ぷよぷよテトリス2 ~ シュルッツの冒険者達   作:アヤ・ノア

9 / 43
3章、プリンプタウン編です。
原作に出てこないキャラも出ますので、ご注意ください。


8 ~ 魔導学校の異変

「はぁっ、はぁ……」

「ここって……」

 アミティ達は息を切らしながら、プリンプ魔導学校に戻ってきた。

 アリアは見覚えがある様子で目を見開く。

「夢中で走って来ちゃったけど、今のところ、危険な感じはしないなー」

「いえ……」

 アリアはアミティの言葉に首を横に振る。

「どうしたの、アリア?」

「生徒達が行方不明になっていたのですが、私達が全員助けたところです。

 でも、本当にここで異変が起きたんですか?」

「うーん、それはよく分からないな。誰かに会えれば分かると思うんだけど……」

 プリンプ魔導学校に今いるのは、

 アコール先生とルゥ先生の他にも、アリア達が助けた生徒がいる。

 彼らに話を聞けば、詳細が分かるかもしれない。

 アミティ達が歩いていくと、ラフィーナ、リデル、タルタル、ライラック、ルゥ先生がいた。

 

「あっ! アミさん、アリアさん、レイリーさん、ジルヴァさん!

 あと……そこにいるお兄さんは誰ですか?」

 アミティ達の姿を見たリデルの表情が明るくなる。

 どうやら、リデルはラグナスを知らないようだ。

「俺は勇者ラグナス・ビシャシだ」

「わたしはリデルです、よろしくお願いします」

 ラグナスとリデルは互いに自己紹介をした。

「こんにちは~、なんだなぁ」

「で、でかい……」

 続けて、タルタルものそのそとやってきた。

 同級生とは思えないほどの大柄な体格で、ラグナスは圧倒されてしまう。

「アミティ~!」

「あら、アミティさんじゃない」

 そして、ルゥ先生とラフィーナもやってくる。

「あっ、あのねあのねっ、大丈夫?」

「出会い頭に突然、何を言ってらっしゃるの?」

「えっと、えっと!」

「落ち着いてください、アミティさん」

 アミティはラフィーナ達が心配になり、彼女達に声をかけようとした。

 だが、かなり慌てているようで、アリアはアミティを落ち着かせて彼女の代わりに話す。

「皆さん、無事なようですね」

「はい……わたしは、ちょっと……」

 リデルがおずおずと何か言おうとしたが、恥ずかしくて言えなかった。

 四人の無事を確認した後、アリア達が立ち去ろうとした時だった。

 

「さっ、リデルさん! もうひと勝負よ!」

「ひぇ……」

 突然、ラフィーナがリデルの腕を掴んだ。

 リデルは彼女の豹変に怯えている。

「楽しい楽しいぷよぷよ勝負……。トーゼン! 無限に続けてられるわよね?」

「何ですって……!」

 「楽しい」「勝負」と言ったラフィーナ。

 助かったはずなのに、再び暴走している……アリアは恐怖に震えていた。

「今日のラフィーナさん、なんだかちょっと変なんです……。

 ラフィーナさんは確かに頑張り屋さんですが、

 こんな風に強引にぷよ勝負を仕掛け続けるなんて、今までなかったのに……」

「そうなの、ラフィーナ!?」

 アミティはかなり驚いていた。

 確かに、ラフィーナは努力家で、時に相手と競い合う事もある。

 だが、相手に対して勝負の強要はしないはずだ。

「だって『楽しい』んですもの。私、何か間違っているかしら?」

「ううう……ずっと、この調子で……もう、ヘトヘトです……」

 リデルはラフィーナに延々と勝負に付き合わされてかなり体力を消耗していた。

 このままでは、リデルは疲労からばたんきゅ~してしまう。

 

 この異変はタルタルとライラックにも及んでいた。

「ライラック、オイと勝負するんだなぁ」

「やめて……僕は……戦いたくない……」

 タルタルはライラックと無理矢理勝負をしようとする。

 ライラックの表情からは、生気が消えていた。

「とにかく勝負を楽しみたいんだなぁ。だから、おまえもオイと勝負するんだなぁ!」

「やめて……やめて……!」

 リードという人格がまだ宿っていれば、きっとタルタルを襲ったに違いない。

 だが、もうライラックの人格は一つだけなのだ。

 リードに助けを求める事は、できない。

 

「ラフィーナ、タルタル、しっかりして~!」

 唯一、ルゥ先生は暴走していなかった。

 ルゥ先生はラフィーナとタルタルに呼びかけるが、二人は全く反応しなかった。

「あぁ~、しょうがないな~。元に戻って~!」

 ルゥ先生は二人をクロスボウで射抜こうとした。

 だが、次の瞬間、ルゥ先生を不穏なオーラが絡め取り、吹っ飛ばした。

「あぁ~、駄目だ~。止められない~」

 

「ラフィーナ、タルタル!

 それって、やっぱり変だよ!」

 アミティはルゥ先生同様に、暴走しているラフィーナとタルタルに叫ぶ。

 すると、ラフィーナとタルタルは淀んだ目をアミティ達に向けた。

「ふぅん……アミティさん」

「邪魔をするなら、相手はおまえでもいいんだなぁ」

「『楽しい』勝負をしましょうか?」

「邪魔っていうか……あの~、その~……」

(この威圧感……リデルさんやライラックさんと戦った時と同じだ……!)

 一方、三人は不穏なオーラを纏いながら、

 アミティ、アリア、レイリー、ジルヴァ、ラグナスを見据えている。

 アミティとアリアは思わず立ち竦んでしまうが、

 レイリー、ジルヴァ、ラグナスは物怖じせず身構えている。

 

「さあ、行きますわ!」

「覚悟はできてるんだなぁ?」

「わわわっ、ちょっと待って!」

「とっても楽しく勝負するわよ!」

 暴走しているラフィーナとタルタルとの戦いが始まった。




次回は二人の生徒を救出します。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。