コミュ障ぼっち、ガイアを行く 作:犬西向尾
第二部1話
【半終末】である
人も神も天使も悪魔も生きる為に戦わなければならない、そんな時代がやってきた
多くの悲劇と英雄譚を残虐極まる時代という名の額縁が飾り立てる事になるだろう
しかし世界がそんな時代を迎えても俺に出来る事なんてそうそう変わる物ではない
レベルを上げ、マッカを稼ぐ事だ
それが結果的に【ガイア連合】への貢献にもなり、俺の生存に繋がる
という事で今日も今日とてレベリングの為の異界の情報をもらいに事務所の方に行き
色々な事を知り頭を抱える事になった
レベル28の俺は半端にレベルが高い扱いされるらしい
良い感じの狩場や臨時PTがない……
「レベル30から幹部」というのは今は昔のように感じられる話だ
かつて仰ぎ見た幹部の方々は今はもっと高みに上っている
30越えしていても幹部になっていない人だっている
しかしこの30という区切りは今でも一定の区切りとして存在している
一つは【デモニカ】等に使われている簡易アナライズの上限として
もう一つはある種の「レベルの壁」として
事務の人に聞いた所によるとおよそ【俺たち】のレベルは10から30まで10ごとによって
壁があるんだそうだ
10までは壁はない、シキガミに任せて行ってこいで済む
10から20までは「怪我」あるいは「痛み」が壁として立ちはだかる
「範囲攻撃」「状態異常」等でシキガミが庇うだけではどうしてもフォロー仕切れずダメージを受けるのだ
俺はこれを怪我する端から回復する事で乗り切って精神的に慣れた
【俺たち】と比べて才能に恵まれない事が多いらしい【現地民霊能者】を
それでも評価する【俺たち】がいる理由がこの辺りにある
背負う物や悪魔に対する復讐心がある【現地民霊能者】はこの壁を精神的に乗り越えやすいのだ
あくまで精神的にであり、レベル的にではないためそんな彼らを応援していた【俺たち】はより一層同情してしまうらしい
20から30は「辛い戦闘に対応する素質」とでも言うべきものが壁として立つ
敵にも耐性持ちが増え、攻撃にいやらしさが増し、格下でも油断できない戦いになる
油断できない敵との戦いは精神的な負担も増える
特に才能がある人はそのまま30越えまで一直線らしいが
普通の【俺たち】はこれを乗り越えるため自分の弱点を補うPTを組み
あるいは信頼できる人と組む
つまり固定PTを組む流れになる、それによって乗り越える
この辺りから積極的なレベル上げを止める人が増えてくると聞く
ついでに20から上は変人が増えるとも言われている、らしい
痛みを乗り越え、辛い戦闘に対応できる素質、それを持っているのは変人が多いらしい
これはPTを組んでいる、組んでいない問わずなんだとか
まあ俺には関係ない話だ、変人なんか言うほど見ないし
そしてこの20から30の壁、
「辛い戦闘に対応する素質」の壁を28の俺は乗り越えた、と断言できない
その理由の一つが収入面ではもう本業と言って良いほど
稼げるようになってしまった畑作だ
実は俺、同レベル帯の【俺たち】と比べてかなり稼げている方らしいのだ、畑作のおかげで
だから畑作収入を得てからは異界でのマッカ収入をある程度無視して安全面と経験値効率で敵を選べた
仮に異界探索や攻略でのマッカ収入が0でも俺には畑作があるから大丈夫だった
戦い易い敵ばかり選んでいたから難敵との戦いはあんまりない
ここ最近獲物にしていた【カクエン】なんて特にそうだ
【カクエン】は高く売れるフォルマ(戦利品)は落とさないし、マッカも稼ぎやすい相手じゃない
日本語も話せないから【悪魔交渉】によるカツアゲも俺では碌に出来ない
何故か日本語を話せた【ピクシー】や人と会話した逸話がある【オニ】【コカクチョウ】とは違う
【悪魔交渉】用のアプリを入れた【デモニカ】を装備して交渉するという手もあるが
まあそこまでするほどの相手じゃない
それでも楽に経験値を稼げるから獲物にした、数を倒せば多少はマッカも落ちるがその程度だ
こんな感じで楽に勝てる相手を選んで経験値を稼いでいた
実質マッカ(収入を減らすこと)で安全を買っていたのだ
だから火力不足に悩んでも「じゃあ固定PTを組もう」ではなく
