戦国武将がIS世界で生きていく   作:とあるP

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とあるPです。

前話の最後に転校生を出すと言っていましたが…ちょこっとだけ出てきます。


それでは、本編どうぞ!


第壱拾話 忠勝のファンクラブ誕生!?

忠勝が謎のISと戦闘して数日後。事態は急速に動いた。

 

IS学園きってセキュリティが破られてしまった。その対策として、個人用のIDカードを発行する事になった。

登下校時にはこのIDカードが無いと寮への出入りや外出先からIS学園へ入る事も出来なくなる。

 

また、アリーナのバリアも強度が強化された。謎のISから得たデータを元に再構築されたアリーナのバリアはこれまで以上に強化された。

 

そんな中忠勝はIS学園内の病院のリハビリステーションにいた。先の襲撃事件で大量の血液を失ってしまったのだ。

 

普通なら1週間は絶対安静なのだが、そこは元戦国武将。強靭な肉体を持ち、並大抵の精神力でみるみるうちに回復し術後3日目で歩行訓練が出来るレベルまで回復した。

 

「うむ…今日はこれぐらいにしておこうかの」

 

「なら、病室まで案内しますね兄上」

 

「翔子も行くのだ!」

 

あの事件以来栄子と翔子は、ますます兄にべったりとしていた。忠勝が担ぎ込まれた時は終始泣いていた。

 

だが、神楽とセシリアに宥めらながら徐々に落ち着きを取り戻していった。

 

「ありがとう。それよりも、儂が居なくて大丈夫であったか?」

 

「ええ、静寐お姉様や神楽お姉様などが部屋に来てくださいますから」

 

「翔子も泣いていないぞ!毎日本音おねえちゃんとセシリアおねえちゃんが遊んでくれんだ!」

 

「そうであったか…それは良かったな。そろそろ面会時間も終わる。それでは、豊島殿。栄子と翔子をよろしくお願い申す」

 

「わかったわ。忠勝君も安静するのよ」

 

「承知した」

 

そう言って、保険医の豊島和子と一緒に栄子と翔子は帰って行くのであった。それを見た忠勝はベットの下からノミと木槌、それに1本の角材を取り出して、コンコンと打ち始めた。

 

忠勝が今作っているのは仏像であった。いくら無人機であったとはいえ、仮にも人型を殺めて(あやめて)しまったのだ。それなりの供養をするのが礼儀だと思った忠勝は、密かに仏像を作っていたのだ。

 

「ふぅ~これであればもう少しで完成できそうだ」

 

「本多君?」

 

「豊島殿?いかがされた?」

 

そこに居たのは、先程栄子と翔子を部屋に送って帰って来た和子の姿があった。

 

彼女は、ベットの横に座る。そして少しで完成する仏像を慈しむように見ていた。

 

「栄子ちゃんと翔子ちゃんを送ってきて、戻ってみたら音がしたのでついね…それは?」

 

「…いくら無人の敵とはいえ、人を殺めてしまったのだ。それなりの供養をしなければ、拙者としては申し訳ないと思い」

 

「そう…偉いのね本多君は」

 

「そうであろうか?」

 

「ええ、人間負い目を感じた時、そこからどう変えていこうかが一番難しいと私は思うわ。そのまま放置するか、反省し次のステップに移すのかでは、大分違うわよ」

 

「…」

 

「この仏像を作ろうと思ったのも、本多君が負い目を感じてから作ったんでしょ?」

 

「左様である」

 

「それなら、その気持ちを忘れないでね。それが君の持ち味なのだから」

 

「かたじけない。であれば、この気持ちしかと心に留めておこう」

 

それで話しが終わるかと思っていたが、和子はもじもじとしながら、とんでもない事を要求して来たのである。

 

「それで…その…そんな本多君に…提案があるのだけれど…」

 

「うん?」

 

「その…退院後でいいんだけど……私と遊びに行かない?」

 

「え?」

 

なんと、デートの約束をして来たのであった。齢3×手前の女性が、しかも生徒相手に…

 

一瞬困惑する忠勝。まさか自分がそんなことを言われる日があるとは思わなかった。

 

和子が断れるかもしれないと思っていると…

 

「…やっぱり迷惑よね。こんなオバサンじゃ「大丈夫でござる」…え?」

 

「だから、大丈夫でござるよ」

 

「ほ、本当に!?」

 

 

 

