戦国武将がIS世界で生きていく   作:とあるP

5 / 19
とあるPです。

1月も終わり2月となりましたが、ゆるゆると進めていくのでよろしくお願いします!

それでは、本編どうぞ!



第五話 忠勝と蜻蛉切

IS【打鉄】での歩行訓練が終わった次の日。千冬が授業をしている時の出来事であった。1週間後のクラス代表決定戦の話しであった。

 

「織斑。来週のクラス代表決定戦だが学園での予備機がない。よって、専用機が与えられることになった」

 

「え~!1年生のこの時期に!?」

 

「それって政府から援助があるってこと!?」

 

「いいなぁ~私も専用機欲しい~」

 

皆が羨ましる中当の本人は状況が飲み込めないていないようだった。そこで忠勝はあるページを読むように指示した。

 

「一夏、教科書6ページだ」

 

「え?えっと…現在、幅広く国家・企業に技術提供が行われているISだが、その中心たるコアを作る技術は一切開示されていない。世界中にあるIS 467機、その全てのコアは篠ノ之束博士が作成したもので、これらは完全なブラックボックスと化しており、未だ博士以外はコアを作れない状況にある。

しかし博士はコアを一定数以上つくることを拒絶しており、各国家・企業・組織・機関では、それぞれ割り振られたコアを使用して研究・開発・訓練を行なっている」

 

「そうだ。だから、全世界に467個しかないISコアの内1個を織斑専用にする。これでいいか?二度目はないぞ」

 

「お~わかったよ!ちふ…織斑先生」

 

「よろしい。では授業を再開するぞ」

 

一夏のISコアについて説明して授業を再開しようとしたが、1人の女子生徒が遠慮がちに質問して来た。

 

「あの~ちょっといいですか?」

 

「なんだ?」

 

「織斑君はわかったんですけど、本多君は…」

 

一夏のISは政府からの支援で、忠勝のISの出所が分かっていない。それもそのはず。忠勝は学園で使用している【打鉄】を使って出るのだから。

 

「それはだなぁ…その…」

 

「織斑先生。言いにくいことであれば、無理にでも言わなくても結構ですぞ」

 

「その…すまん。本多には専用機が無くてな、学園で使用している【打鉄】で出てもらう」

 

 

「えー!」

 

 

この回答に異を唱えたのは箒や静寐、神楽、清香もこれに賛同した。

 

「な、納得いきません!」

 

「何故、ほ…忠勝さんには専用機がないのですか!?」

 

「…政府からの返答によると、一般生徒に割ける程のコアはないとの事だった。それよりも、ブリュンヒルデの弟にやった方がマシだと言われてしまってな。…正直言って私は怒りを覚えた。同じ生徒なのに、どうしてと」

 

「そんな…」

 

「あんまりですわ…」

 

「忠勝はそれでいいのか?」

 

「うむ。役人がそう言ってしまっては仕方あるまい。学園で使用している【打鉄】で挑もうではないか」

 

「忠勝…」

 

「皆そう心配する様な顔をするでない。織斑先生も協力感謝している」

 

「本多…すまん」

 

「さぁ、授業の続きと参ろうか」

 

千冬は複雑な顔をしているが、本人がそう言っているのであれば無下にするのも悪いと思ったので、授業を再開するのであった。授業が終わった直後セシリアは忠勝と一夏のところに来た。

 

「良かったですわ。まさか訓練機で試合するのかと思いましたわ」

 

「ああ、これで対等に出来るぜ」

 

「フン、負けて吠えずらかかない事ですわね」

 

「そっちこそな」

 

専用機で戦う一夏に対して、セシリアはせめてもの温情として、ハンデを与えよとした。しかし、忠勝はそれをキッパリと断り、全力で来いと言ったのだ。

 

「それで、貴方は訓練機ですからハンデとか必要でしょうか?」

 

「生憎と必要はない。全力で戦って来てほしいものだ」

 

「…何ですって」

 

「武士に二言はござらん」

 

「ッ!…そうですか。貴方はそこまでバカな方だとは思っていませんでしたが…後悔しないことですわね!」

 

そう言って、ツカツカと音を立てながら教室を出て行くのであった。それを見ていた静寐、神楽、清香は心配そうにして来た。

 

「大丈夫?今からでもハンデもらったら?」

 

「そうですね。セシリアさんは代表候補生なのですから」

 

「忠勝君大丈夫?」

 

「ああ、心配してくれてありがとう。だが問題ござらん」

 

