戦国武将がIS世界で生きていく   作:とあるP

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とあるPです。


今回でタッグマッチトーナメント編は終了です。それと最後にお知らせがあります。

それでは本編どうぞ!


第壱拾五話 忠勝とタッグマッチトーナメント(後編)

忠勝はアリーナに乱入すると同時に、セシリアと鈴の間に立ちふさがった。そして、鈴とセシリアは一夏とシャルルに任せるのであった。

 

「大丈夫かいセシリア」

 

「シャルルさん…」

 

「大丈夫か鈴!?」

 

「大丈夫…と言いたいけどあんまり良くないわね」

 

「無理するなよ」

 

「わかったわよ」

 

そんなやり取りをしていると一夏とシャルルが、負傷した鈴とセシリアを運び出す準備をしていた。その様子をラウラはニヤリと見ていた。

 

「来たな」

 

忠勝は、ラウラを確認するとシャルルと一夏に指示を出した。そして、2人は対峙するのであった。

 

「デュノア殿、一夏。2人はセシリア殿と鈴殿を連れてピットに向かってくれ」

 

「忠勝、お前はどうする?」

 

「…この者と話しをしてくる。だから、頼む」

 

「面白い。かかって来い!」

 

「…わかった。行くぞ、シャルル」

 

「う、うん。気を付けてね」

 

4人がピットに向かうのを確認した忠勝。そして、なぜこのようなことをしたのかラウラに尋ねるのであった。

 

「なんであんな事をしたのだ。2人に非があるとは思えんぞ」

 

「そんなの知らんな。ISは兵器だ!その事について身をもって教えただけだ」

 

「違うのぉ。ISは空に想いを馳せる人が使える力だ。それを兵器と呼ぶにはお門違いでござる」

 

「ごちゃごちゃと…戦うのか、逃げるのかどっちだ!」

 

「…致し方無い」

 

忠勝は、バススロットから蜻蛉切を取り出した。そして、ラウラに肉薄すべく突っ込んで行った。

 

「行くぞ!ウォォォォォォ!」

 

「このAICがあるのに接近戦を挑んでくるとは。面白い」

 

忠勝は瞬時加速(イグニッションブースト)を使って、ラウラに接近した。当然ラウラはAICを使って忠勝を拘束しようとした。しかし、忠勝は突拍子の無いことをし出したのだ。

 

「本当に突っ込んでくるとは、バカだな…なに!?」

 

「でりゃぁぁぁ!」

 

何と忠勝がラウラに接近するのではなく、蜻蛉切をラウラめがけて投擲し、自身はISを解除してしまった。これにより、ラウラの集中力が切れたため、ガラ空きの所に忠勝が突っ込んできた。

 

その手には、短刀が握られており捨て身の作戦となった。ラウラは蜻蛉切を退けるとプラズマ手刀で短刀を受けると火花が散るのであった。

 

「貴様正気か!?生身でこの私に挑むとは!」

 

「拙者は、常に戦場に居る気分でござる。故に勝つためには命を捨てる覚悟よ」

 

「貴様…」

 

初手を止められた忠勝が2手目を考えていると、後ろから来たワイヤーブレードを躱しラウラと距離を取った。そして、2手目を仕掛ける時にある人物の登場によって状況が一変した。

 

「全く、どいつもこいつも手を焼かせるな」

 

『織斑先生(教官)!』

 

千冬は打鉄の近接ブレード「葵」をもって登場した。それもISを装備せず生身の状態でだ。これにはラウラと忠勝は驚くしかなかった。

 

「そんなに、決闘がしたいなら次回の学年別トーナメントまで取っておけ。今後、学園内での一切の死闘を禁ずる。解散!!」

 

千冬の一言で解散となり、ラウラはISを解除してピットに戻って行くのであった。忠勝はセシリアと鈴の様子を見るために保健室に向かうのであった。

 

保健室に着いた時は、セシリアと鈴はベットに横になっていた。如何やら命に別状はなかったようだ。それを見た忠勝は一安心するのであった。

 

「セシリア殿、鈴殿大丈夫でござるか?」

 

「大丈夫ですわ」

 

「大丈夫よ。それよりアイツ(ラウラ)とはどうなったの?」

 

「その事でござるが、織斑先生があの後来て何とかあの場を納めた」

 

「織斑先生が?」

 

「あ~あの子…千冬さんにはべったりだからね」

 

「そうなんだよな」

 

「それよりもどうして2人はボーデヴィッヒさんと戦うことになったの?」

 

『そ、それは…』

 

若干の気まずさがあった2人は、お互いに目をそらした。それを悟ったシャルルは、2人に近づいて小声で話しかけるのであった。

 

(もしかして、一夏と忠勝の事を馬鹿にされたから怒ったんだよね)

 

(そ、そ、そ、そんなこと、ご、ご、ございませんわ)

 

(そうよ!そうよ!そうよ!そうよ!)

