久しぶりの投稿となり申し訳ございません。
最近見る専に戻りつつあったので、ここらで投稿しないといけないと思い一話投稿しました!
それではどうぞ!
箒との剣道手合わせは後日行うことになった。幸い箒に怪我はなく、直ぐに保健室から退院する事が出来た。
雅も軽い脳震とうを起こしていたが、箒同様に直ぐに保健室から退院する事が出来た。その事を聞いた忠勝は、後日雅の元に菓子折りを持って謝りに行こうと思っていた。
そして、現在雅の部屋に忠勝は菓子折りを持参してきた。
「すまぬが、ここに佐々木雅殿はいらっしゃるか?拙者本多忠勝平八郎と申す」
『え!?ほ、本多君!?ちょ、ちょっと待っててね!雅~』
どうやら同室の女の子は忠勝が来た事に慌てているらしい。そして、待つこと数十分。ラフな部屋着姿で雅は現れた。
「ごめんね~絵美ったら忠勝君が来て慌てていたもんだからさぁ」
「え~だって、だって、だって~!あの男性操縦者の本多君が来たら慌てるよ~」
「突然訪ねてしまい失礼する。どうしても、先日の事を謝っておきたくてのぉ…」
「律儀だね、本多君は~。そんな事だから雅が「ちょっとストップストップ!」はいはい…」
「?」
絵美の話しを突然止めた雅。これに対してニヤニヤと笑う絵美。
ただ、忠勝だけは状況が分かっていなかった。そう思った雅は、ここで話すのはマズイと思い、別の場所に行こうとした。
「えっと…ここじゃあ何だし何処か行かない?」
「確かに…そうでござるな」
休日のIS学園にはほとんど生徒達は居なくまばらであった。
この日、栄子と翔子は静寐、神楽、清香と一緒に近くのショッピングセンターに買い物をする為外出していた。最初は出かけることに渋っていた翔子であったが、栄子と静寐達の説得により何とか承諾してもらった。「次回はお兄様も一緒に行くんだよ!約束!」そう言われてしまった。
中庭のベンチに腰を下ろした2人は、先日の事について話し始めた。
「先日は申し訳なかった。拙者が不甲斐ないばかりについ…」
「ううん、あれは私が悪かったわ。心の何処かに貴方に勝てると思っていた。それが慢心に繋がってしまったのかしらね」
「しかし、雅殿の剣技はとても素晴らしかった。拙者感服致しましたぞ」
「ちょっとやめてよ///恥ずかしいわ」
頬が赤くなる雅に対して、忠勝はある提案するのであった。それは…
「つきましては、この本多平八郎忠勝。『剣道部』に入部したい所存。いかがだろうか?」
「え?えーー!い、いいの…?そんなに簡単に決めて?」
「まぁ、織斑先生に確認を取らなければならんが、拙者は剣道部に入部したいと思う。無論、武士に二言はない!」
「そっか…それなら、忠勝君の意思を尊重するよ。入部が決まったら連絡してね。剣道部一同忠勝君を歓迎するよ♪」
「おお、かたじけない。不肖本多平八郎忠勝。粉骨砕身の勢いで取り組んで参りますので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたしまする」
そう言って、立ち上がり深くお辞儀をした。それを雅は全力で止めるのであった。
雅との会合を終えて忠勝は自室には帰らず、学園内を散歩するのであった。
編入して1ヶ月も経っていない忠勝にとっては、未知の世界であった。時折すれ違う女子生徒達から、挨拶されるなど人気が浮かび上がる。
「あ!本多君だ!」
「え!?ちょっと待って!私メイク落としちゃったんだけど///」
「え~!噂の男性操縦者!?やだ、結構きりっとしているじゃん」
「え?アンタ一夏君狙いじゃなかったの?」
「そうなんだけど~忠勝君って男らしい所あるもんね。この前の雅の件聞いた?」