そう言って、皆を宥めるのであった。その後昼食となり、いつものメンバーと栄子と翔子を加えて食堂に向かって行くのであった。そこに、見ず知らずの人が加わって来るのであった。

 

「そういえば忠勝はISの訓練とかやっているのか?」

 

「拙者か?拙者は「あれ?もしかしてだけど噂の男性操縦者って君たちなの?」む?」

 

そこ現れたのは、赤色の髪の毛をショートカットにした、女子生徒であった。ネクタイの色は赤色で3年生にあたる。1年生は青色。2年生は黄色。3年生は赤色と分かれているのだ。

 

「ええ、そうですけど」

 

「聞いたわよ。代表候補生とISバトルするんですって?因みに稼働時間とかは?」

 

「えっと…10分ちょっとですかね?」

 

「それじゃあダメね。代表候補生となるとざっと300時間以上は乗っているから。ISの強さって稼働時間と比例するのよ」

 

「そうなんですか?」

 

「ええ、見たところ隣にいる貴方も少なそうだしね。ねぇ良かったら私が教えて上げましょうか?私なら100時間は乗っているしね」

 

「それなら「大丈夫です!一夏と本多さんの面倒は私が見ます!」箒?」

 

ここで、待ったをかけたのは以外にも箒だった。そして、その女子生徒に対して自身が大天災篠ノ之博士の妹である事を告げるのであった。

 

「あら、貴女1年生じゃない。その様子だとこの子達と同じように見えるけど?」

 

「…私は篠ノ之博士の妹ですから」

 

「!そ、そう…わかったわ」

 

そう言って、女子生徒はそそくさと逃げ帰ってしまった。

 

「箒大丈夫なのか?俺と忠勝を見るって言ってもお前も乗ったことがないんだろう」

 

「な、何とかなる!試しに一夏の実力を見せてもらう!腕が鈍っていないか確認する!」

 

「すまんな箒殿。拙者は放課後山田先生とのIS訓練があるゆえ参加出来そうにない」

 

「え!どうして!?」

 

「クラス代表決定戦が決まってから、放課後に山田先生と一緒にIS訓練を行っていてな。だから、参加は出来ん。すまん。しかし、助言程度なら出来るゆえそれでもいいかの?」

 

そう言って忠勝は頭を下げるのであった。箒は迷った。このまま一夏を鍛えるか忠勝と一緒にIS訓練を受けるか…箒が出した決断は…

 

「…わ、わかりました。なら、一夏先ずは腕が鈍っていないか確認する」

 

「ええ!」

 

「放課後、道場に来い!」

 

そう言って、箒は去って行くのであった。そして、案の定3年間のブランクがある事をしり、一から鍛え直すことになった。

 

 

 

 

 

 

IS学園で生活して1週間が過ぎた。そして、今日はクラス代表決定戦当日である。

 

そんな中忠勝はいつも通りの生活を行っていた。これまでは山田先生の下ISの基礎理論。更には飛行技術や格闘術。苦手だった射撃訓練も行い着々と戦う準備は出来ていた。

 

一方の一夏は箒の下3年間のブランクがあった剣道を鍛え直した。そんな事をしていたため、ISに触れる機会はなく、ただただ竹刀を振る毎日だった。

 

現在は第3アリーナにあるピットに忠勝達は居る。セシリアは忠勝と一夏の反対側のピットに居るため、表情を見る事は出来ない。だが、彼女の事だから既に勝利を確信しているだろう。

 

しかし、忠勝は今日までの努力を信じてただ勝つのみとしている。そんな中山田先生が慌ててやって来るのであった。

 

「ほ、本多君~織斑君~」

 

「山田先生?どうしたのだ?」

 

「ハァ、ハァ、じ、実は…」

 

「落ち着いてくだされ。拙者は逃げも隠れもせぬ」

 

山田先生が慌ててやって来たが、落ち着くまで忠勝は待って、理由を尋ねてきた。

 

「は、はい…その…織斑君のIS何ですが、到着が遅れているのです」

 

その内容は一夏のISを発注している企業『倉持技研』から一夏のISの搬入が遅れているとの連絡が入ったのだ。

 

本来あってはならない事だが、今は大事な試合。時間は惜しい。

 

「時間も惜しい。そこで、順番を入れ替える。先ずは本多とオルコットが先に試合をしてもらう」

 

「わかりました」

 

「忠勝…すまん」

 

「そう謝るな一夏。お主は悪くない」

 

「だけど…」

 