 

(ふ~ん。ならいいけどね)

 

そんなやり取りを見ていた一夏はキョトンとするしかなかった。だが、忠勝の指摘により2人の夢は断たれたであった。

 

「しかし、そのケガではトーナメント出場は無理でござるな」

 

「確かにそうだな。ちょっと怪しいな」

 

「そんな事ありませんわ!」

 

「そうよ!大丈夫よ!」

 

「大丈夫じゃあありませんよ」

 

その時、保健室のドアが開いて、山田先生が現れた。そして、2人のISの状態について説明するのであった。

 

「お二人のISを見ましたが、ダメージレベルがCを超えていました。この状態で出場すると後々大変な事になります。今回は諦めてください!」

 

『…わ、わかりました』

 

山田先生に強い口調で言われて我慢するしかなかった。

 

 

その時、地鳴りに近い音が保健室に近づいてきた。そこに現れたのは…大量の女子生徒がなだれ込んできた。そして、忠勝、一夏、シャルルを囲んできた。

 

「何事だ!?」

 

『本多君、織斑君、デュノア君!私と組んでください』

 

一瞬何を言っているのか分からなかったが、忠勝はある事を思い出した。

 

「そう言えば今度の学年別トーナメントは確か2人1組で行うのでござったな」

 

「そうなの!だから、本多君、私と組んで」

 

「抜け駆けずるい、本多様お願い致します!」

 

「織斑君、お願い!」

 

「デュノア君!」

 

「え~と…」

 

シャルルが困惑する目でこちらを見てきたので、忠勝ある結論に至った。

 

「…えっと、皆のお願いは非常に嬉しい。しかし、拙者はデュノア殿と組むことにした。それでよいかデュノア殿?」

 

「え!?う、うん…いいよ///」

 

「あ、ずるいぞ!忠勝!」

 

「すまんな一夏。それなら、一夏は箒殿と組んでみたらどうだ?聞くところによると、幼馴染だと聞いたが…」

 

「そうだなぁ…とりあえず箒に聞いてみるか」

 

それを聞いた女子生徒達は諦めて帰って行くのであった。

 

「そっか…デュノア君、本多君と組むのなら仕方ないね」

 

「私達は、別の人をあたってみるよ」

 

「じゃあね~」

 

そう言って、女子生徒たちは帰って行った。忠勝達も長居は無用と判断して、保健室を後にするのであった。

 

そして、一夏は早速箒に頼み込むのであった。

 

自室に戻ったシャルルとタッグマッチトーナメントについて作戦会議をするのであった。

 

「それで、タッグマッチトーナメント?であったか。どのようにして戦うであろうか」

 

「そうだね。見たところ忠勝は近接攻撃が得意だから、僕が後方で支援攻撃をしつつ状況に応じて、攻撃パターンを変えてみようかな。とりあえず、忠勝、【samurai】を出してくれる」

 

「わかった」

 

そう言って、忠勝は待機状態のIS【samurai】をシャルルに渡すのであった。そして、どこからともなくコードを出してきて、【samurai】へと差し込む。

 

「忠勝の【samurai】で使っている武器を、僕の【ラファール・リバイブ・カスタムⅡ】でも使えるように使用許可(アンロック)を出したのさ。勿論忠勝も僕の武器を使えるようにしておいたよ」

 

「おお、かたじけない。これで戦略の幅が広がるでござるな」

 

そう言って、試合当日まで戦略を練るのであった。忠勝は今回のタッグマッチトーナメントに一抹の不安を抱えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、タッグマッチトーナメント当日。トーナメント表には対戦相手の名前が書かれていた。そこで、目にしたのは…

 

「これは…」

 

「うむ。何とも嫌な予感が当たってしまったのぉ」

 

第一試合

 

ラウラ・ボーデヴィッヒ&櫻井佳代子  VS  本多平八郎忠勝&シャルル・デュノア

 

このトーナメント表を見たラウラは嬉しそうに忠勝達を見てあの時の決着をつけると宣言したのであった。

 

「前回は織斑教官が止めてしまったが今回はそうはいかないぞ。あの時の決着を決めてやる」

 

「…ドイツの人って余程沸点が低いんだね」

 

第二世代(アンティーク)が何を言う。精々スクラップにならんようするのだな」

 

そう言って、ラウラは去っていた。忠勝は「気にするな」と言って、シャルルを宥めるのであった。

 

 

そして、各自がピットに入り試合開始を待つばかりであった。そんな事突然実況が始まり、観客のボルテージが爆上がりするのであった。

 

『さぁ~始まりましたタッグマッチトーナメント!実況は私普通科2年生相原雅子(あいはらまさこ)、解説は織斑先生がお送り致します!よろしくお願いいたしますね織斑先生!』

 

『ああ、よろしく頼む』

 

『それでは、選手紹介を行いますね!先ずはNピットより、ドイツ代表候補生ラウラ・ボーデヴィッヒ選手!!IS【シュバルツァー・レーゲン】は本国でトライアル状態ですが、上手に乗りこなしています!本大会の優勝候補の一角でもあります!』

 

「フン、雑魚など捻り潰してくれるわ。行くぞ!」

 

『続きまして、Wピットより櫻井佳代子さん!今回のタッグマッチトーナメントの為に日々努力して来たそうです。1学年内でもトップの成績を収めている彼女。どこまで行けるのでしょうか』

