今回は戦闘シーンがありますがあまり期待しないでください…
それでは本編どうぞ!!
忠勝がアリーナ内へと向かう少し前。
謎のISと一夏と鈴は数十メートル開けて対峙していた。一夏が必死に謎のISへと質問するが、無視をする謎のIS。
「オイ!お前何処から来た!」
「……」
「目的はなんだ!」
「……」
「ちゃんと答えろ!」
「……」
だんまりを決め込む謎のIS。すると、ある疑問が一夏の頭の中に浮かんできた。
“もしかしたら、人が乗っていないんじゃないか?”
このことについて、一夏は鈴に相談してみた。
「なぁ鈴。ISって人が乗らないと動かないよな?」
「はぁ、何言ってんのよ。当たり前でしょ!ISってそうなっているのよ!」
「だよなぁ…」
「…どうしたのよ。さっきから?」
「いや、もしかしたらだと思うんだけど……あのISに人が乗っていないんじゃないか?」
「え?」
一夏の疑問に思い当たる節がある鈴。確かに一夏の質問に対して、うんともすんとも言わなかった。
普通の人ならば、何らかの回答をするはず。それが全くないとなると、いよいよ一夏の話しが現実味を帯びてくる。
試しに鈴は一夏の作戦に乗る事にした。
「なぁ鈴聞いてくれ。ある作戦を思い付いたんだけど…」
だが、一夏の案は即座に却下されるのであった。
「却下」
「まだ言ってないだろ!」
「どうせ、アンタの事だから俺が突っ込んで行くから援護してくれでしょ。無茶よ。そんな作戦」
「どうしてだよ!」
「まず、一夏は大事な男性操縦者よ。それに、ISの稼働時間が圧倒的に足りない。そして何より、即席の連携なんて上手くいく訳ないわ!」
「でもよ…
自分が考えた作戦をこうも否定されるとげんなりする。そんな事を思っていたところに謎のISから攻撃があった。
「危ない!」
「くっそ!」
とりあえず、一夏の作戦は置いておいて、現状を確認する鈴。そんな時、アリーナを覆ていたバリアの一部が破れた。教師陣IS部隊が侵入したかと思ったが違った。
そこに現れたのは…
「本多平八郎忠勝只今推参!義によって、一夏と鈴殿の加勢に参った!!」
【samurai】を纏った忠勝であった。鈴は嬉しさ半分。不安が半分と言った気持ちだった。
忠勝と一戦も交えていない鈴は忠勝の力量を知らない。それによって任せてもいいのかわからなかった。
しかも、【samurai】のところどころから、煙が出ている。
「忠勝…アンタ大丈夫なんでしょうね?」
「無論…と言いたいところだがここに来るまで、色々手間取ってしまってな」
「…そう。わかったわ」
兎に角、戦力が強化されたのは嬉しい。早速忠勝にも、情報を共有する必要があると鈴は判断した。
「それで、今の状況は?」
「正直言って状況は最悪よ…アタシと一夏のSEは50%を切ってる。多分零落白夜を発動するのも難しいしい。それに、あの硬そうな体には龍咆も効きそうもない」
「そうであったか…」
それを聞いて忠勝は考えた。何が最善の策なのか。そして、導き出した答えは…
「鈴殿。一夏を連れて、一度退かれよ。そして、準備が整い次第戻れるか?それまで拙者が食い止めるゆえ」
自分が殿を務め時間を稼ぐと言い出したのだ。これに対して鈴は、驚いた。
「ば、バカ言わないでよ!見たでしょアイツの強さ!アリーナのバリアを突き抜ける程の攻撃なのよ!勝てる訳ないわ…ここは、教師陣が来るまで持ちこたえるしかないのよ」
確かに現状を考えると、教師陣の突入を待つのが得策だ。だがしかし、それが出来ない理由があった。
