戦国武将がIS世界で生きていく   作:とあるP

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とあるPです。

今回はシャルルに視点から始まります。

それじゃあ本編どうぞ!


第壱拾参話 忠勝と助けたい少女

こんにちは、シャルル・デュノアです。突然ですが、今とっても困っている状況に居ます。それは…

 

「ダメだよ忠勝!そんな事しても栄子と翔子が怒っちゃうよ!」

 

「離してくれデュノア殿!後生でござる…よりも寄って女子の裸を除くなど、武士どころか男の風上にもおけぬ所存…」

 

忠勝がどこからともなく出してきた、小刀で自分の腹を刺そうとしているのを、全力で止めています。それもこれも、全部自分が悪いんだけどね…

 

「だから、あれは僕が悪かったんだって…」

 

「しかし…それでは、拙者の気がすまぬ。ここはデュノア殿に罰を与えてもらわねば」

 

「じゃあ…目を閉じて」

 

「目を…あい分かった」

 

そう言って、忠勝は目を閉じた。そして、僕は忠勝のおでこにデコピンをした。これで忠勝が納得してもらえればいいんだけど…

 

「いくよ」

 

「うむ」

 

パチン!

 

「はい。これで終わり」

 

「…それでよいのか?拙者の顔に平手打ちをしなくてもいいのでござるか?」

 

「本当はしたいけど、忠勝が僕の秘密をとやかく言うことは無いと思うからね」

 

「買い被り過ぎでござる」

 

「そんなことないよ…でも、この事は秘密にしておきたいんだ」

 

「そうでござるか…」

 

「うん…」

 

訳を聞くまでもなく忠勝は、ずっと僕の隣に座ったままだ。そして、忠勝はどことなく話し始めるのであった。

 

「以前教室で言ったことを覚えておるか?」

 

「教室で言ったこと?」

 

「うむ。「もし、困った事があったら、遠慮なく相談してほしい。必ずや力になろう」と言いたであろう。今その時ではないのか?」

 

「それは…」

 

確かに助けて欲しい。けど、それを言ってしまったら、忠勝を裏切る行動になるかもしれない。だから、僕は言いたくないんだ。

 

「…ごめん。今は頼めない…けど、約束して。その時が来たら助けて欲しい」

 

「分かった。それまでデュノア殿の事は秘密にしておこう」

 

そう言って、忠勝は僕から離れて夕食の準備をするのであった。今日ぐらいは僕が作ってあげようかと思ったけど、忠勝は「大丈夫でござる」と言ってくれたので、ここは甘える事にした。

 

その後栄子ちゃんと翔子ちゃんが帰って来て、その2人もシャワー浴びて、眠そうだったから寝ることにした。忠勝は“勉強があるから先に寝てくれ”って言ったけど大丈夫かな?

 

 

 

 

シャルルと栄子と翔子が寝静まった頃忠勝は勉強に打ち込んでいた。少しでも先程の雑念を取り払うためである。ただ、考えてしまうのはシャルルのことである。

 

偽の男装をしてまでIS学園に潜入するのは、それなりの覚悟があるに違いない。忠勝は勉強の手を休めてベランダに出た。すると、綺麗な満月が忠勝を照らしているのであった。

 

「綺麗な月だ…儂も何れあの月へと行けるのであろうか…」

 

ついつい独り言を喋っていると、どこからともなく人の形をした者が現れた。目を凝らして見てみると、そこに現れたのは…

 

『お主がそう願えば行けるのであろうな』

 

「何奴!」

 

『ホッホッホ。久しいのぉ忠勝』

 

「その声は…大殿!」

 

何とそこに現れたのは、忠勝の君主であり神君家康公であった。格好こそ、甲冑を纏っていなかったがまさしく家康本人であった。忠勝は慌てて膝を付き、首を垂れた。

 

「大殿とはつい知らず…平にご容赦を」

 

『よいよい。阿弥陀如来様に無理を言ってなぁ。少しだけ現世に顕現させてもらったのじゃ』

 

「そうでございますか…して、拙者にいかような用事でございますでしょうか?」

 

『うむ。先程の女子もどき子についてじゃがな…本当に忠勝は助けたいと思っておるのか?』

 

「…それは」

 

『ただの自己満足や、己の欲望の為に助けたいのであればやめた方が良かろう』

 

「……」

 

『まぁ忠勝が決めたことじゃ。己の道を進むがよい』

 

「…はい。大殿」

 

『ここからは独り言じゃがな…』

 