 

「男が神聖なISに乗るなんて…この私が成敗してくれる!(ああ、千冬様が私を見てくれている…)」

 

『更にEピットからは、彗星の如く現れた第三の男性操縦者シャルル・デュノア!その甘いマスクから醸し出される声で数多の女子生徒達を陥落して来た貴公子!今宵の試合でも数多の女子生徒達を虜にするのかー!』

 

「ふぇ!僕ってそんな事になっていたの…はぁ~」

 

『そして、最後になりましたがSピットより現れたのは本多平八郎忠勝!IS学園に入学してから、早一ヶ月が経とうとしていますが、以前人気はうなぎ登り!その人気はファンクラブが出来る程の人気者。しかし、告白してくる女子生徒達をことごとく撃ち落としている事からついたあだ名が「難攻不落本多城!」果たして陥落させる女子が現れるのでしょうか!ちなみに私はファンクラブ会員No.34です』

 

「本多平八郎忠勝、推して参る!蜻蛉切よ、我に示せ!」

 

4人は各ピットから飛び出し中央で合流した。そして、試合開始の合図を待つのであった。

 

「フン、臆することなく来たことは褒めてやる。だが、今からでも遅くはない。とっとと尻尾を巻いて逃げたらどうだ」

 

「武士に逃げ道はない。あるのは、勝利と死だけだった。しかし、ここで出会った仲間たちの手前逃げ出す事はせぬ」

 

「あなた達なんてISに乗る資格なんてないわ!それを、私が証明してあげる」

 

「僕は、忠勝と一緒に居るって決めたんだ。だから、負けない!」

 

それぞれの思いをのせて、試合開始の合図が鳴り響く。

 

『それでは、試合開始!!』

 

試合開始と同時にラウラが忠勝めがけて一直線に、突っ込んできた。忠勝はそれを受けると、シャルルに佳代子の相手をするように指示した。

 

「叩き潰す!!」

 

「来い!」

 

ガキン!

 

「デュノア殿手筈通りに!」

 

「OK!わかったよ」

 

「アナタの相手はこの私よ!」

 

こうして、2人1組は1人対1人にもつれ込んだ。そんな中忠勝に対して、ラウラはワイヤーブレードとプラズマ手刀で応戦するのであった。対する忠勝は蜻蛉切1本。手数の上ではラウラが有利であるが、忠勝は冷静に対処していた。

 

「どうした!お前の武器はそんな棒切れ1本しかないのか!」

 

「そうだ。拙者はこの蜻蛉切で数々戦場を駆けて来たのだ」

 

「フン、それならこれでどうだ!」

 

ラウラは一旦距離を取り突っ込んで来ると、忠勝を攻撃すると見せかけてAICを起動した。それにより忠勝の動きが止まってしまった。

 

「!しまった…」

 

「これで動けまい。そら行くぞ!」

 

ラウラは忠勝が動けない事をいい事にプラズマ手刀とワイヤーブレードを繰り出し、忠勝のSEを徐々に減らして行くのであった。

 

「っぐ!」

 

「ほらほら、どうした!さっきまでの威勢は!」

 

「…まだでござる」

 

そして、大口径レールカノンが忠勝を捉えた。至近距離で撃たれれば怪我ではすまされない。だが、そこに現れたのは…

 

「死ね」

 

「!…デュノア殿、スイッチ!」

 

「なに!?」

 

「OK!いっけー!」

 

そこに現れたのは、佳代子を倒し終え【ラファール・リバイブ・カスタムⅡ】を纏ったシャルルの姿があった。両手にはレイン・オブ・サタディが二丁握られており、ラウラへ集中砲火を浴びせていた。

 

 

これにより、忠勝は一時的にAICの呪縛から解放された。そして、シャルルと忠勝の反撃が始まるのであった。

 

「クソ!もう1人はどうした!」

 

「あの子なら開始3分で終わったよ。残念だったね」

 

「っち…使えない奴め。まぁいい勝つのは私だ!」

 

そうすると、今度はシャルルに対してAICを発動するラウラ。しかし、それは不発に終わった。

 

何故なら、忠勝はシャルルの武装を使えるようにアンロック(使用許可)を受けているのであった。

 

「これで終わりだ!」

 

「っく…忠勝―!」

 

「なに!?」

 

「承知した」

 

これによりシャルルの武装である、マシンガンをシャルルに代わってラウラに浴びせるのであった。あっという間にラウラのSEは1/3以下まで減っていくのであった。

 

「セシリア殿の射撃訓練を受けておいてよかった」

 

「くっそー!」

 

そうこうしているうちに、シャルルはシールドの裏に装備されている69口径のパイルバンカー。通称盾殺し(シールド・ピアース)を装備しラウラへ直接ダメージを与えていた。

 

それも1度や2度ではなく複数回である。それによりSEが削れられて、あと少しで0に出来るところまで来た

 

「これで、終わりだよ!」

 

「ぐぁぁぁぁぁ~!」

 

(私は…負けるのか…また、欠陥品の烙印を押されてしまうのか…違う!私は、私は、私は!)