「勝てる相手と戦おう」「手持ちの火力を増やそう」になった、それでどうにかなるから
このレベル帯で基本一人で、臨時でしかPTを組まないのは中々いないらしい
30越えして少ししたくらいの方がむしろ増えるとか
そして28というレベルの周りだと「一人でやっていける才能ある人」や
「もう固定PT組んでます、彼らは背中を預けるに足る相手です」な人たちばかりになる
一人でやってる才能が有る人は組む気がないから一人でやってるわけだし、
固定PT組んでる人たちは固定している
このレベル帯(28)だとそろそろ都合の良い敵が出る異界が減って来てる
選り好み出来なくなってくるのだ、実際これはという異界が見つからない
そうなると一人でどうにかできるような強さか、仲間が必要になる、しかしどちらもない
これまで畑作からのマッカのおかげで楽をさせてもらっていたが
一人でやっていく事にいよいよ限界が来た感じがある
レベルを上げるには今まで避けていたようなタイプの異界に行って経験値を稼ぐべきだ
しかしそれらの異界には当然、避けるに値するだけの理由があった
かと言ってこのまま【カクエン】狩りばかりやっててもなぁ
明確な格下狩りばかりしてると経験値効率ははっきり悪くなる
霊格(レベル)の成長は試練を乗り越え魂を磨くが故に起こる、という考え方もあるらしい
ゲームでそこそこ見かける「差がついた雑魚ばかり狩っていても経験値がしょぼい」システムと似たようなものだ
【カクエン】相手でもずっと戦い続けていればもうちょっとは上げられるか?
でもその後は続かないよなぁ
30からが完全に「戦う才能」の壁になる
もっと言うなら「戦い続ける才能」の壁になるらしい
20代の頃より精神的や肉体的につらい戦いをそれでも乗り切り、糧にする
そんな日々に摩耗する事なく乗り越える戦士としての才能、それが必要なんだとか
「もちろんそれは、今は、という話ですが」と続けられた
アイテムや装備の進歩、平均的なレベルの向上でこういったラインは徐々に上がるものらしい
この30からの壁は分厚く、レベル上げを止める人が結構出ていて
そしてそういう人たちはそれ以前の狩場の、相性が良い所でマッカを稼ぐようになる
実質レベル上げを諦める道だ、それが選択肢に入る、そういうレベルに近づいて来た
「これは私の個人的な意見ですが、畑作に専念なさってはどうでしょう?
収入の点からもそちらの方が確実かと思われますが」
と事務の人に言われてしまった
色々考える所はあるがまずは……
「需要はあるんですか?
支援向けに回っていた生産力が内側に向かいますよね?」
これは【半終末】前から俺が気にしていた事でもある
支援向けに回っていた莫大な量の霊的アイテム、これを生産する力が内に向かえば
供給が需要に対し飽和しかねないと思っている
だから「甘味」としてアイテム以外の要素でも売れそうな【宝石メロン】の生産を重視したという面もあった
最近はもし【ガイア連合】での売れ行きが悪くなって無制限の引き取りじゃなくなったら
【クシナダヒメ】様経由で神様(悪魔)連中に売れないかなぁと少し考えている
MAGたっぷりだから神様(悪魔)には滋味になること間違いなし
【クシナダヒメ】様の加護(持ちの俺の畑)で育った作物なら【クシナダヒメ】様が売りに出しても何の問題もなかろう
その時は【クシナダヒメ】様とは取り分等の交渉をしないとな
客を見つけるのも売りつけるのも【クシナダヒメ】様になるんだしその時はちょっと色付けて……
「それについては心配には及びません
どうも上は支援、というより各種物資の海外向け販売を考えているようです」
は?
「海外、ですか?」
海上交通があかん事になってたんじゃなかったっけ?
どうにかなった? こんなに早く?
「はい、そのようです、恐らく輸出に対し何らかの目途が立ったのかと。
あらゆる生産者の方々に「今まで通り買い取るから生産量の調整はいらない」
と周知しろとの通達がありました」
まもなく掲示板でも書き込まれると思われます、と続ける事務の人
販売と輸出となれば金を出す顧客がいてそれに届ける手段があるという事だ
もしかして【トラポート】かな、しかし売り先はどこだ、やはり【メシア教穏健派】か?
