普通少女のヴィランアカデミア   作:火ノ鷹

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一話の後書きを一読しておくと分かりやすいかも



あーあ、出会っちまったか……


USJ襲撃 中

「待ったよヒーロー、社会のゴミめ」

 

ズガガガン!という音と共にチンピラ達が前のめりに突っ伏す。オールマイトが一瞬で移動しチンピラに一撃ずつ見舞った音だ。

 

光速反射と思考速度加速で見えていたが、流石No.1ヒーローだ。一撃一撃にちゃんと技術が培われている。力を集中させたり、急所へと的確に打ち抜いたりと基本中の基本から移動時に衝撃波が出ていなかったりと高度なレベルまで多彩だ。

 

「相澤くん、すまない」

 

ほぼ一瞬でイレイザーヘッドの元まで辿り着いたオールマイト。意識のないイレイザーヘッドを肩に担ぎこちらへと身体を向ける。

 

「っ!」

 

一瞬の眼力、それだけでこちらに一瞬で移動してくるのは予想がついた。

 

幸い弔とは少し距離をとっており、こちらにオールマイトが来ることは無かった。だが弔に襲われている生徒は一瞬で救出され、その上で弔に一撃を加えて離脱していた。

 

「皆入口へ。相澤くんを頼んだ、意識が無い。早く!」

「え!?あれ!?速ぇ…!」

 

一撃を加えられた弔だが、ギリギリで防御が間に合っていたようだ。弔の身に着けている手の一つも落とさずに対処出来ていた。

 

あれは私のおかげでもありそうだ。弔との体術訓練は途中からだが、私が指を向けたら光速で飛んでくるという反射訓練のような鍛錬にもなっていたのだ。オールマイトを視認できていれば何とか反応できる成長はしていた。

 

「流石に速いや、目でほぼ追えない……でも思ったほどじゃない。やはり本当だった……?」

 

ヒーローの卵の生徒ですら目で認識すら出来なかったのが、弔はギリギリ追えていた。嫌々だったが弔も心の中で成生との訓練のおかげだと認めていた。

 

そして弔の目に追えている事実は聞いていた話と合致していた。

 

「弱ってるって話…………」

 

弔の眼力にビクリと縮れ毛の少年が怯える。オールマイトが横に居ても怖いものは怖いのだ。

 

「オールマイトダメです!あの脳ミソヴィラン!僕の腕が折れない力でビクともしなかった!!」

「緑谷少年」

 

緑谷、ようやく縮れ毛の少年の名前が分かった。オールマイトはヒーローとしてはNo.1だが先生としてはまだまだ新米らしい。咄嗟に名前が出てしまうのはいいが、戦う時の癖でこちらにも聞こえてしまっている。

 

「大丈夫!」

 

緑谷少年に自らの目を挟むようにピースして笑い、オールマイトは弔へと走り出す。

 

CAROLINA SMASH(カロライナ スマッシュ)!!!」

「脳無」

 

オールマイトの全力を喰らえば弔と言えど意識が飛ぶ。分かっているから脳無を盾として前に出した。

 

「マジで全っ然……効いてないな!!!」

 

クロスチョップを平然と受け、更に追撃を受けても脳無はビクともしない。そういう風に作られているのだ、当然のことだった。

 

「効いてないのはショック吸収だからさ。脳無にダメージを与えたいなら……肉をゆぅっくりとえぐりとるとか有効だね、やらせるかは別として」

 

……弔は子どもっぽいなぁと思うことがよくあるけど、こんなタイミングで出なくてもいいのに。弱点なんて教えなくてもヒーローは勝手に暴くんだから。

 

「わざわざサンキュー!そういうことなら!やりやすい!!」

 

バックドロップ。たったそれだけの技だがオールマイトの力で起こせば地面に埋まるのは必然だ。

 

必然……なんだけど、いざ目の前で見ると「いやそれはおかしくねぇ?」感がある。むしろ威力が強過ぎてクレーター出来る方が正しいんだけど、これもプロの技術というやつだろうか?

 

まぁ、埋まるとしても落とす先が地面ならの話だ。

 

「っ~~~~!!!そういう感じか……!!!」

「コンクリに深く突き立てて動きを封じる気だったか?それじゃ封じれないぜ?黒霧、期せずしてチャンス到来だ」

 

突き刺した先はワープゲート。黒霧が戻ってきていたのにどこ行ったのやらと思ってたらちゃんと共闘態勢でいたらしい。

 

「あイタ!!」

「目にも止まらぬ速度のあなたを拘束するのが脳無の役目。そして──貴方の身体が半端に留まった状態でゲートを閉じ引き千切るのが私の役目」

 

流石にオールマイトを殺す算段を少しは考えて来ていたみたいだ。

 

私は勝手に黒霧と脳無で動き留めて弔が崩壊させるのかなぁ?と思ってたけど、弔は意外と安全志向な考え方をしてた。オールマイトの反撃考えたらそっちのがいいかとは思うけど。

 

「蛙っ…!っゆちゃん!相澤先生担ぐの代わって!」

「うん。けど何で」

「ん?」

 

耳に入ったのはさっきオールマイトが助けた生徒たちの声。増強系の個性はまだそんなに持っていないけれど、音を注意深く拾う技術は私も磨いてきているのだ。……まだまだ発展途上だけど。

 

「オールマイトォ!!!」

 

成生がチラリと生徒の方を見た瞬間、緑谷がオールマイトへと駆け出して来ていた。

 

流石オールマイトが見込んだヒーローの卵。ピンチには勝手に身体が動くってやつだな。

 

成生がそう感心した瞬間、別の側面から黒霧へと一人の少年が──爆発を起こす両手で、一瞬で黒霧を地面へと伏せさせるようにとびかかってきていた。

 

「どっけ邪魔だ!!!デク!!!」

 

「……むかつくやつ来たなぁ」

 

淡々としていた成生の顔が苛立ちに染まる。

 

個性以外の思想も「普通」からかけ離れた優秀。最も「普通」だった者から見れば、最もかけ離れている思想が故、成生が生理的なレベルで嫌悪する人が現れた。




爆豪が現れた!

オールフォーワンの指示:成生ちゃんは我慢している!


成生「まだ話しても無いし登場しただけだから……渋々だけど我慢します。無駄な示威行為はしたくないし」



次回、「爆豪、■■■■■■■■」。無事生き残ることができるのか!?

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