「確かにそうしたいのは山々だが、織斑先生に確認したところ、システムがハッキング?と言っていたな。どういう意味かわからなかったが…兎に角、ここに来るまで時間がかかるそうだ」
「そっか…それじゃあ、教師陣の戦力は見込めないわね」
「なぁ、2人して何話しているんだ?」
2人が話している間に入った一夏は現状をいまいち理解していなかったようだ。仕方ないので鈴が現状を説明する羽目になった。
「はぁ~要するに、今は千冬さん達教師陣が入って来れないから
「なるほど…」
一夏が納得した瞬間、謎のISからビーム光線があったが、紙一重で3人は避けることが出来た。
「ちぃ!このままではやられてしまう…鈴殿!」
だが、一夏と鈴のSEは心もとない。結局忠勝の策を受け入れるしかなかった。
「あ~もう仕方ないわね!一夏一度ピットに戻るわよ!」
「え!それじゃあ、忠勝はどうするんだよ!」
「アンタ聞いていた!?忠勝は私達を逃がすために、ここに残るの!再チャージしたら合流するわよ」
「そんな…「一夏」忠勝?」
「拙者の心配はご無用。存分に英気を養って来い」
「忠勝……わかった。絶対にやられるなよ!」
「承知した。さぁ早く行け!」
そう言って、一夏と鈴は後ろ髪を引かれる思いでアリーナを後にした。それを見送った忠勝は改めて謎のISと対峙した。
そのISはどこか異質をしている様であった。人の倍以上はある腕には、左右合わせて6本のビーム砲が、搭載されている。
足も二回り程大きくそれでいて、高速移動が出来るように大型スラスターが搭載されていおり、顔には背中のバックパックに、繋がっている管が何本もあった。
忠勝は、これに本当に人が乗っているのかと思っていたがその考え方は当に捨てた。
このような異形のISに人が乗れる訳がない。そう思った忠勝は、改めて蜻蛉切の柄を持ち直した。
そして、ビーム光線を躱しながら謎のISに肉薄していった。
「でっりゃぁぁぁぁ!」
一撃、一撃を確実に喰らわせるためにはある程度近づかなければならない。
だから、忠勝は攻撃の隙が出来るのを待った。そして、ビーム光線が止んでここぞとばかりに突きを放った。
しかし…
「貰った!…なに!?」
ビーム光線を放っていた腕が急にしなやかになり、横一閃に忠勝に襲い掛かる。咄嗟の出来事であったため上手くガードが出来ずもろに喰らってしまいアリーナの壁に激突する。
ドゴーーーン!
「かはっ!…ぬかったわ」
それを見ていた栄子と翔子、静寐達。一夏と鈴。よく見ると、口からは血が出ている。ISの保護機能が上手く発動していない証拠である。
『兄上!(お兄様!)』
『忠勝君!』
『忠勝!』
よろよろと立ち上がり、再び蜻蛉切を構える。しかし、既にSEは底を着きかけている。忠勝は一か八か愛馬三国黒を呼び寄せる。
「来い!三国黒!」
すると、どこからともなく馬の鳴き声が聞こえてきた。全身が黒一色でかたどった馬が一頭忠勝の前に現れた。
ヒヒ―ン!
「来てくれたか三国黒。それでは共に駆けよ!はぁ!」
ヒヒ~ン!
保護機能が十分に働かないまま戦う忠勝。一撃でも当たれば死を意味する状態でもなお、戦う姿はまさに武士その者であった。
対する謎のISも腕をしならせながら忠勝に襲い掛かる。それを丁寧に忠勝は捌いて行く。その間も、押しては退いてを繰り返して行く。
忠勝のSEも、先の爆発で大分消費されてしまっていた。三国黒も、もうそろそろで消えるだろう。そう思って忠勝は最後の突進を試みる。
「三国黒まだ行けるか?」
ヒヒ~ン!