あっさりと承諾するのであった。

 

「ええ、豊島殿には栄子と翔子の面倒や勉強を教えて貰っておる。それゆえ、その程度の約束であれば大丈夫でござるよ」

 

「…本当に?嘘とか言わないよね?」

 

「この本多平八郎忠勝。噓偽りなど言わぬ」

 

「…やっぱりなしとか言わないわよね」

 

「無論でござる」

 

こんなにあっさりと上手くいくと思っていなかった和子であったが、言質は取ったのでとりあえず良しとするのであった。

 

「…そう、なら、早く治す事ね///そ、それじゃあ、おやすみなさい」

 

「ああ、おやすみでござる」

 

 

そう言って、忠勝の病室を後にするのであった。そして、誰もいない事を確認し、『いよっしゃーーーー!』と言ってガッツポーズをするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

そこから3日が経ち、忠勝の退院する日が来た。この日はクラスメイト達を始め多くの人達が退院祝いに駆けつけてくれた。

 

『本多君退院おめでとう!』

 

「忠勝さん~!」

 

「みな、ありがとう」

 

そんな中忠勝はある人を探すのであった。その人は忠勝が入院中一度も来てくれなかった人であった。

 

「そう言えば一夏。箒殿はどこに行った?」

 

「箒か?そう言えば最近見てなかったな…」

 

「そうか…」

 

忠勝は退院を祝ってくれた、クラスメイト達と別れて自室に戻る途中ある場所へと向かうのであった。

 

そこは、箒と再戦を約束した剣道場。そこには、防具を付け竹刀を持った箒の姿があった。

 

彼女はまるで忠勝が来るのを待っている様に思えた。

 

「忠勝…その…退院おめでとう」

 

「……」

 

「…それじゃあ、また明日「待て」は、はい…」

 

どこか怒っている様に見えた箒は忠勝に呼び止められていた。当然だ。こんな風にした原因の一つは自分にあるのだから…

 

そんな中忠勝は、近くにあった竹刀を持つと防具も着けずに箒と対峙した。箒は訳も分から状態であった。

 

そして、忠勝から試合を行おうと言われたのであった。

 

「箒殿。今一度あの時の約束を果たそうぞ」

 

「あの時の…でも忠勝は病み上がりじゃあ」

 

「なに、あの程度の傷は大したものではござらん。…そちらから来ないのであれば、こちらから行くぞー!」

 

「っく!」

 

そう言って、試合開始の合図を待たずに忠勝は突っ込んで行き、面を狙って来た。

 

対する箒も竹刀で必死防ぐが、体格差とパワーで押されてしまっている。箒は一旦距離を取ると正眼の構えを取った。

 

これは本気で行かないとダメだと思ったのであろう。そして、今度は箒がすり足で突っ込んで行く。

 

「でっりゃぁぁぁぁ!」

 

バッシーン

 

「その気合いやよし!」

 

そこから2打、3打と打合いを行っていく。最初こそ箒は遠慮していたが、忠勝と打合いを行っていく中でその緊張も解けて自然と笑みをこぼすようになってきた。

 

忠勝もまた笑っていた。

 

そして、ある程度打合いを行って忠勝と箒は構えを解いた。その顔は吹っ切れたように見えていた。互いに礼をして箒は防具を脱ぐのであった。

 

『礼。ありがとうございました』

 

「忠勝…貴方は本当に強い。…私全然勝てないや」

 

「そんな事ないでござる。箒殿も強くなってきている。拙者はそう感じておる」

 

「忠勝…ありがとうございます!」

 

「うむ。それと、先日の件だが。何故あんなことをした?もしかしたら、箒殿が危険な目にあってしまうかもしれなかったんだぞ」

 

「それは…その…」

 

「拙者達を励ますのは嬉しかった。しかし、それで箒殿が怪我をしたら悲しむ人々がいる事を忘れないでくれ」

 

「…その中に忠勝も入っているのか?」

 

「拙者もそうだが、一夏や束殿。何よりクラスメイト達が悲しむであろう」

 

「そうですか…」

 

「だから…「え?」」

 

そう言って、忠勝は箒と同じ目線になりそっと頭に手を置いて撫で始めた。突然の出来事にパニックになる箒だったが、忠勝は優しく撫でるだけであった。

 

「た、忠勝!?///」

 

「大丈夫でござる。これから学んで行けばよいのだ」

 

