龍装の成層圏 X~流星と狩人~X   作:金宮 来人

2 / 23
01話 帰ってきて

眼を開けるとそこは暗い建物の中だった。おかしい、俺は洞窟に居たはずなのに明らかな人工物。しかもどう見てもあの世界じゃ見た事無いほどの機械的な・・機械?!

「・・まさか・・俺は・・ん?」

周りを見ると俺の鎧も武器も無かった。インナーだけで、それ以外は見た事のない手甲?ガントレットと言うか、そんなものが俺の右手に付いている。ソレに付いている宝珠みたいなものは赤黒く明滅していた。

「・・丸腰じゃ流石にな・・一応はぎ取り用ナイフは腰にあるがこれはあまり戦えない。モンスターの攻撃には向かないからな。逃げ一択か。

「あれー?なんでこんな所に人がいるのかな~?」

そう言う声が後ろからしてくる。おかしいこれは俺が一人で受けたはずのクエスト。何故他の人の声が・・

「ん?ん~?君ぃ、一体何者かな?」

「お、俺は・・」

俺は振り向きながら話そうと思ったが途中で言葉を失う。そこに居たのは、

「た、束さん・・。」

「あー?気安く人のなま・・え・・あれ?あれあれ?も、もしかして・・いっくん?」

「まぁ、そうですね。・・イチカです。」

俺はもう織斑じゃなくハンターのイチカ。名字などない。

「いっくーん!!」

「束さ‥どぁ」

いきなり叫びながら飛びこんできて俺はその豊満な胸に顔が埋まる。

「いっくん、一体今までどこに・・」

「む、むぐぐ・・」

ヤバい、おっぱいで視界がいっぱいで窒息しそうだ。慌てて引き剥がす。

「ぷはぁ・・胸で窒息とか勘弁してください。」

「あれ?男の子ならうれしくない?」

「まぁ、束さん位の美人ならうれしいですが・・て、そうじゃなく。ちょっと俺も理解するのに整理しますんでちょっと待ってください。・・確かあの時の俺は同じように光りに・・ふむ。で、同じ状態でここにいると云う事は・・ここに束さんが居るって事は元の世界に帰って来たって事か。なるほど。」

「い、いっくん?」

「はっきり言います。俺は異世界に行っていました。此処じゃない別次元。そこでは科学の文化は発展して居なくて、こっちじゃおとぎ話に出てくるドラゴンみたいな生物がいる世界です。そして、俺はそこで狩人『ハンター』として生きていました。数年、アッチじゃ結構経ってますがこっちでは俺が居なくなってどの位経ってます?」

「いっくんが居なくなって一年丁度だね。でも、いっくんはあの誘拐から半年で日本政府が死亡判定にしたよ。あの屑ども、ちーちゃんに弟つまり男の家族がいる事が気に食わない女尊男卑どもの事だけど・・アイツ等が仕組んだ事だった。IS委員会の奴等と手を組んでいっくんを誘拐させて・・殺す気だったらしい。もうそいつらは始末したけどいっくんがどうしても見つからなかった。」

「まぁ、この世界に居ないんじゃ何処捜しても見つかるわけ無いですがね。」

「そうだね。・・でも、生きていてくれてよかったよ。」

「そう言ってもらえてうれしいですよ、束さん。」

そう言いながら俺は鼻を右手でかく。

「ん?いっくんそれは?」

「え?あぁ・・いや俺も知らない物で・・。気が付いたら右手に。それに周りに俺の装備もないし・・」

そう言いながら頭をかく。周りをもう一度見渡しても広い部屋の中には俺の装備は無く機械的な物が落ちているだけだった。

「いや、それ・・・ISじゃない?」

「は?・・いや、何言ってんですか束さん。そしたら明滅してるこれは俺が動かせる事になるじゃないですか。」

「・・だって、私が作ったコアじゃない。でも、それらしき反応はあるんだ。だから束さんはここに来たんだけどそれらしきものはなく人が・・いっくんが居るだけだった。此処は束さんのラボでコアは今全部使用中。ならそれ以外の反応がなんであるのかって事になる。」

