龍装の成層圏 X~流星と狩人~X   作:金宮 来人

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13話 弾けまして

アレから俺は普通に生活をしていた。・・と言う事は無く、

「ぶっ殺されたいのか?」

又もや篠ノ之と織斑千冬に絡まれていた。因みに篠ノ之は車いすで半身包帯ぐるぐる巻きだ。ソレを見つけた警備班が職員に連絡。今こちらに教員体が向かって来ているらしい。

「そのような危険な機体は・・」

「煩い黙れ帰れ。」

「一夏、この腕はどうしてくれる!?」

「てめえのせいだ。てめえで始末でもつけろ、ウザい。」

そう言って俺はその二人を手で振り払いどかせて進む。

「待て一夏!!」「一夏!!」

「うるせぇなぁ・・一夏、一夏と・・。俺の名はイチカ・ハント。テメエ等とは何の関係もないの。分かったらさっさとどっか行け。目障りだ。」

睨みつけながら、腕の傷を見せて、

「俺にはこんな風な傷が有るが・・てめえらみたいな小物じゃ絶対に傷つけらんねえよ。」

そう言うとひきつった顔でその場から引いて行った。

いろんなモンスターたちと戦った勲章の傷跡があちこちにあるが、ソレはこんな生ぬるい環境じゃなかった。

常に死と隣り合わせの極限状態。

一つのミスが命取り。

雪山の段差に足を取られて扱けたら、上から飛びかかってきた『ティガレックス』に引き裂かれた仲間を見た。

今まで何頭も狩って来たからと言っていたから油断していたのだ。

俺はそいつの一部に靄がかかっているのを見つけた。それによって鍛えた鎧はいともたやすく切り裂かれ、砕かれた。そして命を落とした。

火山の溶岩内から変な音がしてすぐさま退避しなければ、『ウラガンキン』の転がる道で下敷きだったり、遺跡平原でひやりとした気配を感じ取り、死ぬ思いでその場から避けなければクモの化け物みたいな『ネルスキュラ』の鎌で首を落とされていた。

俺はそんな世界で命を感じていたのだからコイツ等と共に居ると鈍る一方で、鍛えたいがそういう場所が無い。モンスターも居なければ・・ISでも素手で狩れる様に鍛えるか?

 

とりあえず、アイルーの真似をして体を鍛えてみる事にする。ロープで吊った木の杭を一点を軸にして投げて帰って来る反動を体で受けて防御力の向上をする。もちろん生身。下手すると突き刺さるが・・『ランポス』の爪より怖くないな。・・まぁいいか。

そう言ってそれをする事に。

案の定、一発で杭の方が砕けた。結論、駄目だコレ。

鉄か・・杭型ならランスか・・重さ的にもブーステッドハンマーでも使ってやるか?

流石にきつそうだな。コレは要検証で。

他は武器を振って筋力トレーニングに、校舎の壁をロープ無しでよじ登ってみたり、屋上から飛び降りたり、どれくらいいけるかパルクールのように走り続けたりして自身の体を検証してみた。

結果、うん・・人間離れしたハンタータイプの体のままだった。怪我ひとつなく検証を終えて自身がした事を束に報告するとひきつった顔をされた。

『イチカが人間やめてる件について・・』

「それくらい、ハンターになった時から自覚はしていたよ。それでもこっちに帰ってきて体が変わってる可能性もあるから確認した。今までよりも頑丈になってるのはおそらく竜化が関係している気がするんだよね。怪我の再生力が高すぎる。ナイフで切り傷つけて一時間で傷跡が無くなっていたからな。」

『・・それは向こうのモンスターの性質かな?』

「多くのモンスターは小さな傷程度はすぐにふさがる。大きな傷は残るが、致命傷になりかけるほどの傷じゃないと大体は治るからな。ハンターが必要なのはそう言う所も超えてモンスターを倒せる所だ。それでもこっちも命懸けだ。」

