龍装の成層圏 X~流星と狩人~X   作:金宮 来人

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12話 ふざけまして

鈴音がこちらに来たので俺もそれに合わせて武装を展開する。

装備するのは『ドボルシリーズ』。

ソレを見た簪がまた吠える。

「ま、まさか・・ジーク!?鋼鉄○・ジークなの!?」

「ち、違う・・似てるかもしれんが・・。」

そう言いながらも俺は前にも出した『ブーステッドハンマー』を取りだす。

「な、・・何そのドリル!?」

「・・はぁぁぁぁ・・・」

俺が後ろに構えチャージを始めるとその先端が回り始め、『ギュイィィィィイイイ』と音を立ててガタガタとゆれる。後ろから蒸気の様な物が出て、明らかに人体に当たると危険な雰囲気をかもちだしている。

「ちょ、ちょっとやばくない!?」

「ならぁ、・・当たるなよぉお!!」

そう言って俺は上から振り下ろす。地面が『ドギャン』と音を立ててめくれ上がり自分を中心に三メートルくらいのへこみになっている。

「このフォームは怪力でなぁ、こういう事も・・できるんだぁぁぜぇぇええ!!」

今度は自分を中心に振りまわしだす。自分とハンマーを均衡に保ちぐるぐると回り始める。

「そ、それがどうしたのよ!?私は今そこじゃなくて空に逃げているんだから・・」

「せいやああぁぁぁああ!!」

ハンマーごと自分を投げて回転しながら鈴音に加速をつけて飛んでいく。流石に飛んでくる事は予想してなかっただろう。

「ぎゃぁぁぁああ!?」

「更に・・叩きぃ・・潰す!」

その場からハンマーのブースターを利用して下に向けて叩き落した。

「ごっふぇ!?」

「そして・・タイフーン・トリガー!」

俺はまた回ってハンマーを振りまわして何度も鈴音を殴る。

「ごぇ、ぐは、ごふ、ぎゃん・・」

「ラストオオオオォォォ・・アッパー!!」

「ぎゃぁぁぁああ!?」

そのままかちあげて叩き飛ばした。そして、地面に落ちてSEが0になった。そして目をまわして気を失っていた。

 

「酷過ぎない!?なんか、アタシん時だけ無茶苦茶やられた気がするんだけど!?」

目を覚ました鈴音からはそう吠えられる。

「・・パワータイプ対パワータイプで、こっちが有利なら圧倒的に叩き潰す事になるだろ。剛対柔ならまだ、均衡するか長引くが剛対剛だ。強い方が一方的に押さえつける事になるだろう。言っておくが、手加減はした。それで文句言われるなら・・叩き潰すだけだ。」

「・・ごめん、私の負けで良いわ。今、背筋が凍ったもの・・。」

ぶるぶると震えて蒼くなりながら首を振る鈴音。

「なら良い。」

 

皆が出て行ったあとドアの前に立ちふさがる様に馬鹿二号が入ってきた。

「一夏!!私と一緒にいないで何故こんな奴等と・・!!」

「・・さて、戻るか。」

「まて!私と勝負しろ!!」

「・・する意味はないし、俺には興味もない。何の意味もえる事もない事はする必要はない。各国の専用機の情報を得る意味はあったが貴様は訓練機。戦う必要はないな。」

そう言って俺はピットから出ようとした。するといきなりピットのドアがロックされる。

「・・どう言うつもりだ?」

『嫌だろうとそこにいる篠ノ之と戦ってもらう。でないとここから出さない。』

そう、ドアをロックしたのは管制室に居る織斑千冬だった。

アリーナに出て管制室を見上げながら通信機を通してイラつきを放つ。

「・・コイツと戦えばいいんだな?どうなっても責任は貴様が取れ。それで良いなら戦ってやろう。俺は機嫌が悪い、手加減はなしだ。」

「手加減など!!私がこの剣で眼を覚まさせてやる!!」

『いいだろう。但し、専用機が有る貴様は篠ノ之のSEの4分の1だ。そして、負ければその機体は没収する。さぁ、始めろ!』

そう言ってまだ装甲も展開していないのに試合開始のブザーが鳴った。

「・・ミツネ・・」

そう言って俺は【ミツネシリーズ】を展開。武器は出さない。代わりに怒りのせいか竜化が発生して尻尾と牙が生えていた。牙は顔の面の下で隠れているのは幸いだが・・。

「な?!なんだその格好は・・初めて見るぞ!?一体何機所有していると言うんだ!?」

「・・ぐるる・。」

俺はいらつきから少し唸る。そして、足を構え瞬時に一歩前に出てそこから泡を纏い、わざと目の前で振り下ろした剣を避けてやった。そして、連続で振って来る剣をひらりゆらり、時には尻尾を使い跳ねるようにぬるりと避けて、わざと足元にぬめりを残して行く。

