僕を愛する、君のために。   作:おみのSS部屋

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Op.10 甘い熱に襲われて

ー翌朝ー

 

「ん……」

 

朝7:00くらいにわたしが目を覚ます。

隣には……マネージャーさんが気持ちよさそうに寝ている。

わたしはスマホのアラームを止める。

その時だった。

 

「んん……」

 

「あ、マネージャーさん起こしちゃいました?」

 

「ふわぁ……よく寝た……」

 

「よく寝れたならよかったです」

 

マネージャーさんが起きたみたい。

よく寝れたみたいでちょっとホッとした。

そう思いながら、わたしは部屋を出ようとすると、マネージャーさんがわたしの手を掴む。

 

「ん?どうしたの?」

 

「甘えて……いい……?」

 

そんなの……断るはずがないよね……

 

「もちろんですよ……」

 

「ごめんね……」

 

「そんなに気にしないでください。わたしだって……普段甘えてますから……」

 

マネージャーさんにいつも甘えちゃってるから、きっとマネージャーさんも、甘えたいんだろうなって思ってる。

特に今は……ね……

 

「ん……」

 

マネージャーさんの頬にわたしの手を当てる。

マネージャーさんの頬はいつも暖かいから、自然とわたしの手も暖かくなる。

このぬくもりを感じた時、懐かしさを感じた。

 

わたしは、もっとこの暖かさを感じていたかった。

それは、マネージャーさんもきっと同じ。

だからわたしもマネージャーさんにくっつく。

少し暑くなってきた時の、甘い朝。

マネージャーさんと暖かくしてたら……なんだか眠たくなっちゃった……

今日はもう少し、ゆっくりしてもいいかな……

マネージャーさんも寝ちゃったみたいだし……寝顔……かわいい……

 

わたしは、また目を閉じる。

それでも、隣にマネージャーさんがいるだけで、すごく幸せ……

それは、きっとマネージャーさんも同じはず。

すごく嬉しいし、安心する……

 

ー2時間後ー

 

2度目の朝を迎える。

時刻は9:00を回っていた。

オフだからってゆっくりしすぎちゃったかな……

でも、このくらいラフでもいいよね……

わたしの隣ではマネージャーさんもぐっすり寝ちゃってた。

なんだか、こうして何もしないで朝を過ごすのも、すごく好きになりそう……

それはきっと……マネージャーさんと一緒だからかな?

お昼が近いからか、気温はだいぶあがってきていた。

マネージャーさんは疲れてるのか、まだ寝ている。

そっとしてあげよっか……

 

ーそのころ寮ではー

 

「美晴、遅いね」

 

「きっとマネージャーと一緒に寝てるんじゃない?ほら、美晴もマネージャーも昨日疲れてそうだったし」

 

「そっか……」

 

絢とまほろもマネージャーのこと心配してた。

あたしは、今からバイトなんだけど、忘れ物があったので、部屋に戻ることに。

その忘れ物を取りに行った後、あたしは気になって、美晴の部屋を少しだけ覗く。

すると、美晴がマネージャーと甘々してたのが見えた。

なんだろう。美晴とマネージャーってすごく幸せそうに見えるし、蕩けてる感じが外から見てもわかる。

ちょっぴり羨ましかった。マネージャーが心配だったけど、これなら心配いらないかな……

 

 

 

 

「ん……」

 

「マネージャーさん、おはようございます」

 

「おはよ……ん……」

 

美晴さんの唇が頬に触れる。

それは、すごく柔らかくて、優しくて、こうしているうちに嫌なことなんて忘れそうな感じだった。

 

「マネージャーさん……無理しないでくださいね……?」

 

「うん。だから、もし無理してるかなって思った時は……声かけてくれると嬉しい……」

 

僕は鈍感だし、頑張る方だ。

だから、自分でも気づかない時がたまにある。

 

「わかりました」

 

美晴さんは優しく答えてくれる。

それがすごく嬉しい。

美晴さんのことをぎゅっと抱きしめる。

 

「えっ?どうしたの?」

 

「美晴さん……ありがとう……」

 

優しくつぶやいた。

美晴さんの顔も少し赤くなってた。

 

「マネージャーさんこそ……いつもありがとうございます……」

 

2人だけの甘い朝は、心の傷が癒えるくらい幸せなものだった。

今はこうして、誰にも邪魔されることのない、2人だけの時間にしてほしいっていう気持ちが強くなる。

ずっと……このまま幸せな時間が続いてほしい……

 

「美晴さん」

 

「なぁに?」

 

僕は美晴さんに今、僕だけしか知らないことを話した。

 

「言えなくて本当にごめん」

 

「え……?」

 

「実は、美晴さんの誕生日の日、美晴さんが僕のことを心配してくれてたと思うけど、それは、すごく嬉しかったんだけど……でも、その時僕は「美晴さんなんて今はどうでもいい」なんて思ってた……だから……ごめん……」