そう言って、家康は話し始める。それは、忠勝があまりにも全て1人で解決してしまうとするのを危惧しているような口振りであった。

 

『全てを守るのは不可能なこと。儂とて、天下泰平のため数々の戦をして来た。それこそ、儂自身が窮地に陥ったことが何度もある』

 

「……」

 

かつて家康も三方ヶ原の戦いで多くの家臣や友を失った。自身も脱糞するほどの危機を感じた。それに、大阪夏の陣天王寺・岡山合戦では、幕府方の大名・侍大将に死傷者を出し家康・息子秀忠本陣豊臣方の兵が迫った。

 

『人の命はいつ終わるかわからん。大事なのは後悔なくして死を迎えることである』

 

「後悔なくして…」

 

『左様。しかし、今の忠勝は全てを抱え込もうとしておる』

 

「確かに拙者は皆の為を思って行動しておりまする。しかし、それのどこがいけないのでしょうか?」

 

『お主は1人しかおらぬ。代わりなどいないのだ。だから、偶には周りの人を頼ってみよ』

 

「しかし、栄子と翔子の面倒は豊島殿が見ておりまする」

 

『馬鹿者。お前自身の事じゃ!』

 

「は、ははぁー」

 

『これでは先が思いやられるのぉ…まぁ良い。今すぐにでもとは言わん。じゃがな、いずれにせよお前1人で解決できぬ問題がやってくる。その時は周りの友人でもよい。それか大人でも良い。頼って自身のここを軽くするのじゃぞ』

 

そう言って、家康は忠勝の胸の辺りを叩いた。すると、徐々に家康の身体が消えてゆく。どうやら時間が来たようだ。

 

『うむ?そろそろ時間のようじゃな』

 

「大殿…ありがたき幸せ。この忠勝大殿からの想いを胸に粉骨砕身ので所存でございまする」

 

『まぁ本人が良いのであれば良いか…では、忠勝よ。またのぉ』

 

そう言って、家康の身体は完全に消えていくのであった。忠勝は今一度自分に何が出来るのかを考えて、考え抜いた結論を出すのであった。

 

「確かに儂は今まで誰に頼ったことが一度もない。しかし、どうやって頼めば良いのか…先ずはあの方に頼んでみるか」

 

ある結論に至った忠勝は再び勉強する為に、自室の机に向かうのであった。その時可愛い寝顔をしている栄子と翔子それに、シャルルの姿が写った。忠勝はそっと布団を直すと勉強を続けるのであった。

 

 

翌朝。千冬は朝練をしていた忠勝の様子がおかしいと感じ、急遽取りやめて訳を忠勝から聞き出だすのであった。

 

「でりゃぁぁぁー」

 

「何の!まだまだだぞ本多!」

 

「ぬかった!ぐわぁぁー」

 

「どうした!お前の実力はそんなものじゃないだろ」

 

「…すみません。もう一度お願い申す」

 

「一旦休憩をするか」

 

「はい…」

 

「さて、何があったか聞かせてもらおうか」

 

「それは…」

 

今ここで言うべきか迷った忠勝。シャルルとは秘密でいて欲しいと言われていた。しかし、目の前の人は忠勝でも勝てない相手。迷った挙句忠勝は…

 

「実は…デュノア殿の件で悩んでおった」

 

「デュノアだと?」

 

「実は、デュノア殿は「女の子だったとかか?」な、なぜ織斑先生がその事を知っておる!?」

 

「そんなの簡単だ。入学審査時にアイツに探りを入れさせたからな。確かにデュノア社から男性操縦者が出たとなれば、世界的なニュースになる。しかし、未だかつてその音沙汰がない。しかもデュノアの体型にも違和感があってな。独自に調査をしていたのだ」

 

「そうでござったか…では、デュノア殿はどうするのでござるか?」

 

「そうだな…向こう側から何もアクションをして来ない限り、こちらも手を出すつもりはない。だから、引き続きよろしく頼む」

 

「うむ。拙者も無茶をしないように見張っておく」

 

そう言って、休憩を終えると朝食の時間帯になっていた。忠勝は部屋に戻る為その場を後にしようとしたら、これからの事に千冬に相談したいと思って、忠勝はある事を頼むであった。

 

「そう言えば織斑先生。デュノア殿の事で相談したいことがあるので、時間はあるでござるか?」

 

「そうだなぁ…夜ならある程度時間が取れるが」

 

「でしたらその時にお願いしたいでござる」

 