 

ラウラは、遺伝子強化試験体(アドヴァンスド)として生み出された。強さこそが全ての中でISが現れたことにより、ラウラを取り巻く環境は一気に変わった。

 

部隊では欠陥品と呼ばれ、それまでの地位や名声はガタ落ちした。幸いにもドイツ軍での特殊部隊「黒ウサギ隊」通称:シュヴァルツェ・ハーゼの隊長を務めた。副官のクラリッサを始め多くの仲間に恵まれていた。

 

そして、日本に赴きかつての教官である織斑千冬に出会ったが今の千冬はIS学園の教師と言う充実している毎日を過ごしていた。

 

ラウラ達シュヴァルツェ・ハーゼはいつ解散させられ処分されるかもわからない日々を送っていたのに…

 

だから、もう一度ドイツで教鞭を振るって貰う日々を、そして共に過ごせる日々を望んでいた…だが、今ここで負けてしまったら…そんな事をしない為にも“力が欲しい”と願ったしまった。

 

“力が欲しい!”

 

(願うか?汝、より強い力を欲するか)

 

“寄こせ力を!比類なき最強ヲ!!!”

 

そう思ってしまったラウラ。だが、それは、悪魔との契約にも等しい禁忌であった。突然ラウラのISの周りに雷が落ち【シュバルツァー・レーゲン】を取り囲んだ。そして、黒く溶け出しラウラを取り込んだ。

 

「うぁぁぁぁぁぁ!」

 

「きゃ!」

 

「デュノア殿!」

 

「あ、あ、た、たすけ…て…」

 

黒くドロドロに溶けだした【シュバルツァー・レーゲン】。その様子を見ていた忠勝達は、ただならぬ気配をしていた。そして、ドロドロが固まり、姿を現した。その姿は…

 

「お、織斑先生!?」

 

「何故だ…あの禍々しい雰囲気は…!デュノア殿来るぞ!」

 

「え?」

 

次の瞬間シャルルがいるところまで、一気に肉薄した偽千冬はシャルルに一太刀浴びせる様にしたが、忠勝が寸前の所で止め鍔迫り合いをすることが出来た。しかし、それもいつまで持つかわからない状態だった。

 

「あ、ありがとう忠勝」

 

「礼には及ばん…しかし、拙者もそろそろ限界でござる…」

 

見てみると忠勝の足元には数滴の血痕が落ちていた。さっきまでラウラの攻撃を受けていたダメージと、偽千冬から受けた一太刀が効いているのだろう。

 

「デュノア殿だけでも逃げてくれ。ここは、拙者が食止め「だ、ダメだよ!」デュノア殿?」

 

「そんなの嫌だよ…忠勝を置いて…逃げるなんて…出来ないよ…」

 

「デュノア殿…」

 

涙目になっているシャルルを見て忠勝は思った。少しはシャルルを頼ってみようと。そして、ある作戦を思い付いたのであった。

 

 

その作戦を聞いたシャルルは大いに喜んだ。自分が頼られていることに…

 

「では、デュノア殿。一緒に戦ってくれるか?」

 

「うん!任せて忠勝!」

 

「では、1分だけ時間を稼いでくれ。それまでに準備を済ませる」

 

「1分だね。わかったよ」

 

そう言って、2人は離れて行った。それを見逃す偽千冬ではない。手負いの忠勝へと向かうのであったが、シャルルはヴェント(55口径アサルトライフル)を乱射し、それが撃ち終わるとガルム(61口径アサルトカノン)を発射し偽千冬の注意を引くのであった。

 

「お前の相手は僕だよ!」

 

「!」

 

偽千冬は忠勝からシャルルに攻撃対象を変え、シャルルを追撃し始めた。そして、約束の1分が経ち忠勝の授業が整った。

 

「忠勝!」

 

「かたじけないデュノア殿。では行くぞ!『拙者こそ、古今無双の武士なり!』」

 

すると、忠勝は全身金色になり、蜻蛉切も巨大な鉾となっていった。それを見ていたギャラリー達は、これ程までに美しい物はないと絶賛する姿であった。

 

そして、巨大な蜻蛉切を振り下ろす。

 

『ゆくぞ!!これぞ無双!でりゃぁぁぁぁ!』

 

「!」

 

ドゴーーーーン!

 

アリーナを揺るがすほどの爆炎が偽千冬を襲い眩い光が辺りを包み込んだ。すると、次の瞬間忠勝は真っ暗な空間にいた。

 

そこでは、何処が上下左右で、浮いているのか沈んでいるのか分らない感覚であったが、奥の方に何かをいる事を感じ取った忠勝はそちらに向かって歩き始めた。

 

すると、1人の少女がうずくまっているのが見えた。その少女はラウラ本人であった。

 

「ボーデヴィッヒ殿か?」

 

「…何だ貴様か。この私を笑いに来たのか」

 

「そんな事はござらぬ。ただ、ここが何処だか知りたいだけでござる」

 

「…そんなの私に聞くな。…私は自分自身が嫌になって来た」

 

「…どうしてでござるか?」

 