「・・マジか・・。」

頭を抱える。顔に左手を当てて押さえるように下を向く。しかし、確かに俺がここに来た時につけて来た物が無くなって、逆に無い物があり・・なら、もしかすると・・。

「行きますか。・・束さん、どうすれば起動できますか?」

「基本的にはイメージだけど・・」

イメージ・・俺の鎧を装備した姿をイメージする。装備はライゼクスシリーズで、武器はヘヴィボウガン『電龍砲・雷撃』。

すると右手の小手が光り俺の視界は逆に開ける。いや、視界自体はヘルムのせいで狭まったはずなのに、頭の中に全体を見渡すイメージが流れ込んでいる。周り外周360度見えているようだ。そして、背中に手を回すと【雷撃】がありソレを伸ばして構える。狙いうちをしても視界がつぶれる事はない。そして、ISならと思い、空を飛ぶイメージをすると背中にライゼクスの光る羽が広がり、腰のあたりに鋏の様な尾が生える。ソレを広げ、羽ばたくようにするとすぐに空を飛んだ。いつもより手足が長く胴が大きいように感じるがすれもすぐに慣れるだろう。それよりも飛ぶ感覚が気持ちいい。もっと大空を飛びたいものだ。目の前に天井が迫りすぐに体を捻り、地面に向かって蹴りを入れるように急降下する。地面に降りるとびっくりした顔の束さんが居た。

「どうしました?」

「・・いっくんがISを動かせれるだけでもびっくりなのに、動きが完璧すぎる。普通ならもっとなれない感覚に戸惑うんだよ?」

「・・ハンターは慣れない環境でも、迅速に行動し、かつ思考は正確にしないとすぐに死にます。そんな環境に居ると特殊な状況は成れっ子とも言えます。・・未確認の種類の龍が出て来ていきなり戦闘と言う事もあります。そこで迅速に撤退、撃破、撃退、捕獲などを決めて行動しないといけない。・・残りの傷薬に食料、砲士なら残りの弾薬。剣士なら砥石の量や罠、環境なども全てを見て考えます。そうしないと死にます。もう一度言いますが一歩間違えば死ぬ状況に俺は居ました。そんな俺がこれくらいの逆境でへこたれることなど有りません。むしろ、力を得てソレを生かす方法を即座に考えます。」

そう言って納刀と同じように思考するとISも解除される。少し空中から降りるように体制をして[スタン]と音を立てて地面に立つ。

「さて、・・気になるのは・・さっきはガンナーだったけど、剣士の場合は・・?!それよりも空を飛ぶ際に羽の無い龍タイプの鎧だと飛行が出来ないとかありそうだな!そうなると…あ、むしろ羽が生えるという事は元の龍に近い形もできるのか?」

俺はそうブツブツ言って考え始める。思考を深くしてしまうがもし、尻尾が生えるのも兼ねて竜化できるなら、俺はなってみたいのが居る。ソレをイメージしてみるか。

「よし・・束さん。少し危ないかもしれないから離れてもらえます?」

「き、危険な事!?何をする気かな?」

「うーん、まぁ、竜になれるかの実験。」

そう言って頭にその姿をイメージする。青と赤紫の装甲に強靭な顎、そして特徴的な刃物を思わせる大きな尻尾。そう俺はイメージをふくらます。すると、

《グルルルゥ・・》

そんな声が腕の宝珠から出て来た。そして、

「『グルアァァァァ!!』」

そう声が出ながら俺はISを纏った。しかし、ソレは頭としっぽが変化したディノ装備だった。しかし、俺は自身の尻尾を頭に持ってきてそこの顎でソレを咥えて更に熱を加えて、体のひねりを加えながら尻尾を振う。

《ギャリィィン》

そんな音がして壁に大きな斬り傷が付きしかも熱を加えていた事で尻尾も赤くなっていた。そのせいか切れた断面も鉄が沸騰していた。そして、俺はソレを解除して断面をじっくり検証。

「ふぅむ・・これならイケるか?」

「イケるか?じゃないよ!?これ対IS装備装甲壁だよ!?何あっさり切ってるの!?って言うかさっきの化け物何!?あんなのISとかじゃないよ!?別の何かの生物だよ!!」

「そうだな、アレは尾が刃物状に進化した《斬竜、ディノバルド》。もっと上位の竜も居るからそれにもなれるとしたら、怖いもの無しだな。これ、IS相手に使ったら相手死ぬかな?」

「死ぬかな?・・て、さっきの言葉聞いてた!?対IS兵器装甲壁、つまりISの武器でも傷すらつかない壁だよ!?ソレを思いっきりぶった切ったの。分かる?この意味分かるよね?!」

「なるほど、殺すなら使えるという事だね。」

ソレをにっこりと笑いながら伝えると一気に束さんが下って行って壁に張り付いた。

「い、いっくんが怖い・・。」

 

「ふふふ・・冗談・・にしたいな。」

「冗談じゃないの!?怖すぎるよ!?」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。