【アトラル・ネセト】の二回目の糸の繭は大きく、先ほどよりも数が増えていた。
「まぁ、ディノバルドよりも・・こちらの方が攻撃しやすいがな。」
ディノバルドは翼が無く、ISの装備としても地上戦しかできない。出来るのはジャンプぐらいだ。
しかし、ダブルクロスの装備で一番の機動力を持つ【バルファルク】なら、成層圏までだって楽に飛んでいける。
肩の後ろから火を放ち、ターボエンジンのように唸りを上げる。
「さて、それじゃぁ、・・駆るぞ!」
【Gyuooooo!】
低い音のアトラル・カの鳴き声が【アトラル・ネセト】から響いた。
それと共に足を上げて踏み込むようにするが一瞬で砂煙をあげながら空高く舞い上がる。
装甲が形状を変えて高速軌道する状態になり、雲を引いて空を駆ける。
双剣を翼のように横に広げて急降下して【アトラル・ネセト】の金の繭を切る。そして反転し、また高速で飛びながら横に斬る。行き過ぎて今度は後ろから、前からと何度も行ったり来たりと周りを飛びながら切り刻む。
そして、【Gyuuuuuaaaaaa】と苦しみの声を上げて倒れた時に、空中で肩が変形、太刀の形状に変えて上空から加速をつけて斬る!
「さて、耐えれるか!?」
もう片方も伸ばして太刀の様にして振るう。一気に加速して何度も振り、金の大きな糸の繭を一つ切り刻んだ。
そして、前進しながら肩を戻し変えて大剣で振り下ろす。
横薙ぎに振り上げ、そして力を込めてもう一度、大振りからの振り下ろし。
【Gaaaaaaa!?】
野太い声を上げて金の繭がほどけ、そして残ったところには歯車のような、車輪のようなそんなものを背中に背負った【アトラル・カ】が砂の中に立ちすくむようにそこに居た。
そして、ゆっくりと顔を上げると、両腕のカマを上げて、
【KiiiiiiiYaaaaaaaa!!!!!】
怒りを込めたような声で叫んだ。
それは怒りの金属音の様で、悲しみの楽器の様で、苦しみの怨嗟の様だった。
その声を聴いて俺はわかる。
「終わりも近い・・。そう言う事だな。」
【アトラル・ネセト】を二度も破壊され、力も生命力も残りわずか。
決着をつけるために本気の姿の様だ。
背中から少し上がる紫の煙のような恨みの感情が見えて、目は光り、鎌を何度も振り降ろして怒りを表している。どうにも感情が収まらないらしい。
「さて、そんじゃぁ、一狩り行きますか。・・イチカ・ハント・・ハンターとして、モンスターを『狩る』!」
空を駆けていた時のバルファルクの竜の形状が人の形状として変形する。
片手剣と楯を装備して、真正面から対峙する。
お互いに目線で睨みあいをしながら動きを探る。
らちが明かないのでこっちから動くことにした。
真正面から走り込む。
【kiiiiyaaaa】車輪に巻き付けたそれを振り回し伸ばす。
自分を中心としてそれはグルングルンと加速して横から高速で近づいてくる。
それを前転でかわしつつ、走り込んだ勢いで転がった先は【アトラル・カ】の足元。
そこから立ち上がり反動を利用して切り上げ、横に払い振り下ろして楯で殴る。
そして、位置を引き戻してきた車輪を横に転んでよけて下がる。次はスラッシュアックスを取り出して切り上げ、足元を切りつけ不安態にしたらそのまま何度も横に縦に振り回す。
【kiyaaaa!】
怒った【アトラル・カ】は両腕のカマを振り攻撃してくるが、また今度は前転して体の下をすり抜ける。そして、下からすくいあげるように武器を変えて、ハンマーで殴り、三回スタンプするように叩きつけて、体全体をねじってフルスイング。
後ろから虫の腹の部分を殴られてダメージが入ったのかジャンプして離脱し、こちらから距離を取る。
【kiyaaaa―――!!】
距離を取ったと思ったが俺はライトボウガンに変えてすぐに撃つ。
通常弾を撃つがそれを鎌で受けて、その場でジャンプした。
「ん?何を…!?」
【アトラル・カ】は前転をしてそのままの位置で降りる。
だが、その尾の先には糸と共に先ほどの車輪。
ソレが上から叩きつけるように降ってくるのを横に飛んでよける。
そのまま転がると、今度は砂の中から撃竜槍のような巨大な槍を糸で浮かし、それを投げつけてくる。
背中のブースターで加速して一気に離脱。そのまま今度はヘビーボウガンに変えて転がりながら狙いをつけて、止まると同時に遠いのを見越して装填した遠撃弾。
リロードすることなく撃ち終わると、武器を変えて弓を撃ちながらフットワークで数が少なくなった槍を避けて矢を放つ。
ある程度まで近づいたら、弓を収めて、槍を出す。
そして、突撃。
飛んでくる巨大な槍は縦で防いで、背中のブースターの勢いで加速、槍を突きこむ。
『ガキィンキィン』
