ぷよぷよテトリス2 ~ シュルッツの冒険者達 作:アヤ・ノア
原作に出てこないキャラも出ますので、ご注意ください。
「はぁっ、はぁ……」
「ここって……」
アミティ達は息を切らしながら、プリンプ魔導学校に戻ってきた。
アリアは見覚えがある様子で目を見開く。
「夢中で走って来ちゃったけど、今のところ、危険な感じはしないなー」
「いえ……」
アリアはアミティの言葉に首を横に振る。
「どうしたの、アリア?」
「生徒達が行方不明になっていたのですが、私達が全員助けたところです。
でも、本当にここで異変が起きたんですか?」
「うーん、それはよく分からないな。誰かに会えれば分かると思うんだけど……」
プリンプ魔導学校に今いるのは、
アコール先生とルゥ先生の他にも、アリア達が助けた生徒がいる。
彼らに話を聞けば、詳細が分かるかもしれない。
アミティ達が歩いていくと、ラフィーナ、リデル、タルタル、ライラック、ルゥ先生がいた。
「あっ! アミさん、アリアさん、レイリーさん、ジルヴァさん!
あと……そこにいるお兄さんは誰ですか?」
アミティ達の姿を見たリデルの表情が明るくなる。
どうやら、リデルはラグナスを知らないようだ。
「俺は勇者ラグナス・ビシャシだ」
「わたしはリデルです、よろしくお願いします」
ラグナスとリデルは互いに自己紹介をした。
「こんにちは~、なんだなぁ」
「で、でかい……」
続けて、タルタルものそのそとやってきた。
同級生とは思えないほどの大柄な体格で、ラグナスは圧倒されてしまう。
「アミティ~!」
「あら、アミティさんじゃない」
そして、ルゥ先生とラフィーナもやってくる。
「あっ、あのねあのねっ、大丈夫?」
「出会い頭に突然、何を言ってらっしゃるの?」
「えっと、えっと!」
「落ち着いてください、アミティさん」
アミティはラフィーナ達が心配になり、彼女達に声をかけようとした。
だが、かなり慌てているようで、アリアはアミティを落ち着かせて彼女の代わりに話す。
「皆さん、無事なようですね」
「はい……わたしは、ちょっと……」
リデルがおずおずと何か言おうとしたが、恥ずかしくて言えなかった。
四人の無事を確認した後、アリア達が立ち去ろうとした時だった。
「さっ、リデルさん! もうひと勝負よ!」
「ひぇ……」
突然、ラフィーナがリデルの腕を掴んだ。
リデルは彼女の豹変に怯えている。
「楽しい楽しいぷよぷよ勝負……。トーゼン! 無限に続けてられるわよね?」
「何ですって……!」
「楽しい」「勝負」と言ったラフィーナ。
助かったはずなのに、再び暴走している……アリアは恐怖に震えていた。
「今日のラフィーナさん、なんだかちょっと変なんです……。
ラフィーナさんは確かに頑張り屋さんですが、
こんな風に強引にぷよ勝負を仕掛け続けるなんて、今までなかったのに……」
「そうなの、ラフィーナ!?」
アミティはかなり驚いていた。
確かに、ラフィーナは努力家で、時に相手と競い合う事もある。
だが、相手に対して勝負の強要はしないはずだ。
「だって『楽しい』んですもの。私、何か間違っているかしら?」
「ううう……ずっと、この調子で……もう、ヘトヘトです……」
リデルはラフィーナに延々と勝負に付き合わされてかなり体力を消耗していた。
このままでは、リデルは疲労からばたんきゅ~してしまう。
この異変はタルタルとライラックにも及んでいた。
「ライラック、オイと勝負するんだなぁ」
「やめて……僕は……戦いたくない……」
タルタルはライラックと無理矢理勝負をしようとする。
ライラックの表情からは、生気が消えていた。
「とにかく勝負を楽しみたいんだなぁ。だから、おまえもオイと勝負するんだなぁ!」
「やめて……やめて……!」
リードという人格がまだ宿っていれば、きっとタルタルを襲ったに違いない。
だが、もうライラックの人格は一つだけなのだ。
リードに助けを求める事は、できない。
「ラフィーナ、タルタル、しっかりして~!」
唯一、ルゥ先生は暴走していなかった。
ルゥ先生はラフィーナとタルタルに呼びかけるが、二人は全く反応しなかった。
「あぁ~、しょうがないな~。元に戻って~!」
ルゥ先生は二人をクロスボウで射抜こうとした。
だが、次の瞬間、ルゥ先生を不穏なオーラが絡め取り、吹っ飛ばした。
「あぁ~、駄目だ~。止められない~」
「ラフィーナ、タルタル!
それって、やっぱり変だよ!」
アミティはルゥ先生同様に、暴走しているラフィーナとタルタルに叫ぶ。
すると、ラフィーナとタルタルは淀んだ目をアミティ達に向けた。
「ふぅん……アミティさん」
「邪魔をするなら、相手はおまえでもいいんだなぁ」
「『楽しい』勝負をしましょうか?」
「邪魔っていうか……あの~、その~……」
(この威圧感……リデルさんやライラックさんと戦った時と同じだ……!)
一方、三人は不穏なオーラを纏いながら、
アミティ、アリア、レイリー、ジルヴァ、ラグナスを見据えている。
アミティとアリアは思わず立ち竦んでしまうが、
レイリー、ジルヴァ、ラグナスは物怖じせず身構えている。
「さあ、行きますわ!」
「覚悟はできてるんだなぁ?」
「わわわっ、ちょっと待って!」
「とっても楽しく勝負するわよ!」
暴走しているラフィーナとタルタルとの戦いが始まった。
次回は二人の生徒を救出します。