超高校級の天才ゲーマーのhigh school life 作:火野ミライ
時刻は昼休み、程よい風が私の頬をなでフードからはみ出た髪を靡かせる。今、私がいるのは駒王学園の屋上。ゲームとかアニメだと主要キャラたちが当たり前のように休み時間を過ごす場所だが、現実では自殺防止難度の観点から封鎖されていることが多いらしい。そんな今日でも駒王学園は屋上を開放している。
他校の子たちからすれば羨ましい光景なのかもしれないが、私にはその辺の価値観がよく分からない。それはさて置き、フードを深くかぶった私は自前の弁当を突きながらも考え事をする。普段なら教室でボッチ弁してる時間帯だが、今日は今朝の事件?の影響でどこの教室も煩い。
それは通学時に起きた出来事。先週、他校の彼女が出来たと噂になっていた兵藤先輩が学園の2代お姫様の片割れ、リアス・ぐ、ぐ、ぐ………… グレープ?
とにかく、有名人と一緒に登校してきたらしい。抱きついてたという情報も。 私自身興味がないからスルーしてたんだけど、他の子はそうでなく変態先輩と3年の美人先輩がくっ付いているのは相当ショックだったようだ。(男子はどちらかと言うと嫉妬かも)
あ、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った……… 授業サボってゲームでもしよ。
空になった弁当箱を巾着に包み、そのまま近くに置いていたカバンの中にしまう。いつもの携帯ゲーム機を取り出して、有線イヤホンをセット。電源を入れて、ゲームを始める。
閑話休題
私は別に先輩が初デートで振られて新しい恋に目覚めようが、二股してようが私には関係ないし、どうこう言うつもりもない。
…………………堕天使に殺されて、悪魔に魅入られていること以外と注釈は付くけど。
◆◆◆◆◆◆
その日の夜、廃工場には上半身が女性、下半身がケンタウロスのような巨大な怪物がいた。その怪物がる廃工場に一人分の足音が響きわたる。だんだんと近づいてくる音に、肉食動物の如く舌を動かす。
やがて怪物の視界に映り込んだ人影。身長は160cmと小柄、逆光で服装や見た目の判断が付かないが怪物関係なしにと言葉を紡ぐ。
「少し小さいけど、おいしそうな匂いがするわ」
なんの反応を示さない人影を邪険に思うが恐怖で言葉も出ないと判断し、人影に近づく。それが怪物【バイサー】の選択ミス。なぜなら今日のバイサーは狩るモノでなく、狩られるモノなのだから…………
『マイティアクションX!』
人影は懐から取り出した縦長の小物のグリップを握りしめ、スイッチを押す。起動音と共に背後に現れた映像。ゲームのタイトル画面の様な映像から飛び出た巨大なチョコブロックが廃工場のあちこちに設置される。
予想外の現象に驚きを隠せないバイザー。そんな彼女の様子など気にも留めず人影は次のステージへ。右手に持つアイテムを左前に突き出し、円を描くかのように両手を顔の右側へと持ってくる。
「変身!」
初めて声を出した人影。アイテムを半回転させ、左手に持ち替える。左腕を大きく上に掲げ、そのまま腰に装着されたベルトの差込口に向けてアイテムを勢いよく差す。
『レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム? アイム ア 仮面ライダー!』
軽快な音声が鳴り響く中、人影を中心に回る10枚のパネル。そのうちの一つ、ピンク色の逆立った髪が特徴のキャラを手を正面に伸ばして選択。人影がピンク色に輝くポリゴン状の光に包まれ、先程選んだパネルが重なり姿が変わる。
白いボディにピンクの頭部。ずんぐりむっくりとした3頭身のシルエット。オレンジの瞳を輝かせ、バイザーを睨みつける。新たに出現した4枚のパネルの内、白いハンマーが描かれたパネルを選択。
『ガシャコンブレイカー!』
A・Bボタンがあることやピンク色のゲームエフェクトの様なパーツがあるハンマーが出現。
「ノーコンティニューで、クリアしてやるぜ」
仮面ライダーエグゼイドをそのままSDキャラへと変えた見た目をした【レベル1】のエグゼイドが【ガシャコンブレイカー】を片手に見て目不相応の速度で接近。頭部目掛けてハンマーを振り下ろす! その一撃を受け、倉庫の奥へと一気に吹き飛ぶバイザー。
脳震盪を起こしているのか陸に釣り上げられた魚の様にけいれんを起こしている。そんなバイザーに回復の時間を与えずに追撃の一撃………いや、最後の一撃を放つ準備を始めるエグゼイド。ベルトから抜いたカセットの様な物をガシャコンブレイカーの持ち手にあるスリットにセット!
『ガシャット! キメワザ!』
ゲームの様な軽快な音声が周囲に響き渡り、ガシャコンブレイカーにエネルギーが溜まっていき、ポップな色合いの稲妻が迸る。
『マイティ!クリティカルフィニッシュ!』
いまだダメージが抜けきってないバイザーに急接近、ハンマーを天井目掛けて振るう。その一撃を受けバイザーの巨体は意とも容易く上空を舞う。
「……………なに!?」
その事は打ち上げられた本人が一番驚愕。そんなバイザーの周りにピンク色のホログラムが集まり、複数のチョコブロックが生成される。宙に出来たブロックに向けて跳躍したエグゼイドはブロックの側面を蹴る事で方向転換。
バイザーの頭部目掛けて体重を乗せたハンマーの一撃を浴びせるとまた違うブロックを蹴り反転、再びバイザーにハンマーの一撃を与える。何度もスーパーボールの如く跳ね返り、何度も攻撃を与え続けるエグゼイド。そのたびに浮かび上がるはHITに【GREAT】の文字が混じりはじめ、バイザーの呻き声も弱々しくなっていく。
一方的な攻撃を受け続けたバイザー。最後の振り下ろし攻撃を受け、地面へと激突。エグゼイドの着地と共に断末魔を上げ、爆散。爆発音と共に天の声が周囲に響き渡り、エグゼイドの勝利を祝福するのだった。
『ゲームクリア!』
その声を受けその場でクルっとターン、ハンマーを持つ右腕を天に掲げる。そして浮かび上がる【GAMECLEAR】の文字。燃え盛る火が消えた頃にはバイザーだったモノは残っていなかった。その事を確認せずエグゼイドはその場を去る…
「待ちなさい!!」
去ろうとしたその時、女性の大きな声が廃工場内に響き渡りエグゼイドの足を止める。声が聞こえて来た方向、エグゼイドへと変身した地点に一組の男女がエグゼイドを睨むように立っていた。その瞳には警戒の色が濃く出ており、いつでも攻撃できるように戦闘態勢を取っている。
(エクストラステージってわけか…)
新たに出現した敵(暫定)の視線を受け、気持ちを新たにするエグゼイド。そんな中、一人の茶髪の青年はこの状態に困惑の顔色を浮かべるのだった………
エグゼイドの戦闘描写、難過ぎない………
次回は原作主人公一味と対決!? の予定です。