「私は出来損だ…何をやっても上手くいかない…」

 

「ボーデヴィッヒ殿」

 

忠勝はどう声をかければ良いか迷っていた。そんな時に真っ暗な空間に一筋の光が現れた。その光はやがて人型となり、そこに現れたのは旧ドイツ軍陸軍の将兵の野戦服を模様した少女が立っていた。

 

「其方は?」

 

『私は【シュバルツァー・レーゲン】のコア人格よ。初めまして本多平八郎忠勝』

 

その子は自身を【シュバルツァー・レーゲン】のコア人格だと名乗っていた。

 

「どうして拙者の名前を?」

 

『貴方の事は【samurai】を通じて、全世界のコアネットワークで知られているわ。【samurai】のコア人格も言っていたわ。いい主に巡り会えたと…』

 

「そうでござったか…して、その【シュバルツァー・レーゲン】のコア人格殿がどうしてここに?」

 

『なに、ちょっと私の主に喝を入れに来たのよ』

 

そう言って、【シュバルツァー・レーゲン】のコア人格はラウラの目の前まで来て、何か言い始めた。忠勝はそれを遠くから見守っているのであった。

 

『いい気味ですね。散々煽っておいて自分は負けたら殻にこもった貝のようになってしまって』

 

「…」

 

『だんまりですか…これでも私は主に感謝しているんですよ』

 

「…感謝だと」

 

『そうです。主のおかげで色々な事が学べました。特に戦闘訓練はとても有意義でした。だから、主には感謝しているんです』

 

「そうか…私は誰かに感謝をする事が出来るのだな」

 

「その通りでござる。形は違えどボーデヴィッヒ殿でも、誰かを感謝にする事が出来るのでござる。これかも…」

 

「…そうなのだろうか」

 

「信じることが出来ぬのであれば、拙者が微力ながら力になろう」

 

「本多忠勝…いいのか?私はお前を殺そうとした奴だぞ。それに、お前の友にも怪我をさせた」

 

「確かにそれは許されない行為でござる。だが、誠心誠意謝れば許してくれるだろう。それに、拙者も付いている」

 

「そうか…なぁ…一緒に謝ってもらうか?」

 

ラウラはおぼつかない手で忠勝の手を握ろうとしていた。忠勝は、それに答えるようにラウラの手を握り返すのであった。

 

「無論。拙者も手伝おう」

 

『話しはまとまったかしら?それじゃあまたいずれ会う日までね…』

 

そう言って、【シュバルツァー・レーゲン】のコア人格は消えていく。

 

 

それと同時に真っ暗な空間は光り輝いて行くのであった。光が晴れると、ラウラはISスーツのまま忠勝の腕の中で眠っており、偽千冬はドロドロに溶けて無くなっていた。

 

そして、傷だらけの忠勝も全快とは言わないがそこそこ回復していた。

 

「忠勝!大丈夫だった?」

 

「デュノア殿。拙者は大丈夫だ。それよりも、ボーデヴィッヒ殿を頼む」

 

「う、うん…」

 

そう言って、忠勝からラウラを受け取ったシャルルはすぐさまIS保健室へと向かうのであった。そして、試合終了の合図が鳴り出した。

 

 

 

 

 

『試合終了~!一時ハプニングがありましたが、勝者シャルル・デュノア&本多忠勝ペア~!』

 

 

 

 

 

タッグマッチトーナメント後ラウラは、学園内にある病院のベットにいた。その様子を千冬はゆっくりと見ていた。

 

「うっ!ここは?」

 

「ここは、学園内にある病室だ」

 

「教官!痛っ!」

 

「無理をするな」

 

「…はい。それで教官、私は一体」

 

ラウラが目覚めると、千冬は姿勢を正してこれまでの事を話し始めた。

 

「本来であれば他言無用になるのであるがな…致し方無い。“VTシステム”を知っているな」

 

「…ええ、搭乗者の身体能力を極限状態まで高める機能ですよね。まさか!」

 

「そうだ、お前のIS【シュバルツァー・レーゲン】にそのVTシステムが組み込まれていた。恐らく搭乗者の欲求、この場合勝利という欲がトリガーとなり発動したのであろう」

 

「…そうですか」

 

「理由はどうあれ、近々ドイツ政府にIS委員会からの視察が入るだろう」

 

「それでは、シュヴァルツェ・ハーゼはどうなりますか!」

 

「安心しろ、シュヴァルツェ・ハーゼは今回の件に関しては無関係であるから、解散されることはないだろう」

 

「…よかった」

 

「話しは以上だ」

 

そう言って、千冬は保健室から出て行こうとしたが、それをラウラが止めるのであった。

 

「教官!」

 

「…何だ?」

 

「…ありがとうございます」

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ!」

 

「は、はい!」

 

「お前は誰だ」

 

「はい?」

 

「お前は…お前は誰でもない。お前はお前だ。それと、本多は強いぞ。私の何倍もな」

 

そう言って、千冬は病室を出て行った。それを聞いたラウラはひとしきり笑ったという。

 

