超高校級の天才ゲーマーのhigh school life   作:火野ミライ

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一方的なTutorial

「待ちなさい!!」

 

夜の廃工場に広がる女性の声。月明かりに照らされた一組の男女のひとり、赤い髪の女性が放った言葉だ。そんな彼女の周囲には顔の整った男女の姿。一人の青年を除き誰もがゆるキャラを想起させる見た目をしたエグゼイドに殺気を向けている。

 

「あなた、ここが誰の領地か「興味ない」なっ!?」

 

「オレはゲームをするだけだ」

 

女性の言葉を途中で遮るエグゼイド。その言葉を聞いた男女は今すぐにでも攻撃できる姿勢を取り、エグゼイドはガシャコンブレイカーを握り直し警戒を怠らない。一方、茶髪の青年は話について行けずに視線を泳がせる。訪れる静寂、それを打ち破ったのは女性だった。

 

「行きなさい!」

 

その号令を受け、茶髪の男性以外がエグゼイドに突撃する。

 

「予定は狂ったけど説明するわイッセー」

 

コミカルな動きで翻弄するエグゼイド。それに対して連携で隙の無い攻撃をする男女。それをしり目に赤髪の女性は終始困惑している青年に声をかける。

 

「はぁ…!」

 

「よっと!」

 

「ガァッ!」

 

コーカソイド系の顔をした金髪の美青年が目に見えない速度で迫り、エグゼイドに向けて手に持つ得物を振る。その一閃を難なく跳び上がる事で回避したエグゼイドは宙でボールのような形へ変化し、重力に身を任せ美青年の背中にぶつかる。

 

そのままスーパーボールのように何度も地面や壁に反射し、美青年に立ち上がる隙も与えず年度もぶつかり続ける。その連撃を中断させたのは小柄で白髪の少女だった。振るわれた拳はエグゼイドに命中。その小さな体からは出されたとは思えないほどの力が空気を振るえさせる。

 

地面を転がるエグゼイドに向けて放たれる雷撃。音を置き去りにして迫りくる閃光をあえて転がり続ける事で回避して見せた。エグゼイドが雷撃が放たれた元に視線を向けるとそこに立っていたのは腰まで伸ばした紫の髪を腰まで伸ばし、サドスティックの笑みを受ける女性。

 

「……マジかよ」

 

苦言を溢すエグゼイドのゴーグルに映るは女性の掌に集まった輝きが電撃として放たれる姿。とっさにブロックの陰へと隠れるが命中すると共に大きな音をたて、廃倉庫に巨大な火柱が上がる。

 

「____といった感じよ」

 

彼・彼女達の戦闘を横目に与えられたおもちゃの説明をするが如く、部下の能力を説明していた女性。赤い髪を腰ほどに伸ばし、青い瞳を持つ妖美な雰囲気を纏っている。そんな彼女の話を聞いていたイッセーと呼ばれた男性。

 

「チュートリアルは終わったか?」

 

「「「「ッ!」」」」

 

爆発の炎の中から聞こえてくるエグゼイドの声。彼・彼女らが視線を超えの元に向けると一転に向かって収束する炎と鋼鉄のように固まってるエグゼイドの姿。銀色から元のカラーに戻ると立ち上がりながらベルトのレバーを開く。するとベルトのディスプレイからホログラムが出現、白いアーマーをパージした。

 

レベルアップ! マイティアクションX!

 

ガシャコンブレイカーと同じようにボタンの装飾がある青色の剣を地面から引っこ抜き、軽く振るい調子を確かめる。赤く燃え盛る火のようになった刃から火の粉が周囲に舞う。新たな武器【ガシャコンソード】を肩に担ぎ挑発する様に指を曲げ言葉を発した。

 

「もうちょっとだけ接待プレイしてやるから来いよ」

 

先程まで頭部だったものが背中に付いたピンク色の戦士が仁王立ち。先の挑発もあり額に青筋を浮かべた赤髪の女性がその手にまがまがしいエネルギーを溜める。

 

「なら喰らいなさい、滅びの魔力を!」

 

叫びと共に放たれた魔力の塊。エグゼイドは後方に浮かんでいる胸部で何かを跳ね返すシルエットが描かれた赤いメダルをバックステップて触れる。さらに続けて懐から取り出した赤いゲームカセットを武器のスロットへ装填。

 

反射』『ファミスタ!クリティカルストライク!

 

剣にほとばしる稲妻とメダルの力を纏わせたガシャコンソードをバットの様に握りしめる。

 

「そりゃよっとッ!」『会心の一発!