「分かった。寮長室に来るように」

 

そう約束して忠勝は部屋に戻って行くのであった。部屋に戻ると、既に栄子と翔子が着替えており、シャルルと遊んでいた。忠勝もIS学園の制服に着替えて食堂へと向かうのであった。

 

「すまんなデュノア殿。栄子と翔子食堂へ向かうぞ」

 

「大丈夫だよ忠勝。行こうか栄子ちゃん翔子ちゃん」

 

『はい(うん!)』

 

4人で食堂へ向かう。こうしてみると、いいお兄ちゃんと新入生が楽しく食べていると思っているが実際には、シャルルが女の子である秘密を共有している特別な関係なのだ。

 

そこに現れたのは、箒とセシリアそして、静寐達だった。彼女たちは忠勝に特別な想いを持っており、自分が一番になりたいと思っている。抜け駆けをするのは、今であるが互いに探りを入れているそんな状態だった。

 

「デュノア殿。今朝は何にする?」

 

「そうだね。忠勝が好きな物を一緒に食べたいな」

 

「拙者と一緒の物?」

 

「うん。せっかくルームメイトになれたんだ。だから、忠勝の事をもっと知りたいんだ」

 

「あい分かった。それなら、刺身定食をもらおうか」

 

そう言って、刺身定食の食券を取って食堂のおばちゃんに手渡す。そして、慣れた手つきで刺身定食を出してきた。

 

「あいよ!忠勝君、隣の子見かけない子だね。新入生かい?」

 

「ああ、昨日ウチのクラスに編入してきたデュノア殿だ。デュノア殿この方が食堂を取り仕切っている方だ」

 

「初めまして、シャルル・デュノアと言います。宜しくお願いします」

 

「よろしくね。見たところ外国人だけど、忠勝君と同じ刺身定食でいいのかい?」

 

「はい。忠勝と同じ物を食べたいので」

 

「わかったよ。栄子ちゃんと翔子ちゃんはお子様ランチだね。ちょっと待っててね」

 

『はい!』

 

そう言って、4人分の食事を用意する食堂のおばちゃん。その人から、料理を受け取り、みんなで座れる席を探していると栄子と翔子が忠勝に言って来た。

 

「偶にはお二人で食事でもしてみてはいかがでしょうか。栄子と翔子は他の場所で食べるので大丈夫ですよ。兄上はシャルルさんに和食の食べ方を教えてください」

 

「うん!翔子なら大丈夫なのだ!」

 

「しかし……分かった。それでは、行こうかデュノア殿」

 

「う、うん」

 

いきなり2人っきりになっていささか緊急しているシャルルを放置して、忠勝は席を探すのだった。そして、運よく2人席を発見し座ろうとした時だった。

 

『ちょっと待ったーーー!(ですの!)』

 

「うむ?どうしたのだ、箒殿とセシリア殿それに、静寐達よ」

 

「む~」

 

そこに現れたのは、箒とセシリア更には静寐、清香そして、神楽のいつものメンバーだった。そして、彼女たちは忠勝の隣に座りたく、静かに火花を散らしていく。

 

(ぬぅ、セシリアめ…抜け駆けは許さんぞ)

 

(こちらこそ、忠勝さんの隣に座るのはこの私ですわ!)

 

(何としてでも、忠勝さんのお傍に…)

 

3人が言い争っている中意外な方法で決着をするのであった。それは、忠勝が全員で座れる席を探してそこに座る事になったのだ。この結果に3人は、一時的に休戦協定を結ぶのであった。

 

「おお、皆も来ていたのか…それなら、あそこの席であれば全員が座れるだろう。早速参ろうか」

 

『……』

 

「あの、箒さん、セシリアさん」

 

「何だ(何ですの)」

 

「一時休戦としませんか?今は食事時ですし…」

 

「そうだな。ここで、騒ぎを立てれば織斑先生に何を言われるかわからんからな」

 

「ええ、それだけは避けないとマズいですからね」

 

そう言って、3人はお互いに手を握り一時的に休戦協定を結ぶのであった。そして、忠勝を中心にシャルルを右隣、左隣は静寐が座り食事を楽しむのであった。なお、時折3人から、羨ましそうな視線を受けたシャルルと静寐はびくびくしていたと言う。

 

朝食を終えて栄子と翔子を、いつも通り保健室に送ると忠勝も教室へと向かうのであった。そして、IS実習の時に、いつも通り3人で男子更衣室へと向かう途中忠勝は一夏にある事を言った。