それと入れ替わる形で、忠勝が病室に入って来た。忠勝は、今後の事を相談する為にラウラと話しをしたかったのだ。

 

「失礼する。ボーデヴィッヒ殿、体の方は如何かと?」

 

「お前か…だいぶ楽になった」

 

「そうでござったか。良かった」

 

『……』

 

しばしば無言になる2人。そんな時最初に喋ったのはラウラだった。

 

「…その…すまなかったな。お前の事をバカにしたばかりか、見下す様な事を言ってしまって」

 

「なに、人に失敗はつきものだ。大事なのは、そこからどう立ち直るかである。拙者も何度失敗したことか…」

 

「そうなのか?私には完璧に見えるのだがな」

 

「そんな事はござらん。拙者とて人なのだからな」

 

その時ラウラは思った。失敗するのが人間であれば、遺伝子強化試験体(アドヴァンスド)である私はどうなのだと…

 

「…少しだけ聞いてもらえるか?」

 

「どうしたのだボーデヴィッヒ殿」

 

そこからラウラは自身の過去について話し始めた。

 

遺伝子強化試験体(アドヴァンスド)だった頃。

 

ドイツ軍の将校で部隊を率いていたこと。

 

ISの台頭により欠陥品の烙印を押されたこと。

 

千冬がドイツで教鞭を取っていたこと。思いの丈を話している姿を忠勝はただじっと見ていた。

 

「…以上が私の過去だ。どうだ、驚いたであろう」

 

「うむ、ボーデヴィッヒ殿も壮絶な過去をお持ちなのだな。それにその年で将校だったとは…拙者感服いたしたぞ」

 

「やめてくれ…それでこれかもどうすればいいのか」

 

「先ずは、怪我を負わせてしまったセシリア殿と鈴殿に誠心誠意謝るのだな。拙者も同席するゆえ大丈夫であろう」

 

「その…頼ってもいいのだろうか」

 

「大丈夫でござる。しかし、先ずは身体を治すことが先決でござる。でわな」

 

そう言って、忠勝は病室を後にするのであった。病室に残ったラウラは諦めて、ベットに横になるのであった。

 

 

 

 

その日の夕方。教室に残っていた一夏、忠勝、シャルルは山田先生からある事を告げられるのであった。

 

「織斑君、デュノア君、本多君達にお知らせですよ。なんと!今日から大浴場が使えるようになりました!」

 

「本当ですか!」

 

「ええ、男性の入浴時間は19時以降と少しだけ遅い時間ですが入れますよ」

 

「うぉぉ~!やったぜ!なぁ忠勝!」

 

大喜びする一夏を尻目に、忠勝とシャルルは苦い顔をするしかなかった。忠勝はシャルルが女の子である事を知っているからである。

 

「そうだな。だが、落ち着け一夏。山田先生、最終入浴時間はいつまでなのだ?」

 

「えっと…22時までは終わって欲しいですね」

 

「あい分かった。では、一夏。拙者とデュノア殿は準備があるゆえ、先に行っててくれ」

 

「わかったよ。それじゃあまたな!」

 

そう言って、一夏は教室を後にするのであった。シャルルと忠勝は急ぎ自室に戻り準備を進めるのであった。

 

「どうしよう忠勝!僕は…その…」

 

「落ち着くでござる。先に一夏拙者で風呂に入って来るので、その後に入れば良かろう。長湯はしないようにするゆえ」

 

「う、うん…わかったよ」

 

「では、行ってまいる」

 

そう言って、忠勝は着替えと洗面用具を持って自室を後にするのであった。大浴場には既に一夏が入っており、疲れを癒していた。

 

「なんだか、忠勝と一緒に風呂入るなんて新鮮だな」

 

「そうでござるな。思えばこれまで色々な出来事があったでござるなぁ」

 

ISが開発されて10年。IS適性があるとわかりIS学園に入学し、入学すぐさまクラス代表決定戦での初めての実践。

 

クラスマッチでは謎のISによる襲撃事件。そして、第三の男性操縦者とタッグマッチトーナメントでの偽千冬とのバトル。そんな風に忠勝がしみじみとしていると突然一夏が質問して来た。

 

「なぁ、忠勝。忠勝はどうしてそんなに強いんだ?」

 

「強い?拙者がか?」

 

「ああ、謎のISには勝っちまうし、千冬姉の偽物にも勝ったからなぁ。どうして、そんなに強いと思ってな」

 

「なるほど…拙者は幼少の頃から武芸百般と色々な事を学んできたからのぉ。それが染み付いてしまったのかもしれん」

 

「そっか…俺も忠勝みたいに強くなって、誰かを守ってみたいにな」

 

「…一つだけ言っておくぞ、一夏。其方は拙者のようにはなれん」

 

「ええ!どうしてだよ!」

 

「だってそうだろう。拙者は拙者。一夏は一夏だ。一夏にあって、拙者の無い所もあるはずだ。先ずはそれを伸ばしてみるのが一番だ。それから、少しずつ強くなっていけばよい」

 

「そっか…そうだよな。俺だけの強さを見つければいいんだな。わかったよ!」

 

