えー・・早朝、と言うか日の出前。いや、深夜という時間帯か?なんか、海から特殊な服装をした人間が上がってきたので即座に無効化、捕縛いたしました。縄で巻いて地面に投げている。三人か・・。他に気配は無し。
「な、なぜ・・我々がここから来るとわかった!?コレは、レーダーに映らない新たな装備だぞ!?」
「いや、偶然・・いや、勘かな?何かビビッときた。と言う事でさっさと吐け。テメェら何もんだ。どうせ俺狙いの馬鹿どもだろうから容赦はしないが・・」
そう言って銃を向ける。コルト一丁だが、十分怖いだろう。眉間を狙われると銃口が視線に入るからな。
「まっ!?ちょっとまて!?い、一学生がそのような物を・・」
「あれ?聞いてませんか―?俺、此処の警備兵でもあるんで・・独自の権限でお前等を拷問しても・・もとい、訊問して情報機器出しても問題はないんだぜ?」
銃の先で顎をぐりぐりと上にあげる。
「っくっ・・吐けばどうなる?」
「んー、内容によっては俺の怒りの捌け口。または情状酌量の余地が有るとして学園内で事情聴取。最悪、この場で射殺。いや、惨殺かな?」
にやりと笑って銃を収めて『クロス』からハンマー『ニトロブートハンマー』を出す。コレは先にドリルが付いていて、後ろにはロケット推進機が付いている。つまりその速度で振り下ろされて先ずはあら引き肉になりドリルによって完全なミンチになる。これを見せた三人は明らかに慌て始めた。
「わ、分かった!言う!だからやめてくれ!!」
「内容によると言ったよね?・・先ず依頼者は?」
「・・女尊男卑派のIS委員だ。・・あと喋るのが辛いので、マスクを外してもらえるか?」
「ん。」
そう言って視線は全体に向けたまま頭を蹴り無理やりマスクを外す。
「ぐは!?・・ぐぅ・・」
「さて、次だな‥依頼内容は?」
グリップに力を入れて持つと先のドリルが回り始める。
「ひぃ!?・・その・・『イチカ・ハントの殺害・・及び専用機の奪取。』・・」
「はいしゅーりょー・・。」
そう言って俺は後ろにいたマスクを着けたままの一人をハンマーを腕の力だけでゴルフのように振って壁に叩きつけた。
「ぎゃあぁぁぁああ!?」
びたーんと壁に叩きつけられ、骨が砕ける音がした。そして、悲鳴が上がる。
「・・あいつ、今俺に対して靴の先にある何かを向けた。おそらく暗器の類だな?暗器を向けて敵意を向けたからには敵対行為とみなし、即座に『対処』。『終了』させる事とする。」
そのまま、残る二人を見る。
「さて・・・あぁ成りたい?」
そういうと二人は芋虫状態のまま俺から離れ、壁に張り付くよう身を寄せて震えあがる。
「さぁ、全部吐いて・・さっきのように誤魔化すと、容赦しないから・・。」
「ひいいぃぃいいいい!?」
「わかった、わかりましたぁ!?」
「昨晩、外部からの侵入者が入りました。新型装備でレーダーに映らない機能を搭載した迷彩服などを装備。目的は俺の殺害とISの奪取。犯行グループ三人のうち一人は女性で二人は男性。一人は尋問中に抵抗した為しょうがなく無効化、瀕死の重傷を負わせましたがかろうじて生きて居ります。指示した犯人はIS委員会員の女尊男卑派『レベッカ・ジェスター』。装備はIS委員会の力を使い開発研究した物で、彼女の国籍のアメリカが関与していると思われます。以上が尋問の結果と報告となります。」
「・・初日から御苦労な事だな。」
中本室長が眉間をもんで悩ませている。
「で、犯人は?」
「今はおとなしくしてます。もし抵抗するならハントが来るぞと脅しているそうです。」
「君は狩人『ハンター』と呼称したほうがいいかもな。」
むしろそっちが本当の事だがな。
「さて、それでは本件は私が引き継ぐ。ご苦労だった。」
「はっ。失礼します。」
そう言って俺は警備室長の前から去る。さて、朝飯食べるか。
「貴方!!何のつもりですの!?」
「・・んあ?」
朝食食べてたらなんか俺の前で腕を組んで仁王立ちみたいにしてる女子・・金髪のクルクル髪か?・・が叫んできた。こっちは眠いんだがなぁ。
「まぁ!?わたくしの様な物に声をかけてもらったというのにその態度・・」
「いや、誰かしらねぇし・・それよか俺、この後警備担当の朝会が有るから先飯食いたいんだが?」