そう言って、忠勝は箒から離れて剣道場を後にした。

 

箒は数分放心状態になっていたが、忠勝や一夏それに多くの人達に心配されていると思った途端嬉しくて涙を流していた。

 

「そうか…そうだったんだ…えへへ///」

 

箒との試合を終えて自室に戻ると、何だか人だかりが出来ていた。その中の1人が忠勝に気づき近寄ってきた。

 

「む?何故拙者の部屋に?」

 

「あ!来たよ!」

 

「お主達はあの時の?」

 

よく見ると、襲撃事件時に忠勝に怒られた人だった。

 

「はい。あの時は…その…すみませんでした!急いでいた為に冷静さが欠けていました…」

 

「気にすることはない。人間誰にでも間違いはある。大事なのは同じことを繰り返さない事だ」

 

「本多さん…はい!ありがとうございます!」

 

「して、拙者に何の用かの?」

 

そう言うと、その場にいた全員が恥ずかしそうに俯いてしまった。その場にいた1人が意を決して忠勝に言うのであった。

 

「あ、あの…本多君が良ければでいいんですが…その…」

 

「うむ?」

 

「その…ほ、本多君の『ファンクラブ』を作ってもいいでしょうか!」

 

なんと忠勝のファンクラブを作ってもいいかと言ってきたのだ。これには、忠勝もどう反応していいのか分からず仕舞いだった。

 

「ファンクラブとな?それはどのようなものなのか?」

 

「えっと…その…」

 

どう説明をしていいのか分らず言いよどんでいたら、別の子が説明し始めた。

 

「簡単に言うとね、本多君のファンの子達が会員になって、本多君を応援しようってことよ」

 

「そうであったか…それであれば、拙者は構わぬぞ」

 

『やったー!』

 

本人からOKが出たので、早速その日のうちに生徒会に申請。ノリがいい生徒会長はその日のうちに承認してしまったのは、別の話…

 

 

 

 

 

 

 

次の日。忠勝は入院前から行っていたトレーニングがてら、校内をランニングしていると、ジャージ姿の千冬と出会った。如何やら彼女もまたトレーニング中らしい。

 

「織斑先生」

 

「む?本多か?お前こそ何をしている」

 

「なに、日課の鍛錬で走っていただけでござるよ」

 

「そうか…その…身体の方は、大丈夫なのか?」

 

「問題ない。これも皆に救われた命。無駄には出来んからな…今度は拙者が皆を守らねば」

 

「そうか…」

 

千冬はこの前(襲撃事件)の事を話そうとしたら、忠勝は既に次の目標を持っていた。そう思うと話すのをやめることにした。

 

そんな千冬は忠勝が全快したと聞き、組手の相手を申し込んだ。

 

「時に本多。今日から授業だが大丈夫か?」

 

「無論。病室にいた時もちゃんと勉学をしていた。遅れを取ってしまっては、皆に迷惑をかけてしまうからな」

 

「頼もしいな。どっかのバカとは大違いだな…よし!それなら、相手をしてもらおうか」

 

「はて?相手とは?」

 

「組手だ。遠慮入らん!どっからでもかかってこい」

 

ちょどいい相手を探していた千冬。忠勝は一瞬戸惑ってしまったが、千冬が遠慮なく来いというのであれば、武士としていくしかないと思った。

 

すると、忠勝は構えて千冬と対峙した。

 

対する千冬も忠勝の力量を見定めると、先程までの甘い気持ちを殺して、真剣に向き合うのであった。

 

(…凄いな。全く隙が無い。…これで一夏と同年代なのか)

 

(うむ。武人らしい立ち位置。そしてあの構え…世が世なら、是非とも我が士官にして欲しかった)

 

お互い黙ったまま対峙して数十分。互いに探り合いをし勝負は一瞬にして決まった。

 

「行くぞ!」

 

「オウ!」

 

結果で言えば千冬の勝利だった。流石世界最強の名は伊達ではなかった。しかし、その勝利もギリギリの物であった。

 

「ハァ…ハァ…いやぁ~参った、参った。拙者もまだまだでござるな」

 

「…そんな事ないぞ。私も危ない場面がいくつもあった。どうだ本多。私のトレーニングに付き合わないか?」

 

そして、千冬から毎朝トレーニングに付き合って欲しいと言われたのであった。

 

「織斑先生のトレーニングに?」

 

