入学早々喧嘩を売られた。
俺が男だからという事で気に入らないらしく、教師と生徒の一部から反発をくらう。
「だから私は、男なんかに守られるほど弱くないし!!第一!このような男の入学も認めない!!」
「そうです!!」
そう言われてはいそうですかと言うのも癪だから、戦闘を行う事になった。先ず、生身での戦闘の際に素手で電柱並みの棍棒を持って降っていたら相手が降参した。その際に専用機であるクロスの展開は確認できない事も相手の証言から得ている。つまりは自分の力のみだという事でソレを見て相手は本気で恐怖していた。
「あ、ISではそうはなりませんから!戦闘行為ならこちらの方が上ですし!!」
そう言われ、アリーナに無理やり連れて行かれ戦闘になる。これが一応編入試験の実地と言う事らしい。そこで展開するのは《ライゼクス》。ゼクスシリーズから羽と鋏状の尻尾を生やし、手にはライトボウガン《電竜弩》を構える。
「では試合開始よ!!ハチの巣になりなさい!!」
そう言いながら開始前からロックしていたライフルを撃ってくる。俺は即座にその場で後ろに飛んで、急上昇から地面に向かい腕を振り下ろす。地面に殴りこまれた所から電気が地面を走りジグザグにアリーナの地面を動く。
「な!?これは!?・・きゃぁ!?か、体が動かない!?」
「マヒしたか。なら、こっちも撃たせてもらう。」
マヒして倒れ込んでいる女の頭を踏みつけて動かないように固定しつつ、体に電撃弾を連射して撃って行く。
「きゃぁああああ!?まって、待って待って待って‥動けない!?」
「だろうな・・電撃弾は切れたか・・。なら、・・他は勿体ない。通常弾だから遠慮なく喰らえ・・」
また同じように連射して撃っていくとブザーが鳴る。
「教師IS戦闘不能。よって男子生徒編入試験者の勝利とします。」
「・・つまらん。」
実につまらん事だ。命のやり取りも無ければ、恐怖にひきつり引き金を引く事も無い。生きる為に頭を働かせるのではなく唯只、攻撃すれば終わる。恐怖も無く何も得る者もない。まったくつまらない物だ。
俺は学園長に挨拶をして例の入学の際の手続きを確認。俺の求めた事はすべて受け入れてあったのでそのまま許可して宛がわれた自室に荷物を置く。
「やぁ・・はじめ・・ま・・して・・?」
「・・お前さんか。久しぶりだな。壮健そうで何よりだがどうした?」
「貴方‥雪山の【ガムート】!?」
「おぉ、そん時はそう名乗ったな。俺はイチカ。イチカ・ハントだ。」
「じゃあ、あの時の姿も・・」
「あぁ、どんな環境に耐えれるかのテスト中だった。極寒の雪山、灼熱の火山、深海探索に空中を亜音速飛行。色々と実験をしていた途中だな。あん時にあえてラッキーだったな。」
「まったくよね。ほんと、あの時合わなければ私はここに居ないかもしれないのだからぞっとするわ。改めて言うわ。あの雪山ではありがとう。」
「構わない。まぁ、一応礼は受け取っておこう。それはまた後日、詳しく話そう。今日は色々と疲れた。」
「えっと、ごめんなさい。はっきり言うけど、この部屋、各国の監視カメラや盗聴器がごまんとあるわ。そう言う私も貴方と知らなかったから、得体の知らない相手なら情報を集めようとしかけてて・・」
「あぁ・・どいつもこいつも・・部屋出ろ。つか帰れ。」
「え?あ、はい。」
そう言いつつ部屋から追い出して、クロスの能力でライゼクスを使う。盗聴器、カメラの類を電磁波で焼き斬る。
「《クソがぁぁ》!!」
吠えると同時に周りに蒼く光る電磁波が飛び部屋中からそう言った物を全て壊した。そもそもパソコンその他の機械類はまだ搬入していないからここにある機械系統はほぼその盗聴の類だけである。
「ったく・・。」
俺はぶつくさ言いながら銃をケースに入れて取り出しやすい棚に置いておく。そして、寝た。完全に不貞寝である。
翌日、案内の為、教師が部屋にやって来ると言っていたのを思い出し支度を済ませる。
「・・お前・・。」
「ん?何でしょう?俺の顔に何か付いてますかね?世界最強《ブリュンヒルデ》。」
