今回はヒロイン、ヒロイン候補の子達に新たなる動きが…
それでは本編どうぞ!
シャルルとラウラが編入して数日後の夕方。忠勝は勉強を終えて、明日の準備をしている中で、部屋のドアがノックされた。
そこに居たのは、1年生寮の寮長千冬と副寮長の真耶そして、大きなキャリーケースを何個も持って来たシャルルの姿があった。どうやら訳ありのようだったので忠勝は部屋に招き入れた。
コンコン
「はい……これは、織斑先生に山田先生。それに、デュノア殿もどうしたのでござるか?」
「本多、忙しいところすまんな折り入って話しがある。入っても構わないか?」
「少しばかり散らかっておるが…入っても構わんぞ」
そう言って、勉強机にはIS教本やノート、参考書の山があった。しかし、それ以外は綺麗に整っている。そのことに千冬と真耶は関心していた。
「どこが散らかっているか…綺麗に整っているぞ」
「そうですよ。それに、とても綺麗ですね」
「そうでござるか?家にいた時と同様の事をして頂けでござるがな」
忠勝にとって当たり前の事が千冬と真耶にとっては、とても偉い事らしい。そして、話しは本題へと移るのであった。
「ところで本多。この部屋に空きスペースはあるか?」
「空きスペースでござるか?ベットを退かせば幾分スペースは確保出来るでござるな」
「そうしたらお前たちは何処で寝るのだ?」
「拙者達は布団を敷けば、何処でも寝れるのでご心配なく」
「そうか…それで内容はだがな、デュノアと相部屋になってもらう。なお、これは日本政府及びIS学園からの決定事項だ」
「……」
その内容について忠勝は考え込んだ。直ぐに答えを出すのは簡単だ。日本政府及びIS学園での決定事項であれば、一学生の忠勝は反対する事は出来ない。栄子と翔子も受け入れるだろう…
しかし、当の本人であるシャルルはどうなのか聞いていないうちでOKを出すわけにはいけなかった。
「それは、デュノア殿は納得されているのでござるか?」
「ああ、この事についてデュノアは納得している。それに、この事は本人から言って来た事なんだ」
「デュノア殿から?」
「う、うん。暫くホテル暮らしかと思っていたけど、IS学園の方が安全だからって織斑先生に言われてね。それでIS学園の寮に入る事にしたんだ」
「それであれば、一夏の方がいいのではないか?」
「そうなのだがな…デュノアは本多がいいと言い出してな」
「拙者を?」
「……」
そのことについて忠勝はシャルルを見たが、本人から言って来たのであれば、断るのはやぶさかではないと思い、織斑先生達の提案を受け入れるのであった。
「まぁ本人からそう言っているのであれば致し方無いでござる」
「それじゃあ…」
「ああ、謹んでお受け致しましょう」
「助かる」
「ありがとうございますね本多君」
「えっと…よろしくね忠勝」
「こちらこそよろしくでござる」
そう言って、栄子と翔子が買い物(静寐達が付き添っている)から、帰って来る前にベットを片付けた忠勝は、早速3人分の布団を買いに出かけるのであった。
同時にシャルルの身の回り品も買いに行くことになり、2人はIS学園からの最寄り駅に設置されている大型商業施設『レゾナンス』へと向かうのであった。
大型商業施設『レゾナンス』。家具から家電、更には食品と衣服と豊富な品揃えが自慢な商業施設である。多くの人達で賑わう中シャルルと忠勝は、IS学園の制服から私服へとチェンジしていた。世界で有名な男性操縦者が居れば大騒ぎになる事である。そうならないように私服になったのだ。
忠勝は藍色のTシャツに七分丈のパンツと最近暑くなってきたので、この格好をチョイスしてきた。シャルルはカーキ色のTシャツに藍色のパンツ。胸には待機状態の【ラファール・リヴァイヴ・カスタムII】がネックレストップになっている。
「それでは、先ずは布団を見に行く。その後シャルル殿の必要な物を買いに行こう」
「う、うん。よろしくね」
レゾナンスにある2階の寝具コーナーで布団を買い、その他無いか物色している最中にシャルルが苦しそうにしていたので心配だったので、聞いてみた。けど、シャルルは“大丈夫”の一点張りだった。
「大丈夫かシャルル殿?少しばかり顔色が優れないが」
「だ、大丈夫だよ忠勝。ありがとうね」