 

「そうだ、一夏。悪いがデュノア殿が部屋にISスーツを忘れて来たらしい」

 

「え!?そうなのか。どうしようかな」

 

「デュノア殿には悪いが部屋で着替えて貰って、アリーナに来てもらうようにしよう」

 

「あ~そうだなぁ。その方がいいかもしれないな。シャルルはそれいいか?」

 

「う、うん。僕は大丈夫だよ」

 

「それじゃあそうしてくれ。織斑先生には、拙者から事情を説明しておく」

 

そう言って、忠勝はシャルルを見た。すると、意図を読んだシャルルはすぐさま部屋に戻って行くのであった。

 

「忠勝……ありがとう」

 

シャルルがISスーツで戻って来て数分後。授業が再開された。そして、放課後になった。結局3人はアピールする事が出来ず自室へと戻って行くのであった。

 

そんな中忠勝はシャルルの件で相談するため千冬がいる寮長室に出向いていた。手には忠勝特性のおはぎを持って、寮長室をノックするが返事がなかった。

 

「うむ…織斑先生は不在でござるか。どうしたものか…うん?鍵が空いている?」

 

物騒にも程があると思った忠勝であったが、約束していたため慎重に中に入って行くのであった。そこには…

 

「失礼する。織斑先生……なんだこれは」

 

入るなり苦い顔をする忠勝。それもそのはず、廊下の至る所にゴミが散乱しており、台所には使いぱなっしの食器やフライパン。更には下着や服が所狭しと落ちている。

 

そして、シャワー室から声が聞こえると、半裸姿の千冬が出てくるのであった。

 

「誰だ?一夏か?……あっ!」

 

「織斑先生。これは、どういう事か説明してくださらぬか」

 

「えっと…その…」

 

「…その前に服を着てくだされ。風邪を引かれては、いかんからなぁ」

 

「あ、ハイ」

 

そう言って、千冬はいそいそと服を着るのであった。その間忠勝はこのゴミ屋敷をどうするか考えていた。そして、深夜にもかかわらず大掃除が始まった。とりあえず、下着類や部屋の中にある物を千冬が、台所や水回りを忠勝が担当することになった。ゴミ袋6個分のゴミを片付けて改めてシャルルの相談となった。

しかし、何故か千冬は正座している。

 

「ふぅ、これで以上だな。いいか、織斑先生余りゴミを溜めるのではないぞ、今回の様なことになりかねないからな。…うん?どうしたのだ」

 

「いや、その…申し訳ないと思ってな。大の大人が情けない…」

 

「織斑先生は多忙な身仕方ないのだ。それよりも、デュノア殿の件で相談があってのぉ」

 

「ああ、分かった。では、こちらが調べ上げた調査内容を報告しよう」

 

 

 

忠勝と千冬がシャルルの件で相談している同時刻。シャルルは自室で栄子と翔子を相手に遊んでいた。そろそろいい時間になり、2人共眠そうだった。

 

「……」

 

「う~ん…翔子眠い」

 

「そうだね…忠勝どこ行ったんだろう。栄子ちゃん翔子ちゃんもう寝ようか?」

 

『はい(うん)…』

 

そう言って、2人共布団を敷きその中で抱き合って眠るのであった。それを見届けたシャルルは、自身も寝よう布団を敷こうとした瞬間、忠勝のIS【samurai】が目に入った。

 

(これさえあれば僕は助かるんだ。けど、そんな事したら忠勝は…どうすれば…)

 

シャルルの中で良心が葛藤している。果たしてシャルルはどうするのか…シャルルは罪悪感にかられながらも忠勝のIS【samurai】の待機状態を手にした。

 

「……ごめんなさい、忠勝」

 

涙を流しながら【samurai】に手を触れた次の瞬間、ドアが勢い良く開き忠勝が帰ってきた。

 

「ただいま戻ったぞ。デュノア殿?」

 

「あ!お、おかえりなさい忠勝。ど、どこ行っていたの?」

 

「…ちと野暮用でな。それよりもデュノア殿。それは拙者のIS【samurai】でござるが、何処に持って行こうとしたのでござるか?」

 

「……」

 

その答えにだんまりなシャルル。その沈黙が答えになっていた。仕方なく忠勝は、千冬と相談してきた内容をシャルルに報告するのであった。

 

「先に言っておくがデュノア殿にとってはいい話になるかもしれんぞ」

 

「僕にとって?」

 

「うむ。実はな、織斑先生は既にデュノア殿が女性である事を見抜いておった」

 