と二本のカマの間に突きこんだ槍は相手の鎌状の腕を弾いた。
腕が上がった先に武器を変えて、ガンランスを構えて胸の真ん中に狙いをつける。
「フォイエル!!」
竜撃砲をぶちかまし、その反動で下がる。と同時に武器をチャージアックスに変更。
剣で切りながらもそれを盾に差し込み、盾が展開。
斧となった武器を敵に叩きこんだ。
【kiii・・giii・・】
かなりダメージを食らったようだ。
そこで追撃しようとすると、いきなり目の前に車輪が現れた。
楯で受けるが弾き飛ばされる。
見ると【アトラル・カ】は車輪で移動しながら攻撃をして来たらしい。
そして、距離を取るとまた槍を浮かべて飛ばしてくる。
それをハンティングホルンで叩き落す。
元が朽ちているからか、叩き潰すように振り、時には横に振ると壊れた。
そして、旋律を奏で、強化をする。
俺自身を強化し、攻撃力を上げて武器は収納した。
「さて、これが・・・最後のぉ・・祭りじゃぁああ!!」
竜の形状になり咆哮を上げる。
【kiyaaaa!!】
【アトラル・カ】も大詰めがわかったようだ。真正面から構えた。
俺はその場からジャンプして上空に移動。そして、高軌道形状へと変形し青い空を越え、蒼穹を越え、宇宙の境界線まで来た。
そこから下を向き胸から吸気していた機体を圧縮、燃焼させて肩のブースターへと回す。
そして、一瞬にして爆発的に加速し音速の壁を超える。
待機との摩擦で赤く燃える。
それはまさに彗星。
それを迎撃するように構えた槍を飛ばしてくるが、体を傾けるだけで避け、速度は落ちない。
最後のあがきに車輪を投げるが、ソレも無意味に終わり、
【・・a・・・aaaa・・】
胸を貫いた。
「終わりだ・・。」
金色の螳螂の眼から光が失われ、貫いた先にはコアになって取り込まれた篠ノ之箒の体が合った。
体は崩れ去り、血塗れの四肢のない体が地に落ちる。
最後に金色の歯車が落ちて割れた。
「・・狩り、成功・・。」
俺は【アトラル・カ】を狩ったのだ。
すると周りの砂の壁があったのがすべて崩れ去り、かろうじて形を残すビル群と青空が見えた。
「な、何故だ・・?最強だったはずだ!?何故負ける!?」
「・・篠ノ之箒も結局はこうなった。あんたもそうなる。」
俺は一本の太刀を出す。
【鉄刀】。通常の人が使うには長く重いそれを、両手で構え、
「わ、私を殺す気か!?この、私を!?私は織斑千冬だ!世界最強だ!それなのになぜ思い通りにいかない!?貴様は何故邪魔をする!?何故だ!?」
どこからか刀を取り出す。それを震えながら構える。
俺は呆れながらも、目を見据えた。
「狩人に・・聞くことじゃない。俺は狩る・・。それだけだ。化け物を・・モンスターを・・。」
そして、力を込めず軽く足を運び、振りぬいた。
「・・あんたは十分、化け物だったよ・・、織斑千冬。」
「あ、・・ば、かな・・。」
刀ごと体を両断した。
「・・消えろ。」
バルファルクの肩を使い、二つの遺体を燃やした。
さーてどうするか。なんて考えたら、割れた歯車が宙に浮いた。
「あ?まだ何か来るのか?」
そう思い構えると空中に黒い穴が開いた。
『アレは、私がこの世界に来た時と同じもの!』
そう言ったのはバルファルク。戦闘時はずっと操作に集中していたから声をかけてこなかった。だが、終わった今、それは無意味らしい。
「それじゃ、アレをくぐればまたハンターの世界に行けるのか?」
『おそらく・・。もうここには戻ってこれないだろうけど・・。』
「別にいいさ。未練など無い。俺は・・『イチカ・ハント』だからな!」
そう言って通信をした。
「すべての人類に注げる。化け物は狩りつくした。俺は、俺の生きる道を進む。だから、・・」
「生きるための強さをつけろ!生きとし生けるもの、全ての生命は強さを求めろ!心を力を、魂を高めて、人生を生き抜け!それが、活きると言う事だ!!」
そう言って通信を切った。
最後にメッセージを送る。
「束さん・・俺は、この世界じゃ生きていけない・・。だからバイバイ・・。」
返答を聞く事は無くすべての通信を遮断した。
「そんじゃ行きますか・・。俺の・・いや、俺たちの生きるべき世界へ・・。」
『向こうでも一緒だと嬉しいな。』
空の穴へと向かい入りながら後ろを振り向く。
「あばよ!この世界も楽しかったぜ!」
そしてイチカ・ハントは世界から消えた。
これは、一人の狩人の物語であった。
一気に駆け抜けました。
これで終わりです。
尻切れトンボみたいですいません。
ワールドとかしている世間なのにXXを書いてしまう私は時代遅れです。
まぁ、最後に一言だけ言わせてください。
モンハンで一番好きなのは、『毒怪鳥ゲリョス』です!
では、またほかの作品で・・。