「イーリス・コーリング・・・。」
「あぁ、確かお前が最強なんだろ?なら、それより強いと証明したい。」
「・・お前は馬鹿か?」
「・・おう?いきなり罵倒か?」
俺はため息をつきながらそう言った。
それに対してイーリス・コーリングは理解できていないらしい。
「学園からの緊急要請。それは今回の事は学園への侵入、及び危険な存在と言う事だ。アメリカの代表ならばこの状態はどういう問題が起きるかわからないか?」
「えーっと・・、何でもいいから戦おうぜ!」
「ぶっ飛ばすぞ!?このイカレ女!!国際問題となり、更迭されることに成りかねんと言う事だ!貴様はISを装備している!これは立派な兵器の持ち込みで脅しと同じ状況だ!」
「・・あ?じゃぁ、アタシはもしかしてとんでもないことしてんのか?」
「そうだと初めから言っている。俺とただ戦闘がしたいだけなら、ちゃんとした理由と共にIS委員会と学園に申請を出して、許可を出された場合に確認し、それから俺の状況などと加味して時期を取るという手順が必要だ。」
「それが面倒だから来た。」
「この・・『こんのぉおおお・・超ド級の馬鹿あぁあああああ!!』・・む?」
上空に航空機の反応があり、そこから一機のISがおりてきた。
そして、勢いをつけてイーリス・コーリングに飛び蹴りを決めた。
「ごぶぁあああ!?」
『はぁ・・はぁ・・。急に来てごめんなさい。私はアメリカ試験機部隊、テストパイロットのナターシャ・ファイルスよ。この子はシルバリオ・ゴスペル。このバカを連れ戻しに来たの。突然の侵入は申し訳ないわ。でも、見ればわかる通りあの本当の馬鹿は言ってきかないから力づくで連れ戻しに来たわ。』
「な、なるほど・・。えっと・・ファイルスさんはイーリス・コーリングさんの知り合いと言う事で?」
『腐れ縁でもあるわ。一応は親友なんだけど、狂犬の飼い主をしていることに成ってるの。目を離したすきに居なくなっていて、連絡が来たので急いできたわ。』
話し合いができる相手と分かったので、俺はISを解除する。それを見てファイルス氏も期待を解除した。
「それなら、とりあえず警報は解除します。それと詳しい話は中で。コーリング氏は学園敷地内では拘束しそちらに渡しますが、よろしいですか?」
「えぇ・・。本当に申し訳ない。この通り、ごめんなさい。」
そう言って頭を下げる。
「まぁ・・、馬鹿が居るのは大変ですよね。なんとなくあなたの気持ちは幾分かはわかりますので、そこまであなたが頭を下げる必要はありません。」
そう言って俺は吹っ飛ばされて壁にもたれかかったままのイーリス・コーリングの『ファング・クエイク』に正面から拳を握り構えて龍化。ブラキディオスの蒼くなった拳で殴りつけた。
【ドガゴォン!!】
と音がして壁から衝撃で吹き飛ばされてSEがなくなり強制解除されたイーリスが地面に落ちた。受け身も取れずに顔から落ちた。
「ひぎゃぁああ!?・・ぶべぇ!?」
俺はその頭を押さえて背中に腕を回す。
「侵入者として拘束する。抵抗するなら武力を行使する。」
「む・・無理無理・・。お前、今IS解除して殴ったろ!?それでSEが無くなるってどういうことだよ!?」
「知る必要はない。」
そう言って俺は龍化した目で睨むと、
「・・ぴっ・・・。」
変な声を上げて固まった。
そして、状況を見た警備班が拘束衣を持ってきて、イーリス・コーリングを拘束した。その際にファング・クエイクはナターシャ・ファイルスに渡してある。
「はぁ・・なんでこんなことに・・。俺の休みが・・。」
「あぁ・・日本へ来てのバカンスのはずだったのに・・。」
お互いに苦労人がため息をついた。
いつも振り回されているのかお互い、初対面ながらも気苦労が感じられた。