「…少しばかり、甘味処で休もうか」
「う、うん。ごめんね…」
「気にするでない。ほら、掴まるでござる」
そう言って、忠勝はシャルルの手を取り『レゾナンス』内のフードコートに向かう途中ガラの悪い連中に出会ってしまった。忠勝は、穏便に済まそうと思っていたが相手はそうもいかず、くってかかかってきた。
「オゥオゥ兄ちゃん達ちょっとばかし、金貸してくれよ」
「ああ、俺ら腹ペコだからよ~金恵んでくれよ」
「…断る。お主達の様な輩に渡す銭など持ち合わせておらぬ」
「アハハ!今どき銭だってよ~どんだけ古い言い方してんだよw」
「それに、ソイツと一緒に居る奴どう見たって
「!」
その瞬間シャルルは、自身の心臓が握り潰されそうな感覚に陥った。自分の正体がバレてしまったのか…だが、忠勝は真っ向から否定した。
「否。そんな事は断じてない。シャルル殿は拙者と同じ男だ!」
「忠勝…」
「まぁいいぜ…そいつの身体はお前を殺してからじっくりと拝んでやるからよぉ」
すると男達は、シャルルを舐めまわすような視線をしてから、ポケットから小型のナイフを取り出し、忠勝に向かうのであった。忠勝はシャルルを背中に隠す。
周りの人たちは悲鳴を上げながら逃げて行くのであったが、忠勝は2人の動きをよく見て、手刀でナイフを持っている手を打ち付けた。すると2人の男からナイフが落ちた。
「死ねーー!」
「危ない!」
「…セイ!」
「ぐぁ!」
「くそ!コノヤロー!」
「無駄だ…そりゃ!」
「ぐぁ!」
忠勝に果敢に向かって行く男達であったが、生前の戦国武将の力や、普段から千冬との特訓で洞察力が研ぎ澄まされた忠勝に死角はない。そうこうしているうちに、デパートの警備員が駆けつけて、男達は連行されて行った。
「犯人逮捕にご協力ありがとうございました」
「いやいや、礼には及ばぬ。拙者は当然のことをしたまででござる」
「是非ともお礼をしたいのですが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
「拙者は本多平八郎忠勝と申す。以後お見知りおきを」
その名前を聞いた途端、警備員を始め周りにいた客たちも驚きを隠せなかった。何せ忠勝は世界にたった2人しかいない男性操縦者なのだから…
「え!?もしかして…IS学園にいる2人目の男性操縦者の本多忠勝さんですか!?うぁ~凄いな。本人に会えるなんて、感激です!」
「ええ~あの子が2人目の男性操縦者なんだ…結構格好いいじゃない?」
「オイ見ろよ!あの人が忠勝さんだぞ!」
「へぇ~確かに結構男前だなぁ」
周りや警備員の反応を見る限り、結構有名であることを忠勝は今更ながら実感しているのであった。その事をシャルルに聞いてみるのであった。
「うむ?拙者は、そんなに有名なのかデュノア殿?」
「アハハ…そうみたいだね。もしかして、忠勝って自覚にないのかな?」
「どうしたデュノア殿?」
「な、何でもないよ!それよりも早く次に行こう!」
そう言って、シャルルは忠勝の背中を押してショッピングを続けるのであった。夕方になり帰路に着く忠勝たち。そんな中シャルルはある事を気にしていた…
“ソイツと一緒に居る奴どう見たって
あの言葉がずっと頭の中に響いている。咄嗟に忠勝が否定してくれたが、もしデュノア社の手の者に聞かれでもしていたら…そんな心配をよそに忠勝は、落ち込んでいるシャルルを励ますのであった。
「デュノア殿?どうしたのだ?」
「忠勝…何でもないよ」
「…デュノア殿。もし小さいことでも、不安なことがあるのであれば言ってくれ。拙者と其方は少しの間でも一緒の部屋に住む者なのだからな」
「うん…え?」
「先程織斑先生が言っていいただろう?」
「……あ!そ、そうだった///」
今更になって恥ずかしくなってしまったが、ここまで来たからには仕方ない。覚悟をしてシャルルと忠勝はレゾナンスを後にするのであった。
レゾナンスから帰って来ると、早速買ってきた布団3組が部屋の前に置いてあった。それと同時に、大き目の衣装ケースも置いてあり、それはシャルルが使う予定だ。部屋に入って行くと、栄子と翔子が出迎えてくれた。
「ただいま帰ったぞ」
「お帰りなさいませ兄上」
「お帰りなさい!お兄様!」
「栄子と翔子。息災であったか?」
