Common life 日常的非日常   作:Dangelo

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プロローグではオリジナル設定および暗殺教室要素しかでてきませんご了承ください。


プロローグ(完)
No,0.1


潮田渚side

 

「烏間先生、ビッチ先生おめでとうございます」

 

 3年E組を卒業し、すぐにビッチ先生と烏間先生は結婚した。

 

 高校3年生まさに大学受験シーズンのとき、1通のメールが届いた。そのメールは一斉送信で宛先は元3年E組、送信元は烏間先生からだった。内容は、無事ビッチ先生が出産を終え女の子が誕生したと言う報告で、母子ともに健康であると写真付きで送られてきた。瞳の色は目を閉じているのでわからないが、うっすらと生えた髪の毛や睫毛の色はビッチ先生とお揃いで、あの二人の子供かと思うと思わず感動して涙が目に溜まった。

 

 烏間先生やビッチ先生が子供をあやすのはなんだか不思議な気分だが、なんでもやってのける二人ならいい子育てをするんだろう。

 

 僕が無事大学に入学し順調に進級している頃、また烏間先生からメールがきた。今度は個人宛のもので内容は家庭教師のバイトをしないかと言うものだった。確かに今は教育学部に在籍しているが、僕は中高の教員免許取得のために勉強しているのだ。彼らの娘はどう計算しても幼稚園児だ。小学生ですらない自分が教えられるのは主要5教科、幼児のために歌ったり踊ったりするのは茅野の方が適任だし、その茅野は茅野で芸能界で引っ張りだこで時間はなさそうだ。

 

 困ったなと思って、お断りの連絡をさせてもらう。

 

 すると次の日またメールが届いていた。

『一度会ってから決めてみないか?』

 

 僕も彼らの娘には普通に興味があったし、家庭教師云々は置いておいて会うくらいはいいだろうと快く返事を返した。

 

 その週末、僕は烏間家にお邪魔していた。

 

 僕が想像していた3歳の子は、おもちゃをリビングに散らかして片付けなさいと言われているそういう子だった。リビングには某キャラクターのおもちゃに、ボールやブロック。そろそろおむつが外れるといいね、みたいなそんなのを予想していた。

 

 しかし、招き入れられたリビングにはホワイトボードに本棚、ピアノ。パソコンにプロジェクター。壁には元素記号のポスターに、世界地図。作りかけのジグソーパズルや、確実に3×3ではないルービックキューブなど。

 

 ここは誰の部屋だ? と思わずにはいられなかった。

 

「渚、久しぶりね。ごめんね杏樹のためにリビングを全部使ってるからちょっと狭いのよね。タダオミったら杏樹が可愛いからっていろんなものどんどん買ってくるんだから」

 

 なんだか出会って早々惚気られた気がする。

 

「久しぶりです、ビッチ先生。杏樹さんは?」

「ごめんね、お客さんがくるとは伝えといたんだけど……雑誌に夢中なのよね。呼んでくるわ」

 

「大丈夫です、僕がそっちに行きますよ」

 

 雑誌とはなんだろう? 『ピカピカ1年生』とかの先取りのものだろうか? あれシールとか貼ったり楽しかったよな。

 

 そうして案内された場所は本だらけの場所だった。

 

 杏樹ちゃんは人をダメにするビーズクッションの上で赤い雑誌を読んでいた。奥田さんが前もっていた気がする。毎月販売のニュートン力学を確立させたイングランドの学者がタイトルの雑誌だ。中身は一般向けだから小学校高学年なら興味があれば読めるものだが、3歳で読めるものなのだろうか?

 

 ここでだんだん烏間先生が自分に家庭教師を頼もうとした理由がわかった気がする。

 

「杏樹ちゃんだよね、はじめまして。僕は潮田渚。渚くんって呼んでね?」

 

 杏樹ちゃんが雑誌から顔をあげこちらに興味を持ってくれたので自己紹介をする。

 

「ほら、アンジュ自己紹介してあげて?」

 

 ビッチ先生の提案に杏樹ちゃんはこくりと頷き口を開く。

 

「烏間杏樹。3歳なの。将来の夢はお薬を作ることだけど、数学とか物理も好きだよ。あと運動も好き。嫌いなことは乗り物に乗ることと、おんなじことをすること。よろしくね渚」

 

 これは3歳の自己紹介なのだろうか?

 

 ちゃんと文章になっているし、自分の好き嫌いをちゃんと人に伝えられている。まだ舌足らずなところもあるが、それを抜いたら賢い小学生レベル。それにビッチ先生が教えたのだろう、自分の魅力を最大限に生かした振る舞い。

 

 思わずビッチ先生に言ってしまった。

 

「もしかして、先生ハニトラとか教えたり、あの僕たちの授業で使ってた18禁映画見せたりしてませんよね?」

「まだ3歳の子にそんなことするわけないでしょ、わたしはちょっと()()()()を教えてあげてるだけよ。タダオミだって誘拐されないように護身術は必要だとかなんとか言って縄ぬけとか、あとはあのゴム製のナイフで型の基礎とか教えてるんだからわたしはまだマシよ」

 

 この子の両親そういえばどちらも常識が通じない部分があったな、と思い出した。

 

 ビッチ先生が昼ご飯を作っている間杏樹ちゃんのことを見ておいてくれないかと言われたので承諾する。

 

「杏樹ちゃん、何しよっか?」

「渚、これ教えて? パパもママもわかんないって言うし、質問箱にもまだ返信がこないの」

 

 そう言って見せられたのはまた月間雑誌、今度は高校数学をネタにしたもので予備校教師など執筆したり問題を作成したりしているもので、杏樹ちゃんが開けたのは懸賞問題だった。きちんと解いた過程まで送ると採点して上位者は次月の雑誌に名前が載るものだ。

 

「あのね、ここの(2)まではわかるの。でね、ここの証明はさみうちの原理かなって思ったんだけど、はさみうてないの」

 

 そう言いながら自分が解いたのであろうパソコンの画面を僕に見せてくる。

 

「ここはね、微分係数の定義を利用するんだよ、ほら」

 

 まさかここに来て数Ⅲを教えることになるとは思わなかった。

 

「……っ渚すごい、できた!」

 

 他にも今まで溜め込んでいた謎を引っ張り出してきてくれて、それに逐一答えていたらビッチ先生に呼ばれた。

 

「あら、アンジュ渚にべったりじゃない」

 

 すっかり懐いてくれた杏樹ちゃんは僕の手をしっかり握ってリビングに連れてってくれた。

 

「やっぱり渚が先生がいい、ダメ?」

「それは渚に聞きなさい」

「渚……ダメ?」

「……引き受けます」

 

 こうして、僕は杏樹ちゃんの専属家庭教師として週2で烏間宅にお邪魔している。

 

 給料もよく、ご飯付きでなんと言っても教えたら教えた分だけ吸収していくから楽しい。この仕事にのめり込んでしまった。杏樹ちゃんが小学校に入る前までにはなぜか、E組で教わった生き方から大学の一般教養まで教えていたのだから恐ろしい。

 

 杏樹ちゃんは小学校へ、僕は新任教師として中学校へいくことになりこの仕事は幕を閉じた。




初投稿作品かつ原作が終わっていない作品なため見切り発車ですが、のんびりと更新していくつもりです。よろしくおねがいいたします。
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