「なに、順番が早まっただけど思えばよい。織斑先生して拙者の機体は?」

 

「ああ、それなら『ちょっと待った~!』む?」

 

千冬が忠勝の機体に案内すると思ったら、ピットにあるスピーカーからある声が聞こえてきた。その声はここにいる関係者であれば誰もが聞き慣れた声だった。

 

『おいっす!皆のアイドル束さんだよ~!』

 

『束!?(さん)』

 

「姉さん!?どうしてここに!?」

 

『説明している暇なんてないよ!たーちゃん!元気そうだね!』

 

「うむ。束殿も息災で何よりだ」

 

「本多さん!?いつから姉さんと知り合っていたんだ!?」

 

「以前箒殿の相談に乗った時だ。その後束殿の相談にも乗ってな」

 

「そうなのか…」

 

あの人をゴミ同然としか思えない束が忠勝とそういう仲だったとは千冬も思っていなかった。そうこうしているうちに、束は忠勝にある物を渡すように指示していた。

 

『そうそう、たーちゃん専用機が届くと思うからよろしくねー!』

 

『ハァ!!』

 

「どいうことだ!束!?」

 

『どいうことかってそのままの意味だよ。ちーちゃん』

 

「ちーちゃんと呼ぶな!そもそも本多に何故専用機を渡すと言ったんだ!」

 

『たーちゃんはね、束さんの夢に共感するし、こんな事も言ってくれたんだよ///』

 

そう言って、束は忠勝と出会った時の事を話し始めた。

 

“「例え世界が束殿の敵になったとしても、拙者だけは味方だ」”

 

“「えっと…それって、私を守ってくれると思ってもいいの?」”

 

“「無論、この蜻蛉切に誓って其方の夢を守ろうと誓おう」”

 

『ってことがあってね!大急ぎで専用機作っちゃた♪』

 

これに飛びついたのは箒だった。なぜか血涙を流しながら忠勝に詰め寄った。

 

「本多さん!?どうしてこんな事を言ったんだ!?」

 

「どうしても言われても…拙者はただ束殿の力になりたいと思ったまででござる」

 

「と言う事は姉さんの事はどう思ているんだ?」

 

「どうとは?」

 

「えっと…(女の子として)大切な存在なのか?」

 

「そうだな…(同じ夢を持つ者として)大切な存在だ!」

 

ガーン!と思い、忠勝に振られてしまったと思う箒であったが、次の一言で立ち直るのであった。

 

「やはり、束殿の夢を叶えるため、これからも粉骨砕身の努力をしてまいる」

 

「えっと…姉さんの事は?」

 

「うん?同じ夢を持つ者として大切な存在だ」

 

「そ、そうだんだな!そうだよな!あ~良かった」

 

「箒殿?どうしたのだ?」

 

「あ~忠勝。気にしなくてもいいと思うぞ。それよりも束さん。忠勝の専用機ってどうなっているんですか?」

 

『強引に話しを戻したねいっくん…まぁいいや。これがたーちゃん専用機になるよ!』

 

そう言って、束が言うとピットに一機のISが登場した。

 

そのISはISサイズでもあろうかの1つの甲冑であった。兜は「鹿角脇立兜」。鹿の角をあしらった脇立は何枚もの和紙を貼り合わせて黒漆で塗り固めたもの。鎧は当世具足「黒糸威胴丸具足」。自らが葬った敵を弔うため、肩から大数珠をさげるのが常であったといわれる。又、動きやすさを重視し軽装となっていた。

 

『名付けて“samurai”日本語呼びで侍って呼ぶんだ!』

 

「これが…拙者の機体か…懐かしいのぉ」

 

「忠勝?どうしたんだ」

 

「いや、昔を思い出してな。これを纏って戦場(いくさば)を愛馬三国黒(みくにぐろ)と駆け回った、あの頃が懐かしい」

 

「戦場って忠勝いつの「本多。時間が惜しい、急いで準備をしてもらうぞ」千冬…織斑先生」

 

「今は忙しい。終わったら話しを聞くのもいいだろう」

 

「…わかったよ」

 

そう言って、忠勝はIS【samurai】に触った。すると、光が舞い始め辺りを照らし始めた。

 

「わかる。分かるぞ、このISの【samurai】の全てが…」

 

頭の中に【samurai】の情報が入ってくる。どんな武装があるのか、どうやって動くのか、そして、どうやったら勝てるのかを想像していた。そして、光が収まるとIS【samurai】を纏った忠勝がいた。その格好は戦場に降り立つ武士その物だった。

