そして、俺は束さんと一緒に生活をした。途中、俺が束さんのお願いを聞きドイツにあった非公認な実験を行っている組織と施設をつぶしたり、そこで、束さんが少女を拾い、
「私の娘にするから、パパはいっくんね?」
「・・・まだ未経験なのに子もちか・・昔のライトさんを思い出すぜ。」
と少し黄昏たりしたが、家族三人仲良く暮らしていた。
どんな感じかと言うとだ・・
「くー、束さん呼んで来てくれ。飯にする。」
「はい、お父様。」
「・・たく、母親と言うなら家事の一つでもしてもらいたいものだ。」
そう言いながら作った食事を並べる。
「いっくーん、いい匂いだねぇ。」
「いいですからお母様は手を洗って来てください。ラボで機械をかもっていたんですから。」
「はーい・・。うん、おっけー。んじゃいっくん・・。」
「はいはい。・・席について、手を合わせて、頂きます。」
「「頂きます。」」
そう二人も続いて言って食事に手を伸ばす。ちなみに今日はオニオンスープとオムライス。後オニオンとキャロットとパプリカが上に乗っているレタスのサラダだ。
「おーいしー。」
「たーのしー。」
「くー、束さん相手に意味のないノリは良いから食べなさい。」
「はーい・・。」
結局こんな毎日を送っている。ある意味幸せだ。
食後のコーヒーを飲んで座っていた。そこに束さんが来る。真剣な顔で。
「さて、いっくん。君にお願いが有るんだけど・・」
「大体は分かっている。IS学園に行けって言いたいんだろ?」
「え?・・なんで分かったの?」
「いや、別に確証はないがそう言われる気がした。織斑千冬の護衛、または処分と言う事はないだろうが・・俺としては一向に構わないがな。」
「・・いっくん。眼が怖いよ。」
「分かっている、だが・・俺の中の何かが言っている。俺に害成す存在になる可能性が有る。ならば、ソレを排除すべきだと。狩人である俺の勘がそう言うんだ。」
「・・そこまでかな?話せば分かって・・」
「分かるなら俺は何故こんな状況になった。分かりあえなかったからこういう目にあって来た。俺が正しい選択をしてきたというならソレを否定され逆の選択肢を強要された俺の人生はなんだった!?俺は・・俺は道具でもアイツの所有物でもない!!俺は俺だ!」
持っていたコーヒーカップが俺の覇気と咆哮で内側から砕ける。床に中身とかけらが落ちる。
「いっくん・・。」
「・・頭を冷やしたい。すまないが一人にしてほしい。落ちつけば俺からそっちに顔を見せる。」
「うん・・私は無理強いするつもりはないから。」
「あぁ・・。」
床を片付けもう一度珈琲を入れて飲む。
「・・さて、俺は過去を清算するべきなのだろう。なぁ?【クロス】。」
俺は自身のISに語りかける。二つの世界にまたがって居る俺と同じ存在。ISでありながらハンター装備である相棒。二つの世界が交わる存在として《クロス》と名前を付けた。
「俺もハンターとIS操縦者としての二つを取るべきなんだろうな。お前の相棒として・・。だが、俺自身が壊れそうで怖い。全てを殺して殺しつくしてしまいそうだ。怒りにまかせて《狂竜化》を使ってしまう可能性が有る。それに取り込まれれば俺は俺で無くなる。」
《狂竜化》とは前に試したディノバルドのように竜の能力を使う変化の事だ。その後研究を繰り返して見た。結果として正気を失いそうになるほど精神がおかされる事もある。
「まぁ・・そん時にならんと分からんか。・・ライトさん、俺を守ってくれ。そして《ネカマ》、《七三日月》。俺を支えていてくれ。」
かつての仲間にも心を支えてもらえるよう祈り、俺は覚悟を決めた。
「・・さて、頭も冷えた。覚悟も決めた。ならば後は・・」
珈琲を飲みほしてカップを洗い束さんの工房に足を運ぶ。
「学園に通うという要件を飲もう。但し、条件付きだが。」
「どういうの?」
「先ず、俺と束さんの言葉遣い、立場、コレは対等な物としてくれ。」
「むしろ、こっちから言いたい事だね。なんたってクーちゃんのお父さんなんだから。むしろ壁を感じてたのはこっちだよ?だから束って呼び捨てにしてほしいな。」
「そ、そうか・・。わかった。じゃあ、束。二つ目の件だ。俺を唯のIS操縦者としてだけじゃなく、警備員としての役目も含めてくれ。」
「・・なんで?」
「どうせ俺のISを狙ってくる奴が居るに決まっている。ソレを俺自身が潰して行く。俺に関わるとどういう目に遭うか思い知らせてやる。そして、俺がどんな存在かを知らしめる。特別製で俺しか扱えない事を教えてやる。その為に独自の戦闘権利が必要だ。警備員ならそう言う戦闘行為に入るのもやむ負えない事情になるからだ。」