『・・分かった。それじゃ、また休みには帰ってきてね?』

「近いうちにラウラでも連れて行ってくーとの初対面でもさせたいと思っている。」

『それはいいね。それじゃ私は娘へのプレゼントでも作るよ!』

「手料理でも作れるようになったくれれば安心するんだがな・・母親として。」

『そこは、くーちゃんの方が優れているので。でも、最近お菓子作りはできるようになったよ。キッチリ計って作るのは得意みたい。』

「あぁ、科学者系統な人はそう言うのが得意らしいな。じゃ、帰った時には束のクッキーでも期待しておく。休みはまた連絡する。」

『おっけー。でも早く帰ってきてね、イチカ。』

「わかった。」

そう言って電話を切る。

そもそもこの学園でしてきた事を考えたら分かりきった事だった。

 

それから学園から退去しない織斑千冬に対して実力行使を行う事となり、学園最凶を塗り替えている俺が出る事となった。

「一夏!お前からも何か言ってくれ!!」

「さっさと居なくなれよ戦闘狂。お前に呼び捨てにされる筋合いはない。お前の弟と一緒にされては困る。こっちはお前を叩き出せと呼ばれたんだから・・力づくでも立ち去ってもらう為に、武力の行使も許可されている。」

そう言って俺は武器を構える。

見た目にはIS用の大型の剣を普通に素手で持っているようにしか見えないだろう。

「『アイアンソード』・・一番初心者向けの武器だが、テメェにはこれでももったいないくらいだよ。血が付いたら捨てるからな。テメェの血なんかで武器を汚したくはないが・・俺が平和に暮らすのにはテメェは邪魔だ。一々、騒ぎやがって。」

大剣を肩に担ぎ構える。

「さて・・狩りの始まりだ。[ハンター]・・イチカ・・いざ・・狩猟、開始!」

そう言って俺は大剣を振り下ろす。ソレを織斑千冬は横に避ける。地面に刺さった大剣はその威力で三分の一を地面に埋めてしまうが、すぐさま俺はソレを抜く。地面がめくれるように土を撒きあげて、織斑千冬は顔に飛んでくる分を手で払う。俺から視線を外したうちに後ろに回ってローキックを足にくらわせて、バランスを崩させて蹴って地面に這いつくばる様にして転がす。こけた織斑千冬の背中を踏みつけ首横に剣を構える。

「・・チェックメイト。」

「こ、こんなこと・・わたしが・・簡単に負ける・・だと?」

首筋ぎりぎりに構えた剣をどうする事も出来ずに両手を無言で上げる。

俺はその腕をツタの葉と蜘蛛の糸を使って作ったネットのロープで縛りあげる。鎖よりも丈夫な向こうの世界のロープ素材に力を入れてもどうにもならない事に驚いた織斑千冬は、両手両足を縛られて担架に拘束されてモノレールに乗らされた。そのまま学園から強制退去させられたのだった。

 

「全員が揃った今日はめでたい日だ。あの暴君による学園の支配ではなく我々の確固たる防衛が役に立つ門出の時が来たのだからな。これからは一層気を引き締めて職務をおこなうように。」

「「「「はい。」」」」

「これからは全員がコードネームを使う事になる事が決定した。先ず私、中本が警備班のリーダーで司令としての配置で、【マスター】だ。それからケインズが【アーチャー】、王が【アサシン】、橋本は【キャスター】だ。このメンバーは私の指揮下だ。」

「「「了解です。」」」

三人がそれぞれ自分のコードネームを覚える。

「それからイチカ・ハント。君は引き続き独立部隊員として行動してくれ。応援にはなるべく駆けつけてほしいと思うが、それが陽動の可能性が有ると踏んだ場合はその限りではない。コードネームは【ハンター】だ。君の行動に最もふさわしいと思う。」

「発見、危険判断、対処、無効化までは行いますが、それ以降はお願いします。」

「分かった。まぁ、情報収集【尋問】などは我々の役目でもあるからな。君は敵対象を無効化すればそれでいい。」

「ならば問題はありません。・・これからは【ハンター】として狩猟をしていくとしましょう。狩人は・・獲物を逃しません。」

「う・・うむ。き、期待している。(ヤバい、マジで目が怖い。)」

「はい。頑張ります。」

笑いについ力がこもり、悪どい笑いになってしまったのを自覚した。

その瞬間、部屋の中の空気が二度くらい下がった気がした上に、全員の顔色が青くなっていたのでやってしまったのを自覚したのだった。

 

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