 

「……」

 

美晴さんが悲しい目をする。

でも、美晴さんはゆっくりと僕のそばに来た。

 

「マネージャーさんは……優しいですね……」

 

「え……?」

 

思っていたことと違う答えが返ってきて少しだけ戸惑った。黙ったまま美晴さんが続ける。

 

「だって……マネージャーさんはあの日……何も言わずにただただ心配してたわたしに、何も言ってくれなくて……心配したのに、その気持ちを抑えてくれたんですよ……?普通だったら、みんな「わたしのことなんて今はどうでもいい」って言うのに、それを言わなかったんですよ……?そんなの……後からごめんって言われたら……いいよっていうしかないじゃないですか……」

 

美晴さんの目からぼろぽろとこぼれ落ちる。それは、僕の服に染みる。

 

「ごめん……本当にごめん……」

 

気付けば僕も泣いてた。

 

「マネージャーさんは……謝らないでいいですよ……」

 

「こんな話も……両親が亡くなった話も……ほんとはしたくなんてなかったのに……何も言わず聞いてくれて……ありがとう……」

 

「わたしだって……マネージャーさんのことわかってなくて……ごめんなさい……ごめんなさい……」

 

強い美晴さんと、弱い美晴さん……なんだか、その両方に触れられた時間な気がした。

それでも、弱い美晴さんの姿だけは、僕にしか見せないでほしい……それが僕の願いだった。

 

「わたし……またマネージャーさんのこと……好きになれた……そんな気がしてます……」

 

「うん……僕も……」

 

2人の雫が太陽で光り輝いていた。

2人が思う気持ちが、光の雨に照らされて輝き放つ。

そんな太陽の下で、僕はある小さな箱を、美晴さんにそっと渡した。

 

「これは……?」

 

「ペアリング、1回外したんだ。このことに美晴さんを巻き込みたくなかったから。でも、今こうして美晴さんと一緒にいて、幸せな時間を送ってる。だから、美晴さん……僕の指に……ペアリングつけて……」

 

少し変なことなのかもしれない。

それでも、美晴さんのことを守ってあげたいっていう気持ちから出た行動だった。

 

「わかりました」

 

それを美晴さんもわかってくれて、僕の指にペアリングをつける。

 

「ありがとう……」

 

「うふふ、これで、一緒ですね……」

 

二人の唇が、ゆっくりと触れ合う。

二人とも、目から嬉し涙がこぼれ落ちていた。

止まない雨はない……まさに今この瞬間、雨が晴れに変わった気がした。

 

こうして二人の想いが通じ合ったのはいつぶりだろう……

またこうして、新たな日常が始まってく。

僕の左手を、美晴さんと見つめる。

太陽のように明るい笑顔の美晴さんを見てると、自然と笑顔になる。

もっともっと、美晴さんのこと、知って行けたらいいな……

2人で見つめたペアリングは、僕らの明るい未来を照らしているかのように、再び輝きを取り戻していた。

2人でおでこを合わせて、ゆっくりと目を閉じた。

2人で、静かに発した言葉は、まるで僕らの未来を示しているかのように明るいものだった。

 

 

 

 

『だいすき』

 

 

 

笑顔が晴れ渡る空は、どこまでも美しく、綺麗な空だった。

その後、2人はお昼ごろまで、いっぱい甘えた。

ちょっとだけふらついたりもしたけど、それでもいっぱい甘えて、ちょっとだけ幸せになれた気がした。

 

「あれ……?」

 

マネージャーさんの体がすとんと力が抜ける。

 

「ごめん……」

 

バタッ

 

「マネージャーさん!マネージャーさん!」

 

マネージャーさんがベッドで横になる。

でも、その様子が少しおかしい。

少し呼吸が粗くて、おてごに手を当てる。

 

「すごい熱……」

 

マネージャーの体の熱がわたしにまで伝わっていた。

マネージャーさん……何があったの……?

わたしは必死に声を出した。

 

まほろと絢が駆けつけてくれて、みんなで看病をした。

それでも、目を開けることはなかった。




皆さんこんにちは。執筆者のおみです。
この度は「僕を愛する、君のために。Op.10」を読んでいただきありがとうございます。
少しの間お休みしていましたが、また再開させていただきました。
分量を少し多くして、質を少し上げていますが、いかがでしたでしょうか?
今後も幅を広く、投稿していけたらと思いますので、読んでくださるとうれしいです。
さて、本編は10話を迎えました。
このストーリーの終わりをどこにするか実はまだ決めていないので、何話まで書くかまだ決めていませんが、最終目標はできたので、そこに向かって頑張って書いていきます。
もし、何かリクエストとかあればその都度くださるとうれしいです。(執筆の場合は多少時間がかかると思いますので、あらかじめご了承ください)
それでは次話もお楽しみに!
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