「はい、今日も静寐お姉様や神楽お姉様達と一緒遊んでもらいましたので」
「翔子もね!清香おねえちゃんと一緒に遊んだんだよ!」
「そうであったか。栄子と翔子紹介しよう。こちら今日から一緒に住むことなったシャルル・デュノア殿だ。デュノア殿。こちらが栄子と翔子だ。2人供拙者の妹達だ」
「は、はじめまして。シャルル・デュノアです」
「本多栄子です」
「翔子はね、本多翔子って言うの!よろしくね!すごいね!お兄様と一緒の男の人だよ!」
「そうですね。よろしくお願いしますねデュノアさん」
「うん、僕の事はシャルルって呼んでもいいよ」
「では、シャルルさんで…それと兄上。豊島様から文を預かっていますよ」
「豊島殿から?どれ」
そう言って、栄子から手紙を預かり読み進める。そして、栄子と翔子にある事を伝えるのであった。
「なるほど…分かった。デュノア殿早速で悪いが、明日の夕食は栄子と翔子と食べていてくれ」
「え?忠勝はどうするの?」
この問いに忠勝から爆弾発言的な事があった。
「明日の夕食は豊島殿と一緒に取ってくる」
次の日。忠勝は再びレゾナンスにいた。前日と違うのは、今回は1人であると言う事である。そんな忠勝の後方200mに変装している集団を発見していた。
顔をマスクやサングラスで隠しているが、その集団はいつものメンバーである、一夏、箒、セシリア、鈴、静寐、神楽、清香。そして、新メンバーであるミリアンヌと紗菜、シャルルも同行していた。
ミリアンヌと紗菜、シャルルがいる事に不思議に思った鈴が質問するのであった。
「ちょっと待って。何であんた達もいるのよ?」
「我が主をお守りするのが、私の宿命ゆえ…」
「アタシは単純に忠勝が、どんな感じの人がタイプなのか気になっていたからかな~?」
「僕は忠勝と一緒に住んでいるからかな?」
その一言に驚きを隠せなかったのは、箒とセシリア、神楽の3人であった。三者三様の気迫に、押されてしまったシャルルであった。
「それは…」
「どういうことか…」
「説明してもらえますか…」
「えっと…昨日から一緒に住んでいるんだよ。同じ男性操縦者同士だからね…」
最もらしい事を言ったが、それで気持ちが納まる3人ではなかった。そうこうしているうちに、忠勝の方に動きがあった。
「!見て!本多君に近づく人がいるよ!」
「本当だ…えっと…あの人は…え?」
「どうした静寐!んな!あの人は…」
『豊島先生じゃないか!(ですわ!)』
そこに現れたのは、いつもの白衣姿ではない、私服で大人の色気を出している和子の姿があった。大胆にも胸が空いている服を着ていたが、どうも急いで来たらしく肩で息を吐いている。
「ハァハァ…ごめんなさいね。急用が出来てしまって…」
「大丈夫でござるよ豊島殿。拙者は今来たところでござる」
「フフフ、嘘でもそう言ってもらえると嬉しいわ。それじゃあ、行こうかしら」
「何処か行く予定でもあるのでござるか?」
「ええ、
「そんな、拙者は大丈夫でござる。むしろ、いつも栄子と翔子がお世話になっておる豊島殿の行きたい所に行くがいいと思うが?」
「う~んそうね…じゃあ私からお願い。今だけ“和子”って呼んで欲しいわ。今は先生と生徒ではないのだからね」
「しかし「ダメかしら?」…分ったでござる。それじゃあ、行こうか和子殿」
「!ええ、そうね///」
名前を呼び捨てしてもらい上機嫌な和子に対して、いつも世話になっているお礼として名前呼びにした忠勝。そんな2人のやり取りを目の当たりにした3人+α。今にでも不満が爆発しそうだが、ここで騒ぎを出せば尾行がばれてしまう。ここは、我慢をしたうえで2人の様子を見ようと思ったが無理だった。
「…なぁセシリア。神楽」
「…何ですか箒さん」
「我々は何を見せつけられているんだろうな…」
「さぁ…豊島先生と本多さんがイチャイチャしている様に見えるのでは…」
「そうだよな。白昼夢や幻覚ではないんだよな…」
『ええ、そうですね(ですわね)』
「よし……殺そう!忠勝さんなら後ろからでも…」
箒が狂気じみた事を言い出したので、一夏が全力で止めようとした。しかし、セシリアと神楽も同じ気持ちであったため、暴走する3人を止めることは出来そうになかった。
「よせ箒!そんな事してもダメだろう!」