「なんですって!?これだから極東の黄色いお猿さんは・・まったく躾も成って居ませんのね。それに学も足りて無いし・・」
色々と言っているが無視して俺は飯を食べる。一切箸を置く事も無く食べ終わり。手を合わせて「御馳走様」と言って食器を下げる。
「御待ちなさい!貴方、逃げるつもりですか?これだから黄色いお猿さんは。尻尾を巻いて逃げるなんて、弱くておバカさんな貴方がたにお似合いですわ。」
「あー・・俺、日本人なんて言ってないのにそんなこと言っていいのか?」
「はい?」
「顔が日系ではあるが、俺は『イチカ・ハント』。聞いた通り日本名じゃない。勝手に見下すのもいいが周りをよく見た方が良いな。んじゃ、気をつけろよー・・。」
そう言って警備担当室に行くと丁度俺と同じタイミングで王さんがドアの前に居た。入るとさっき集まったばっかりだそうで丁度いいから少し早目に始めようとなった。内容は昨日の侵入の件。これからも警備を強化する事となった。
後からクラスの女子に聞いたところによると、あの叫んでいた女子は一組のイギリスから北代表候補生らしく、あまりの発言に国に返そうという働きもあるらしい。それ以上に女子からいじめを受けているのだそうだ。まぁ、人種差別してあんな発言したししょうが無いよね。俺は竜人族や獣人族にもお世話になったからまったくそんな事はない。むしろ、他の国の言葉を覚えるのも楽しいと思って何カ国か言葉を覚えた。まぁ、そこでクロスの機体テストをしていたんだがな。あぁ、ロシアに『雪男』、フランスで『フライフィッシュ』、ドイツで『切り裂きジャック』、中国に『狐面の忍者』が出るらしい・・うん、知ってる。つか全部俺だよな。『ガムート』『ライゼクス』『ディノバルド』『タマミツネ』・・あちらの世界の装備で色々と回ったからな。タマミツネの際には明らかに悪乗りして『ハイクを読め。解釈してやる。』なんて言ってしまったが。
さて、そんな事はどうでも良いんだが目の前に居るこちらをにらんだままのクルクル髪。聞いた所でオルコットと言う没落貴族らしいが・・。
「んで、俺に何の用だ?俺は仕事中だし、お前さんは授業中だろう?」
「決闘ですわ!!このままわたくしが男風情に馬鹿にされたままでは気が収まりませんわ!!」
「・・勝手な判断して勝手にキレんなよ。こちらと巻き込まれただけじゃないか。全部手前(テメー)のせいだろうに。俺は別に馬鹿になんかしてねぇぞ。それこそ狭い門くぐって代表候補生になったんだ。素晴らしい事だろう。ただ、ウチのクラスにも代表候補生が居るし、生徒会長と面識があるから別に珍しいもんでもないからな。」
「生徒会長さんがなんですか!?関係ないでしょう!?」
「ん?知らないのか?それこそ知っておくべきだな。現ロシア国家代表IS操縦者、更識楯無。日本人でありながら自由国籍を取り、十六歳にして外国での代表となった人物だ。」
「な!?」
「んで、俺はそいつと昔、仕事柄会った事が有るという事で、あまり驚く事でもないわけだ。それが分かったら、決闘なんて無駄な事をせずとも・・」
「いいえ!勝手に決められては困ります!こちらは貴方を叩きのめさなければ気が収まりません!!」
「・・あぁ・・そう。なら・・」
俺はナイフを投擲して顔の横を通す。
「な!?」
驚いてソレを大げさに避けている状態で俺は一気に近づきこめかみにコルトを当てる。
「・・チェックメイト。」
「・・あ・・、あぁ・・」
顔が明らかに青ざめている。がたがたと震え始めた。死の恐怖が迫ってきたのだろう。
「・・ふ、さっき投げたのはゴム製のラバーナイフだし、コルトもセーフティー(安全装置)は外して無いぞ。」
そう言うとオルコットはその場でへたり込む。
「決闘と言うからには、その覚悟が足りないな。俺は、いつでも死ぬ、殺す覚悟はあるぜ?言ったろ?【仕事柄】ってな。命のやり取りなんざ、この程度出ビビってたら出来ないぜ?もう少し、勉強して出直してきな、『お嬢ちゃん』。」
投げたナイフを回収しに歩く。壁に刺さった(・・・・)ナイフを回収し、セーフティーをかけ直す(・・・・)。その気になればいつでもヤレタが・・甘くなった物だな。まぁ、仕事でこんなことしてんだし、守る方がいいか。俺は警備だしな。
まぁ、『刃向かう』なら、容赦はしないが。