「そうか…なら、一緒に死地へ参ろうぞ!」
この一撃に全てをかける気持ちで、謎のISへと行こうとしたが思わぬ出来事が起こった。
「行くぞ!『た、忠勝~!』なんだ!?」
突如として忠勝を呼ぶ声が発せられた。そこに居たのは、放送室にいる箒だった。しかも、そこはバリアが行き届いていない部分であったため敵の恰好の的であった。
『忠勝~!勝ってくれ~!』
「箒殿!今すぐそこから逃げろ!」
すぐさま謎のISは攻撃対象を、忠勝から放送室にいる箒に変えた。
無情にも謎のISは砲身を箒に向けて極大のビーム光線を発射させた。忠勝は最後の力を振り絞り、箒とビーム光線の間に立った。
「箒殿は…やらせん!」
満身創痍の状態でビーム光線の前に立つなど、誰もが忠勝の死を確信した。だが、忠勝は諦めなかった。
持っていた蜻蛉切を突きつけ、何とビーム光線へと向かうのであった。
『南無八幡大菩薩!神君家康公もご照覧あれ!これぞ本多平八郎忠勝一世一代の大博打でござる!でりゃぁぁぁぁぁぁ~!』
そして、蜻蛉切を回転させ、その回転を利用しながらビーム光線の中心に向かって行った。すると、螺旋状にビーム光線が広がっていく。
それを見た千冬は感心していた。
「そうか!蜻蛉切に溝が掘られているからそれを利用して…流石本多だ」
「感心している場合じゃないですよ!早く行かないと本多君の身体が持ちませんよ!」
何とか謎のISからの攻撃を耐えている忠勝であったが、その周辺は血の海となっていた。一刻の猶予もない状態だった。
それでも忠勝は立ち続けていた。一夏と鈴が戻ってくると信じて、箒を守ると信じて。そして、一夏と鈴が補給を終えてピットから出て来た。
『忠勝!』
それと同時に教師陣とある1人の代表候補生がアリーナへと突入した。
「システム回復しました!いつでも行けます!」
「よし、教師陣は謎のISの捕縛もしくは撃破を行え!サーチしたが生体反応は無かった」
『了解!』
「それと、本多の救出も同時に行え!既に救護班の準備をしてある。頼んだぞ
『了解致しましたわ』
一夏と鈴がアリーナへと出た瞬間ビーム光線を撃ち終えた謎のISと忠勝は火花を散らしながら激しい鍔迫り合いを行っていた。
とうに限界を超えた忠勝からは、おびただしい量の血が流れている。
「うぉぉぉぉー!」
「……」
その光景を目の当たりにした一夏と鈴。
「すげぇ…あの中に行ったらこっちがやられそうだ」
「そうよ。代表候補生であるアタシでさぇ躊躇しているんだから…」
また同時に突入した教師陣とセシリアも、ただ見守るしかできなかった。
『どうします隊長』
「どうするたって…この気迫の中に飛び込める訳ないでしょ」
「忠勝さん…どうか、どうかご無事で…」
やがて、鍔迫り合いも終わり再び距離を取った忠勝と謎のIS。忠勝は肩で息を切らしている。改めて謎のISの強さが伺える。
だが、その戦いに終止符が打たれようとしていた。
「…お主には手を焼いてしまった。まさか拙者がここまで追いやられるとはな…」
「……」
「だが、これで終わらせる。行くぞ!!!」
何度目かの突撃を忠勝が行うと、それと同時に謎のISも突撃をして来た。
斬!!
交差する2人。果たして勝者は…
「……」
「…お主の……負けだ」
すると、謎のISからプスプスと煙が立ち込め、そして、盛大に爆発するのであった。
ドガーーーーン
「…拙者の…勝ちだな…敵将!討ち取ったり…勝ち鬨を上げよ…うぅ」ドサ
『本多君!?(忠勝さん!?)』
忠勝もまた爆発直後に倒れ込むのであった。それを見たセシリアと教師陣は素早く忠勝の手当てに向かうのであった。
「いかん!すぐさま彼を医務室へ!」
「忠勝さん!しっかりしてくださいまし!」
「俺達も行こう鈴!」
「ええ、そうね」
一夏と鈴は、すぐさま忠勝が運ばれた医務室へと向かうのであった。
一方箒は1人放送室で縮こまって直ぐには動けなかった。自分が行ったことによってあんな事になってしまったと、悔やんでいたのであった。
その顔には一筋の涙が流れていた。
「忠勝…どうか無事でいてくれ…」
すぐさま緊急オペが始まった。まず、損傷箇所を確認するが内臓系には異常が無かったので一安心と言った所だった。