「聞いた、聞いた!確か本多君から面1本受けたら、気絶したんだって?」
「そうなのよ。そしたら、彼が雅をお姫様抱っこして、保健室に運んだらしいのよ~」
「へぇ~凄いわね」
そんな事を話している女子生徒達から忠勝はある場所について質問していた。そこは、忠勝にとって思い出のある場所となっている。
「失礼する」
『ひゃ!ひゃい!』
「ああ、驚かせて申し訳ない。ちと、訪ねたいのだが、第三アリーナは何処にあるのであろうか?」
「大丈夫、大丈夫!えっと…第三アリーナはね、この通りを真っ直ぐ行って右側に第三アリーナのAピットがあると思うよ」
「そうであったか。かたじけない。では、ごめん」
そう言って、忠勝は第三アリーナのピットに向かって行くのであった。
そして、Aピットにさしかかろうとした時に、勢いよくドアが開き誰かとぶつかってしまった。咄嗟の事で反応が遅れてしまった忠勝であったが、その者は泣いている様に見えた。
「おっと!」
「…っ!」
「今のは…行くしかあるまい!」
そして、気になってその者の後を追うと休憩室のベンチで泣いている鈴の姿があった。
「ハァハァ、確かこちらのほうに走って行ったはず…あれは、鈴殿?」
「た、忠勝…」
「どうしたのだ、鈴殿?どこか、調子でも悪いのか?」
忠勝は鈴に近づき、話しを聞こうとすると、鈴は急に抱きついて泣き始めた。
「忠勝…あ、アタシ…アタシ…うわぁ~ん」ダキッ
「!どうしたのだ…う~ん困ったものだ…」
流石の忠勝も頭を抱えるしかなかった。そして、数十分経ってようやく鈴は離した。
その時自分がとんでもないことをしたのだと知り顔が真っ赤になっていく。
「忠勝…その…ありがとう」
「礼などいらぬ。ただ、少しばかり離れてもらえると嬉しいのだがな」
「え?…あ!ご、ごめん///」
脱兎のごとく忠勝から脱出た鈴。そして、今までの経緯について話し始めた。
第三アリーナでIS訓練をしていた一夏と鈴。鈴は練習後に、一夏へ幼馴染時代から染みついた行動でぬるめのペットボトルとタオルを持って渡した。
一夏はキンキンに冷えた水やドリンクよりもぬるめのドリンクが好きだった。
「お疲れ。一夏」
「おお、鈴かサンキュー!」
「それで、特訓の方はどうなの?」
「あ~いろいな人達と相手したけど全然ダメだったな。こっちの攻撃は弾くし流されるし」
「まぁアンタは昔から剣道だけは良かったからね」
「ほっとけ」
嫌味を言われても、一夏は何処か清々しい顔だった。そんな一夏に鈴は聞きたい事があった。
これを聞く時に自然と心拍数が上ってしまう。
「あ、あのね一夏」
「どうした鈴?」
「しょ、小学校の頃にした約束覚えている?///」
「どうしたんだ急に?」
「どうでもいいでしょ!で?覚えているの?」
「そりゃあ覚えているよ」
「そうよね!」
ちゃんと覚えている事が、鈴はとても嬉しくなった。
しかし、次の瞬間絶望に変わった。
「料理が上手くなったら」
「毎日」
「酢豚を」
『ごちそうする(奢る)!』
一瞬の静寂が訪れる。鈴は「毎日酢豚をごちそうする」と言っていたが、一夏は「毎日酢豚を奢る」と言った。この不一致な回答に、お互いに疑問を浮かべてしまった。
『あれ?(うん?)』
しかし、確認の意味を込めて再度聞いてみても、答えは同じだった。
「料理が上手くなったら、毎日酢豚をごちそうする」
「料理が上手くなったら、毎日酢豚をおごる」
「はぁ?なんでアンタに奢らなきゃいけないのよ」
「そりゃあ、タダで飯食べられるからな。それに、タダよりいい物はないからな」
その言葉に遂に鈴がキレた。
「一夏の…一夏の…」
「うん?」
「一夏のバカーー!」バチーン!