 

そのまま大きく振るい魔力と刃が接触したその瞬間【PERFECT!!】が浮かび上がり、魔力の塊を打ち返した。打ち返されたその一撃の恐ろしさを知る者達は直ちに射線上から大きく離れる。【滅びの魔力】は廃倉庫の壁に大きな穴を開け、周囲の物はブラックホールに飲み込まれたが如く無くなっていた。

 

あまりの恐ろしさにイッセーが冷や汗を流す中、美男子が一気に接近。先の失敗を取り返すかのように攻め立てる。振るわれる剣をガシャコンソードで砕き防ぐエグゼイドに対し何度も武器を生成しては振るう美男子。

 

一見すると一方的に攻撃している美男子の方が優勢に見えるが当の本人は攻め切れていない現状に苦虫を潰したかのような表情を浮かべるのみ。それ故の焦りからか?力任せの大ぶりの一撃。その斬撃を刃の腹で受け流すと共に足裏による打撃で美男子を吹き飛ばすエグゼイド。

 

蹴り上げた足を地面に戻したその瞬間、紫髪の女性から放たれる電撃。それを目にしたエグゼイドはすぐさまガシャコンソードのAボタンを押した。

 

コ・チーン!

 

刀身が180度回転し色が変わる。燃え盛るオレンジから凍てつく水色へと変化した刃をその場で下から上へと切り上げたエグゼイド。刀身から放たれた衝撃波が電撃とエグゼイドの間に氷の壁を作り出し、その身を守る。

 

次々と放たれる電撃に対しエグゼイドは氷柱を次々と生成し避雷針の様に防いでいく。どちらともこのままでは決着がつかないと判断したのだろうか? どちらからともなく距離を詰める。先程までの電撃と違う魔法の数々を宙から放つ女性。

 

一方、飛行能力を持たないエグゼイドは周囲に浮かぶチョコブロックへと乗り継ぎながらガシャコンソードを手放し新た武器を手にした。エグゼイドの周囲に現れたサークルに沿い舞うホログラムの内、銃が描かれた物を選択。

 

ガシャコンマグナム!

 

これまでエグゼイドが使用した武器と同じくA・Bボタンがあるハンドガンのトリガーを引き銃口から光弾を連射。互いの攻撃が相殺しあい小規模の爆発が次々おき廃倉庫を明るく照らす。事態が大きく動いたのは数分たった頃だった。

 

ズ・キューン! 』『ガンガン!クリティカルストライク!

 

Aボタンを押すことでスナイパーライフルへと変化、スロットに黒とオレンジのゲームカセットを装填する。背面に浮かび上がる目の紋章、それがエネルギーへと変化し銃口へと溜まる。スコープを覗き射線を合わせるとエグゼイドはトリガーを引いた。

 

放たれた一撃は一寸の狂いもなく、女性の近くに積まれた廃材へ命中。爆風に乗り女性はかなりの距離地面を転がる。そんな彼女と入れ替わるようにエグゼイドの射撃を猫の様に軽やかに回避して接近する少女。

 

先程の特殊攻撃状態のエグゼイドを正面からねじ伏せた力を警戒してか、射撃に徹していたエグゼイドだったがある程度距離を詰められるとガシャコンブレイカーを手に駆ける。

 

放たれた右ストレートを跳躍で回避、自身の体重と落下の威力を合わせたハンマーの一撃が少女に迫る。寸前で回避に成功した少女はホッと胸をなでおろす。一方のエグゼイドは土煙に身を隠しブレイカーのAボタンを押し込む。

 

ジャ・キーン!

 

打面と同じ色の刀身が伸び剣へと変形。少女へと迫り無慈悲にも振り下ろす。

 

「____っく!」

 

真剣白刃取りで一命をとりとめた彼女だったが身長差故に上から押さえつけられるように力を込められ耐えるにに精一杯。そんな少女に向け足払いの追撃を決めたエグゼイド。宙に浮かび上がった彼女に胴体に後ろ回し蹴りが命中。

 

「待てよ!」

 

気絶した彼女に向けて歩みを進めていたエグゼイドに待ったの声をかける者がいた。先程まで困惑の表情を浮かべていたイッセーだ。

 

「なんでこんな事するんだよ!」

 

イッセーが周囲を見渡す。自身が最も信頼する一撃を跳ね返され戦意喪失しているリーダー格の女性、後頭部を強く壁に打ち付け意識のない美青年、服あちこちが焼き焦げ横たわる紫髪の女性、そしてエグゼイドの蹴りで気絶した白髪の少女。比較的規定だった廃倉庫内部は戦闘の影響であちこちがボロボロに。

 

「お前達が悪魔だから」

 

「このぉ!」

 

エグゼイドの言葉を受け殴りかかるイッセー。その一撃は身体を軽くそらすだけで回避され、逆に溝内に膝蹴りを受ける。肺中の空気を吐き出し地面に横たわり蹲るイッセー。

 

そんな彼を他所にベルトに刺さったカセットの様な物に手を伸ばしたエグゼイド。グリップに指を通し握りしめ引き抜こうとしたその時、エグゼイドは動きを不自然に止めた。

 

「___は?」

 

困惑の声を溢し耳に当たる部分に掌を当てる。

 

「分かった」

 

しばらく黙り込んでいたがエグゼイドだったが、彼以外には聞こえていない第3者へと言葉を発すると足音を立てながら廃倉庫を後にする。その歩みを止める物はこの場にはいなかった。




細々と執筆していた最新話が出来たので投稿。正直なところこの作品に需要があるのか不安。
あとエグゼイドと戦う塔城k… 白髪少女が描きやすかった。
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