しかし今まで通り買い取って貰えるなら考える余地がある
「少し考えてみます」
おやつとして茹でたテトラコーンを<ライコー>と<ユキ>と一緒に食べる
コーンを食べない<シロ>にはち〇~るをあげた、うにゃうにゃ言っている。可愛い
今日の<ユキ>は和服姿の少女だ、狐のお面を斜めにして齧っている、顔は見えない
コーンを食べるが中々甘くて美味しい
「しかし、どうしたもんかね」
「畑作の件ですか?」
「うん、それ」
畑作がメインの収入になった時点である程度考えるべきだったのかもしれないが
「専念」までは考えていなかった
確かに収入的にはそっちの方が儲かりそうなんだよなぁ
【ICBM】迎撃の時の蘇生の仕事料が手付かずで残っている
これを丸々使って畑をもう少し拡張して、俺は家に引きこもってMAGを注ぐだけで増収になる
疑似異界の我が家に長くいればいるほど俺が自然に放出するMAGを疑似異界が吸い取るから
ますます楽になる
今のやり方でも一反分は余裕で、家にずっといるなら更に一反増やせそうな感覚がある
安定を考えるなら多分これは良いやり方だ
今の所、商品としては霊的な作物以外の作付けは考えていない
【ガイア連合】は【外様】の神々(悪魔)と契約して
平時に輸入できていたような普通の食料品の大量生産を【外様】の神々(悪魔)の異界で行わせるらしい
これもまた【ガイア連合】が日本に行っている「情報統制」の一環だ
日本の一般市民に疑問を持たれないように「海外からの輸入」があるように見せかけ
同時に食料品その他の供給をする事でなるべく不安の発生を抑える
悪魔云々を抜きにしても食料品の値段が上がれば社会は不安になるからだ
それほどの量を生産させ市場に供給するらしい、凄い話だ
この【外様】の神々(悪魔)という大規模な生産者に対し、同じ分野で勝負するのは避けるべきだ
だから「畑作に専念する」と言ってもやる事はあまり変わらない
多少の設備投資を行うが同じように霊的な作物を出荷するだけだ
今までとの違いは「レベリングをしない事」、そして戦闘に使っていたMAGを畑作に回すことくらいか
安全で、収入が上がって、楽で、しかもやる事はあまり変わらない
考えれば考えるほど良い手だと思う、が
どうにも不安があるんだよなぁ
その不安の正体が微妙に分からないのだが
丁度、コーンを食べ終わったあたりで<ライコー>に聞く
「<ライコー>はどう思う?」
「私は……」
と一拍置いて
「今まで通り、畑作をした上でなるべくレベルを上げるのが良いと思います」
意外だった、<ライコー>は今までどちらかと言うと焦る俺を宥める事が多かった
それが俺にレベリングを勧める
「理由は?」
「マッカを稼いでも強さに直結はしません」
その通りだ
マッカを強さに変換するには、例えばガチャを回し強いスキルを得るとか
高性能な装備を揃えるかしなければならない
出来るかどうかはわからないがマッカで人を雇ってパワーレベリングという手もあるが
「それが嫌だと?」
頷く<ライコー>
ふむ
「また、レベルが上がればMAGの器も生産量も上がります
レベルを上げる事が畑を広げられ収入を増やす事にも繋がるでしょう」
なるほど
「【半終末】が訪れても幸いにも【ガイア連合】はほぼ無傷でした
しかし今後はどうなるかわかりません
レベル上げの為のレベル上げが出来る余裕がいつまで続くかもわかりません」
頷く
【俺たち】が自由なのは、【ガイア連合】に戦力や物資、様々な意味での余裕があるからだ
その自由は余裕が失われると共にある程度は失われる
そして【半終末】の今は【メシア教過激派】との戦争中である
余裕なんていつなくなってもおかしくはない
個人の好きなようにレベリング出来るのはそれを許す環境があるからだ
例えば今、突然俺以外の【リカーム】持ちが全員何かの拍子で死んだら、俺にはそんな自由はなくなる
常に待機していざという時に備える事になるだろう、多分強制されなくてもそうなる
極論である、極論でしかないがまあそういう物だ
俺程度の自由が失われる状況ってのはそれくらい壊滅的な話というわけだが
<ライコー>が言いたいのはそんな極論ではなくもっと単純な話だと思う
「つまり、なるべく余裕があるうちに鍛えておくに越したことはない、と?」
頷かれた、まあ一理ある
納得した
堂々巡りした結果スタート時点に戻った感じだけど、まあいいと思う
そして問題も戻る
無理して一人と仲魔たちでレベリングするか、頑張って組む相手を見つけるかだ
「と言う訳で困ってるんですよね」
それから数日後、聖女ちゃんと飲む
【ICBM】迎撃の為の蘇生に関わったと軽く雑談したら興味を惹かれてその話をする事になったのだ(守秘義務は迎撃が終わったら解かれた)
その本題の前の「最近どう?」から始まった軽い話がこれだった
「あー源氏くんもそういう悩み抱えるようになったか、遅かったね」
遅い、遅いのだろうか?