「ぐっは!」
そう言って、鈴は一夏の左頬に張り手を食らわし、立派な紅葉を付けて第三アリーナのAピットから飛び出してきた。その出ていく所を忠勝に見られてしまったのだ。
「そんなことがあったのよ」
「そうでござったか…」
一通り話しを聞いた忠勝は内容を整理し始めた。
要するに鈴は、日本で言う「毎日味噌汁を作ってあげる」=「好きだから結婚して欲しい」と思っていたのだ。こんな回りくどい言い方になったのは、彼らがまだ小学生だったからだ。そんな忠勝は鈴にある事を聞いてみるのであった。
返答次第では、協力を惜しまない覚悟であった。
「して、鈴殿。1つ聞きたいことがあるのだが…」
「…何よ?」
「もしかして、鈴殿は一夏の事が好きなのか?」
その一言に、鈴の顔がみるみるうちに赤くなっていくのがわかる。その行動事態で鈴が一夏の事を好きだと言う事が分かったのだ。
「そ、そ、そ、そんな訳ないでしょう!///だいだい、あんな奴のどこがいいのかしら!」
「そうであったか…変なことを聞いて悪かったでござるな。忘れてくれ」
「あ…」
そう言って、忠勝は休憩室を去ろうとしていた。鈴はこの問題を忠勝と一緒に解決したい思い本当の気持ちを伝えるのであった。
「…待って忠勝。ちゃんと話すわ」
「…鈴殿」
そう言って、忠勝は再度鈴の隣に座った。そして、鈴は話し始めた。
「アタシ、小学校の時に両親の都合で日本に来たんだ。当時はまだ上手く日本語が話せなくて苦労したわ…それに鈴って名前も、二つ並べると『リンリン』って何だかパンダみたいな名前だしね…」
「…」
忠勝は何も言わずに、鈴が話し終わるまで黙っている。
「けどねそんなある日にクラスの男子達がからかってきたのよ。『お前の名前パンダみたいだなぁ』、『それに何言っているのかわけわかんねぇw』とかね…」
「…」
きっと、彼らはただのちょっかいだと思っていたが、鈴はまだ小学生。異国で不安がっている中で、追い打ちをかけるには十分な事であったかもしれない。
けど、鈴の顔は次第に嬉しそうになっていくであった。
「けどね、そんな中でも必死に助けてくれたのが一夏っだのよ」
「そうであったか…」
「うん。日本語が苦手だったアタシに付きっきりで日本語の勉強を教えてくれたり。いじめていた男子生徒相手に、向かって行ったりしてね…その時からかしらね、
「なるほどな。確かに一夏は真っ直ぐなところがるからのぉ」
「うん。そして、中二の秋に中国に帰ることになったから思いっ切って告白したのよ…それを…アイツときたら…」
「盛大に勘違いしていたと」
「うん…」
困った事に忠勝はこの手の話しが、苦手である。今まで忠勝は特定の人を意識したことはない。
例え善行を行ってもそれが当たり前の事だと信じていたからだ。しかし、友人が困っている手前何とか力になりたいと思った忠勝は、鈴にある提案をするのであった。
「なら、鈴殿。今度の大会で勝って一夏に想いを告げればいいのではないか?」
それは、今度行われるクラス対抗戦で一夏は1組の代表として参加する。当然鈴は2組の代表で参加する。
そこで、鈴が勝てばいいだけの話しである。
「けど…「安心なされ」え?」
「それまでの間この忠勝が特訓に付き合おう」
「いいの?アタシ2組だし。敵同士になるかもしれないんだよ?」
「なに、その時はその時でござる。大丈夫でござるよ」
こんなにも、忠勝が頼りになる存在であるだろうと思う鈴であった。そして、その提案に素直に甘えてみることにした。
「忠勝…ありがとね///」
「礼には及ばん。それで、何時から行う?」
「そうね…明日じゃあ遅いから、これからどうかしら?」
時刻は12時を少し過ぎた時だった。流石に昼飯抜きはキツイと判断した2人は、学食で昼飯を食べてから行うことにした。
「ちと、昼餉を食べてから行わないだろう?『腹が減っては戦が出来ぬ』と言うからな」
「それもそうね。それじゃあ行きましょうか」
そう言って、2人は食堂へと向かうのであった。
2人が食堂で食事をしている同時刻。一夏は事の次第を箒とセシリアに話した。2人から出た答えは『ハァ~』と盛大なため息だった。
そして、クラス対抗戦当日。ここまで鈴は忠勝から色々世話になった。
近接攻撃の心得。奇襲やゲリラ戦法の心得。対する一夏も参考書の内容やイメージトレーニングを行い、万全の状態で試合に望むことになった。
ただ、特訓に忠勝を誘うとすると『今は手が離せない』と断れていた。そんな注目の好カードだが、組み合わせはこうなった。
第一試合
織斑一夏 VS 凰 鈴音
「いきなり、鈴とか…」
忠勝はある程度この結果を予想していた。一夏には申し訳ないと思いつつ、鈴には勝って欲しかった。
「鈴殿大丈夫でござるか?」
