を使い、麻痺を治す。
「助かり……ます……」
アリアは身体が震えながらも、炎の精霊フェーゴを召喚して体当たりさせる。
しかし、後遺症があったため、アミティの方に注意がいかなかったようで……。
「うわぁぁぁぁ~! 痛ぁ~~~い!!」
「アミティ……さん! ああぁぁぁ……」
アリアとアミティは同時に噛まれてしまい、ばたんきゅ~してしまった。
「シエルアーク!!」
「ウィス・アトラヘンディ!!」
二人が意識を失う直前、少女と少年の声が聞こえ、次の瞬間、次元蜘蛛が空に吹っ飛ばされた。
倒れている二人の前に、二人の人物が現れる。
すたっと現れたのはラフィーナ、上手く着地できなかったのはクルークだった。
「ラ、フィーナ……に……」
「ク、ルー、ク、さん……?」
「今は回復が先ですわ!」
「さあ、来るんだ!」
ラフィーナとクルークは、ばたんきゅ~しているアミティとアリアを急いで運んだ。
当然、その時はお互いにそっぽを向いていて、
クルークはあまり筋力がないので、運ぶのに時間がかかったが。
「これで大丈夫だろ?」
クルークはアミティとアリアに蘇生薬を飲ませ、ばたんきゅ~から復活させた。
「ありがと、クルーク……」
「まっ、せいぜいボクに感謝するんだねいだぁっ!」
「調子に乗らないでくださる? クルーク」
偉そうに振る舞うクルークに、ラフィーナがビンタした。
「どうして……ここに……? ここには、私達以外は来られないはずなのに……」
困惑するアリアに、ラフィーナとクルークが事情を話した。
「実はアコール先生がこの異変を感じ取りましたの。
アコール先生の他にも、ローザッテとルゥ先生が手伝ってくださいましたわ」
「空間を無理矢理広げて、そこにボク達をぶち込むなんて乱暴だったけどね」
「「ありが……とう……」」
それしか方法がなかった、と付け足すクルーク。
突然の援軍だったが、アミティとアリアは素直に感謝した。
「……イレギュラーの存在など、正しくない!」
「スクエアス!」
そんなアミティ達の前に、スクエアスが現れる。
援軍は当然、彼が認めるものではないからだ。
「ラフィーナとクルークを消すつもりなの!? ダメだよ、あたしの大切な友達だよ!」
アミティはラフィーナとクルークを守るため、二人の前に仁王立ちする。
「そんな事で誤魔化せるとでも思ったか。俺にはマールが集めてきた力がある。
俺の力はお前達を消し去ってなおあまりある」
「えっ、そんな……」
「覚悟しろ」
スクエアスが四人を攻撃しようとした時。
「そーんなの、分かんないもんね!」
「ぐぐぐーぐぐー!」
「「アルル(さん)!?」」
「アミティ達は、消させはしないよ!」
直前でアルルとカーバンクルが割って入ってきた。
出番が少ないキャラにも出番を与えたいのが私の考えです。
そんなわけで原作を無視してますがご了承ください。
次回はバトル回です。