如何やら納得した一夏は一足先に上がるのであった。忠勝は露天風呂に入って上がろうとしていた。

 

大浴場には旅館並みの露天風呂もあり、風情が一層引き立ている。

 

そんな事を思いながら入っていたので、誰かが入って来た事に気がつかなかった。

 

「おお、美しいなぁ。一夏にも言ったがこのIS学園に入ってから色々な事が起こった…」

 

「それを解決してきた忠勝は凄いと思うよ」

 

「!?その声は…デュノア殿か?」

 

「う、うん///き、来ちゃった///」

 

忠勝の背中越しに聞こえて来たのは、部屋で待っている様に言っていたシャルルであった。忠勝は何故ここに来たのか分からなかった。

 

「…デュノア殿どうしてここに来たのでござるか?部屋で待っている様に言っておいたはずだが」

 

「その…待っているのが辛くてね。けど、安心して。一夏が出て行くのを確認してから入って来たから」

 

「そうであろう。鉢合わせをしていたら、大変な事になるでござるからな」

 

「そうでしょう…その…入ってもいいかなぁ」

 

「ああ、拙者はもう上がるゆえゆっくりと入ってきてくれ」

 

忠勝が露天風呂から上がろうとした瞬間シャルルは待ったをかけてきた。

 

そして、これまでの感謝の気持ちを伝えてきたのであった。

 

「待って!忠勝に言いたいことがあるんだ…」

 

「デュノア殿…分った。拙者は向こうを向いている故デュノア殿も湯に浸かるといい」

 

「あ、ありがとう。それじゃあ失礼するね」

 

そう言って、シャルルと忠勝は背中合わせに座って、湯に浸かるのであった。

 

「先ずは、忠勝には大変お世話になったよ。僕の秘密を守ってくれたり、IS学園に居させてくれたりしてくれて」

 

「なに、礼には及ばん。拙者は拙者のやりたいようにしたまででござる」

 

「そうなんだけどね。結果的に僕はまだIS学園にいる事が出来た。それだけで十分嬉しい事なんだよ。だから、ありがとうね。忠勝」

 

「そうでござったか」

 

「うん。それに、さっき篠ノ之博士から連絡が来てね。僕の会社続けられそうなんだ」

 

忠勝が風呂に入っている同時刻に束がデュノア社に、第三世代の製造データを匿名で送り付けた。

そこには

 

 

 

『デュノア社の娘さんを悲しませたら…分っているよね』

 

 

とメッセージが綴られていたらしい。

 

「だから、安心出来たんだ。これで堂々と女の子としてIS学園に居られるって思うとね」

 

「良かったでござるな」

 

「だからね…」

 

そう言って、シャルルはお湯から上がると忠勝が見えないことをいい事に大胆な事をしでかした。

 

 

それは…

 

 

「ありがとう忠勝///」

 

「!デュノア殿!?」

 

突然忠勝の背中に抱きついて来るのであった。タオル1枚越しに感じるシャルルの心音に驚いた忠勝であったがシャルルは、止まらなかった。

 

「ねぇ、忠勝が良ければ僕の本当の名前で呼んでほしいんだ」

 

「本当の名前とな?」

 

「うん。僕の本当の名前は…シャルロット。シャルロット・デュノアが本当の名前なんだよ」

 

「シャルロット…とな?」

 

「うん。僕のお母さんが付けてくれた名前なんだ。だから、そう呼んで欲しいな」

 

「…分ったでござるよ。シャルロット殿」

 

「ありがとうね忠勝///」チュ

 

そう言って、シャルルもといシャルロットは勢い良く露天風呂から出ていくのであった。忠勝は頬に柔らかい物が当たった感触を確かめることなく、露天風呂に入り直した。

 

 

 

そして、風呂から上がって部屋に戻ると既にシャルロットは布団の中にいた。起こすのも忍びないと思った忠勝は、栄子と翔子を連れて川の字になって眠るのであった。

 

 

 

次の日。忠勝は朝早く起きたが、既にシャルロットの姿は無かった。代わりに手紙が一通置かれていた。

 

『昨日はありがとうね。今日から女の子として通うから、早めに出て行くよ。今日の帰りに布団を取りによるね』

 

「お兄様!シャルルさんは~?」

 

「兄上、シャルルさんの姿が見えないのですが」

 

「栄子と翔子か。心配いらぬデュノア殿は一足先に出て行っただけだ。我々も食堂に参ろうか」

 

『はい(はーい!)』

 

そう言って、栄子と翔子を連れて食堂に向かのであった。

 

そして、教室に着くと一夏がシャルルがいないことに気づいて、忠勝に言って来た。

 

「なぁ忠勝、シャルルの奴何処にいるか知っているか?」

 

「さぁ拙者も朝起きたら、用事があるから先に出て行くと言った文を残して行ってしまったのでな」

 

「ふ~ん…まぁいいや」

 

そう言って、自分の席に戻る一夏。それと同時に山田先生がぐったりした状態で教室に入って来た。

 

「え~と皆さんに報告があります。今日は転校生と言うか…転入生を紹介します。それではどうぞ」

 

