艦これ小説 習作   作:From

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第3話

 「連合艦隊は何処なりや、連合艦隊は何処なりや、全将兵は知らんと欲す」

 

 

     ──────嘉手納飛行場防衛戦にて

 

 

 

 

 ここで前述していた撤退が許されなかった理由について語ろう、沖縄県民の避難が進んでいなかったからである。これはまぁ仕方のないことだ。寧ろ那覇市の避難が間に合ったこと自体奇跡のようなものである。

 

 

 

 小倉上等兵とうるま市で補給を受けたときも未だ沢山の民間人は存在していた。8月4日時点では島の南部からなんとか避難が間に合っただけであった。ここで我々が撤退してしまえば、最悪沖縄県民を巻き添えにした戦闘に発展する恐れがあったため指令部は15師団、4師団の撤退を許さず

10師団は那覇を死守することになったのである。

 

 

 

 8月8日2200首里城を突破され重装備の大半を喪失した10師団が指令部に決別電を打電した頃に北中城村から15師団と4師団更にこれまで殆ど私が関わってこなかった17師団の撤退が完了していたのだった。

 

 

 

 撤退先は嘉手納町、極東最大の空軍基地であった。この時刷り潰されつつあった帝国軍に対して、正面装備において相対的に優越する米軍主動の計画で行われていたという。

 

 

 

 「まず始めにはっきりさせておこう、我々はまだ勝つつもりでいるし化け物共を同盟国と共にこの島から蹴り落とすつもりだ。」

 

 この台詞は戦死した師団長に代わり第3海兵師団の指揮を取ったパトリック・ストーン少将の台詞である。米軍の計画は嘉手納飛行場に併設された嘉手納弾薬庫によって4.15.17師団を補給させ、第3海兵師団は全力出撃。現在北中城村を抜け沖縄市を制圧している比較的少数の深海棲艦を叩いた後、西進し那覇から北上する敵主力を北原町で強襲、嘉手納側に追い立てそこに陣取る帝国軍と包囲殲滅する。と言うものであった、つまり槌と鉄床と言うやつである。

 

 

 

 

 深海棲艦は人間のいない町等でも制圧に時間をかける事がこの数日で分かっていたため、作戦決行は12日、それまではひたすらにハラスメント攻撃を仕掛けることになった。

 

 

 

 

 ハラスメント攻撃を行うのは原隊が壊滅した部隊の生き残りであった。つまり私と小倉上等兵は参加することになるのである。

 

 

 

 「無理ですよこれ」

 

 

 「何がだよ」

 

 「分からないんですか?この攻撃ですよ!?途中で殺されるに決まってるんだ!」

 

 小倉上等兵もそうだったがこの攻撃を無謀だと言うものはすかなくなかったし私も無謀だと思った。

 

 

「事に臨んでは危険を省みずっていうだろう、それに無理無茶無謀は陸軍の専売特許だ」

 

 

「伍長は死ぬのが怖くないとでも?」

 

「死ぬほど怖いが逃げたって敵前逃亡だそれならまず戦って、運が良ければ逃げればいい。ただ逃げたら銃殺だぞ。」

 

 これは今だから言えるが私は別に命知らずではない。部隊で戦うならともかくこのような決死隊紛いの死に方は正直後免であったが、同時に今自分は生きていると言う実感はとても高揚するものであった。

 

 

 まぁ後に小倉上等兵に話したときキチガイ扱いされてしまったが。

 

 

 決死隊の指揮官は板東大尉と言う名前で元は15師団の火力支援中隊長だったそうだ、部隊がほぼ全滅したため志願したそうであった。

 

 

 

 「貴様らの任務は北谷町を進行する敵にたいする夜襲伏撃である。全滅させる訳ではない、我の主力を排除したと思っている敵共に皇軍の意地を見せつけ心胆を寒からしめ、もって敵の進撃を遅らせる事が本任務の要訣である。」

 

 

 

 切り込み隊は板東大尉以下200名で行われることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

        ◇

 

 

 

 

 

 

 移動には、放棄された車両が使われた、私と小倉上等兵と、更に3名が小型トラックに乗車していた、切り込み隊は市街地に接近、可能な限り人型の深海棲艦を討ち取るためぎりぎりまで引き付け銃剣突撃を行う手筈だった。

 

 

 

 何故陸に上がった深海棲艦が、機関銃弾にすら耐えられるのに人間が刺せば死ぬのかは今に至るまで不明であったが幸運でもあった。

 

 

 

 

 「天祐我らの手にあり、我これより敵を討ち取らんとする」

 

 

 

 板東大尉が指令部に報告したのと、人型の深海棲艦が現れたのは同じくらいであった。街道沿いの敵に対し我々は側方から奇襲をかけた。

 

 

 「突撃、前へ!」

 

 

 「天皇陛下万歳!!」

 

 

 「天皇陛下万歳!!」

 

 

 誰が言い出したのかは定かではないが、気がつくと全員が叫んでいた、現代では突撃に万歳等用いないし、畏れ多くも陛下が軍の最高司令官であらせられたのは戦前の事であったが帝国軍には相変わらず自らが皇軍であると言う自負があったのかもしれない。

 

 

 

 この突撃により50体程の深海棲艦が殺されたが随伴する小型種が邪魔でこの時人型深海棲艦は全員健在だった。

私は小型を1体刺し殺した後に偶々目が合った人型に駆け出していた。

 

 

 後で聞いたがその行動が結果的に護衛の小型を突破させ突撃を成功に導いたのだそうだ。

 

 

 その時の私は目が会った人型を殺す事しか考えていなかったので一人で先行していたのだった。そして忌々しい人型の伸ばした手を掻い潜り銃床で側頭部を殴打、怯んだところで鳩尾に刺突を見舞った。

 

 

 ただ流石化け物と言うべきか、そいつはそれでは死なず腹に銃剣が刺さったまま私の頭を掴もうとしてきた。死を覚悟したところで横合いから小倉上等兵が化け物の下顎から銃剣を突き込んでくれたお陰で私は助かった。

 

 

 これは記録に残っているなかでは世界で始めて上位種深海棲艦を艦娘の力を一切借りずに倒した戦果であった。

 

 

 

 結局この夜襲は小型深海棲艦約70体、人型20体を殺害することに成功したが、私と小倉上等兵のように突出してそのまま敵を突破して離脱した者意外は追撃から逃げきることができなかった。このため切り込み隊200人中生還は50人程で板東大尉も部下を逃すため踏みとどまって指揮していたため行方不明になってしまった。

 

 

 

 ただこの夜襲の効果かは不明だがこの後深海棲艦の活動は低調になり日米は嘉手納で敵を待ち受ける貴重な時間を稼ぐことになった。

 

 

 

 

 

 

────────────────────────

あとがき

 

 

 

なんとか3話目をあげることが出来ました。

話を作るに当たって沖縄戦とか米軍基地を調べましたが嘉手納飛行場てアジア最大の飛行場なんですね、羽田空港とかよりも大きいです。

 

 

なかなか艦娘が出せませんがもうすぐ登場する予定です。

俺の脳内艦これはこうだ!みたいな話も聞きたいので、よかったら感想お願いします

 

 

 

 

 

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