「離せ一夏!この怒りを何処にぶつければいいんだ!」
「そうですわ一夏さん!早くしないとあの女狐に忠勝さんを取られてしまいますわ!」
「ええ、セシリアさんの言う通りです。私達が何とかしないと…」
「だけど、そんな事したら忠勝が嫌いになっても知らないぞ!」
その言葉を聞いた途端3人は我に返った。そして、静かに尾行を開始するのであった。
「そ、それは…」
「だから、ここは暫く様子を見ようぜ。忠勝の事だから何かしらの意図があって、豊島先生と会っているんだろう」
「………分かった」
ひとまず落ち着いた3人。だが、ここに来て不満を抱えてる人が1人いた。
(僕の事はデュノアって言うのに豊島先生はもう名前呼びなんだ…)
そうシャルルだった。つい先日一緒に出かけたり、一緒に住んでいるのに未だにデュノア呼び。まだまだこれからだと思っていたが、ここまで一気に距離を縮めた忠勝と和子に対して、不満を持っているのであった。
そんな4人を他所に忠勝と和子は買い物を楽しむのであった。時折和子がグイグイと腕を絡ませて来るが、忠勝は見事受け流している。
そして、2人はデパート内のレストランに入った。尾行しているメンバーも忠勝の後ろに陣取った。そして、和子はある事を聞くのであった。
「今日はとても楽しかったわ。また行きたいわね」
「そうでござったか。それは良かった。今度は栄子と翔子を連れて出かけたいでござるな」
「そうね…それで、忠勝君に聞きたいことがあるんだけど…好きな子とかいるの?」
『!!』
核心を突いた質問に後ろにいる尾行メンバーに激震が走った。しかし、忠勝の答えは以外なものであった。
「それは異性としてでござるか?」
「どうとらえても構わないわ。貴方の本心が聞きたいのよ」
「そうでござるか…それが拙者には分からないのでござる」
「分からない?」
「ええ、相手を好いているや恋?がわからないのでござる」
「それはどうしてかしら?」
「小さき頃から、拙者には栄子と翔子がおった。栄子と翔子に苦労をかけまいと一生懸命に勉学や部活に励んできた。そんな時に思ったのだ。2人に何不自由のない生活を送ることこそが我が使命だと」
「随分と妹想いのお兄ちゃんなのね…」
「笑われると思うが、これが拙者なのだ。だから誰かを好きになるなど考えた事はない」
これを聞いた尾行メンバーは思った。だからいつも栄子と翔子が一緒に居るのだと。当の和子も納得言った答えを聞けて満足していた。
「そっか…それじゃあ、今まで以上にお世話しなくちゃね♪」
「和子殿には感謝してもしきれない。何卒宜しくお願い申し上げまする」
そう言って、忠勝は頭を下げた。そのことに驚いた和子は笑いながらやめる様に言った。
「そこまで気負わなくて大丈夫よ。忠勝君はよくやっているわ。栄子ちゃんと翔子ちゃんの面倒を見ている私が保証する」
「和子殿…かたじけない」
「いえいえ、どういたしまして♪さぁ料理が来たわ。食べましょうか」
いつも真面目で妹想いの少年に恋する女性。妹達の幸せを願って来た事により恋を知らない少年。そんな2人は楽しく過ごして行くのであった。
そして、忠勝がトイレに行っている間に後ろで尾行していた彼女達に向けて宣戦布告をするのであった。
「和子殿、すまぬが厠へ行ってまいる」
「ええ、いってらっしゃい…さてと…聞いているんでしょ」
『ぎく!』
この言葉に観念した尾行メンバーはおずおずと和子の前に出て来たのであった。
「今聞いていた通りよ。彼は誰かを好きになった事がない。だからこれだけは言っておくわ。彼が誰を選ぼうとも文句はなしよ」
『!!』
要は“私も参戦するわ。覚悟してなさい”と言う意味である。これを聞いた途端忠勝へ想いを寄せる人は思った。
この人も本気なのだ…
そこからは迅速に動いた。ある者は鍛錬に打ち込み、ある者は胃袋を掴むため料理に磨きをかけ、ある者は気を引こうと一層己を磨き上げた。
忠勝がトイレから帰って来るとそこに尾行メンバーはいなかった。和子に聞いてみても「何でもないわよ」と言ったきり、何も言わなかった。
夕食も終わりIS学園へと帰って行く。電車の中で和子からこんな事を聞かれたのであった。
「
「…ああ、とても楽しかったでござる。
「そう良かったわ。明日からもまた、頑張りましょうね」