「ええ、大丈夫よ忠勝。この試合に勝って、一夏にちゃんと言うんだから」
「その意気でござる。さて、拙者は観客席におるからな。武運長久を祈っておるぞ」
「うん。忠勝もありがとうね」
そう言って、鈴は第一アリーナのピットへと向かうのであった。それを見送った忠勝も観客席へと向かうのであった。
観客席では、栄子と翔子は静寐、神楽、清香、本音。そして、箒とセシリアも一緒に座っていた。忠勝が座るのと同時に、一夏と鈴がピットから飛び出して来た。
そして、試合開始の合図が鳴り出した。
「最終確認するけど、本当に謝らないのね?」
「だから、俺が何したんだよ。言ってくれなきゃわからないんだよ」
「…バカ」
鈴の訴えも虚しく、第一試合が始まろうとしていた。
『これより、1年1組織斑一夏VS1年2組凰 鈴音の試合を始めます!試合開始!』
試合開始と同時に一夏は鈴へと真っ直ぐに突っ込んで行く。それを鈴は紙一重で躱し
一方の一夏も雪片弐型で応戦するも、両端の刃を裁くことは出来なかった。
(忠勝が言っていたわね。一夏は真っ直ぐにしか攻撃して来ないって…)
ここで忠勝との特訓が活きてきた鈴。対する一夏は、近接は不利だと判断し一旦離れるのであった。
「ダメか…それなら「そうはさせないわよ!」何!」
しかし、鈴の両肩にある非固定浮遊部位から衝撃砲が発射され一夏を襲った。
「ぐは!」
突然の攻撃に何も出来ない一夏。驚いている箒に対してセシリアが鈴のISについて説明をするのであった。
「どうして攻撃が一夏に当たるんだ!?」
「あれは鈴さん専用IS【甲龍】にある空間圧作用兵器・衝撃砲
「そ、そうなのか…それじゃあ、何処から来るのかわからないと言うのだな」
「ええ。ですから、一夏さんはどこから来るかわからない砲弾を避けないといけませんからね」
そう言っているうちに、一夏のSEはどんどん減っていた。
しかし、一夏もバカではなかった。鈴のちょっとした変化に気づいて避けるようになり受けるダメージが減っていた。
「なんで当たんないのよ!」
「やっとわかったぜ!ここから、反撃だ!」
(落ち着け私。ここで焦ったら忠勝から教わった事が台無しじゃない…)
忠勝からは一言『常に冷静沈着。周りの状況をよく見よ』との事だった。
だからこそ、鈴は周りの状況を見て、攻撃のチャンスを伺っていた。そして、一夏が鈴に肉薄する寸前事件が起こった。
『ドーーーン!』
突如として、強固に張られたアリーナ会場のバリアを破って謎の物体が落下して来た。それは、
両腕にはそれぞれ砲身を纏っており、無数の管から水蒸気が出ていた。顔を伺おうにも、マスクを装着しており、伺うことが出来ない。
それと同時に、観客席から外に出らる防護シャッターが各出口を封鎖してしまった。それにより、IS生徒が外に出れられなくなってしまった。
当然、生徒達はパニックに陥った。
『キャーーーー!』
『どうして開かないの!』
『ここから出して~!』
事の重大さに気が付いた忠勝は、栄子と翔子、それに皆の無事を確認した。
「いかん!栄子と翔子無事か?」
「ええ、大丈夫です。兄上」
「良かった。皆も大事ないか?」
「ええ、何とか大丈夫よ」
「けど、ドアがロックされているみたい…」
見てみると、各出入口に無数の人だかりが出来ていた。状況を知る為忠勝は、管制塔にいる千冬に連絡をするのであった。
「織斑先生、一体どうなっているか?」
『今正体不明のISがアリーナに出現し、同時に何者かによってシステムがハッキングされた』
「何故…いや、今は言ってもしょうがないでござるな。して、救援はいつ頃か?」
『今すぐにでも行きたいがその…』
「どうしたのでござる?」
『そのだな…』
「…言いにくいことでござれるか?」
数秒言いよどむ千冬。観念したか、現在の状況を喋り出した。
『…システムがハッキングされ、非常事態レベル4の状態になっている。観客席の隔壁が閉鎖されてしまって突入出来ていない。現在、3年の精鋭がクラックをしているが何時間かかるかわからん』
「そうか…了解した。」
『すまん本多。こんな事を言える立場ではないが…頼む。どうか、生徒を守ってくれ』
千冬から連絡を受けた忠勝は考え込む。今すぐ動けるのは自分だけ。そして、千冬から頼まれたのであればやることはただ一つ。
「御意!」
そう言って、忠勝は通話を切った。そして、【samurai】を起動し、皆が押し寄せるドアの前に立った。
「ゆくぞ!」
「あ、貴方は?」
「拙者は本多平八郎忠勝。織斑先生より、連絡を受けこの場に来た。ちと、ドアの前から離れてくれぬか」
「わ、わかったわ」
忠勝は蜻蛉切を顕現させ、一閃。すると、ドアは真っ二つになり破壊された。
『蜻蛉切よ。我に示せ!…セイヤーー!』
ズバーーン!
