ぷよぷよテトリス2 ~ シュルッツの冒険者達 作:アヤ・ノア
やっぱりアルルとカーバンクルは強いな、と思いました。
「アルル!」
「ラフィーナ、クルーク、ボクとしばらく協力して」
「えっ……」
「この戦いはボク一人じゃ流石にきついから」
アルルは真剣な表情でラフィーナとクルークに頼んだ。
闇の迷宮はルルーやラグナスなど、前に立てる人物がいたから無事攻略できた。
魔導師型のアルルでは、スクエアスが操る魔物に勝てるかどうかは分からない。
だから、二人に協力を頼んだのだ。
「……私とクルークがあなたに協力?」
「今日は空から槍の雨が降ってくるのかい?」
「こんな時に喧嘩なんてダメだよ! こんな時だからこそ、協力するんだよ!」
スクエアスがいるのに喧嘩する事はアルルにとっては望まない行動だ。
ラフィーナとクルークの仲が悪い事を知っての上でアルルは二人にそう言ったのだ。
「仕方ありませんわね……」
「今回だけだからな?」
流石にベテラン相手には反論できないので、ラフィーナとクルークは渋々従った。
「こういうのを、えーっと……」
「「呉越同舟」」
「あ、息ぴったり♪」
「ぐぐぐっぐぐ♪」
「……」
スクエアスはアルル達を鋭い目で睨んでいた。
彼にとって「くだらない」と映ったからである。
「ボクね、実はキミの立場もちょっと分かる。ダンジョンとか、色々見てきたからね。
そんな風に自ら雁字搦めになっているキミを見ると、何か……感じるところがあるよ」
「ならば……」
「でも、ダ~~~~メ!」
「ぐ~~~~ぐ!!」
「なっ……」
アルルはスクエアスに同情しながらも、悪事だけは決して見過ごせなかった。
スクエアスは理由が分からず、困惑している。
「誰も望んでないルールなんて、べーーーっだよ!」
「ぐーーーーっぐぐ♪」
「そうそう、勝手に正しいを押し付けられるなんて私にとってはとっても不快ですわ」
「ああ! ボクなりに行動したいね!」
ラフィーナとクルークもアルルに乗った。
「正しい」を押し付けられる事は、誰にとっても不快な事である。
そもそも「戦争」というのも「正しい」がぶつかり合うから起こる事なのだ。
「……は?」
「『正しい』とか関係ないんだ。スクエアス!!」
「ぐぐぐぐぐ!!」
「なっ、なんだ……」
「キミはどうしたい? 『正しい』って言葉に縛られないキミの言葉を聞きたいよ」
アルルはスクエアスの本当の考えを知りたかった。
今のスクエアスは、アリアが言った通り、頑なに「正しい」を貫こうとしている。
いくらそれを司るとはいえ、本当にスクエアスが望んだ事なのだろうか。
カマをかけるようであっても、アルルはスクエアスと交渉したかったのだ。
「マール……」
「……ふえっ? 今……私の名前を」
その時、スクエアスは一瞬、創造主の名を呟いた。
「フン。『正しい』事をやり遂げる、それ以外に答えなんかない」
「ふぅーん、意地になってるんだ」
「ぐぐーぅ♪」
アルルの言葉に、ラフィーナとクルークは一瞬だけお互いの目を見た。
「どういうセリフだ……」
「キミがもう少し素直になれるように、勝負だよ!」
「また勝負か……なら、こいつを相手しろ!」
スクエアスは巨大ロボットを召喚し、去っていく。
「また逃げたな!」
(この行動、操られていた時のマールと同じ……)
今のスクエアスは、以前にアルルが相手した、操られていた時のマールと同じだった。
アルルはふとそう考えた後、頭を振って身構える。
「ラフィーナ、クルーク! こいつをやっつけて、スクエアスを追いかけるよ!」
「ああ!」
「ええ!」
「ネージュ!」
ラフィーナは氷を纏った掌底を放つが、自動機兵にはダメージが通らなかった。
「フォッサ!」
一方、クルークの闇魔法は効果があるようで、自動機兵の身体を蝕んでいく。
「こいつは見た目通り物理攻撃には強いからね、魔法攻撃には弱いのさ」
眼鏡をくいっと上げて説明するクルーク。
流石に魔法では自分より優秀とはいえ、ラフィーナは悔しそうに歯を食いしばっている。
「大打撃!」
自動機兵は腕を大きく振り下ろし、アルルを勢いよく殴りつける。
物理攻撃に弱いアルルは大ダメージを受けた。
「ヒーリング! アイスストーム!」
何とかアルルは回復魔法で傷を癒し、氷魔法で反撃するが、自動機兵には効果がないようだ。
「氷が効かないなら……フラーム!」
ラフィーナの炎を纏ったアッパーが自動機兵に命中し、吹っ飛ぶ。
「そんなもの、効きますか!」
「ステラ・イネランス!」
自動機兵は態勢を整え直し、ラフィーナに反撃しようとしたが、
素早く身をかわしたラフィーナの蹴りを食らう。
直後にクルークの星型弾が命中、自動機兵は吹き飛んだ。
「よし、このまま行こう! ダイアキュート、サ・サンダー!」
「フォルト、ディ・ディシャージ!」
「我に力を、ウ・ウルサ・マヨル!」
アルルは呪文で強化した雷を自動機兵に落とす。
ラフィーナとクルークも、続けて自動機兵を技や魔法で攻撃した。
「うぐぅっ……」
自動機兵はアルルに掴みかかると握り潰す。
アルルは逃れようとするが、締め付ける力はどんどん強まっていく。
何しろ、アルルは女性でしかも魔導師だ、簡単に振りほどけるはずがない。
「ぐー! ぐぐー!」
「どうしよう……解放したいけど、巻き込むかなぁ」
「クルーク! アルルさんを助けなさいな! 一番張り切ってるのはアルルさんなのに!」
「……そうだな、ちょっと癪だけど助けるか!
我に力を、我に力を、我に力を、ウ・ウ・ウ・ウルサ・マヨル!!」
クルークは増幅呪文を唱えると、手からおおぐま座を象った光が現れ、
自動機兵に命中すると大爆発した。
爆発で自動機兵が崩れると同時に、アルルが落下し、地面に激突しようとする。
「危ないっ!!」
「ぐぐぐー!!」
ラフィーナとクルークは何とかアルルを受け止め、アルルは地面に激突しないで済んだ。
「はぁっ……はぁっ……やったね、ボク達の勝ちだ」
「ぐっぐぐー!」
アルルは瀕死ながらも勝利宣言をする。
倒したのはスクエアス自身ではなかったが、
彼が魔物を召喚した事によって、スクエアスの力は僅かだが弱まっているはずだ。
「よくも倒してくれたな」
「スクエアス!」
自動機兵を倒したアルル、ラフィーナ、クルークの前にスクエアスが姿を現す。
彼は、自身が召喚した魔物が敗れた事で、悔しそうな表情をしていた。
「だが、こんな事を何回繰り返したところで、俺の計画を止める事はできない」
スクエアスはそう言い残して、再び姿を消した。
「りんご……ティ……後は頼んだよ」
「ぐぐーぐー……」
自分達が行けるのは、ここまでだ。
アルルはりんごとティに後を託し、待つのだった。
このシーンにはラフィーナとクルークを、どうしても出したかったのです。
だって、アレだけの出番なんて、もったいなかったから……。
次回はテトリス組のターンです。