「い、いや・・名前を聞いていなかったので驚いただけだ。国籍と名前を教えてもらえるか?」
「あ?国籍はないな。捨てられてその後転々と連れ回されて、いろんな所で仕事をした。結果として、篠ノ之束博士に保護されて今の環境だ。国籍なんかない。名前は・・イチカ。イチカ・ハントだ。生徒として学ぶ事は少ないが基本警備を担当する事となっている。まぁ、海に浮かぶこんな所じゃ警備体制はザルだろうからな。きっと入られてからの後手に回る事は分かっている。そんための案内だから緊張せんで良いですぜ?」
肩を上げ手のひらを上にあげてのポーズ。織斑先生はどうやら顔が引きつっているが、まぁ、知った事かと言った感じだな。
「担任も貴女で?」
「いや、四組に入る事になっていると聞いている。担任の先生は藤林先生だ。」
「んー・・ふじばやし・・ね。海外が長くて、日本名は覚えづらいのは追々慣れて行きますかね。」
「一体どう言う所に居たのだ?」
「ん?あー・・一応密入国の類になっちまうから言えないな。仕事や実験中に事故が起きてやむ負えない事情だがいろんな国に入ったからな。こっちと男性でコレが仕える体だからな。見つかるわけにいかなかったし。」
「・・・今からソレを吐かせてやろうか?」
「やるならヤッテやるぜ?こちとら命かけた勝負は場数踏んでんだ。威圧しても無駄だ。・・・逆に潰すぞ?」
「くっ!?」
俺がディノバルドの程度の覇気を出すと、それだけでたじろいだ。まったく、こちらとこの学園校舎並みにデカイ相手とどんぱちしてんだ。これくらいで怯むかってんだ。
「・・どうやらあんたと一緒に居るのはよくないらしい。気が合わないようだ。生徒会長さんと面識が有るからあっちに頼むよ。んじゃ、さようならー。」
俺は生徒会室が有るという方向を途中で聞いてそちらに向かう。途中、寮から出た所で少し道から離れ、地面に向けて拳を放つ。
《ドガン》と音が鳴り地面が陥没する。
「・・あぁ・・いかんな。コレは如何。」
あまりに怒りが抑えられなくてついやってしまった。その場を埋めて立ち上がる。
その腕には黒い靄が纏われていたがすぐに霧散した。
「ったく、狂化してしまう所だった。あまりアイツには近づかないようにしないとな。」
怒りで制御がきかなくなったら、それこそ大参事だ。おれは、少し深呼吸してまた生徒会室を目指した。
「どうぞ。」
「あぁ、すまないな。所で名前は?」
「三年生布仏虚です。お嬢様の・・もとい、会長の補佐兼実家でメイドをしております。以後お見知りおきを。」
「なるほど・・。イチカ・ハントだ。生徒としては一年として入学だが警備員としての場合は何か問題が有ればすぐに呼んで貰ってくれてかまわない。以後よろしく。」
「はい。」
そう言いつつ出された紅茶を飲む。ふむ、旨いな。
「さて、イチカ君はなんでここへ?」
「あの時の事、詳しく話しておこうと思ってね。今後のお互いの関係の為にもさ。」
「・・裏の事知っていたり?」
「当然だな。警備が知らずして何を守れようか。まぁ、警備システム自体がザルと言ってもいいので、後手に回る場合がほとんどだろう。その際にでも迅速に動けるようにの手配も兼ねている。警備主任はISに乗れないから俺自体は独立起動戦力として見た方が良い。・・と俺自身は認識しているが、いかがかな?」
「えぇ、おそらくそれが最善ですね。こちらから言っても聞かない学園運営人上層部はIS委員会の人間。結局はIS最強説で人を見ていない。学生も変えが利くパイロットと言う名の部品としか見て無い。結果、私達は自衛しかないのよ。そこへ貴方が来てくれた。歓迎するわ。」
大きく手を広げその喜びを表す更識楯無。まったく、いちいちエンターテイナーな奴だ。
「さて、まぁ、あの時の話をしようと思うが・・ロシア内部の事もある。すまないが席をはずしてもらえるか?」
「そうね、虚ちゃん。少し外してもらえる?」
「・・かしこまりました。」
そう言って隣の部屋へと去って行くおそらくそこは事務を行う部屋なのだろう。沢山の資料や棚が見えた。