「!」

 

この発言に驚いたシャルルに忠勝は続ける。その言葉にシャルルは驚くしかなかった。

 

「そこでだ、どうやればデュノア殿を助けられる(・・・・・)か相談しておいたのだ」

 

「……え?」

 

「織斑先生も危惧しておったのだ。このままでいいのだろうかと…そこで拙者と織斑先生は考えたのだ。それは……拙者のIS稼働データをデュノア殿の会社に提供することだ」

 

「けど、それだと忠勝は…」

 

「うむ。これでデュノア殿は助かるのだいいではないか」

 

確かにそうすればシャルルは【samurai】を盗まずになるが、本人がそれを許さなかった。

 

「だ、ダメだよ!そんなの…僕が嫌だよ…」

 

「デュノア殿…」

 

「そんな事しても僕は嬉しくないよ…そんな事したら、忠勝を利用しているようで僕は…うぅ…」

 

忠勝はこれでいいと思っていたが、本人が嫌だと言うのであれば別の策を考えなければならない。どうすればいいのか考えていると、忠勝の携帯に電話がかかってきた。相手は…

 

「束殿?もしもし、どうしたのだ束殿」

 

『あ、久しぶりだねたーちゃん!元気だった?』

 

「お久しぶりでござる。拙者は息災だ。束殿はどうでござるか?」

 

『うんうん!私も元気だよ~!それでさっきの話しなんだけど、その件私に任せてもいいかな?』

 

「束殿に?」

 

『うん。たーちゃんには【samurai】を通して世話になっているからね。稼働データを基に開発が進んでいるよ』

 

「おお、それは良かった。それで具体的にどうすればよいのか?」

 

『とりあえずその子に電話代わってくれる』

 

「あい分かった。デュノア殿電話だ」

 

「え?電話…も、もしもし」

 

シャルルは誰とも知らず電話を受け取った。そして、その相手が大天災で世界的に指名手配されている篠ノ之束博士である。

 

「はい…え!?た、た、た、束博士!?どうして…はい、はい。わかりました。それじゃあ、失礼します」

 

そう言って、束との電話を終えて携帯を返すと忠勝に詰め寄るのであった。

 

「それで、束殿は何と言っていた」

 

「暫くは、男装で過ごしてくれって…そんな事よりも、どうして忠勝と篠ノ之博士は知り合いなの!?僕はそっちのほうが驚いているよ!」

 

「束殿とは色々あってな。その時に知り合ったのでござる」

 

「そうなんだ…ふぅ~ん」

 

「どうしたでござるか?デュノア殿?」

 

「別に~何でもないよ」

 

シャルルは忠勝と束が知り合いの仲である事に少しだけ嫉妬していた。そして、日付が変わりそうな時間まで話していた2人は寝るために、布団を敷くのであった。けど、今日はちょっと違っていた。

 

「もうこんな時間か…そろそろ寝るとしよう」

 

「そうだね。あのさぁ忠勝」

 

「どうしたのだ?」

 

「きょ、今日は忠勝の隣に寝てもいいかなぁ///」

 

いつもは忠勝、栄子と翔子、シャルルの順に川の字の様に布団を敷くのであったが、今日だけは忠勝の隣に寝たいと言い出して来たのだ。これに対して忠勝は特に考えることなくOKを出したのだ。

 

「いいでござるよ。さて、寝るとしよう」

 

「う、うん///おやすみ忠勝///」

 

「ああ、おやすみだ。デュノア殿」

 

そう言って、忠勝はすぐさま眠るのだがシャルルは寝ることが出来なかった。そして、意外な行動に出るのであった。

 

「忠勝…寝たかな?」

 

「…スースー」

 

「寝てるね。こう見ると、寝顔を見るのは初めてかも」

 

確かにいつもはシャルル達が寝る間で勉強しているイメージがある。

 

「忠勝……ありがとうね。僕嬉しかったんだ。まだここに居ていいんだ。勉強をしたり、友達と遊んだり、楽しく過ごせることが出来ると思って」

 

「これも全部忠勝が、してくれたんだと思うと嬉しくて…だから、これはそのお礼だよ///」

 

そう言って、忠勝が寝ている事をいい事にシャルルは、忠勝の頬にキスをするのであった。そして、顔が真っ赤になりながらも小さな声でこういった。

 

「ありがとう忠勝…大好きだよ///」

 

そして、忠勝の背中に抱きつきながら眠るのであった。

 

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