「そうだ。朝だけになるが、時間があれば放課後も付き合うぞ」

 

「そうであるか……なら、その申しで謹んでお受けいたす」

 

「わかった。それじゃあ、明日からは剣道も取り入れても良さそうだな」

 

「うむ。剣道は拙者も得意ゆえ存分にお頼み申す」

 

そう言って、千冬と別れてから自室でシャワーを浴びて、栄子と翔子を起し食堂へと向かうのであった。

 

 

その途中妙に嬉しそうな箒と共に食事を取ったり、それを見ていたセシリアと静寐達からはズルいと言われた。

 

 

 

 

 

朝のSHRが始まる前に真耶から、このクラスに転校生が来ることを明かした。

 

「皆さん突然ですが、今日は転校生を紹介しますね」

 

この発表にクラスメイト達はざわついた。先の襲撃事件があったばかりなのに、立て続けにイベントが発生するそんな状況の中忠勝は冷静にしていた。

 

「転校生…この時期に?」

 

「何か珍しいねぇ~どう思うたっつん」

 

「たっつん?それは、拙者の事か布仏殿?」

 

「そうだよ~あと、私の事は本音でいいから」

 

「そうだなぁ…いささか、奇妙な事だが、先生達が決めたことに、とやかく言う必要はなかろう。本音殿」

 

「まぁねぇ~それよりもたっつん。お菓子持ってない?」

 

「そうだなぁ…ほれ。栗きんとん饅頭だ。織斑先生に見つからぬよう食べるのだぞ」

 

「わ~い!たっつん大好き!」

 

大声を上げてる時点でバレバレなのはしょうがないなのだが、そこはご愛嬌。そして、1年1組に入って来たのは、2人いた。

 

1人は金髪にアメジストのような紫色の瞳を持つ子で、一夏と忠勝と同じ男性操縦者の制服を着た子だ。

 

もう1人は銀髪にルビーのような赤い目で、左目に眼帯をしていた。全員が驚いて声が出ていない時に、転校生の自己紹介が始まった。

 

「それじゃあ自己紹介をお願いしますね」

 

「はい。フランスから来ました、シャルル・デュノアです。よろしくお願いします

 

「……」

 

みんな開いた口が塞がらない状態だった。そして、一夏と忠勝は耳を塞がなかった事を後悔した…

 

「えっと…ここにボクと同じ|男性操縦者がいるって聞いて来たんですけど…」

 

「き」

 

「き?」

 

「ヤバい!」

 

「うん?どうしたのだ一夏?」

 

『キャーーーーーーーーーーーー!』

 

「ぐぉぉぉ~」

 

「…ッ!ぬかった!」

 

女子たちのヘビーボイスが教室中に響き渡ったが、耳を塞ぐのが遅く、全てを防ぎきれなかった。そして、興奮したクラスメイト達は妄想への世界へと入り込むのであった。

 

「守ってあげたい系王子様来たー!」

 

「織斑君がイケイケ系なら、本多君は頼れる系、シャルル君は守ってあげたい系だよね」

 

「そして、織斑君から、シャルル君を守りたい本多君…ヤバ…涎が」

 

女の子達の妄想は激しく、教室内に響き渡った。特に最後の人には、忠勝の説教+道徳の1時間コースをおみまいしたいくらいだ。そんな中、真耶は大きな声で皆を止めるのであった。

 

「皆さん!まだいますから静かにしてください」

 

「そうだぞ。ラウラ挨拶しろ」

 

そう言って、千冬にラウラと言われた女の子は、佇まいを直して自己紹介の続きをするのであった。

 

「は!教官!」

 

「私はお前の教官ではない。ここでは、織斑先生と言え」

 

「わかりました」

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ!」

 

「それだけですか」

 

「以上だ」

 

そして、ラウラは一夏の前まで来て、一夏を睨むのであった。一夏は油断しきっていた状態だったので、反応が遅れてしまった。そして、乾いた音が教室内に響き渡った。

 

「お前さえいなければ…」

 

「うん?」

 

「パーーン!」

 

突然の出来事に対処できなかった状態の一夏は、手痛い張り手を受けたのだ。

 

「何すんだよ!」

 

「認めない!私は、あの人の弟だと認めない!」

 

そう言うだけ言ってラウラは自身の席に戻って行った。また、問題児が増えてしまったのかと思うと忠勝は頭を抱えていた。




次回こそはちゃんと出します!
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