問題は多大なる戦闘によって出来た傷であった。大小合わせて数百にも及ぶ傷を治すのは困難であった。
そこで、医師らは完治が難しいであろう傷に対して、優先順位をつけて手術を行うことにした。そこで、新たな問題が発生した。輸血に必要な血が足りないのであった。
忠勝の血液型はA型。それに該当する生徒達は、沢山いるが、中には女尊男卑をする人達もいり必要数集まりきっていない。
「くっそ!どうすればいいんだ…」
「一夏…」
既に一夏と鈴。それにセシリアや静寐達も忠勝の為に血液を提供した。だが、それでも必要数量に到達しない。医師らが諦めていたその時…
「ダメです先生。このままでは…」
「…仕方ない。ここは政府に『ちょっと待って!!』うん?」
そこに居たのは、忠勝に脱出の時に注意され、謎のISからの攻撃守られた女子生徒達が居た。
「君たちは?」
「あたし達は、本多さんに助けられたの…あの時、あたし達があんな事をしなければ本多さんはダメージを負わずに済んだと思う。だから、今度はあたし達が本多さんを助けるの!」
「アタシも!」
「私も!」
「あたし達30人分の血液を使って!!」
そう言って、彼女達は自主的に血液を提供していくのであった。そして、必要量に達し手術は何とか成功したのであった。
IS学園地下室。ここには、重要な人物しか入れない特別な施設がある。そこにガラス張りの部屋が設置されており、中には忠勝が倒した謎のISが横たわっていた。
しかし、胸の部分がぽっかりと穴が空いていた。
真耶は謎のISの解析結果を同席していた千冬へと渡すのであった。
「織斑先生。解析結果出ました」
「…登録されていないISコアか」
「ええ、何処から入手したのか分かりませんが全世界のコアナンバーを照合しましたが、何処にも一致しませんでした」
「…そうか」
千冬はある可能性を頭の片隅に浮かべたが、すぐさま違うと否定した。アイツならもっと違うやり方をするはずだと…
「いづれにしても、我々の脅威になりかねないな…」
「ええ、そうですね…」
某国某所。機械に囲まれた部屋に佇んでいる1人の女がいた。VRゴーグルを付け全身タイツには、動きを感知するセンサーが付いており、モーションキャプチャを行っている様に見えた。その女はVRゴーグルを取ると、金髪碧眼美少女であった。
「ふぅ~とんだ邪魔が入ったわね」
スタイル抜群の美少女はタイツを脱いで、近くにあった。スポーツドリンクを飲んだ。
「折角新しい玩具で、織斑一夏をボコボコに出来ると思ったのに、何よあの男。途中から出て来て、ワタシの玩具に挑んで来るなんて。あまつさえそれを破壊するなんてね」
そう、彼女こそがこの襲撃事件の首謀者であり、謎のISの操縦者であったのだ。
「けど、あんなにワクワクする戦いなんて初めて♪どんな奴なのかしらね」
その時、彼女のスマホに一通のメールが流れて来た。その内容とは…
「えっと…何々『IS学園に潜入し、次の指示を待て』それだけ?何よ…あ、まだ続きがった『今回倒した相手の名は本多忠勝』って随分と古風な名前ね。流石サムライの国だわ」
そう言って、彼女はタイツを脱ぎ捨てシャワーを浴びる準備をするのであった。
「本多忠勝ね…魅力的な奴だといいけどね」
彼女の名はロゼッタ・ミリアンヌ。
彼女が所属する組織『ブラックレディ』は「女性のための女性による女性が統治する世界」を理想に掲げて、男性共を排除する為に生まれてきた組織である。
とある小島。そこに居たのは、腰まである黒髪をねじり鉢巻きで纏めている子がいた。
日本人特有の黒色の瞳に、スラッとした身体を何とさらしと褌でしめている女の子がいた。さらしをしめてもなお自己主張する胸が周囲を惑わす色香を醸し出す。
しかし、その身体に似合わないくらい剛腕で周囲の木々をなぎ倒していく。そして、彼女の片隅には数振りの日本刀が置いてある。その内の1本を月に掲げてある誓いを立てた。
「我はこの刀に誓う。本多忠勝殿を主とし、盾となりて守ると誓おう。この中務正宗に誓って…」
後にIS学園きっての名士になる彼女は名を
果たして彼女はこの先どうやって行くのか。それは神のみぞ知る…
次回から、転校生が4人になります!