 

「忠勝…格好いいな!」

 

「一夏、ありがとう。では、行ってくる」

 

「本多さん!か、勝って来るんだぞ!」

 

「箒殿…あい分かった。それと、今後拙者の事は忠勝でよい。

 

「わ、分かった…忠勝!頑張れ!」

 

『承知!!』

 

箒の激励を受けた忠勝はセシリアが待つアリーナ内に出た。ピットから射出され出て行く姿を見た栄子と翔子は『兄上(お兄様)~ご武運を~!』と箒同様に激励し、静寐、神楽、清香は「忠勝君が見たこともないISで出て行った!」と驚愕していた。

 

 

そんな中セシリアは飛行しており、忠勝は地面に立つ格好となった。そして、試合開始前にセシリアから提案があったが…

 

「最後のチャンスをあげますわ」

 

「チャンス?」

 

「ええ、私が勝つのは自明の理。ですから貴方がこの場で土下座するのであれば見逃してさしあげますわ」

 

「…断る!」

 

忠勝は一蹴した。

 

「何故です?」

 

「一度この場に来た時点から覚悟は決まっていた。勝たなければ命はないとな」

 

「…それだけの覚悟があるのにも関わらず、私に挑もうと」

 

「無論。そのつもりである」

 

「…わかりました」

 

そう言って、セシリアはスターライトmkⅢを構えた。すると、【samurai】にIS【ブルー・ティアーズ】の情報が流れ込んできた。

 

敵ISの武装

スターライトmkIII…巨大な特殊レーザーライフル。このISの主力武装。

ブルー・ティアーズ…ビット型の武器。

インターセプター…接近戦用のショートブレード。

 

対する忠勝も自身の武装を確認するのであった。

 

samuraiの武装

蜻蛉切…刃長43.8cmの笹穂型の大身槍

短筒…火縄銃の拳銃版。

???

 

「この項目は何だ?何も出てこんが…まぁ良いか」

 

「お喋りはその辺にしてくださいな」

 

そして、クラス代表決定戦の火蓋が切って落とされた。

 

『間もなくセシリア・オルコット VS 本多忠勝のクラス代表決定戦を行います。それでは、試合開始!!』

 

「先手必勝ですわ!」

 

そう言って、セシリアはスターライトmkの引き金を引いた。直後に忠勝めがけてビーム光線が降り注ぐ。しかし、忠勝はその射線を見切って躱すことに成功した。

 

「甘い!」

 

それから忠勝は回避に徹した。山田先生から以前セシリアのISについて特徴を聞いていたからである。そんな中忠勝は考えた。どうしたら自身の近接攻撃が出来るのか。

 

(やはり、近づかなければいかないか…しかし、どうしたら近づけるか)

 

近づこうにもセシリアは空中にいる。ある程度の空中操作は覚えていたが、そこはセシリアに分がある。そうこうしているうちに、忠勝は壁際に追い詰められていた。

 

「ぬう、ぬかった!」

 

「左足貰いましたわ!」

 

忠勝の一瞬の気が緩んだすきにセシリアは左足を狙ってきた。これを回避するのは難しいと判断した忠勝は、蜻蛉切を取り出しなんとビーム光線に叩き付けた。

 

「でりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

キーーーーン!

 

すると、蜻蛉切に当たったビーム光線は真っ二つに割れて壁にぶつかった。他の人達はまさかビーム光線を切ると思っていなかったのか、啞然としていた。

 

それを見たセシリアはこれでは不味いと思い4基のビット【ブルー・ティアーズ】を射出させた。ビットに翻弄されながらも忠勝は回避に専念し続けた。

 

(先程は上手くいったが、今度はそうもいかんな…どうしたことか)

 

忠勝が避けるのも限界が来ていた。そして、右頬をかすめた時にSEが40%を切ったのであった。それを見たセシリアは再度降参するように言ってきた。

 

「ぬかった!残り僅かか…」

 

「もうよろしいではないですか!降参してくださいまし!」

 

「それは出来ぬ。先程申した通り我は勝つまで戦うつもりだ」

 

「…そうですか。では、私の全身全霊をもってお相手致しますわ!」

 

「本多平八郎忠勝、推して参る!蜻蛉切よ、我に示せ!」

 

そう言って、蜻蛉切を振るった忠勝。目の前には4基のビットから放たれたビーム光線。誰もが忠勝が負けると思ったその時、どこからともなく馬の鳴き声が聞こえてきた。

 

 

 

 

ヒヒ―ン!