「なるほどね。・・こっちからも条件いい?」
「なんだ?」
「戦闘行為時に相手によって出力を変えれるようにリミッターをかけさせてほしいの。」
「・・それなら昨日俺がかけた。少し前に試しに出た時の出力で、明らかに強すぎる事が分かったからな。くーの時も、ロシアの山の中に言った時も、フランスの実験機暴走時の時もな。」
「そうだね・・結果で世界中で謎の存在として探されてるからね。」
「・・ロシアの時は素顔さらしたからすぐにばれると思ったけど、黙ってるんだなアイツ。」
「何か思惑が有るのかもしれないから気を緩めないように。そして、・・少しかわいいからってなびかないように。イっくんには私が居るんだからね?」
「・・イっくんじゃなくてイチカって呼んでくれるか?呼び捨てでだ。」
「・・うん、イチカ。」
「よし。お互い対等ならこうじゃなきゃな。・・そして、俺はおそらくまともに恋など出来ないだろう。『ハンター』として、命を奪いすぎた俺はどこか壊れている。はっきり言うが、愛と言うものも上手く分からない。それでもいいのか?」
「大丈夫、イチカは私とくーちゃんを大事にしてくれてる。そこからでも家族愛程度は分かる。女としては追々でいいと思うから。ゆっくり行こう?」
「・・わかった。そしてありがとう。俺も多分怖がっているんだ。この関係が壊れる事が。悪くなる事が。今の三人の関係が離れるのが怖いんだろう。昔、俺を育ててくれたあの人を失った時の恐怖、絶望、虚無感、失望、それら負の感情にとらわれるのが怖いんだろう。」
「それは当然だよ。だから、私は君の近くに居る。共に居る。暗闇の空に囚われそうでも、手を伸ばせば私と言う太陽が朝を、光りを連れてくる。私が近くに居なくてもくーちゃんと言う月が優しい光で照らしてくれる。だから貴方は一人じゃない。」
「わかったありがとう。俺は・・準備にかかる。普段は生徒として。臨時には警備または戦闘員として動く。その条件を学園に飲ませろ。武装もしていくから、銃剣等の持ち込みも許可させろ。」
「りょーかい。任せて。全部イチカの言う通りにして見せるから。」
「信用している。ではな。」
自室に戻り荷物をまとめる。そして、制服を着た際に内側に入れる為の肩かけの銃のホルダーを用意。更に腰用のホルダーも用意して制服の改造案として、上着は少し腰から下に長めの制服にしてもらう事にしようと考える。下に着ておく戦闘用のシャツを着てその上からホルダーをつける。そこに部屋の壁にかけてある銃から一丁手に取りロックしてある事を確認しソレ『コルト ガバメント』を収める。左脇にあるホルダーに収まったそれに手を当てつつ、右腰にあるホルダーには『デザートイーグル』を収め、腰の後ろに『グロック』を収める。そして左腰にはデザートイーグルのマガジン三本、右脇にもガバメントのマガジン二本、後ろの左右にナイフソケットをつけてそこにナイフを収める。そして、大体の長さを考えているのと同じコートを着る。そして姿見の前に立ち一回転。
「ふむ、これならいいか。」
少々動きに気をつけなければいけないがそれ程度だ。
「それ以上に・・厄介なのは・・ふう。」
俺はそのまま座ったり軽く動いたりして武装が動きの邪魔にならないか確認する。そして、グローブをはめて手首部分を締める。
「・・っふ!」
一瞬で両手に銃を構え、更にナイフソケットに挿し銃剣状態にして格闘の動きをする。
ソレを置いてグロックを即座に抜き構える。
「・・そして、・・!!」
グロックを収めて一度眼を閉じ、その後見開くとその手には大きな楯と剣。俺の専用機の装備、チャージアックス『ブラックフルガード』が大きくなった物を素手《・・》に構える。軽く振って連結解除をしてソレを収める。
「やっぱり、唯扱うだけなら体にあってるからこっちで十分だな。相手がISな時だけ機体を展開するようにするか・・。」
改めて自分の力を自覚した。明らかに素手でISと渡り合えるくらいの力量と技量が有る。空さえ飛べると俺はきっとISを越える何かになるだろう位に。さて、《クロス》の調子もいいし、準備も進めて行くか。服はこれくらい、後は非常時の食料や、多少の娯楽品に嗜好品も持っていこう。薬品等はクロスの中にあるし、向こうに専用ラックを置けばISの技術応用でかなりの物が入るのも作れるだろう。それも後から束に依頼しておこう。
そして、準備が出来て俺はIS学園へと入学した。