教室が一気にざわつき誰もが転校生に興味を持った。そんな中忠勝はある予感があった。

 

「皆さんシャルル・デュノア改めてシャルロット・デュノアです!よろしくお願いしますね!」

 

「え~デュノア君はデュノアさんと言うことでした。はぁ、また部屋割り考えないといけませんね…」

 

山田先生が必死に部屋割を考えている中忠勝はある事が気になっていた。それは、これまでの一緒に暮らしていた事や昨日の大浴場の事であった。

 

「え!?そう言えば、デュノアさんと本多君って一緒暮らしていたよね」

 

「確かに一緒にいるところをよく見かけていたし…まさか!もうデキてるの!?」

 

「それに、昨日って男子の入浴時間あったよね」

 

「え、あの時入っていたのって織斑君と本多君だったよね」

 

「え、まさか…」

 

そして、昨日の大浴場の件について勘違いをしていた鈴が【甲龍】を纏い1組乗り込んできた。だが、意外な人物がこの場を収めるのであった。

 

 

「一夏ーー!」

 

 

「げ!鈴!」

 

「死ね~!」

 

瞬間一夏は目を閉じたがいつまでたっても痛みは感じなかった。なぜならラウラが【シュヴルツェア・レーゲン】の腕のみを展開しAICを発動していたからである。

 

「サンキュー、ボーデヴィッヒさん」

 

「礼には及ばない。それと、私のことはラウラでいい」

 

「…そっか。わかったよラウラ」

 

そう言って、鈴の暴走を止めたラウラはISを解除して千冬に向き合った。同時に忠勝も千冬にお願いするのであった。

 

「織斑先生(・・)、少しだけ時間を貰ってもいいですか?」

 

「ああ、構わん」

 

「ありがとうございます」

 

「拙者も良かろうか?」

 

「本多もか?手短に頼むな」

 

千冬の了承を得たラウラと忠勝はクラスに向き合ってこう言った。

 

「かたじけない…みな、昨日の風呂の件だが確かに一夏は関係ない。拙者が時間を気にしかなかったゆえ、シャルロット殿がたまたま(・・・・)大浴場に入って来て鉢合わせてしまったのだ。言い訳の様に聞こえるであろうが事実である。すまなかった」

 

 

 

『ええええええ!』

 

 

 

「無論。拙者はシャルロット殿の姿を見ておらん。それでも疑うのであれば、どんな罰でも受ける覚悟でござる」

 

「……」

 

突然の告白に困惑するクラスメイト達。だが、皆は分かっていた。忠勝が間違いを起こす訳がないと。

 

「大丈夫だよ本多君!私もついつい時間を気にしないで長湯する時あるし」

 

「そうだよ。だけど、次からは気を付けてね」

 

「皆の者…かたじけないでござる」

 

そして、今度はラウラが謝る番であった。忠勝もその様子を見守っているのであった。

 

「この度はその…皆に迷惑をかけた。すまなかった」

 

両人は頭を下げた。しかし、皆からは意外な反応だった。

 

「別にいいよ!」

 

「うん、うん、2人とも謝ったし文句は言わないよ」

 

「そうだよ!だから、ボーデヴィッヒさんも本多君も頭を上げてよ」

 

「みんな…感謝する」

 

これで解決と思った忠勝であったがラウラが思いもよらない行動に出たのだ。そのまま忠勝に近づくと驚きの行動に出るのであった。

 

「良かったでござるな。ボーデヴィッヒ殿」

 

「ああ、重ね重ね感謝している。それとこれからはラウラと呼んでくれ」

 

「承知した。ラウラ殿」

 

「それと…これは餞別だ…んっ」

 

「どうしたでござる…んっ!?」

 

「なっ!」

 

 

『キャーー!』

 

 

 

なんと忠勝の手を引いてあろうことかキスをしたのだ。クラスメイトや鈴の目の前で!そして、高らかにこう宣言した

 

お前は私の嫁にする!これは決定事項だ!異論は認めん!」

 

「なんだと?」

 

これを見て黙っていなかったのが、以前から忠勝を慕う者達であった。その中でも最近まで同棲していたシャルロットは我慢の限界であった。

 

「う~ずるい!こうなったら……僕も!忠勝こっちむいて!」

 

「うん?…っん!」

 

「んっ」

 

なんと、シャルロットも抑えきれず忠勝にキスをしてしまったのだ。これに一番驚いていたのは、箒、セシリア、神楽であった。

 

 

 

『あーーーーー!』

 

 

 

そんな状況にも関わらずクラスメイトは呑気に構えていた。

 

「え!やっぱりシャルロットさんと本多君ってそんな関係だったの!」

 

「うは~こりゃあ…大変だね~」

 

「けど、これで夏の本が厚くなりそう!」

 

「お前達…いい加減にしろーーー!」

 

このハプニング騒動に、今日も千冬の怒号が飛び交う1組であった。

 




今回で「戦国武将がIS世界で生きていく」のタッグマッチトーナメント編が終わったので、次は「盲目の男は空を飛ぶ」か「IS学園で最強になる!」をタッグマッチトーナメント編まで進めます。

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