 

 

 

 

そこに現れたのは、三国一黒毛が美しい馬が現れた。その馬こそ忠勝の愛馬である、三国黒だった。

 

「馬!?」

 

「おお、あれは、我が愛馬三国黒!来てくれたのか!」

 

そう言って、三国黒は忠勝とピットの間に立つと忠勝に乗る様に指示した。

 

「乗れと言うのか?」

 

その言葉に三国黒はコクンと頷いた。

 

「ありがたい。では、共に駆けようではないか!はぁ!」

 

ヒヒ~ン!

 

三国黒に跨った忠勝は、空中にいるセシリアをひと睨みすると、全速力で駆け出した。すると、三国黒と忠勝はセシリアに向かって一直線に進んで行った。

 

「っく!来なさい、ブルー・ティアーズ!」

 

負けじとセシリアもブルー・ティアーズで応戦する。しかし、蜻蛉切を振るった忠勝は4基のブルー・ティアーズを撃ち落としていく。

 

「とっ」ボン!

 

「せいっ」ボン!

 

「てえぃっ」ボン!

 

「でいやぁっ」ボン!

 

「な!!」

 

これでセシリア (本丸)は丸裸同然となった。そして、一気に向かって最後の一振りを浴びせようとしたところ不意にセシリアが笑った。

 

「お生憎様ですわ!ブルー・ティアーズは6基(・・)ありましてよ!」

 

何とスカート部分に隠してあった2基のミサイルを発射させたのであった。

 

「なに!」

 

ドガ~ン!

 

「忠勝~!」

 

『兄上!(お兄様!)』

 

『忠勝君!?』

 

土煙が飛び交う中セシリアは勝利を確信していた。だが、そこには忠勝がまだ立っていた(・・・・・)。三国黒は居なくなっていたが、確かに忠勝は立っていた。

 

 

セシリアは驚愕していた。SEもほぼ0になっていたはず、寧ろ0に等しい。だが、忠勝は決して倒れようとはしなかった。

 

「なぜ、何故なんですの!なぜ貴方は立ち続けるのですの!?」

 

「我は…誓ったのだ。この…世界…を…変えると…おお…大殿に…だから!勝ち続けなければならんのだ!」

 

「そこまでして…」

 

「だから…オルコット殿。これで…最期にしようではないか」

 

そう言って、忠勝はIS【samurai】を解き蜻蛉切のみを部分展開した。この一撃にかけるために…

 

それを見たセシリアも、同様にスターライトmkⅢを格納し、ショーブレイドの「インターセプター」のみを出した。

 

「わかりましたわ。私も騎士道精神に則り、この一撃に全てをかけましょう」

 

「それでこそ拙者が認めた相手。いざ!参らん!」

 

「行きますわよー!」

 

お互い最期の一撃にかけるため突撃をするのであった。

 

「うぉおおおーっ!」

 

「やー!」

 

ザン!!

 

互いに交差し思い思いの一撃を放った。果たして…

 

「…見事」

 

「…お互い様ですわ」

 

ドサッと2人して倒れ込んだ。如何やら勝負は相打ちとなった。それを見ていたギャラリーからは割れんばかりの喝采が起きた。

 

『セシリア・オルコット【ブルー・ティアーズ】、本多忠勝【samurai】互いに戦闘不能!よって引き分けとする!』

 

ワァァァ~!

 

すぐさま担架が運ばれてきたが、忠勝は起き上がりセシリアの下に向かって行くのであった。

 

「見事良き戦いであった」

 

「…私も楽しかったですわ」

 

「うむ、また手合わせを願いたいものだ。オルコット殿」

 

そう言って、忠勝はセシリアの手を取り優しく微笑むのであった。すると、セシリアの顔が真っ赤に染まって行くのが分かった。

 

「!///」

 

「どうしたのだ?」

 

「な、なんでもありませんわ!///」

 

そう言って、担架と共にそそくさとアリーナを後にするのであった。

 

 

 

休憩とエネルギーを補給して忠勝は一夏と対峙していた。セシリアの【ブルー・ティアーズ】はダメージが大きく次の試合は間に合わないと言う事で、忠勝が先に一夏と勝負する事になっていた。

 

「待ちくたびれぞ一夏」

 

「こっちこそ早く出来ないかとウズウズしていたぜ」

 

「その言葉いつまで信用できるかな」

 

『それでは、クラス代表決定戦第二試合。織斑一夏 VS 本多忠勝の試合を開始する。試合開始!』

 