あーでも20からの壁だから早い人だともっと早くぶち当たるのか
「何か良い手ないですかね、もしくは誰か紹介してくれたりとか……」
「残念だけど無理だねー」
知ってた
難しいよなぁ
というか俺自身、俺みたいな奴とPT組みたいとは思わないもんなー
PTとしての活動以外に大きい収入源持ってると
慎重論を唱えれば「お前は余裕があるからそういうけどよ」になるかもしれないし
逆をすれば「何かあっても大丈夫な人は違うねぇ」になるかもしれない
前提が違うから微妙にギクシャクしかねない
一番良いのは同じくらいの強さを持った気の合う人間同士が
同じくらいの事情の重さで、同じ程度の熱意でPTを組む事だと思う
まあそれが出来れば誰も苦労はしないんだけどさ
「今の源氏くんとレベルが釣り合う知り合いあんまりいないし、
というか私の知り合い連中、引退者多くてどうなる事やら……」
そんな風に思っていると聖女ちゃんの言葉が引っ掛かった
引退? 異界探索や攻略を止めるって事か? この【半終末】になった段階で?
「何かあったんですか?」
「【半終末】よ、【終末】に備えるんだ! で頑張ってたようなのは
燃え尽き症候群みたいなのになったりして
危機感強くしたのは【過激派】との戦争怖がっちゃって」
やっぱり実際に核攻撃されるとショックよねー、と言って焼酎のお湯割りを飲んでる聖女ちゃん
「戦争怖がるとなんで引退するんです?」
むしろ生き残るために力を付けようとするのが自然じゃないか
「力あると目を付けられ易いし、強いと前線に出ろって言われるようになるかもって」
「俺は<ライコー>に「余裕があるうちにレベル上げしておけ」と尻叩かれましたけど……」
「それが正解だと思うわ」
だよなー
【覚醒者】になった時点で目を付けられるなんて今更だし、
強くなっても【ガイア連合】はそんな事しないだろう、【俺たち】の命にはいつも配慮してきた
そしてそれをするって時は多分どうしようもない時だと思う
「それに引退するって言ってたようなのも何人かは復帰すると思うのよねー
力が欲しくなって」
頷く、【半終末】【終末】どちらにせよ
ある程度の力を持っていれば不安が和らぐと思う
例えそれが【魔人】や【大天使】には敵わないものだったとしても
その辺の雑魚相手には負けない、と思えるのとそうじゃないのとでは差が出るはずだ
そしてその感覚は主観的なものだから、どこまでという区切りが必ずしもある訳じゃない
「本格的に引退する人たちはこれからどうすると?」
「知らない、【マグバッテリー】の工場とか本格稼働するらしいから
そっちの方を当てにしてるんだと思うなー
事務の方での採用はちょっと前から断られるようになったって聞くし」
【マグバッテリー】、最近普及しつつあるMAGを溜め込む霊的機械である
これは別に新しい技術という訳ではない
【デモニカ】等には既に使われていた、実績がある技術である
使用者のMAGや戦闘によって発生するMAGを溜め込む、
そして主にそのMAGは発電に使用され電力を供給、
【デモニカ】や【ガイア連合製スマホ】の電力切れを防ぐ事に使われている
異界内では機械がまともに動作せず充電できる所がないから
こういう技術が必要とされ生まれた
【マグバッテリー】は短時間異界に潜るだけなら大して使い所がない、念のため程度の物になる
これを更に量産する必要性があるという事は
【デモニカ】等の霊装の量産か、インフラがズタボロになるか、広大な異界を探索するか、
あるいは地上が異界化するか、そうでもなければこんな高価な技術は使う必要がない
現状では【マグバッテリー】を使用するという事は異界での利用を前提にした機械に
更に霊的な素材を使い、MAGを溜め込み電力に変換し、電子機器を稼働させる
そういうシステムが組み込まれる事になる
当然ある程度の量産性を確保しても安いものではなかった
今後は今までより量産され安くなるはずだ、【半終末】にそれが必要とされた
「異界探索する人たちはこんな感じで引退して行って減るんですかね」
思わず呟く
だとしたら結構厳しい事になると思う
日本の異界も【半終末】の影響で霊地活性化時のような
大量の悪魔の出現や強い悪魔の出現が予想されているのだ
それなのに減る、というのはちょっと……
「それは大丈夫だと思うな、【デモニカ講習】や【覚醒修行】受ける人は増えてるみたいだし
さっき言ったように引退って言っても復帰する人もいると思う
むしろ全体では微増ってところだと思うよ」
なら何とかなるか……
軽く、のつもりが思ったより軽くなかった話を置いて本題に入る
そして自分の体験談、島に【トラポート】で飛んでから決着まで見届けるまでの事
神様って凄いなぁって思ったことなどを話したら
「良い事聞けたわありがと、やっぱ現場に出た人の話は違うね、
それにしてもうーん……」
焼き魚を一口齧り
「源氏くんはおっとりしてるねー」
と、日本酒をちびちび飲みながら言われてしまった
なにゆえ
「どう見てもその【スサノオ】、【外様】に対して牽制してるじゃないの」
??