「ええ、そうでござるな」
すると、和子は距離を詰め忠勝の右腕に絡んで、頭を肩に乗せるのであった。普通の人がやればドキドキする行為だが、忠勝は和子が眠そうだから寄って来たと思っていた。
「?豊島殿どうしたでござるかな?」
「何でもないわ…少しだけこうさせて頂戴」
「いいでござるよ」
和子としては、少しでもドキドキさせるつもりが、全然その気にならない忠勝に、何が何でも振り向いて貰うわよと思うのであった。
~箒side~
豊島先生からの宣戦布告を受けて、私はすぐさま道場にやって来た。一夏にも“強くなるためだ”と言い道場で稽古している。しかし、思うのは忠勝さんが言ったあの一言だった。
「拙者達を励ますのは嬉しかった。しかし、それで箒殿が怪我をしたら悲しむ人々がいる事を忘れないでくれ」
その一言に私は嬉しくなり不意にも泣いてしまった。こんなにも思ってくれる人が居るのだと…その時同時に思った。
やはり、私は忠勝さんが好きなのだと…
だから、この勝負は絶対に負けられない。そう思い稽古を続けるのであった。
~箒side out~
~神楽side~
私は箒さんやセシリアさんと違い、いつも遠くから本多さんを見ていました。初めは温厚な殿方だと思っていましたが、情に厚くしっかりとした意思を持っているそんな方だと思いました。
そして、栄子ちゃんと翔子ちゃんといつも一緒にいる、良いお兄様と言う一面も持っていました。そんな時あの事件が起きてしまいました。
謎のISによるIS学園襲撃事件。襲撃したISの攻撃によりIS学園のシステムはハッキングされ避難用のドアがロックされ、私達は閉じ込められました。
絶体絶命なそんな時でも忠勝さんは、皆を励まし何より体を張って私達を守ってくれました。その行動に私は感銘を受けました。そして、壮絶なバトルの末辛くも勝利しました。
しかし、本多さんは無事では済みませんでした。すぐさま緊急オペが始まり奇跡的に一命をとりとめましたが、私は不安でしかありませんでした。
そんな時不意に忠勝さんが言った言葉を思い出したのです。
「大丈夫でござる。拙者が命に変えても守りきる!」
この言葉を聞いた途端不意にもときめいてしまいました。それと同時に思ったのです…
私はこの殿方に恋をしていると…
不思議でした。この言葉を聞くと不思議と不安がなくなってくる。元気なってくる。そして、安心できると…だから誓ったのです。この人に尽くしたいと。一緒に居たいと…
それを実家にいるばあやに相談したところ「いいですかお嬢様。殿方はまず胃袋を掴むのが大事ですよ」と言われたので、料理を一から勉強する為に、今日も台所に立つのです。
~神楽side out~
~セシリアside~
忠勝さんの第一印象はちょっと、いえかなり変わっている方だと思いました。喋り方や考え方更にはISの基礎知識をかじっていた程度の人だと思っていました。クラス代表決定戦でも、素人相手に負ける訳がないと思っておりました。
しかし、私が一夏さんに向けて暴言を言おうとした時に止めてくださいました。今でもあの続きを言ってしまったと思うと怖かったですわ。
そして、クラス代表決定戦。圧倒的な私の勝利で幕を閉じると思っていたのでしたが、土壇場で専用機【samurai】の登場により、逆に私が追い込まれる状況になってしまい、最終的には相討ちということになりました。
その後の担架で運ばれて行く時ですわ。あの人は私の手を取り優しく微笑んで下さいました。
「うむ、また手合わせを願いたいものだ。オルコット殿」
その後感情の整理が追いつかず、忠勝さんの笑顔が頭から離れませんでしたわ。そして、思ったのです。
これが、恋する瞬間なのだと…
料理では箒さん、神楽さんには勝ち目が無いと思っています。ですから、私は外見・内面で勝負しようと思っております。待っていてくださいね忠勝さん!
~セシリアside out~
忠勝知らない所で女達のバトルが行われている中で、当の本人は【samurai】の整備を終え自室に戻っている最中であった。そして、自室の扉を開けると…
「栄子と翔子ただいま帰ったぞ」
「え?」
「うむ?」
そこに居たのは、シャワーを浴び終えた一糸まとわぬ姿のシャルルが立っていた。