近くにいた女子生徒達は信じられない様な目で見ていた。ドアを破壊した忠勝は、急いで避難する様に指示した。
しかし、我先にと逃げ出す生徒達が居たので一喝し順番に避難する用に伝える。
「さぁ、ここから脱出するのだ!」
「う、うん…」
「ちょっと退いてよ!」
「きゃ!」
「何をしている。順番を守らんか!」
「うるさいわね!こちは命がかかってるの!だから、早く退きなさいよ」
確かに、いつアリーナの攻撃がここまで到達するかわからない。それでも忠勝は順番を守る様に言った。
「確かに今は危険な状態だ。だが、ここで慌ててしまえば更に危険な状態なる。だから、こそ皆で協力すべきであろう」
「た、確かに…」
「だから、押さず、走らず、慌てずだ!大丈夫でござる。拙者が命に変えても守りきる!」
そう宣言した瞬間、謎のISから放たれたビーム光線が、バリアを突き抜けて避難している生徒達めがけて飛んできた。
「危ないーー!」
「っく!」
これで万事休すか……と思っていた。
怖くなって目をつむった女子生徒達。だが、いくら待っても痛みさえ来ない。恐る恐る目を開けてみるとそこには……
両手を大きく広げて、ビーム光線から生徒達を守った忠勝の姿があった。いくらIS【samurai】を纏っていてもダメージは大きい。
ところどころから、煙が出ている。問題を起こした女子生徒は怒られると思っていたが、忠勝は……
「っく…」
「大丈夫…ですか?」
「お主等……」
「ひっ!」
「…お主等…大丈夫であったか?」
「え?」
そこには罵声や怒号を飛ばしてくる忠勝ではなく、ただただ身をもって守った生徒達を心配する忠勝であった。
「皆聞いてくれ。拙者はこれから一夏と鈴殿の助太刀に参る。その間に皆は素早く脱出するだ。良いな」
『は、はい///』
これを機に女子生徒は順番を守り、素早く脱出するのであった。
生徒達が脱出するのを見て忠勝は栄子と翔子を探した。
栄子と翔子は静寐達と一緒になっていたので一安心した忠勝。だが、そこにセシリアと箒がいないことに気になった。
「栄子と翔子!無事であったか…セシリア殿と箒殿は?」
「忠勝君が避難誘導をしている間にどこか行っちゃったんだよ…多分大丈夫だと思うけど…」
「そうであったか…ひとまずは避難してくれ」
「…お兄様はどうするのですか?」
「儂は一夏と鈴殿の助太刀に向かう」
これに待ったをかけたのは神楽であった。しかし、栄子と翔子は忠勝は行くべきだと言ったのだ。
「無茶です!あの中に飛び込むなんて…」
「大丈夫です。兄上ならやってのけます」
「うん!栄子と翔子は大丈夫なのだ!だから、お兄様!存分に戦って来るのだ!」
「栄子ちゃん、翔子ちゃん…」
「わかった。では、行ってくる」
そう言って、忠勝は愛槍『蜻蛉切』を小脇に抱えて、【samurai】を纏った状態でバリアが切れた、アリーナ内へと向かうのであった。
「待っていろ。一夏、鈴殿!」