「無理やりな屁理屈付けてでも源氏くんのシキガミに加護を与えてさ
それが仕事前で、【外様】の目に触れさせる前とか露骨でしょ」
いやいや、神様って意外と気遣い出来るんだねーと言って唐揚げを頬張っている
よくわからないから詳しく聞いてみた
それによると、【クシナダヒメ】様の氏子である俺を
【外様】に取られないようにするために態々<ライコー>に加護を与えたという
【外様】の神々(悪魔)が【俺たち】を取り込む常套手段が自分の氏子と結婚させて、氏子にするやり方らしい
それを避けるために、【夫婦円満の神】でもある【クシナダヒメ】様の氏子である俺と
そのシキガミを【クシナダヒメ】様と自分に見立てさせ、その関係を前提にした加護を与えた
【外様】がどうにかして俺に氏子の女性を娶らせたら、二人の関係が引き裂かれたと勝手に判断
「妻のメンツに傷つけやがって!」や「俺への呪術的意図でもあるのか!」と喧嘩を売る口実にする為に
そしてそういう姿勢をあえて晒す事での牽制という
つまりあの加護は実質【スサノオ】様が認めた関係、という認定書みたいなものだという
聖女ちゃんはそれもこれも【クシナダヒメ】の為!愛よねーと結論付けてる
うーん……
「ちょっとそれはないと思うなぁ」
「なんでよ、【リカーム】持ちで回復役で、MAG豊富な源氏くんって
【外様】からは随分美味しそうに見えると思うけどー?」
そんなもんかな
「それとあれねー、【ガイア連合】も力技じゃなくて政治するようになったのね」
そんな要素あったっけ?
「【スサノオ】が国津神を後詰とか見せ札とか言ってたんでしょ?」
頷く
「これは最後の締めの【アマテラス】の攻撃をした上での
控えている国津神で「まだ余力残ってます」って【外様】へのアピールじゃないかなーって」
うーん
「でも天津神と国津神って仲が悪いって聞いた覚えがあるんですけど……」
戦力が残っているというより使えなかったと解釈されるのでは?
そう解釈されると付け入る隙に見られて良くない気が
「仮にそうだとしても今度は見せつけた【アマテラス】の力でも
完全に従えさせれない強い国津神勢力がいるって事になるじゃない
これはこれでポイント高いわよ」
なるほど
「そして【ガイア連合】は【天津神】【国津神】【外様】を動員した上で
最後はきっちり【天津神】の親玉【アマテラス】に花を持たせたってわけ
【アマテラス】の下に日本中の神々(悪魔)を従えさせ、
その上で【外様】に力を見せつける演出!」
これが政治じゃなくて何なのさとビールをがーっと飲む聖女ちゃん
「まあ違うかも知れないけどさー」
何せ悪魔の世界の話だからねーとケラケラ笑う
でも言われてみるとそんな気がしてくる
だとすると一先ず、日本国内は纏まっていると思って良いのかな
大雑把に力関係を見せつけて、こちらの最高神を立てた形になったわけだし
【ガイア連合】や日本の神々、【外様】が主導権争いして内乱、とか起こったら嫌だもんなぁ
そんな事やってたら絶対負けるし
その後はぐだぐだと酒を飲んだ
翌日、聖女ちゃんから電話があった
「私の固定PTがなんか揉めてるからしばらくは臨時で組めるよ、組む?」
組む