「それでは強制返還でいいと?」
「それ以上は求めません。今回は脳筋の暴走が原因の騒ぎです。当然ながら国内での何らかの処置はしてもらいますが、こちらからは具体的な内容は要求はしません。」
俺は腕と足を組んで明らかに悪い態度でそれを告げる。
「それでは各国に対しての姿勢が・・」
「甘いというのなら、コアの一つでも要求しましょうか?」
俺が軽く竜化し、目をリオレウスにして口から火を出す。それを見て明らかに顔色を変えたイーリス・コーリングは怯え切っていた。
「それは・・。それでは・・今回の事でおそらくイーリスは国家代表の座を下ろされることに成ると思います。その後に無償奉仕で学園内のボランティアなど・・」
「おい、明らかに手に負えなくなったからと押し付ける気だろ。」
そう言うと、ナターシャは目をそらす。
「・・それならば、私も一緒に学園に赴任し、テストパイロット兼職員として指導しようかと・・。一応大学を卒業時に教員免許はとっています。実際に教員としての経験はありませんが。」
「・・むぅ、それならいいかもしれないな。確認だが、ナターシャは専用機で、イーリスは専用機を没収という形で来るんだよな?一応所属はアメリカと言う事での出向という形をとるのがいいか・・。」
「そうなると思います。各国に責められないように優秀なパイロットを二人、国から出すという形での対処としてくれれば、私はこの学園のために働きます。あと、このバカも使いますので。」
「ふむ、とりあえずは国に戻り、上層部の意見を聞け。こちらも学園長やIS委員会と話すことにする。内容は今の会話を録音してあるのでコレをもとに書類作成して提出する。」
「分かりました。こちらの国家上層部に穏便にするための話はします。・・しかし、ひとつ耳に入れたいことが・・。」
「なんだ?」
俺は疑問に思う。ここまで来て急にナターシャの顔が変わったのだ。
「すべての把握は出来ておりませんが、織斑千冬が暗躍し、裏で活動する武装組織とつながっているという話が回ってきました。そして目的は復讐・・。」
「復讐だと?もしや俺にか?」
そう言いながら俺は笑う。手も足も出なかったあの女が俺に?そう笑ったが、次の一言を聞き俺は目つきを変えることに成る。
「どうやら、金と紫の義手義足をつけた少女を見たという話も・・。それで、いくつか組織が基地事消えたとか・・。」
「義手義足・・篠ノ之箒か・・。しかし、金と紫・・?」
『ねぇ、『ソレ』・・やばいかも。』
それはバルファルクの声だった。
「ソレ・・というのは義手とかの事か?」
『おそらくだけど、その組織が基地事消えたのは巨大な形を維持するためのパーツ。巨大な要塞型の姿を使い、攻撃が可能な【モンスター】・・。』
「何?まさか・・、お前のようにこの世界に来たのがいると?」
『金と紫でどういう生体かも謎の邪悪な存在とも言える。出現した際には町が荒野になっていた所も見たことがある。私はあれほど闇のような邪悪な雰囲気をまき散らす存在は知らない。存在自体が闇ならいた。でも、【アレ】は移動する。そして町を消していくの。』
「そいつが来たなら・・つじつまが合う。俺に対する恨みを持った心なら、闇と言っていいだろう。それと結びついたなら俺の様にお前を纏う形と一緒で、ISとしての装備となった可能性は大いにあるな。」
「いったい何の話?と言うか、あなたは誰?」
「俺の相棒のバルファルクだ。ISのAIみたいなものだ。それで、そいつは本当に?」
『まだ推測の域を出ないけど・・、特徴や建物一つ残らない。見た目は龍とも蟷螂とも言われているけど、実際の存在は謎。ソレが現れた場所に残る物は、瓦礫のみ。その名は・・』
『謎の存在・・【閣螳螂 アトラル・カ】。』