「行くぜーーー!!」

 

「本多平八郎忠勝、推して参る!」

 

真っ向勝負の一夏に対して忠勝は出方を探っていた。そして、その癖を一瞬で見破るのであった。

 

「どうした!ただ真正面からでは我は倒れんぞ!」

 

「ちぃ!強い」

 

「今度はこちらから行くぞー!はあっ!」

 

「ぐぅ!お、重い!」

 

「まだまだ!でいやぁっ」

 

「ぐわー!」

 

蜻蛉切の一振りで一夏のIS【白式】の20%を持っていかれていた。更に忠勝は乱舞を付け加えそろそろ【白式】のSEが切れそうになっていた。

 

「これで…最後だ!」

 

「ぐぁぁぁ~!」

 

だが、いくら待っても試合終了の合図が来ない。土煙が晴れるとそこには、真っ白な騎士の格好をした一夏と【白式】が現れた。これを見ていた千冬は『機体に救われたな』と呟いていたそうだ。

 

「これが…白式の真の姿なんだな。俺は世界最高の姉を持ったぜ」

 

「…なるほど。さすれば、拙者も本気で参ろう!『拙者こそ、古今無双の武士なり!』」

 

すると、忠勝が全身金色になり、蜻蛉切も巨大な鉾となっていった。

 

『ゆくぞ!一夏~~!これぞ無双!』

 

「ちょっと待って!それはないだろう!」

 

 

ドゴーーーーン!

 

 

アリーナを揺るがすほどの爆炎が一夏を襲い、一撃でSEが0になり一夏の敗北が決まった瞬間であった。

 

「敵将、討ち取ったり~!」

 

『白式SEエンプティ!よって本多忠勝の勝利!』

 

ワァァァ~!

 

第三試合セシリア・オルコットVS織斑一夏の試合は、両者のISが試合実行不能なため、試合が出来ず仕舞いとなった。こうして、クラス代表決定戦は幕を閉じたのであった。余談ではあるが、この日を境に忠勝と一夏の非公式のファンクラブが出来た。

 

 

 

 

 

同日の夜。天蓋付きのベットや様々な宝石を散りばめてい部屋の主であるセシリアは普段カールで纏めている髪を降ろしシャワーを浴びていた。

 

10人全員が美人と答えるくらい引き締まったボディに魅力的なヒップ。万人の女性が羨むくらいのバストに熱い雫が垂れていた。

 

しかし、頭の中はある人の事でいっぱいだった。

 

「本多…忠勝さん」

 

自分を対等に見てくれた。そして、全力でぶつかってくれた。

 

 

 

 

 

今まで出会った男の人達は自分を見てくれていなかった。オルコット家という貴族扱いしか見てくれなかった。いつも強く気高い母。物腰は低かったが、優しく接してくれた父。そんな2人と数十人のメイド達に囲まれて何不自由のない暮らしをして来た。

 

あの時までは…

 

それは、両親が揃って出かけた時にロンドンで起こった列車事故。奇跡的にも両親は生き残った。

 

しかし、半身不随の身体になり、更にオルコット家で運営していた経営が悪化。

そんな中メイド達もやめていき、残ったのは幼馴染のチェルシーだけ。彼女だけが残ってくれたおかげである程度持ち直した。

 

だが、そんな出来事を知った他の人がセシリアを求めて来た。当然両親とチェルシーは断り続けて来た。

 

そして、セシリアはオルコット家再建の為IS適性を受け「A」判定とイギリス代表候補生の地位を得た。

 

そこから【ブルー・ティアーズ】の更なる技術向上を行う為IS学園へ入学したのであった。

 

「初めて会った時は、よく分からない方でしたわ。ただ、あんなにも熱い戦いをしたのに…あの方の笑顔が頭から離れないですわ」

 

「それに、何でしょうか…この胸の高鳴りは」

 

その時思った。純粋にこの気持ちを知りたいと。そして、何故敵である私に優しくしてくれたのかを

 

「本多忠勝さん…(わたくし)はもっと貴方のことを知りたいですわ///」

 

その顔は恋する乙女そのものだった。同時刻のイギリスオルコット家では、幼馴染のメイドであるチェルシーは「お嬢様に何かあった」と思うのであった。

 




本来ならばセシリアの両親は死亡しているのですが、本作では生存させていただきます。

オリジナル展開ゆえ誠に申し訳ございません。

次回はIS学園の日常回そして、中国代表候補生の登場です!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。