ソレに足を取られてこけて、体に泡がついた状態から剣を杖がわりに起き上がる。

俺は地面に尻尾を叩きつけ泡を立てソレを周りに飛ばすように広げる。

「な・・なんだコイツは・・本当に一夏なのか?」

 

「な・・なんでアイツが・・」

「鈴?どうかしたの?」

「中国マフィアの幹部とボスを壊滅させ、更に中国国内の汚職政治家を暗殺し、国家の秘密研究所を襲撃した正体不明の暗殺者・・自称『タマミツネ』・・。イチカだったなんて!?」

「・・あーディノバルドだった件でも、ライゼクスだった件でも、ガムートだった件でも全てイチカだったね。」

「・・じゃぁ、今更・・なのかもね。」

「・・噂じゃ死ぬ直前に『ハイク』を読まされ、【セップク】した所で『カイシャク』されて首を落とされるらしいわ。」

「それ・・なんで『ニンジャ』なんだろう?」

「知らないわよ。そう言う噂が有って・・超危険人物であるとされてたんだけど、結局正体は掴めなかったんだもの・・。国家が総力挙げて分からないのよ。」

「うちもそうだったな。ドイツ国内すべての総力使える物を使っても全く手掛かりがなかった。」

「うちは知ってるけど、話さないって契約だったし。なにより、イチカの愛人になるんなら敵は少ない方が良いじゃん?」

「イチカ、本当にすごいね。あの尻尾も生身の様な見た目。まるで生きているよう。」

 

「キュゥゥウウイィィィ・・。」

俺はそう鳴き尻尾からシャボンを放ちそれが篠ノ之に当たると首から下を包み込み動けなくなる。

「な・・なんだこれは!?」

「キュオオォォォオオオ!!」

『ズシャアァァァアアアア』

そして、俺は水ブレスを高水圧で放つそれによって篠ノ之のISの右足と右手が切断され落ちる。更にその下の(・・・・)中の生身の手足ごと(・・・・・・・・・)落ちた為血がふきだす。

「ぎ・・ぎゃあぁぁぁああああ!?」

『SEが残っているのに絶対防御が発動しないだと!?何をした!?』

「・・SEなんかに関係なく、全てを越えて水圧で切り裂いた。ただそれだけだ。コレ以上の戦闘は不可能。よって俺は帰る。」

『そ、そんな事はさせない!!そのような危険な機体は没収・・』

『また貴様か織斑千冬!!』

『な!?だ、誰だ!?』

『私はIS委員会派遣・管理部【アイリス・マグリアール】だ!IS学園のIS配備関係も私の担当だ。そして、そこにいる『イチカ・ハント』に関連する問題も私の所に来るようになっている。学園管理員から、【織斑千冬がイチカ・ハントのISを狙っている】と報告が上がり、調べてみるとこのざまだ!貴様のせいで生徒が怪我をした!イチカハントに関わるなと散々注意携行されていたのを忘れたか!?この戦闘狂が!』

『な!?そんな・・コレは全てあの男が・・SEを越える危険なISを所持しているから・・』

『ソレは国連から許可が出ていると前回、学園長を通して話が有ったはずだし、貴様に届いている書類にも記載されている!!貴様はすべての権限を無視し、凶行に及んだ愚か者にすぎん!!今すぐにそちらに警備課から貴様を確保しに行く!!貴様はすでに犯罪者としてこの学園からの追放、及び教育者としての権威剥奪、IS学園への迷惑行為及び器物破損の弁償料として数億の慰謝料が請求される!その後、法廷等を経て刑務所行きだ!』

『な!?わ、私を誰だと・・』

「だからさっきも言われてただろ・・『戦闘狂』(ヴァーモンガー)・・。」

俺はそう言って尻尾を使い跳ねるようにアリーナからピットに飛ぶ。篠ノ之は即座に出てきた教師陣によって確保され処置室に連れて行かれた。右足と右手も一緒に抱えられて。

「・・さて、俺はどうするかね・・」

そう言いながらISを解除し、一応学園長に連絡。

『・・聴きましたよ、ハントくん。また・・ですか?』

「殺してはない。怒りでこうなった事に全く謝罪の意思もない。俺はどうなっても知らないと云った。その上で戦わせたのはあの馬鹿のせいだ。全責任はアイツが負うという言質も取っている。」

『そうですか・・。まぁ、今回の件で織斑千冬さんは教師では無くなりますので・・学園内に今後立ち入る事も禁止します。コレで貴方も少しは気が晴れるでしょう。』

「気は晴れんがまぁ、俺に対する気遣いには感謝しよう。・・さて、警備の関係が有るので。」

『えぇ、お疲れ様です。』

「・・ふぅ・・。」

最近の事を思いつい、ため息をついてしまった。

「俺に対してのアイツ等の行動・・まったくふざけているとしか言いようがない。」

『本人はいたってまじめなようですが?』

「自覚の無い病人ほど性質の悪いものはない。自覚の無い馬鹿ほどうざったいものはないな。」

『はは・・ごもっともで。』

「では、以上だ。」

そう言って連絡を切った。

 

 

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